| 【発明の名称】 |
スプリット式スターリング冷凍機およびスプリット式スターリング冷凍機の設計方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】生田 義貴
【氏名】金尾 憲一
【氏名】内田 年雄
【氏名】田口 芳人
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| 【要約】 |
【課題】駆動周波数と圧縮ピストンの固有周波数の差異が小さなスプリット式スターリング冷凍機を容易に設計できるスプリット式スターリング冷凍機の設計方法を提供する。
【解決手段】スプリット式スターリング冷凍機を、圧縮ピストン23の重量とピストン制御スプリング24のバネ定数とで定まる固有振動数であるガス未封入時固有振動数(Hz)、圧縮機11の駆動周波数(Hz)、圧縮機11(スプリット式スターリング冷凍機)に封入される冷媒ガスの圧力である封入ガス圧力(kgf/cm2)、及びその値が1.4〜1.8(Hz/(kgf/cm2))である圧力係数の間に、ガス未封入時固有振動数=駆動周波数−圧力係数×封入ガス圧力という関係が成立するように、設計する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機とコールドヘッドとがキャピラリチューブで接続されたスプリット式スターリング冷凍機の設計方法において、前記圧縮機が備える圧縮ピストンの重量とその圧縮ピストンに取り付けられる機械バネのバネ定数とで定まるガス未封入時における前記圧縮ピストンの固有振動数であるガス未封入時固有振動数(Hz)、前記圧縮機の駆動周波数(Hz)、前記圧縮機に封入される冷媒ガスの圧力である封入ガス圧力(kgf/cm2)、及びその値が1.4〜1.8(Hz/(kgf/cm2))である圧力係数の間に、ガス未封入時固有振動数=駆動周波数−圧力係数×封入ガス圧力という関係が成立するように、前記機械バネのバネ定数を設計することを特徴とするスプリット式スターリング冷凍機の設計方法。 【請求項2】 前記圧力係数が、およそ1.6であることを特徴とする請求項1記載のスプリット式スターリング冷凍機の設計方法。 【請求項3】 圧縮機とコールドヘッドとがキャピラリチューブで接続されたスプリット式スターリング冷凍機において、前記圧縮機が備える圧縮ピストンの重量とその圧縮ピストンに取り付けられる機械バネのバネ定数とで定まるガス未封入時における前記圧縮ピストンの固有振動数であるガス未封入時固有振動数(Hz)、前記圧縮機の駆動周波数(Hz)、前記圧縮機に封入される冷媒ガスの圧力である封入ガス圧力(kgf/cm2)、及びその値が1.4〜1.8(Hz/(kgf/cm2))である圧力係数の間に、ガス未封入時固有振動数=駆動周波数−圧力係数×封入ガス圧力という関係が成立することを特徴とするスプリット式スターリング冷凍機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機とコールドヘッドとがキャピラリチューブで接続された構成の、スターリングサイクルを利用した冷凍機であるスプリット式スターリング冷凍機と、その設計方法に関する。 【0002】 【従来の技術】冷凍機の一種として、スターリングサイクル(逆スターリングサイクル、カークサイクルとも称される)を利用したスターリング冷凍機と呼ばれる冷凍機が知られている。スターリング冷凍機は、圧縮機とコールドヘッドとがクランク機構で連結されたものと、連結されていないものに大別され、冷却すべき対象物が振動を嫌うものであった場合等には、後者の形態のスターリング冷凍機(スプリット式スターリング冷凍機と呼ばれている)が用いられている。また、圧縮機としては、回転モータを用いたものと、リニアモータを用いたものとが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】周知のように、リニアモータを用いた圧縮機内には、圧縮ピストンを中立点に保つための機械バネ(コイルバネ、板バネ)が設けられる。また、冷媒ガスが封入された状態おける圧縮ピストンの固有振動数は、駆動周波数に近い値とすることが望ましい。従って、機械バネのバネ定数を駆動周波数等から決定できれば良いのであるが、冷媒ガスもバネとして機能するため、従来、スプリット式スターリング冷凍機を設計する際には、駆動周波数等から機械バネのバネ定数を算出、決定することは行われておらず、試行錯誤的に、使用する機械バネのバネ定数を定めていた。 【0004】このため、従来のスプリット式スターリング冷凍機の設計、製造時には、適当な機械バネ(バネ定数)を見い出すために多大な労力が必要であった。また、そのようにして定めた機械バネのバネ定数が不適当であるが故に、駆動周波数と圧縮ピストンの固有周波数の差異が大きくなり、その結果として、性能が劣るスプリット式スターリング冷凍機が製造されることもあった。 【0005】そこで、本発明の課題は、駆動周波数と圧縮ピストンの固有周波数の差異が小さなスプリット式スターリング冷凍機を容易に設計できるスプリット式スターリング冷凍機の設計方法を提供することにある。 【0006】また、本発明の他の課題は、駆動周波数と圧縮ピストンの固有周波数の差異がその性能に悪影響を与えていないスプリット式スターリング冷凍機を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明者らは、圧縮機とコールドヘッドとがキャピラリチューブで接続されたスプリット式スターリング冷凍機を設計するに際して、圧縮機に含まれる圧縮ピストンの重量とその圧縮ピストンに取り付けられる機械バネのバネ定数とで定まるガス未封入時における圧縮ピストンの固有振動数であるガス未封入時固有振動数(Hz)、前記圧縮機の運転周波数(Hz)、前記圧縮機に封入される冷媒ガスの圧力である封入ガス圧力(kgf/cm2)、及びその値が1.4〜1.8(Hz/(kgf/cm2))である圧力係数の間に、ガス未封入時固有振動数=駆動周波数−圧力係数×封入ガス圧力という関係が成立するようにすれば良いことを見出した。 【0008】また、圧力係数をおよそ1.6とすれば、駆動周波数と圧縮ピストンの固有周波数の差異が特に小さな(ガス封入時の圧縮ピストンの固有周波数が、駆動周波数との関係において適切な値となっている)スプリット式スターリンを製造することができることを見出した。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。まず、図1を用いて、本発明の一実施形態にかかるスプリット式スターリング冷凍機の構成、動作の概要を説明する。 【0010】図示したように、実施形態のスプリット式スターリング冷凍機は、圧縮機11とコールドヘッド(膨張器)12とそれらを繋ぐキャピラリチューブ13とを備える。 【0011】圧縮機11は、ヨーク21と保圧容器22と圧縮ピストン23とピストン制御スプリング24とを含む。ヨーク21は、図示してあるように、圧縮ピストン23のシリンダとして機能するような構造を有しており、圧縮ピストン23に対して固定された可動コイル25が挿入される環状の溝と、当該溝の外側内壁をなすように埋め込まれた永久磁石26とを備えている。 【0012】保圧容器22は、ヨーク21に固定されており、圧縮ピストン23が収容される空間であって、ヘリウムなどの不活性ガスが充填される空間である保圧空間を形成している。また、図示は省略してあるが、保圧容器22には、気密電源端子が設けられており、当該機密電源端子を介して、可動コイル25は、外部電源と接続される。機械バネであるピストン制御スプリング24は、圧縮ピストン23と保圧容器22とを連結するように(圧縮ピストン23を中立点に保てるように)、圧縮ピストン23と保圧容器22との間に設けられている。 【0013】コールドヘッド12は、その内部空間がシリンダとして機能するハウジング部31と、熱交換のための蓄冷材(金網など)を収納したディスプレーサであるディスプレーサ蓄冷器32と、ディスプレーサ蓄冷器32を中立点に保つためのディスプレーサ制御スプリング33を備える。 【0014】そして、このスプリット式スターリング冷凍機は、気密電源端子を介して可動コイル25へ交番電流を供給することによって、圧縮ピストン23が往復動(図において左右方向の動き)をするように制御される。その結果として、圧縮空間28と膨張空間34と無効空間とからなるシステム空間内で、等温圧縮、等容移送,等温膨張、等容移送といった4行程からなるサイクルが繰り返され、コールドヘッド12に取り付けられた、例えば、赤外線検出素子などの熱負荷の冷却が行われる。 【0015】このように、実施形態のスプリット式スターリング冷凍機の基本的な構造、動作は、従来の、リニアモータを利用した圧縮機を搭載したスプリット式スターリング冷凍機のそれらと同じものとなっている。 【0016】ただし、実施形態のスプリット式スターリング冷凍機は、圧縮ピストン23の重量とピストン制御スプリング24のバネ定数とから求められる固有振動数(すなわち、ガス未封入時における圧縮ピストンの固有振動数)であるガス未封入時固有振動数(Hz)、圧縮機11の駆動周波数(Hz)、圧縮機11に封入される冷媒ガスの圧力である封入ガス圧力(kgf/cm2)、及び、その値が1.4〜1.8(Hz/(kgf/cm2))である圧力係数の間に、ガス未封入時固有振動数=駆動周波数−圧力係数×封入ガス圧力という関係が成立するように、設計、製造される。 【0017】すなわち、封入ガス圧力は、スプリット式スターリング冷凍機に要求されている冷却能力によって定まり、駆動周波数は、使用したい電源の周波数(通常、50か60Hz)によって定まる。また、圧縮ピストン23の重量、ピストン制御スプリング24のバネ定数を、それぞれ、m、kとすれば、ガス未封入時固有振動数は、(sqr(k/m))/2πで表せる。そして、圧縮ピストンの形状、材料が定まれば重量mが定まるので、圧力係数を上記範囲内の特定の値に固定することによって上記式から得られたガス未封入時固有振動数から、バネ定数kを算出できることになる。 【0018】実施形態のスプリット式スターリング冷凍機は、このようにして算出されたバネ定数を持つ機械バネを、ピストン制御スプリング24として用いることによって製造される。 【0019】以下、実験結果を用いて、上記設計により優れた特性を有するスプリット式スターリング冷凍機が製造できることを説明する。 【0020】図2に、ガス未封入時固有振動数を変えた4種のスプリット式スターリング冷凍機に異なる圧力の冷媒ガスを封入して、その固有振動数を測定した結果を示す。図から明らかなように、4種のスプリット式スターリング冷凍機のそれぞれの固有振動数と、封入ガス圧力との間には、一次の相関関係が存在している。また、固有振動数の封入ガス圧力に対する一次回帰式の係数(直線の傾き)は、固有振動数によらずほぼ一定の値(およそ1.6)となっている。 【0021】すなわち、この図から、スプリット式スターリング冷凍機において、ガス封入時固有振動数と封入ガス圧力とガス未封入時固有振動数との間の次式が成立していることがわかる。ガス封入時固有振動数=1.6×封入ガス圧力+ガス未封入時固有振動数【0022】そして、ガス封入時固有振動数は、駆動周波数に0〜5Hzを足した値としておくことが望ましいことが経験的に知られている(換言すれば、上記式の左辺の値と右辺の値とを完全に一致させる必要はない)ので、結局、封入ガス圧力の係数である圧力係数を、1.4〜1.8として、次式が満たされるように、スプリット式スターリング冷凍機を設計すれば良いことになる。ガス未封入時固有振動数=駆動周波数−圧力係数×封入ガス圧力【0023】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明のスプリット式スターリング冷凍機の設計方法によれば、駆動周波数と圧縮ピストンの固有周波数の差異が小さな(ガス封入時の圧縮ピストンの固有周波数が、駆動周波数に対して適切な値となっている)スプリット式スターリング冷凍機を容易に設計することができる。このため、本設計方法を用いれば、高性能なスプリット式スターリング冷凍機の開発を簡単に行うことができる。また、設計方法を用いて設計、製造されたスプリット式スターリング冷凍機は、高性能なもの、すなわち、消費電力がより少ない、あるいは、冷却能力がより高いものとなるので、例えば、赤外線検出素子などの熱負荷の経済的な冷却が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002107 【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月12日(1998.10.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098235 【弁理士】 【氏名又は名称】金井 英幸
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| 【公開番号】 |
特開2000−121190(P2000−121190A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−289225 |
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