| 【発明の名称】 |
低温槽の監視装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西川 昌作
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| 【要約】 |
【課題】低温槽のさまざまなトラブルによる槽内温度上昇を事前に検出、報知し適切な回復処置を施して凍結保存試料の安全を計る。
【解決手段】冷凍機1の圧縮機2の一定時間連続停止、所定時間以上の運転の繰返し、一定時間連続運転の三条件を電子制御装置28に内蔵させ、圧縮機駆動電力の電路13の電流断続による圧縮機2の運転状態を電子制御装置28に入力して三条件の一つに該当したとき警報手段29,30で報知するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 槽内を冷却する冷凍機の圧縮機に駆動電力を供給する電路を流れる電流の状況によって前記圧縮機の運転状態を検知する手段と、前記運転状態が設定条件に該当するか否かを判定する手段と、前記設定条件の一つに該当するとき警報を発する手段とを具えており、前記設定条件は(1)圧縮機が停止してそのまま一定時間経過する、(2)圧縮機が所定時間以上の運転を短かい停止時間で複数回繰返す、(3)圧縮機が一定時間連続運転する、であることを特徴とする低温槽の監視装置。 【請求項2】 槽内を冷却する冷凍機の圧縮機に駆動電力を供給する電路を流れる電流の状況によって前記圧縮機の運転状態を検知する手段と、前記運転状態が設定条件に該当するか否かを判定する手段と、前記設定条件の一つに該当するとき警報を発する手段とを具えており、前記設定条件は(1)圧縮機が停止してそのまま一定時間経過する、(2)圧縮機が所定時間以上の運転を短かい停止時間で複数回繰返す、(3)圧縮機が一定時間連続運転する、(4)電路の電流値が一定時間正常値を超える、であることを特徴とする低温槽の監視装置。 【請求項3】 請求項1または2に記載した低温槽の監視装置において、前記警報を電気的に受信して記録するコンピュータを具えたことを特徴とする低温槽の監視装置。 【請求項4】 前記圧縮機の運転状態を検知する手段と、前記運転状態が設定条件に該当するか否かを判定する手段とが電子制御装置である請求項1,2または3に記載した低温槽の監視装置。 【請求項5】 前記警報を発する手段が前記運転状態を検知する手段および設定条件に該当するか否かを判定する手段に近接設置されたものと、遠隔設置されたものとの二組とされている請求項1,2または3に記載した低温槽の監視装置。 【請求項6】 前記警報を発する手段が、前記圧縮機の運転・停止に対応して点滅する動作表示灯と、前記設定条件の一つに該当するとき警報音を発する警報音発生器とからなる請求項1,2または3に記載した低温槽の監視装置。 【請求項7】 前記警報を発する手段が、前記圧縮機の運転・停止に対応して点滅する動作表示灯と、前記設定条件の一つに該当するとき警報音を発する警報音発生器と、電話回線に接続されてディスプレイポケットベルおよび電話機に前記警報を送信する警報信号発信器とからなる請求項1,2または3に記載した低温槽の監視装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は医療、理化学における試料を凍結保存する低温槽の冷凍機の異常を検知して報知する監視装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】医療、理化学における細胞、菌類、組織、標本などの試料を保存するにあたって、−40℃程度の低温或いは−80℃以下の超低温で凍結保存することが多く行なわれている。 【0003】このような低温或いは超低温で試料を長期間に亘って保存する場合、試料を変質させることなく安定した状態に維持するためには、槽内温度を所定の設定温度範囲に維持することが必要であり、冷凍機が停電や故障によって停止したり正常に動作しなくなったりして槽内温度が設定温度の許容範囲を越えたとき警報を発する安全対策手段を具えるのが普通である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記の槽内温度を検知して警報を発するという安全対策手段によると、許容範囲を大きく設定すると警報を受けてから対処まで長い時間を要することがあると、温度上昇による試料変質の心配がある。反対に許容範囲を小さく設定すると、試料の出し入れに伴う槽内温度の変化によっても警報を発するなど、停電や故障によらない一時的な温度変化にも反応するという心配がある。 【0005】従って、温度上昇に伴う試料変質の心配なく対処させることができ且つ一時的な温度変化に反応することがない許容範囲とすることはきわめて困難である。また、冷凍機が停電や故障により停止したことは槽内温度の上昇によって知ることができるが、それ以外のいずれは槽内温度の上昇につながるトラブルについては知ることができない。 【0006】本発明は低温槽の槽内温度が設定温度から許容範囲を越えて変化したときに、はじめてこのことを知るという前記従来のものがもっている、対処の遅れによる試料変質の心配がある、停電や故障によらない一時的な温度変化に対しても警報を発する心配がある、という問題およびこれらに加えて、現在は槽内温度を許容範囲以上に変化させないがいずれはその原因となるトラブルについて知ることができない、という不便を解消するためになされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は槽内を冷却する冷凍機の圧縮機の運転状態を検知することによって、槽内温度が許容範囲を越えて上昇する前に警報を発し余裕をもってさまざまな原因に対処することを可能としたものであって、圧縮機に駆動電力を供給する電路を流れる電流の状況によって圧縮機の運転状態を検知する手段と、運転状態が設定条件に該当するか否かを判定する手段と、設定条件の一つに該当するとき警報を発する手段とを具えさせた。 【0008】そして、本発明においては設定条件を圧縮機が停止してそのまま一定時間経過したとき、圧縮機が所定時間以上の運転を短かい停止時間で複数回繰返したとき、圧縮機が一定時間連続運転したとき、の三つとした。 【0009】槽内温度を設定すると、その設定温度が維持されるように冷凍機が作動し圧縮機はほぼ規則的に運転と停止を繰返す。停電、断線、故障などのトラブルを生じたときは圧縮機が長い時間停止したままとなり槽内温度を上昇させるので、停止したまま一定時間経過することを警報を発する条件の一つとした。この時間は具体的には45分間から1時間とするのが好適であり、この時間経過で警報を発することにより設定温度の許容範囲を越えて槽内温度が上昇する前に補助電源や補助冷却装置に切換え、試料を変質させる心配なく送電回復を待ったり断線、故障の修理を行なうことができる。 【0010】次に、圧縮機の経年劣化、冷媒の漏れによる減少、フィルタの目づまりなどによって冷凍機自身の性能が低下する、槽扉の開閉頻度が多い、不完全閉扉のまま放置する、周囲温度が上昇するなどのトラブルを生じたときは、槽内を設定温度に維持するため圧縮機は短かい停止時間で長い時間の運転を繰返すようになる。 【0011】これをそのまま放置すると冷凍機の機能停止、槽内温度の上昇につながるので、圧縮機が所定時間以上の運転を短かい停止時間で繰返すことを警報を発するもう一つの条件とした。警報を発するための時間および繰返し回数は具体的には2時間以上の連続運転または3時間以上の連続運転を3回繰返したときとするのが好適であり、この条件に該当するに至ったとき警報を発することにより冷凍機の修理、保全を講じて機能を回復させる、槽扉の開閉制限および完全閉扉、設置場所の空調設備の調整を行なって試料を変質させる心配なく正常な状態に戻すことができる。 【0012】更に、冷媒の漏れによる冷凍機の大幅な性能低下、制御部品の故障などのトラブルを生じたときは、槽内を設定温度に維持するため或いは制御不能の暴走により圧縮機は停止することなく連続運転を行なうことがある。 【0013】これをそのまま放置すると冷凍機の機能停止、槽内温度の上昇につながるので、圧縮機が一定時間以上連続運転することを警報を発する更にもう一つの条件とした。警報を発する連続運転時間は具体的には10時間程度とするのが好適であり、この条件に該当するに至ったとき冷凍機の修理、制御部品の交換などを行なって試料を変質させる心配なく正常な状態に戻すことができる。 【0014】また、本発明は警報を発する設定条件として、電流の断続状況に基いて判断させる前記三つの設定条件に、電路の電流値が一定時間正常値を超えたとき、を加えた四つとした。 【0015】圧縮機駆動用の電動機が正常に運転されているとき、電路を流れる電流は一定値を維持しているが、劣化したときや電源電圧が降下したときは正常値よりも高い電流が流れ、この状態が長時間継続すると電動機が焼付くことがある。そこで、電流値が一定時間正常値を超えることを警報を発する条件の一つとした。この時間は具体的には正常値よりも高いが安全であると考えられる値に設定した規定値を超えたときから5分間程度とするのが好適であり、この時間経過で警報を発することにより、始動電流による誤報の心配なく電動機の修理または交換、或いは電気負荷機器の運転制限または停止などを講じ、電動機の焼付き停止による槽内温度の上昇を前記第一の設定条件によるよりも早く防止することができる。 【0016】加えて、本発明は警報を電気的に受信して記録するコンピュータを具えさせた。このコンピュータは低温槽の警報発生毎にその日時、トラブルの内容を記録するものであり、経歴をディスプレイに表示し或いは紙に印刷することにより、定期点検や寿命判断などの資料に役立たせることができる。 【0017】従って、本発明によるとさまざまな原因による温度上昇を事前に察知することができ、試料を変質させるよりも早く回復処置を施して槽内温度を所定の設定温度範囲に維持し、試料を安定した状態で長期間保存するという目的を達成することができるものである。 【0018】 【発明の実施の形態】二元冷凍機を用いた低温槽の異常検知に本発明を実施した形態について図面を参照して説明する。多元冷凍機は超低温用の冷凍システムとして広く知られており、図示の二元冷凍機においては低温側冷凍機1の凝縮器3が高温側冷凍機7の蒸発器12により冷却されること、低温側冷凍機1の圧縮機2,凝縮器3,受液器4,膨張弁5,蒸発器6からなるサイクルには比較的高圧の冷媒を使用し、高温側冷凍機7の圧縮機8,凝縮器9,受液器10,膨張弁11,蒸発器12からなるサイクルには比較的低圧の冷媒を使用することも普通に知られている。 【0019】前記二つの冷凍機1,7の圧縮機2,8を駆動する電動機に駆動電力を供給する電路13,16は交流電源回路19に並列に接続され、それぞれに始動リレー14,17,過負荷リレー15,18が設けられている。 【0020】このような二元冷凍機において、低温側冷凍機1は高温側冷凍機7が正常に作動しているときのみ所定の冷却能力を発揮するので、低温側冷凍機1の圧縮機2の運転状態を監視すれば二つの冷凍機1,7のいずれのトラブルも検知することができる。そこで、図示の形態においては本発明の監視装置21を低温側冷凍機1の電路13の電動機両側部分と電源電路22および印加電圧電路23によってそれぞれ接続した。 【0021】電源電路22は変圧・整流回路24,直流安定化電源25を経て電源表示灯26および電子制御装置28に接続されており、印加電圧電路23は整流回路27を経て電子制御装置28に接続されている。電子制御装置28には動作表示灯29,警報音発生器(ブザー)30,警報信号発信器31,リセットボタン32が接続されている。 【0022】電子制御装置28はCPU,RAM,ROMおよび入出力回路を含む広く知られたマイクロコンピュータであり、本発明における三つ或いは四つの設定条件およびその判定機能を内蔵している。従って、この電子制御装置28は本発明における圧縮機2の運転状態を検知する手段と、この運転状態が設定条件に該当するか否かを判定する手段とを兼備している。また、動作表示灯29、警報音発生器30およびこれらに加えて警報信号発信器31は本発明における警報を発する手段を構成している。 【0023】低温側の圧縮機2は停電、故障や電路13の断線によって停止し、また高温側の圧縮機8が同様の原因で停止すると過負荷リレー15が作動して停止する。このトラブルは圧縮機が停止してそのまま一定時間経過する、という第一の設定条件に該当することとなり、動作表示灯29が消灯するとともに警報発生器30が警報音を発する。 【0024】次に、各冷凍機1,7の性能低下、槽扉の開閉状況、周囲温度などが原因で槽内温度が上昇しようとすると、運転・停止を繰返す低温側の圧縮機2の一回当りの運転時間は長く停止時間は短かくなって庫内を設定温度に維持しようとする。このとき、圧縮機が所定時間以上の運転を短かい停止時間で複数回繰返す、という第二の設定条件に該当するに至ると、動作表示灯29が点滅するとともに警報音発生器30が警報音を発する。 【0025】更に、二つの冷凍機1,7のいずれかまたは両方の性能が大幅に低下したとき、これらの制御部品が故障したときなどは、低温側の圧縮機2が庫内温度維持のため、或いは制御不能の暴走により停止することなく連続運転を行なう。このトラブルは圧縮機が一定時間連続運転する、という第三の設定条件に該当することとなり、動作表示灯29が点灯したまま警報音発生器30が警報音を発する。 【0026】前記三つの設定条件はいずれも電動機によらないトラブルを想定したものであるが、電動機や冷凍機回路が劣化したとき、或いは電気負荷機器の多使用による電源電圧降下を生じたときは、電動機に正常値よりも高い電流が流れる。この電流が安全と考えられる規定値を超えて一定時間連続して流れるというトラブルは、電路の電流値が一定時間正常値を超える、という第四の設定条件に該当することとなり、動作表示灯29が点灯したまま警報音発生器30が警報音を発する。 【0027】警報によってトラブルの発生を知ったとき必要な回復処置を施し、これが完了したときリセットボタン32を押して監視を再開するものである。本実施の形態によると、三つの設定条件によって冷凍機2の運転・停止に対応して点滅する動作表示灯29の点滅状態が異なるので、トラブルの原因をかなり限定することができ、適切な回復処置を迅速に施すことが可能となり、試料の安全を計ることが容易である。 【0028】ここで、監視装置21は低温槽に内装または外装することのほかに、電源電路22,印加電圧電路23を延長して一個所に設置し、多数台を集中管理するようにすることもできる。 【0029】しかし、本発明では監視装置21を低温槽に内装または外装して間近かで異常を知ることができるようにすることに加えて、もう一組の動作表示灯36,警報音発生器37からなる外部警報器35を遠隔設置し、或いはディスプレイポケットベルや電話機に送信可能とする警報信号発信器31を具えた。 【0030】外部警報器35は直流安定化回路25および電子制御装置28から延びる延長送信線38によって動作表示灯29,警報音発生器30と同時に警報を発する。また、警報信号発信器31は電話回線40に接続され、電話局41よりディスプレイポケットベル42,電話機43に警報を送って文字や音声によりどの低温槽にどのようなトラブルが発生したかを報知する。 【0031】このような外部警報器35や警報信号発信器31を具えることにより、低温槽の監視体勢を万全なものとし、見落としや聞きもらしによる事故をなくすことができる。 【0032】更に、本発明においては低温槽の警報発生毎にその日時とトラブルの内容を記憶させるコンピュータ45を具え、これを電子制御装置28と外部送信線46によって接続した。コンピュータ45は一般的なパーソナルコンピュータが用いられ、多数台の低温槽と接続してそれらの過去に発生したトラブルを記憶して低温槽毎の経歴をディスプレイに表示し或いは紙に印刷して出力することにより、定期点検や部品或いは全体の交換のための寿命判断を行なう資料として役立たせることができる。 【0033】 【発明の効果】以上のように、本発明によると槽内温度上昇の直接原因となるトラブルはもとより、いずれは槽内温度上昇につながるトラブルも検知し、凍結保存している試料を変質させるに至る温度上昇を事前に察知して適切な回復処置を施させることができ、低温槽の安全管理にすぐれているものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597133248 【氏名又は名称】朝日ライフサイエンス株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098154 【弁理士】 【氏名又は名称】橋本 克彦 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−88408(P2000−88408A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−280536 |
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