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【発明の名称】 空気冷媒冷凍装置
【発明者】 【氏名】布施 武

【氏名】二階 勲

【氏名】宇田 素久

【要約】 【課題】庫内に新鮮な空気を供給しかつ冷凍効率の低下を防止する。

【解決手段】外気を、エアフィルタ5と全熱交換器4とを介してブースタ3により吸気し、ブースタ3から第1空気冷却器6を介してコンプレッサ7に送り、そのコンプレッサ7に連結されたタービン8に、第2空気冷却器9と熱回収熱交換器10とを介して送り、タービン8で膨張させて冷凍温度にし、さらに除雪器11を介して冷凍倉庫1内に供給する。冷凍倉庫1内の空気を、熱回収熱交換器10の冷熱源として使用された後、全熱交換器4を介して外気に排出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮された空気を冷却する冷却器と、前記冷却機により冷却された空気を膨張させて冷凍温度にするための膨張機とを用いて、前記冷凍温度にされた空気を庫内に放出するようにした空気冷媒冷凍装置において、前記圧縮機に外気を供給すると共に前記庫内から回収される戻り空気を外気に排出するべく、前記圧縮された空気と前記庫内から回収される戻り空気との間で熱交換するための第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器を経て外気に排出される前の空気と前記圧縮機に供給される外気との間で熱交換するための第2の熱交換器とを設けたことを特徴とする空気冷媒冷凍装置。
【請求項2】 前記第2の熱交換器が、熱及び湿分を交換する全熱交換器であることを特徴とする請求項1に記載の空気冷媒冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、庫内を冷却するための空気を冷媒として用いた空気冷媒冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空気を冷媒として冷凍温度まで冷却した空気を庫内に供給するようにした空気冷媒冷凍装置においては、系内の湿分を増加させないようにする必要から、圧縮かつ冷却された空気を膨張させて冷凍温度にするための膨張機と庫内との間に除雪機を設けて、空気中の湿分を雪の形に結晶させて除去するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の空気冷媒冷凍装置にあっては、庫内の低温の空気を回収して、冷媒としての空気を冷凍装置と庫内との間を循環させる閉回路構造であるため、庫内に収納されている品物から発生する臭いやガスが排出されず、新鮮な空気を取り入れる換気装置が必要であった。
【0004】しかしながら、冷媒空気を循環させる閉回路構造において、外気を直接取り入れると、外気に含まれている湿分が系内に入り、膨張機での断熱膨張時に湿分が凝縮して大量の雪が発生するという問題があった。また、雪の発生時には大量の凝縮エネルギが放出されるため、断熱圧縮時に期待できる温度降下が小さくなって冷凍効率が低下してしまうばかりでなく、発生した雪の処理が煩雑化するなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決して、庫内に新鮮な空気を供給しかつ冷凍効率の低下を防止し得ることを実現するために、本発明に於いては、空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮された空気を冷却する冷却器と、前記冷却機により冷却された空気を膨張させて冷凍温度にするための膨張機とを用いて、前記冷凍温度にされた空気を庫内に放出するようにした空気冷媒冷凍装置において、前記圧縮機に外気を供給すると共に前記庫内から回収される戻り空気を外気に排出するべく、前記圧縮された空気と前記庫内から回収される戻り空気との間で熱交換するための第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器を経て外気に排出される前の空気と前記圧縮機に供給される外気との間で熱交換するための第2の熱交換器とを設けたものとした。特に、前記第2の熱交換器が、熱及び湿分を交換する全熱交換器であると良い。
【0006】このようにすることにより、外気を第2の熱交換器を介して圧縮かつ冷却及び膨張サイクルに送るため、庫内に供給する空気は常に新鮮な状態で供給されると共に、外気が第1及び第2の熱交換器で庫内からの冷気により冷却されることにより、外気を導入しても、冷却効率が損なわれることがない。特に、第2の熱交換器を全熱交換器とすることにより、外気が第2の熱交換器で庫内からの空気の熱及び湿分と交換されるため、庫内の湿分とほぼ同程度の湿分の冷媒空気を冷凍装置の系内に供給することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0008】図1は、本発明が適用された空気冷媒冷凍装置を示す系統図である。本装置は、例えば倉庫1内を冷凍状態にするのに適し、図1に示されるように、本装置の動力源であるモータ2に圧縮機としてのブースタ3が結合され、ブースタ3の吸気側には全熱交換器4とエアフィルタ5とが設けられており、外気がエアフィルタ5と全熱交換器4とをこの順に介してブースタ3に送られるようになっている。
【0009】ブースタ3の送気側には第1空気冷却器6が設けられ、第1空気冷却器6の送気側にはコンプレッサ7が設けられている。そのコンプレッサ7には膨張機としてのタービン8が連結されている。コンプレッサ7から吐出される空気は、第2空気冷却器9と熱回収熱交換器10とをこの順に介してタービン8に送られ、タービン8の送気側に設けられた除雪器11を介して冷凍倉庫1内に供給される。冷凍倉庫1内の空気は、上記熱回収熱交換器10の冷熱源として使用された後、上記全熱交換器4を介して外気に排出される。
【0010】また、第1及び第2空気冷却器7・9は水冷式であって良く、外部放熱器12で冷却された冷却水がポンプ13を介して第1及び第2空気冷却器7・9にそれぞれ送水されかつ外部放熱器12に戻されるようになっている。
【0011】このようにして構成された空気冷媒冷凍装置の作動要領について以下に示す。エアフィルタ5及び全熱交換器4を介してブースタ3に吸気された外気は、ブースタ3とコンプレッサ7とにより約1.8気圧まで圧縮される。この圧縮により昇温した空気を外気温程度まで冷却するべく第1及び第2空気冷却器7・9が設けられている。その1.8気圧程度まで圧縮されかつ外気温程度まで冷却された空気を、熱回収熱交換器10にて倉庫1内から回収された冷温の空気との間で熱交換を行って、倉庫1内温度近くまで冷却する。
【0012】倉庫1内温度まで冷却された圧縮空気をタービン8により大気圧近くまで断熱膨張して、約−50度の冷凍温度まで冷媒空気の温度を下げる。このタービン8による冷却時には、空気中の過剰な湿分が凍結し、それにより空気中に浮遊する雪になる。その雪を除雪機11で除去して、冷気を倉庫1内に吹き込み、倉庫1内の品物の冷凍化に使用される。
【0013】倉庫1内から回収される空気は−20度程度になっているが、それでも十分な低温であることから、熱回収熱交換器10の冷熱源として使用することができ、上記したように外気温程度の圧縮空気の冷却を行う。その熱回収熱交換器10にて冷熱を失って昇温した空気は、湿分が少ないため、全熱交換器4でブースタ3に送られる外気との間で熱と湿分とを交換されて外気に排出される。
【0014】したがって、ブースタ3により吸引される外気は、エアフィルタ5で埃を除去され、さらに全熱交換器4で湿分を減らされるため、倉庫1内から回収され排出される空気と同程度の温度及び湿度の状態になる。したがって、閉回路と同様に冷却された空気の循環を行うことができる上に、新鮮な空気を倉庫1内に供給することから、倉庫1内に臭いやガスを発生する品物が保管されていても、倉庫1内の空気を常に新鮮な状態に保つことができる。
【0015】なお、全熱交換器4を配置する場所は、排出される空気がほぼ大気圧で常温に近いことから、排出路の熱回収熱交換器10の下流であって、かつブースタ3の吸気側であると良い。
【0016】図2は、本発明が適用された別の実施の形態を示す図1と同様の図である。なお、前記図示例と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0017】この図2の装置にあっては、図1の装置では1.8気圧の空気がタービン8により大気圧まで膨張する時の回収動力によってコンプレッサ7を回転させているのに対して、コンプレッサ7とタービン8とがそれぞれ共通のモータ14に接続され、タービン8の回収動力がモータ14をアシストするようになっている。また、第1空気冷却器7を省略して、空気冷却器15を1台のみを図1の第2空気冷却器9に対応する位置に配設している。このような構成による空気冷媒冷凍装置においても、上記と同様の効果を奏し得る。
【0018】
【発明の効果】このように本発明によれば、外気を取り入れかつ圧縮かつ冷却及び膨張により冷凍温度にして庫内を冷却すると共に庫内の空気を排出するため、庫内に臭いやガスを発生する品物が保管されているような場合であっても、それら臭いやガスを排出して常に新鮮な冷気により庫内を満たすことができ、他の品物へ臭いが移ることを防止できる。また、外気から供給される空気の湿分を全熱交換器により庫内と同程度にすることができ、庫内に対して湿分の多い外気を導入する際の冷凍効率の低下を好適に防止し得る。
【出願人】 【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発条株式会社
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【出願日】 平成10年10月16日(1998.10.16)
【代理人】 【識別番号】100089266
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 陽一
【公開番号】 特開2000−121185(P2000−121185A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−295302