| 【発明の名称】 |
熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 晃司
【氏名】増田 哲也
【氏名】沢田 範雄
【氏名】向山 洋
【氏名】上村 一朗
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| 【要約】 |
【課題】フィン間を通過する空気の圧力損失を抑えながらも熱伝達効率の高い熱交換器を提供する。
【解決手段】通過する空気の風上側のフィンをコルゲートフィン1aで構成し、風下側のフィンをスリットフィン1bで構成し、コルゲートフィン1a通過時における空気の圧力損失を低く抑えながらも、スリットフィン1b通過時における高い熱伝達効率により効率よく熱伝達を行なうことができるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の伝熱用のフィンの間を通過する空気に対し熱交換を行なう熱交換器であって、第1の種類のフィンと、該第1の種類のフィンよりも空気の通過下手側に位置する第2の種類のフィンとを含み、前記第2の種類のフィンは、前記第1の種類のフィンに比べて熱伝達効率の高いフィンで構成されていることを特徴とする、熱交換器。 【請求項2】 前記第1の種類のフィンは、コルゲートフィンであり、前記第2の種類のフィンは、スリットフィンである、請求項1に記載の熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、コンプレッサや蒸発器や凝縮器などの冷凍機および空調機に用いられる熱交換器に関し、詳しくは、複数の伝熱用のフィンの間を通過する空気に対し熱交換を行なう熱交換器に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の熱交換器において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、空気入側すなわち風上側のフィンと空気出側すなわち風下側のフィンとの2つのフィンが並べて設けられた熱交換器があった。この従来の熱交換器は、風上側の第1列目のフィンと風下側の第2列目のフィンとが、たとえば両方ともコルゲートフィンあるいは両方ともスリットフィン等のように、同じ種類のフィンで構成されている。 【0003】そして、熱交換器用のフィンの場合、熱伝達効率の高いものでは通過する空気の圧力損失が大きくなる傾向があり、熱伝達効率と圧力損失とは二律背反する性質のものである。その結果、熱伝達効率の高いスリットフィンを2列ともに用いた場合には、全体として熱伝達効率は非常に高くなる反面、通過する空気の圧力損失が大きくなりすぎるという欠点が生ずる。一方、圧力損失の低いたとえばコルゲートフィンを2列ともに用いた場合には、全体として圧力損失はかなり低下する反面熱伝達効率が低くなりすぎるという欠点が生ずる。 【0004】一方、第1列目と第2列目とをともにたとえばプレートフィンで構成し、第1列目のフィンピッチを粗くし、第2列目のフィンピッチを密にした従来技術として、特開平9−96473号公報に記載のものがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このフィンピッチを異ならせた従来の技術は、空気入側(風上側)のフィンに、着霜によるフィン間のブリッジ現象が発生することを抑制するべく、風上側のフィンピッチを大きく取ったものである。 【0006】このように着霜の防止という観点からすれば、風上側のフィンピッチを大きく取るのが効果的であるが、フィンピッチは、そもそもそのフィンの種類に応じて最適な寸法が定まっているものであり、その最適寸法を無視してフィンピッチを粗くしたり逆に密にした場合には、そのフィンの熱交換性能を最大限発揮することができなくなるという新たな欠点が生ずる。 【0007】本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、熱交換器全体としての圧力損失を抑えながらも熱伝達効率を向上させることである。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、第1の種類のフィンと、その第1の種類のフィンよりも空気の通過下手側に位置する第2の種類のフィンとを含み、第2の種類のフィンを、第1の種類のフィンに比べて熱伝達効率の高いフィンで構成したことを特徴とする。 【0009】これにより、第1の種類のフィンは、通過する空気の抵抗の少ないフィンを用いることができ、第1の種類のフィンの通過時における空気の圧力損失を少なく抑える一方、熱伝達効率の高い第2の種類のフィンの方で効率的に熱交換を行なうことができる。 【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の構成に加えて、第1の種類のフィンは、コルゲートフィンであり、第2の種類のフィンは、スリットフィンである。 【0011】これにより、従来から一般的に用いられているコルゲートフィンとスリットフィンとを組合せることにより、コルゲートフィン通過時における空気の圧力損失を低く抑えながらもスリットフィン通過時における効率のよい熱伝達が可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0013】図1は、冷凍装置や空調機に用いられる熱交換器の構造を説明するための斜視図である。この熱交換器は、フロンガス等の冷媒が矢印に示すように循環するパイプ2が設けられており、そのパイプ2に対し伝熱用のフィン1a,1bが多数枚に設けられている。この伝熱用のフィン1a,1bは、通過する空気の風上側の第1列目のフィン1aと風下側の第2列目のフィン1bとが並べて配置されている。 【0014】この多数枚の伝熱用のフィン1a,1bの間を矢印で示すように空気が通過し、その通過の際に熱交換される。 【0015】図2は、熱交換器の一部を示した斜視図であり、(a)は第1列目のフィン1aを示した斜視図であり、(b)は第2列目のフィン1bを示した斜視図である。 【0016】第1列目のフィン1aは、図示するように波形形状のプレートが多数枚集まったいわゆるコルゲートフィンである。第2列目のフィン1bは、いわゆるスリットフィンである。このスリットフィン1bは、プレートに多数の平行な切込みを形成し、その切込み部分を一方向に打出して多数の膨出部を形成したものである。 【0017】コルゲートフィン1aは、フィン間を比較的少ない抵抗で空気が通過することができる反面、熱伝達効率はスリットフィン1bに比べて劣る。一方、フィン間を通過する空気は、フィンに接触する部分の通過速度が遅く、フィンから離れるごとに通過速度が増大していき隣接するフィンのちょうど中央辺りの通過速度が最大となる。スリットフィン1bの場合には、そのちょうど中央辺りに前述した膨出部が位置するために、その分熱交換効率が増大する反面、コルゲートフィン1aに比べて通過する空気の抵抗が増大する。 【0018】図3は、3種類の熱交換器における熱伝達率を比較する実験結果を示すグラフであり、図4は、3種類の熱交換器における圧力損失を比較する実験結果を示すグラフである。 【0019】実験に用いた3種類の熱交換器は、第1列目および第2列目ともにコルゲートフィン1aを用いたコルゲート型熱交換器(グラフでは斜線入りの棒グラフで示している)と、第1列目と第2列目ともにスリットフィン1bで構成しているスリット型熱交換器(グラフでは点々入り棒グラフで示している)と、第1列目がコルゲートフィン1aで第2列目がスリットフィン1bで構成されているハイブリッド型熱交換器(グラフでは白抜きの棒グラフで示している)との3種類である。 【0020】図3に示すように、第1列目のフィン部分における熱交換率は、コルゲート型熱交換器とハイブリッド型熱交換器とがともに同じ値であり、スリッド型熱交換器だけが高い熱伝達率を示している。一方、2列目のフィン部分においては、コルゲート型熱交換器の熱伝達率が一番低く、それよりも少し熱伝達率が高いのがスリット型熱交換器であり、一番熱伝達率が高かったのがハイブリッド型熱交換器である。そして1列目と2列目とを両者足し合わせた熱交換器全体の熱交換率では、コルゲート型熱交換器の熱伝達率が一番低く、スリット型熱交換器の熱伝達率が一番高く、ハイブリッド型熱交換器の熱伝達率はスリット型熱交換器よりも少し低い値となっている。 【0021】次に、図4に示すように、第1列目のフィン部分においては、コルゲート型熱交換器とハイブリッド型熱交換器とでは圧力損失が同じ値となり、スリット型熱交換器だけが高い圧力損失となる。2列目のフィン部分においては、コルゲート型熱交換器の圧力損失が一番低く、スリット型熱交換器の圧力損失が一番高く、ハイブリッド型熱交換器はそのスリット型熱交換器よりも少し低い圧力損失となる。そして1列目と2列目とを足し合わせた熱交換器全体の圧力損失は、コルゲート型熱交換器が一番低い値となり、スリット型熱交換器が一番高い値となり、ハイブリッド型熱交換器は、コルゲート型熱交換器とスリット型熱交換器とのちょうど中間辺りの圧力損失となる。 【0022】図3において、コルゲート型熱交換器およびスリット型熱交換器は、ともに1列目と2列目とで同じ種類のフィンを用いているにもかかわらず、1列目の熱伝達率が高く2列目の熱伝達率が低くなっている。この原因は、1列目のフィンで8割がたの熱交換が行なわれてしまい既に通過する空気の温度とフィンの温度との差があまりない状態となっているために、2列目のフィンにおいては、それほどの熱交換がなされない状態となるためと考えられる。ところが、ハイブリッド型熱交換器の場合には、1列目よりも2列目の方に高い熱伝達効率のフィンを設けているための、1列目においてはそれほど熱交換がなされず、2列目においてフィンと通過する空気との温度差が大きな状態となるために、2列目のフィンで効率よく熱交換がされる状態となり、図3に示すように2列目の熱伝達率が高い値となっているものと考えられる。 【0023】この図3、図4に示すように、ハイブリッド型熱交換器の場合には、熱伝達率を高い値に維持できながらも、圧力損失を比較的低い値に抑えることができるという利点がある。 【0024】図5、図6は、前述したハイブリッド型熱交換器とスリット型熱交換器との2種類の熱交換器における熱伝達率と圧力損失との関係を示したグラフである。図5は、熱交換器により放熱を行なった場合の性能試験結果であり、図6は、熱交換器により冷却を行なった場合の性能試験結果である。 【0025】これら両グラフにおいては、フィンを通過する空気の風速を、0.2m/sから2.0m/sまでの間で0.2m/s毎にプロットした。このグラフからわかるように、通過する空気の風速が遅い場合には、ハイブリッド型熱交換器の方がスリット型熱交換器に比べて空気側熱伝達率が高い値となっている。また、空気側圧力損失においては、すべてのプロット点で、ハイブリッド型熱交換器の方がスリット型熱交換器よりも低い値となっている。 【0026】前述した実施の形態では、第1列目にコルゲートフィン1aを用いて、第2列目にスリットフィン1bを用いた熱交換器を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば第1列目にプレートフィンを用い、第2列目にスリットフィンを用いてもよく、第1列目に比べて第2列目の方が高い熱伝達効率のフィンであればどのような種類のフィンの組合せであってもよい。また、第1列目と第2列目との2段のフィンから構成された熱交換器を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば1列目、2列目、3列目の3列にフィンが並べられた熱交換器であってもよい。 【0027】以上の実施の形態で示した技術は、すべて例示にすぎず、本発明はこの例示に限定されるものではない。本発明の範囲は、あくまで特許請求の範囲に基づいて定められ、特許請求の範囲と均等の範囲内のすべての変更が含まれる。 【0028】 【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、風上側に位置する第1の種類のフィンを空気が通過する際の圧力損失を抑えて、風下側の第2の種類のフィンを空気が通過する際に高い熱伝達効率により効率よく熱伝達を行なうことができ、全体として圧力損失を低く抑えながらも熱伝達効率の高い熱交換器を提供することができるに至った。 【0029】請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、従来から一般的に用いられているコルゲートフィンとスリットフィンとを組合せることにより、圧力損失を抑えながらも熱伝達効率の高い熱交換器を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月14日(1998.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064746 【弁理士】 【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−88398(P2000−88398A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−260134 |
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