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【発明の名称】 空調装置の余熱利用ユニット
【発明者】 【氏名】杉山 由浩

【氏名】井上 清治

【要約】 【課題】床暖房や給湯や乾燥等の利用に応じた温度差を設けることで、複数の用途の余熱利用が可能で、冷媒圧送式装置を暖房以外にも加熱用に簡単に利用する。

【解決手段】圧縮機により暖房運転中、少くとも圧縮機と室外熱交換器を内蔵する室外機を有する空調装置に、圧縮機から膨張弁に到る高圧冷媒回路を室外機から導く冷媒導入管を、室外機に冷媒を復帰させる冷媒帰環路で連結され、冷媒導入管が接続される冷媒入口を、帰還路が接続される冷媒出口と、冷媒入口から冷媒出口までの途中において凝縮熱を放熱する放熱管とを設け、熱運搬液を流す受熱配管を前記放熱管と対向して配し、受熱配管の入口と出口の途中部に少くとも一つの分岐排出口を設け、且つ、受熱配管の入口と連結される熱運搬液入口と、受熱配管の出口及び分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する運搬液を夫々取り出し可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧縮機により暖房運転中、冷媒を圧縮機から室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、そして圧縮機の順に循環させる冷媒回路を備え、少なくとも圧縮機と室外交換器を内蔵する室外機を有する空調装置に、圧縮機から膨張弁に到る高圧冷媒回路を室外機から導く冷媒導入管を、室外機に冷媒を復帰させる冷媒帰還路で連結され、冷媒導入管が接続される冷媒入口を、冷媒帰還路が接続される冷媒出口と、冷媒入口から冷媒出口までの途中において冷媒の凝縮熱を放熱する放熱配管とを設け、熱運搬液を流す受熱配管を前記放熱配管と対向して配置し、前記受熱配管の入口と出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、且つ、前記受熱配管の入口と連結される熱運搬液入口と、前記受熱配管の出口及び前記分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する熱運搬液をそれぞれ取り出し可能とする空調装置の余熱利用ユニット。
【請求項2】エンジンにより駆動される圧縮機により暖房運転中、冷媒を圧縮機から室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、そして圧縮機の順に循環させる冷媒回路を備え、少なくとも圧縮機と室外熱交換器を内蔵する室外機を有する空調装置に、エンジン排熱の一部を吸収するエンジン冷却水を室外機から導くエンジン冷却水導入管と、室外機にエンジン冷却水を帰還させるエンジン冷却水帰還路で連結され、エンジン冷却水導入管が接続されるエンジン冷却水入口と、エンジン冷却水帰還路が接続されるエンジン冷却水出口と、エンジン冷却水入口からエンジン冷却水出口までの途中においてエンジン冷却水が吸収するエンジン排熱を放熱する放熱配管とを設け、熱運搬液を流すエンジン排熱受熱配管を前記放熱配管と対向して配置し、前記受熱配管の入口と出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、且つ、前記エンジン排熱受熱配管の入口を連結される熱運搬液入口と、前記受熱配管の出口及び前記分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する熱運搬液をそれぞれ取り出し可能とする空調装置の余熱利用ユニット。
【請求項3】前記余熱利用ユニットは、前記エンジン冷却水導入管とエンジン冷却水帰還路に加え、圧縮機から膨張弁に到る高圧冷媒回路を室外機から導く冷媒導入管を、室外機に冷媒を帰還させる冷媒帰還路で連結され、冷媒導入管が接続される冷媒入口を、冷媒帰還路が接続される冷媒出口と、冷媒入口から冷媒出口までの途中において冷媒の凝縮熱を放熱する放熱配管とを設け、熱運搬液を流す冷媒凝縮熱受熱配管を前記放熱配管と対向し、且つ熱運搬液の流れに関して前記エンジン排熱受熱配管の上流側において前記エンジン排熱受熱配管と直列に配置し、前記冷媒凝縮熱受熱配管の入口と前記エンジン排熱受熱配管の出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、且つ、前記冷媒凝縮熱受熱配管の入口と連結される熱運搬液入口と、前記エンジン排熱受熱配管の出口及び前記分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する熱運搬液をそれぞれ取り出し可能とすることを特徴とする請求項2記載の空調装置の余熱利用ユニット。
【請求項4】前記冷媒凝縮放熱配管の上流熱運搬液温度を検知する第1温度センサと、前記エンジン排熱放熱配管の上流熱運搬液温度を検知する第2温度センサと、前記冷媒凝縮熱放熱配管の下流側の冷媒管路に絞り開度を可変とする可変膨張弁とを有し、前記第2温度センサの検知温度が第1温度センサの検知温度より低い時、可変膨張弁開度を絞るように制御することを特徴とする請求項3記載の空調装置の余熱利用ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばヒートポンプ装置等として用いられる空調装置の余熱利用ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】空調装置としてのヒートポンプ装置には、例えば暖房時、エンジンあるいは電動モータで駆動する圧縮機で加圧し、高温高圧化した冷媒を室内機に循環させて暖房するものがある。しかし、室内機のみの暖房で室内の人に十分暖かく感じさせるのには、多くのエネルギー消費を必要とする。このため、室内機を配置した部屋内の床に床暖房パネルを配置し、高温高圧化した冷媒の室内機への供給の途中において分岐して、冷媒−温水熱交換器で受熱した温水を床暖房パネルに循環するようにし、床暖房パネルと室内機の両方で室内を暖房するものがある。
【0003】さらに、圧縮機により高温高圧化した冷媒の室内機への供給の途中において分岐し、冷媒−熱運搬液熱交換器で受熱した熱運搬液の熱量を給湯や乾燥等に利用することも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、部屋内の暖房用に室内機のみを配置する既存のヒートポンプ装置において、床暖房や給湯や乾燥等を可能にするためには、それぞれに応じた利用温度差を設ける必要がある。
【0005】また、設置された室外機を改造し、室外機内に上記冷媒−熱運搬液熱交換器を配置すると共に、室外機内の配管が必要となるため、工数費用がかかる問題があった。また、室外機によっては、冷媒−熱運搬液熱交換器を配置するスペースが室外機内になく、改造そのものが困難となっていた。
【0006】この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、第1の目的は、床暖房や給湯や乾燥等の利用に応じた温度差を設けることで、複数の用途の余熱利用が可能である空調装置の余熱利用ユニットを提供し、第2の目的は、空調装置を室内暖房以外にも加熱用に利用可能とするに当たり改造工事が簡単に実施できるような余熱利用ユニットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】請求項1記載の発明は、『圧縮機により暖房運転中、冷媒を圧縮機から室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、そして圧縮機の順に循環させる冷媒回路を備え、少なくとも圧縮機と室外交換器を内蔵する室外機を有する空調装置に、圧縮機から膨張弁に到る高圧冷媒回路を室外機から導く冷媒導入管を、室外機に冷媒を復帰させる冷媒帰還路で連結され、冷媒導入管が接続される冷媒入口を、冷媒帰還路が接続される冷媒出口と、冷媒入口から冷媒出口までの途中において冷媒の凝縮熱を放熱する放熱配管とを設け、熱運搬液を流す受熱配管を前記放熱配管と対向して配置し、前記受熱配管の入口と出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、且つ、前記受熱配管の入口と連結される熱運搬液入口と、前記受熱配管の出口及び前記分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する熱運搬液をそれぞれ取り出し可能とする空調装置の余熱利用ユニット。』である。
【0009】請求項2記載の発明は、『エンジンにより駆動される圧縮機により暖房運転中、冷媒を圧縮機から室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器、そして圧縮機の順に循環させる冷媒回路を備え、少なくとも圧縮機と室外熱交換器を内蔵する室外機を有する空調装置に、エンジン排熱の一部を吸収するエンジン冷却水を室外機から導くエンジン冷却水導入管と、室外機にエンジン冷却水を帰還させるエンジン冷却水帰還路で連結され、エンジン冷却水導入管が接続されるエンジン冷却水入口と、エンジン冷却水帰還路が接続されるエンジン冷却水出口と、エンジン冷却水入口からエンジン冷却水出口までの途中においてエンジン冷却水が吸収するエンジン排熱を放熱する放熱配管とを設け、熱運搬液を流すエンジン排熱受熱配管を前記放熱配管と対向して配置し、前記受熱配管の入口と出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、且つ、前記エンジン排熱受熱配管の入口を連結される熱運搬液入口と、前記受熱配管の出口及び前記分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する熱運搬液をそれぞれ取り出し可能とする空調装置の余熱利用ユニット。』である。
【0010】この請求項1あるいは請求項2記載の発明によれば、回収したエンジン排熱あるいは冷媒の凝縮熱の少なくともいずれか1つを放熱する放熱配管を設け、この放熱配管の冷媒の流れと反対方向に熱運搬液を流す受熱配管を放熱配管と対向して配置し、受熱配管の入口と出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、温度差を有する熱運搬液を熱源とすることで、例えば床暖房や給湯や乾燥等の余熱利用装置の利用に応じた温度差を得ることができ、複数の用途の余熱利用が可能である。また、空調装置を室内暖房以外にも加熱用に利用可能とするに当たり、温度差を有する熱運搬液を余熱利用装置の熱源とするだけでよく、改造工事が簡単に実施できる。
【0011】請求項3記載の発明は、『前記余熱利用ユニットは、前記エンジン冷却水導入管とエンジン冷却水帰還路に加え、圧縮機から膨張弁に到る高圧冷媒回路を室外機から導く冷媒導入管を、室外機に冷媒を帰還させる冷媒帰還路で連結され、冷媒導入管が接続される冷媒入口を、冷媒帰還路が接続される冷媒出口と、冷媒入口から冷媒出口までの途中において冷媒の凝縮熱を放熱する放熱配管とを設け、熱運搬液を流す冷媒凝縮熱受熱配管を前記放熱配管と対向し、且つ熱運搬液の流れに関して前記エンジン排熱受熱配管の上流側において前記エンジン排熱受熱配管と直列に配置し、前記冷媒凝縮熱受熱配管の入口と前記エンジン排熱受熱配管の出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、且つ、前記冷媒凝縮熱受熱配管の入口と連結される熱運搬液入口と、前記エンジン排熱受熱配管の出口及び前記分岐排出口と連結される複数の熱運搬液出口を設け、温度差を有する熱運搬液をそれぞれ取り出し可能とすることを特徴とする請求項2記載の空調装置の余熱利用ユニット。』である。
【0012】この請求項3記載の発明によれば、エンジン排熱の方が凝縮熱より高くなりやすく、簡単な構造で床暖房や給湯や乾燥等の余熱利用装置の利用に応じた温度差を得ることができる。
【0013】請求項4記載の発明は、『前記冷媒凝縮放熱配管の上流熱運搬液温度を検知する第1温度センサと、前記エンジン排熱放熱配管の上流熱運搬液温度を検知する第2温度センサと、前記冷媒凝縮熱放熱配管の下流側の冷媒管路に絞り開度を可変とする可変膨張弁とを有し、前記第2温度センサの検知温度が第1温度センサの検知温度より低い時、可変膨張弁開度を絞るように制御することを特徴とする請求項3記載の空調装置の余熱利用ユニット。』である。
【0014】この請求項4記載の発明によれば、第2温度センサの検知温度が第1温度センサの検知温度より低い時、可変膨張弁開度を絞るように制御することで、簡単な構造で床暖房や給湯や乾燥等の余熱利用装置の利用に応じた温度差を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の空調装置の余熱利用ユニットを図面に基づいて説明する。この実施の形態では、空調装置としてエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いているが、この発明は電気ヒートポンプ装置に適用可能でこの実施の形態に限定されない。
【0016】図1はエンジン駆動式ヒートポンプ装置の全体構成を示す図である。エンジン駆動式ヒートポンプ装置1は、室外機2と、図2に示す室内機522とで構成されている。室外機2に備えられるエンジン201は、水冷火花点火式のガスエンジンであって、伝動装置202を介して冷媒の圧縮機208を駆動する。伝動装置202は、エンジン201の出力軸203と圧縮機208の入力軸206のそれぞれに固定されたプーリ204,207間にベルト205を掛け渡すことによって構成されている。エンジン201に対して、圧縮機208により冷媒を循環させるための冷媒回路210と、エンジン201の冷却と排熱の回収を行うための冷却水回路250が設けられていて、冷却水回路250には、エンジン201の冷却水ジャケット263と排気管に設けられた排気熱交換器262とが、冷却水への排熱供給部として組み込まれている。
【0017】冷媒回路210は、圧縮機208によりフロン等の冷媒を循環させる回路であって、圧縮機208とオイルセパレータ230が管路211により接続され、オイルセパレータ230と四方弁232が管路212により接続され、四方弁232と主に暖房時冷媒への放熱用熱交換器である二重管熱交換器233が管路213により接続され、二重管熱交換器233は水−冷媒間熱交換器であり、この二重管熱交換器233と複数個の室外熱交換器234が管路214により接続され、室外熱交換器234とディストリビュータ236が複数の管路215により接続され、ディストリビュータ236からの管路216が分岐してそれぞれ分岐管路216aとなる。複数個の室内熱交換器240が、分岐管路216aにそれぞれ配置された電子膨張弁238を介して、管路217により接続され、室内熱交換器240と四方弁232が分岐管路218aを介して管路218に集合接続され、四方弁232と圧縮機208が、アキュムレータ245を介して、管路219により接続されている。
【0018】冷媒回路210のアキュムレータ245と圧縮機208の間の管路219には、オイルセパレータ230において冷媒から分離されたオイルを圧縮機208に戻すために、オイルセパレータ230から延びるオイル戻し通路231が途中の毛細管270を介して接続されている。管路214と管路215の間に配置された室外熱交換器234には、この室外熱交換器234に対して空気を通過させるための室外ファン235が設けられている。
【0019】分岐管路216aには電子膨張弁238、ストレーナ291が配置されている。管路216にはドライヤー241、バルブ290が配置され、管路218にはバルブ292及びストレーナ293がそれぞれ配置されている。さらに、管路216には管路294が接続され、この管路294及び管路218には前記と同様にそれぞれ分岐管路を介して複数個の室内熱交換器が接続される。
【0020】管路214と管路216との間には、バイパス冷媒管路421が接続され、このバイパス冷媒管路421に電動バイパス弁422及び逆止弁423が配置されている。また、ドライヤー241とディストリビュータ236の間の管路216には、電動開閉弁424が配置され、さらに冷媒温度センサ425が配置されている。二重管熱交換器233と複数個の室外熱交換器234の間の管路214には、電動開閉弁426が配置されている。
【0021】管路211の途中には可撓管300が配置され、また管路211を通過する冷媒温度を検知する高圧側温度センサ303と、圧縮機208から電子膨張弁238の間の高圧側冷媒回路の冷媒圧力を検知する高圧側圧力センサ301が配置される。高圧側冷媒回路は、冷房時には管路211、オイルセパレータ230、管路212、四方弁232、管路213、二重管熱交換器233、管路214、室外熱交換器234、管路215及び管路216で構成され、暖房時には管路211、オイルセパレータ230、管路212、四方弁232及び管路218、室内熱交換器240、及び管路217で構成される。
【0022】そして、圧縮機208には圧縮機温度センサ306が、管路219の途中には可撓管300がそれぞれ配置される。また、電子膨張弁238から圧縮機208までの間の低圧側冷媒回路の冷媒圧力を検知する低圧側圧力センサ302が管路219に配置される。低圧側冷媒回路は、冷房時には管路217、室内熱交換器240、管路218、四方弁232及び、途中にアキュムレータ245が配置された管路219で構成され、暖房時には管路216、管路215、室外熱交換器234、管路214、二重管熱交換器233、管路213、四方弁232及び管路219で構成される。
【0023】一方、冷却水回路250は、室外側水ポンプ261に排気熱交換器262が管路251により接続され、エンジン201の排気管に設けられた排気熱交換器262と冷却水ジャケット263が管路252及び循環通路252aにより接続され、冷却水ジャケット263とリニヤ三方弁280が循環通路252bと管路253により接続され、リニヤ三方弁280と室外ラジエータ265が管路254により接続され、室外ラジエータ265と室外側水ポンプ261が管路257により接続され、管路257の途中と水タンク267が管路255により接続され、管路257とリニヤ三方弁280が、二重管熱交換器233を介して管路256により接続されている。水タンク267には、リリーフ機能付きタンクキャップ406が接続されている。管路252には、切換弁Kが配置され、この切換弁Kにタンクキャップ406が管路259により接続されている。管路259は空気抜き用の通路として使用される。
【0024】管路255は、冷却水の補給用の通路として使用され、管路257は室外ラジエータ265から水ポンプに向けて冷却水を循環させる通路として使用される。室外ラジエータ265には、この室外ラジエータ265に対して空気を吹き付けるための室外ファン266が設けられている。なお、室外ファン235と266を一体大型化してもよい。
【0025】管路253には、リニヤ三方弁280を配置し、リニヤ三方弁280により管路256と管路254との切換を行うと共に冷却水の流量制御を行う。即ち、エンジン排熱を回収したエンジン冷却水を、この冷却水と冷媒回路210中の冷媒との間で熱交換する水−冷媒間熱交換器である二重管熱交換器233と余熱利用ユニット70とに分岐して供給するように構成されている。
【0026】冷媒回路210と冷却水回路250に渡って設けられている二重管熱交換器233は、主に暖房時両回路を流れる冷媒と冷却水の間で熱交換を行う。また、エンジン201には吸気管317が接続され、吸気管317の上流部にはエアクリーナ318が配置され、吸気管317の下流部にはガス燃料を混合する混合器319とその下流のスロットル弁320とが配置されている。スロットル弁320はステップモータから構成されるスロットル弁開度制御アクチュエータ311により開閉制御される。混合器319のベンチュリ部にはガス吐出口が設けられ、この吐出口には、途中に燃料ガス流量制御弁312、減圧調整弁313、2つの開閉弁314を有して燃料ガス供給源315と連結されたガス供給管路316が接続されている。さらに、エンジン201には排気管323が接続され、その途中に設けられた排気熱交換器262を介して大気に排気ガスを排出可能としている。エンジン201にはエンジン回転数を検知するエンジン回転数センサ310が配置されている。
【0027】この実施の形態では、冷却水循環システムの循環路Sは、エンジン201の冷却水ジャケット263、切換弁K、これらを連通する循環通路252a,252bからなるエンジン側循環半路S1と、排気熱交換器262、リニヤ三方弁280、一方は室外ラジエータ265及び下記するエンジン排熱回収用エンジン冷却水側放熱管403、他方は二重管熱交換器233、室外側水ポンプ261、これらを連通する管路252,253,254,256,257、水配管402,404及びサーモスタット400からなる放熱側循環半路S2を有している。エンジン側循環半路S1と放熱側循環半路S2で、冷却水温度が所定値を越えた場合のエンジン暖機時の循環路を形成している。冷却水ジャケット263の下流側連結点P1と上流側連結点P2とを結ぶ連通路950はバイパス路を構成し、放熱側循環半路S2とで、冷却水温度が一定所定値以下の時の循環路を形成する。
【0028】エンジン201の収容室には、エンジン収容室内温度センサ430が配置され、さらに循環通路252bには冷却水温度センサ431が配置され、この冷却水温度センサ431は冷却水ジャケット263の出口温度を検知する。また、管路252には冷却水温度センサ432が配置され、この冷却水温度センサ432は排気熱交換器262の出口温度を検知する。また、室外機2には外気温度センサ439が配置されている。
【0029】戸外において、室外機2と独立にこの発明の一実施形態の余熱利用ユニット70が配置され、余熱用装置として機能する床暖房パネル556(余熱利用放熱器)とで余熱利用装置が構成される。各部屋に配置される室内機522の室内熱交換器240は、室外機側の接続ジョイント部a1〜a8を介して室外機2側に接続され、余熱利用ユニット70は室外機側の接続ジョイント部a9〜a12を介して室外機2側に接続される。
【0030】余熱利用ユニット70は、余熱利用ユニット側の接続ジョイント部b1〜b8を有し、余熱利用ユニット側の接続ジョイント部b3,b4は冷媒帰還路となる分岐管路216a,冷媒導入管となる分岐管路218aを介して室外機側の接続ジョイント部a10,a9に接続され、余熱利用ユニット側の接続ジョイント部b5,b6はエンジン冷却水帰還路となる水配管404、エンジン冷却水導入路をなる水配管402を介して室外機側の接続ジョイント部a12,a11に接続されている。室外機2の分岐管路216aには余熱利用用電子膨張弁238aが配置され、ストレーナ291を介して室外機側の接続ジョイント部a10に接続されている。
【0031】なお下記するように、接続ジョイント部b5、b6がそれぞれエンジン冷却水出口、エンジン冷却水入口となり、接続ジョイント部b3、b4がそれぞれ冷媒出口、冷媒入口となり、接続ジョイント部b1が熱運搬液入口となり、そして、接続ジョイント部b2、b8がそれぞれ分岐排出口と連結される熱運搬液出口と、エンジン排熱受熱配管の出口と連結される熱運搬液出口となる。余熱利用用電子膨張弁238aは暖房運転時所定の開度にされ、冷房運転時全閉となるように制御される。なおさらに、余熱利用ユニット70の詳細な構成は、図3に示す。
【0032】室外機2のリニヤ三方弁280と室外ラジエータ265の間の管路254には、サーモスタット400が配置され、このサーモスタット400と室外機側の接続ジョイント部a11とを結ぶ管路の途中にはパックドバルブ401が配置されている。管路257と室外機側の接続ジョイント部a12とを結ぶ管路の途中にはパックドバルブ405が配置されている。パックドバルブ401,405は手動式の開閉弁であり、余熱利用ユニット70を使用しない場合に全閉、余熱利用ユニット70を使用する場合に全開とする。あるいは、次のようにしても良い。パックドバルブ401,405を電子開閉弁とし、パックドバルブ401及びパックドバルブ405は暖房時、あるいは冷房時でも室内リモコンの床暖房操作部570bがON時に同時に開くようにする。
【0033】リニヤ三方弁280は、サーモスタット400ヘの温水流Iと暖房時、エンジン排熱を冷媒に回収するための二重管熱交換器233への温水流Iへの分流を行う。サーモスタット400は、上流直近の冷却水温度により温水流Iと温水流Iへの分流を行う。
【0034】図2は各部屋への空調機器の設置状況を示す図である。例えばエンジン排熱回収専用室520A、空調対象B室520B、空調対象C室520C、空調対象D室520D及び空調対象E室52OEがある。空調対象B室520B乃至空調対象E室520Eには膨張弁非内蔵式室内機522が使用される。余熱利用専用室520Aには、室内機が使用されない。
【0035】空調対象B室520B及び空調対象C室520Cの膨張弁非内蔵式室内機522には、室内熱交換器240、送風ファン240a及び室内冷媒温度センサ572が内蔵され、冷媒配管536,537及び分岐ユニット535を介して冷媒配管532,533に接続され、冷媒配管532,533は冷媒配管530,531接続される。冷媒配管530,531は室外機側の接続ジョイント部a1,a2を介して室外機2側に接続される。
【0036】分岐ユニット535には、冷媒配管532から空調対象B室520B及び空調対象C室520C側に冷媒配管536が分岐し、冷媒配管533から空調対象B室520B及び空調対象C室520C側に冷媒配管537が分岐し、冷媒配管536には電子膨張弁238b及びストレーナ538が配置されている。
【0037】空調対象D室520D及び空調対象E室520Eの膨張弁非内蔵式室内機522には、室内熱交換器240、送風ファン240a及び室内冷媒温度センサ572が内蔵され、冷媒配管540,541を介して室外機側の接続ジョイント部a3,a4及びa5,a6を介して室外機2側に接続される。
【0038】床暖房専用室520A乃至空調対象E室520Eには、室内リモコン装置570、室内温度センサ571、床温度センサ573が配置される。また、床暖房パネル(余熱利用放熱器)556が配置され、電子流量制御弁555、余熱利用熱運搬液管路552,553を介して余熱利用熱運搬液管路550,551に接続される。余熱利用熱運搬液管路550,551は、最末尾において連結されている。
【0039】なお、例えば、空調対象B室520B、空調対象C室520Cにおいて膨張弁非内蔵式室内機522の替わりにそれぞれ膨張弁内蔵式室内機を使用する場合には、分岐ユニット535は使用せず、冷媒配管536と冷媒配管537がそれぞれ冷媒配管532に接続される。それぞれの膨張弁内蔵式室内機は内部において冷媒配管536に接続される内部配管中及び冷媒配管537に接続されるそれぞれの内部配管中に電子膨張弁が配置される。すなわち、室外機2の内部配管である管路294には電子膨張弁が配置されていないので、膨張弁内蔵式室内機の使用が可能となる。
【0040】図3は余熱利用装置の実施の形態を示す図である。この実施の形態の余熱利用ユニット70は余熱利用用熱交換ユニット71を有し、余熱利用用熱交換ユニット71には、余剰の冷媒凝縮熱放熱配管418と冷媒凝縮熱受熱配管414が一体化された冷媒側二重管熱交換器600が備えられ、またエンジン排熱放熱配管403とエンジン排熱受熱配管415が一体化されたエンジン冷却水側二重管熱交換器601が備えられている。
【0041】この実施形態では、図3の(B)に示すように外管600eと内管600fからなる冷媒側二重管熱交換器600において、外管600eと内管600fの間を冷媒が通過し、内管600fの内部を熱運搬液が通過するので、内管600fの外壁600flが冷媒凝縮熱放熱配管418に相当し、内管600fの内壁600flが冷媒凝縮熱受熱配管414に相当する。同様に外管60leと内管60lfからなるエンジン冷却水側二重管熱交換器601において、外管60leと内管60lfの間をエンジン冷却水が通過し、内管601fの内部を熱運搬液が通過するので、内管601fの外壁601f1がエンジン排熱放熱配管403に相当し、内管601fの内壁601f2がエンジン排熱受熱配管415に相当する。
【0042】冷媒側二重管熱交換器600には、熱運搬液入口600a、熱運搬液出口600b、冷媒入口600c及び冷媒出口600dが設けられている。熱運搬液入口600aは熱運搬液循環管路412bと、熱運搬液出口600bは連通管路800の一方と、冷媒入口600cは配管218aAと、冷媒出口600dは配管216aAとそれぞれ接続されている。配管216aAは接続ジョイント部b3に、配管218aAは接続ジョイント部b4に接続されている。
【0043】熱運搬液循環管路412bは、熱運搬液ポンプ413、市水タンク410A及び逆止弁5003を介して接続ジョイント部b7に接続され、この接続ジョイント部b3には市水が供給される。熱運搬液が市水で構成される。市水タンク410Aには、市水の水圧よりは高い開弁圧のリリーフ弁410A1が設けられ、市水タンク410Aの内部にはフロート式の湯面レベル保持弁410A2が設けられている。市水タンク410Aと逆止弁5003の間は、配管412b1を介して接続ジョイント部b1に接続されている。
【0044】暖房運転中室外機2側の膨張弁238aは所定の開度とされており、冷媒側二重管熱交換器600内では冷媒と熱運搬液とを対向して流しているので、冷媒と熱運搬液との温度差が二重管の全長に渡ってほぼ等しくすることができ、二重管の全長に渡って熱交換が可能となる。なお、冷房運転中膨張弁238aは全閉となり、冷媒側二重管熱交換器600は機能しない。
【0045】エンジン冷却水側二重管熱交換器601は、熱運搬液入口601a、熱運搬液出口601b、エンジン冷却水入口601c及びエンジン冷却水出口601dが設けられている。熱運搬液入口601aは連通管路800の一方と、熱運搬液出口601bは熱運搬液循環管路416Aと、エンジン冷却水入口601cは水配管402Aと、エンジン冷却水出口601dは水配管404Aとそれぞれ接続されている。
【0046】熱運搬液循環管路416Aは、接続ジョイント部b8に、水配管402Aは接続ジョイント部b6に、水配管404Aは、接続ジョイント部b5にそれぞれ接続されている。なお、エンジン冷却水側二重管熱交換器601内でもエンジン冷却水と熱運搬液とを対向して流すようにしており、二重管の全長に渡って熱交換が可能となる。
【0047】また、水配管402Aにはエンジン冷却水ドレン通路710が接続され、エンジン冷却水ドレン通路710にはエンジン冷却水ドレンコック710aが設けられている。このエンジン冷却水ドレンコック710aを開くことでエンジン冷却水が排出される。また、水配管404Aにはエンジン冷却水エア抜き通路711が接続され、このエンジン冷却水エア抜き通路711のエア抜き通路開放端711aからエンジン冷却水のエア抜きが行われる。
【0048】エンジン排熱受熱配管415には、熱運搬液入口601aと熱運搬液出口601bの途中部に分岐排出口601eが設けられている。この分岐排出口601eには、熱運搬液循環管路416Bが接続され、この熱運搬液循環管路416Bは接続ジョイント部b2に接続されており、分岐排出口601eから分流される熱運搬液は、エンジン排熱利用熱運搬液管路550を介して床暖房パネル(エンジン排熱利用放熱器)556へ供給され、さらにエンジン排熱利用熱運搬液管路551から接続ジョイント部b1、配管412b1を介して熱運搬液タンク410Aに戻されて循環する。
【0049】接続ジョイント部b2には、給湯配管416Cを介して給湯タンク2201が接続されている。給湯タンク2201には、市水の水圧よりは高い開弁圧のリリーフ弁2203及び蛇口2204が設けられ、給湯タンク2201の内部にはフロート式の湯面レベル保持弁2205が設けられている。
【0050】熱運搬液入口600aの上流側には、温水入口温度センサ436が配置され、熱運搬液出口601bの下流側には温水出口温度センサ436aが配置され、さらに分岐排出口601eの下流側には温水出口温度センサ436bが配置されている。
【0051】また、冷媒入口600cの上流側には、余熱冷媒液温度センサ419aが配置され、冷媒出口600dの下流側には、余熱冷媒液温度センサ419bが配置されている。エンジン冷却水入口601cの上流側には、排熱温水温度センサ438が配置されている。
【0052】このように回収したエンジン排熱の凝縮熱を放熱するエンジン排熱放熱配管403を設け、この放熱配管403の流れと反対方向に熱運搬液を流すエンジン排熱受熱配管415をエンジン排熱放熱配管403と対向して配置し、このエンジン排熱受熱配管415の熱運搬液入口601aと熱運搬液出口601bの途中部に分岐排出口601eを設けている。
【0053】したがって、熱運搬液ポンプ413の作動により市水が冷媒側二重管熱交換器600に供給されて熱変換され、エンジン排熱受熱配管414で受熱して市水の温度が上昇する。さらに、この市水は、エンジン冷却水側二重管熱交換器601に供給される。エンジン冷却水側二重管熱交換器601では、エンジン冷却水入口601cの上流側から高温のエンジン冷却水がエンジン冷却水側放熱配管403に供給され、このエンジン冷却水側放熱配管403とエンジン排熱受熱配管415とで熱変換されてエンジン冷却水出口601dから低温になったエンジン冷却水が排出される。
【0054】エンジン排熱受熱配管415からは、分岐排出口601eと熱運搬液出口601bとから受熱により高温となった市水である熱運搬液が給湯タンク2201と、床暖房パネル556に供給される。分岐排出口601eからの市水の温度より、熱運搬液出口601bからの温度が高くなっており、温度差を有する熱運搬液を余熱利用装置の熱源とすることで、例えば床暖房や給湯の利用に応じた温度差を得ることができ、複数の用途の余熱利用が可能である。
【0055】特に、冷媒凝縮熱受熱配管414でなくエンジン排熱受熱配管415に分岐排出口601eを配置しているので、空調装置を暖房運転中のみでなく、冷房運転中においても温度差のある熱運搬液を余熱利用装置の熱源とすることができる。
【0056】特に、冷媒凝縮熱受熱配管414ではなくエンジン排熱受熱配管415に分岐排出口601eを配置しているので、空調装置を暖房運転中のみでなく、冷房運転中においても温度差のある熱運搬液を余熱利用装置の熱源とすることができる。
【0057】図4はエンジン駆動式ヒートポンプ装置の制御回路図である。エンジン駆動式ヒートポンプ装置1は、室外制御装置610、室内制御装置611、余熱利用制御装置612及び分岐ユニット制御装置613を有している。余熱利用制御装置612は余熱利用ユニット70に内蔵される内蔵部612Aとその他の機器から構成される。室外制御装置610の室外CPU615、室内制御装置611の室内CPU616、余熱利用制御装置612の余熱利用CPU617及び分岐ユニット制御装置613の分岐ユニットCPU618は、データバス620,621,622により情報の授受を行い制御する。
【0058】室外CPU615は、スロットル弁開度制御アクチュエータ311、リニヤ三方弁280の駆動アクチュエータ、電子膨張弁238,238aの駆動アクチュエータ、室外ファン235,266の駆動アクチュエータ、室外側水ポンプ261の駆動アクチュエータ、その他アクチュエータ群640、例えば燃料ガス流量制御弁312、四方弁232、電動バイパス弁422、電動開閉弁426、電動開閉弁424等の制御を行い、エンジン回転センサ310、高圧側圧力センサ301、冷媒温度センサ425、エンジン冷却水温度センサ431,432、その他のセンサ群641、例えばエンジン収容室内温度センサ430、外気温度センサ439、高圧側温度センサ303等の検知データの取込みを行う。
【0059】室内CPU616は、送風ファン240a、室内ルーバーモータ240b、室内冷媒液温度センサ572、室内リモコン操作部570a、室内温度センサ571、電子膨張弁238a等の制御あるいは検知データの取込みを行う。
【0060】余熱利用CPU617は、熱運搬液ポンプ413の駆動アクチュエータ、排熱温水温度センサ438、余熱冷媒液温度センサ419a,419b、温水入口温度センサ436、温水出口温度センサ436a,436b、床暖リモコン操作部570b、床温度センサ573及び電子流量制御弁555等について、検知データを取り入れアクチュエータの制御を行う。
【0061】図5は余熱利用ユニットの設置図である。余熱利用ユニット70は、配線及び配管により室外機2と接続される。また、余熱利用ユニット70には、市水が供給される。余熱利用ユニット70には、室内に配置された室内リモコン装置570や床温度センサ573等と配線により接続され、同様に室内に配置された床暖房パネル556と配管により接続される。さらに、余熱利用ユニット70には、給湯タンク2201が接続され、蛇口2204から温水が使用できる。
【0062】このように室外機2と、室内リモコン装置570及び床暖房パネル556との間に、余熱利用ユニット70が配置され、この余熱利用ユニット70の側面70Eに、室外機2からの冷媒及びエンジン冷却水の各入口である接続ジョイント部b4、b6、及び、室外機2ヘの冷媒及びエンジン冷却水の各出口となる接続ジョイント部b3、b5を集中配置させるとともに、室外機2との間の電気配線のための電線取り出し用カバーを配置している。また、余熱利用ユニット70の側面70Eに対向する側面70Fに、床暖房パネル556からの熱運搬液の入口である接続ジョイント部b1及び床暖房パネル556への熱運搬液の出口である接続ジョイント部b2、さらにより温度の高い熱運搬液の出口となる接続ジョイント部b8、市水の入口となる接続ジョイント部b7等を集中配置させるとともに、床暖房パネル556、室内リモコン装置570へのとの間の電気配線のための電線取り出し用カバーを配置している。このため、配管長や配線長を短くでき、配管や配線接続等の施工作業を向上させることができる。
【0063】図6は運転時のエネルギーの流れ図である。
【0064】エンジン201で燃料が燃焼して発生するエネルギーEの内、Eの機械エネルギーが圧縮機208により冷媒に与えられ、エネルギーEの内の排熱はさらに分岐され、エネルギーEがエンジン冷却水に回収され、エネルギーEが排気ガスとともにあるいはエンジン201表面から大気中に放出される。エンジン冷却水に回収されるエネルギーEは、リニヤ三方弁280においてエンジン冷却水がI、Iに分岐するのに連れてエネルギーE31とエネルギーE32に分岐する。蒸発器(暖房時室外熱交換器234、冷房時室内熱交換器240)においてエネルギーEが冷媒に与えられ、エネルギーE31が暖房時二重管熱交換器233において冷媒に与えられる。これにより、エネルギーEとエネルギーE31とエネルギーE、とが合流しエネルギーEとなる。エネルギーE32はエンジン冷却水がサーモスタット400でI、Iに分岐するのに連れてエネルギーE321とエネルギーE322に分岐する。エネルギーEは暖房時分岐し、エネルギーE61、E62となる。エネルギーE61は凝縮器(暖房時室内熱交換器240、冷房時室外熱交換器234)において放熱される。エネルギーE62とエネルギーE321は合流しエネルギーEとなる。さらに、エネルギーEからエネルギーE71とエネルギーE72に分岐されて床暖房パネル556と給湯タンク2201から放熱される。一方エネルギーE322は室外ラジエータ265から大気中に放熱される。
【0065】エネルギーEはエネルギーEの30〜40%であり、暖房時外気温度が低いのでエネルギーEは小さい。このため暖房開始時早期に室内温度を上昇するのは困難であるが、暖房開始時、リニヤ三方弁280の開度を大きく(少なくとも20%開度以上と)し、Iを大きくして排熱の一部を冷媒に取り込むので、室内熱交換器240による放熱を大きくすることができ、放熱が開始されると室内ファンにより、室内の人が直ちに暖かい空気流を感知することができ、暖房要求を早期に満たすことができる。また、暖房開始時リニヤ三方弁280の開度を早期に50%さらには100%(I=50〜100%)とするとより良い。さらに、電子膨張弁238を所定開度に対して20%開度以下さらには全閉にし、冷媒凝縮熱放熱配管418の放熱量を抑えることにより、エンジン排熱の室内空気の暖房以外への利用のためのエンジン排熱回収に優先して室内熱交換器240による放熱をすることができる。放熱が開始されると室内ファンにより、室内の人が直ちに暖かい空気流を感知することができ、暖房要求を早期に満たすことができる。
【0066】また、冷房時においては、蒸発器(室内熱交換器240)により吸熱がされつつ、エネルギーE31、エネルギーE62、エネルギーE71は0とされつつ、エネルギーE321によりエンジン排熱回収が可能となる。
【0067】図7及び図8は冷媒圧送式熱移動装置の余熱利用ユニットの他の実施の形態を示し、図7は余熱利用ユニットの他の実施の形態を示す配管とエア抜き通路類の図、図8は余熱利用装置を示す図である。この実施の形態の余熱利用ユニット70´は、市水を余熱利用ユニット70´内に供給しないようにしたものであり、図3の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】余熱利用ユニット70´は、熱運搬液タンクユニット410を有し、この熱運搬液タンクユニット410は、熱運搬液タンク410Aとリザーブタンク410Bからなっている。熱運搬液タンク410Aには、コンダクション701が設けられ、このコンダクション701には加圧キャップ700が脱着可能に設けられている。熱運搬液タンク410Aは、所定以上の圧力に設定される。コンダクション701には、コンダクション701へのエア抜きを行う第1の熱運搬液エア抜き通路702が接続され、この第1の熱運搬液エア抜き通路702は熱運搬液ドレン通路703に接続されている。熱運搬液ドレン通路703は、熱運搬液循環管路411に接続され、熱運搬液ドレン通路703には熱運搬液ドレンコック703aが設けられている。
【0069】また、熱運搬液タンク410Aには、エア抜きタンク上部からのエア抜きを行う第2の熱運搬液エア抜き通路704が設けられ、この第2の熱運搬液エア抜き通路704は熱運搬液供給通路705に接続されている。熱運搬液供給通路705は第1の熱運搬液エア抜き通路702に接続され、熱運搬液は熱運搬液タンク410A内が負圧になる時、熱運搬液供給通路705から熱運搬液エア抜き通路702、コンダクション701を経て供給される。
【0070】リザーブタンク410Bには、外気圧導入通路706が接続され、外気圧導入通路706によりリザーブタンク410Bへの外気圧導入が行われる。また、リザーブタンク410Bには熱運搬液供給キャップ707が設けられ、この熱運搬液供給キャップ707を開いてリザーブタンク410Bへ熱運搬液が供給される。熱運搬液循環管路412は、熱運搬液ポンプ413を境として熱運搬液循環管路412aと熱運搬液循環管路412bから構成され、熱運搬液循環管路412aは、熱運搬液タンク410Aに接続されている。
【0071】また、熱運搬液タンク410Aに接続された熱運搬液循環管路411は、配管411aを介して接続ジョイント部b2に接続され、配管411bを介して接続ジョイント部b7に接続されている。さらに熱運搬液循環管路412bには第2の熱運搬液エア抜き通路712が接続され、この第2の熱運搬液エア抜き通路712のエア抜き通路開放端712aから熱運搬液エア抜きが行われる。
【0072】この実施の形態の余熱利用装置は、図8に示すように、床暖房パネル556の他に、余熱利用放熱器としての放熱部1002と、この放熱部1002を内蔵する熱交換タンク1000及び給湯タンク1001を備えている。熱交換タンク1000には、市水が供給される。放熱部1002の一端は、配管1002aを介して接続ジョイント部b8に接続され、他端は配管1002bを介して接続ジョイント部b7に接続され、余熱利用ユニット70´から回収された余熱を循環させるようにしている。
【0073】この熱交換タンク1000と給湯タンク1001とが連結され、給湯タンク1001には、市水の水圧よりは高い開弁圧のリリーフ弁1003及び蛇口1004が設けられ、給湯タンク1001の内部にはフロート式の湯面レベル保持弁1005が設けられている。
【0074】エンジン排熱受熱配管415からは、分岐排出口601jと熱運搬液出口601bとから受熱により高温となった熱運搬液がそれぞれ床暖房パネル556と、放熱部1002に供給される。分岐排出口601jからの熱運搬液の温度より、熱運搬液出口601bからの温度が高くなっており、温度差を有する熱運搬液を余熱利用装置の熱源とすることで、例えば床暖房や給湯の利用に応じた温度差を得ることができ、複数の用途の余熱利用が可能である。また、給湯の市水は、余熱利用ユニット70´内に供給されないため、その分給湯の汚れを防止することができる。
【0075】また、分岐排出口601jに代えて冷媒凝縮熱受熱配管414とエンジン排熱受熱配管415との間の連通管路800に分岐排出口601kを設け、この分岐排出口601kから熱運搬液を熱運搬液循環管路416Bを介して床暖房パネル556に供給するようにしてもよい。
【0076】また、冷媒凝縮熱放熱配管414の上流温度を検知する余熱冷媒液温度温度センサ419aの第1温度センサと、エンジン排熱放熱配管415の上流温度を検知する排熱温水温度センサ438の第2温度センサと、冷媒凝縮熱放熱配管414の下流側に絞り開度を可変とする電子膨張弁238aの可変膨張弁とを有し、第2温度センサの検知温度が第1温度センサの検知温度より低い時、可変膨張弁開度を絞るように制御することで冷媒循環量を減らすことができ、簡単な構造で床暖房や給湯や乾燥等の利用に応じた温度差を得ることができる。
【0077】次に、この発明の余熱利用ユニットが組み込まれるヒートポンプ装置の他の実施の形態を図9乃至図15に基づいて説明する。図9はヒートポンプ装置の室外機の構成を示す図、図10はヒートポンプ装置の室内機の構成を示す図ある。
【0078】この実施の形態のヒートポンプ装置1は、主に、室外機2と、室内機3とで構成されている。室内機3は、図10に示すように冷媒用の室内熱交換器41、減圧用の電子膨張弁42及び室内熱交換用の送風ファン44が不図示のケーシング内に備えられ、各部屋R毎に配置される。また、各部屋Rに室内温度センサ43及びリモコン操作部87が備えられている。ある部屋Rには、床暖房パネル85が設けられると共に、床暖房状態検知手段を構成する床暖房温度センサ85aが設けられている。また、他のある部屋Rには、給水装置86が設けられ、さらに図示しない他のある部屋には加熱装置が設けられる。
【0079】室外機2は、図9に示すようにエンジン5、圧縮機6,6等が配設され、さらにメインアキュムレータ(以下、水−冷媒間熱交換器すなわち排熱回収器ともいう)8、サブアキュムレータ9、冷媒用の室外熱交換器11及び放熱用ラジエータ13等が配設されている。放熱用ラジエータ13には、冷却ファン13aが備えられている。
【0080】エンジン5として水冷式ガス燃料エンジンが用いられるが、例えば電動モータで圧縮機6,6を駆動するようにしてもよい。エンジン5の吸気通路には吸気管21aを介してガスミキサ21b、エアクリーナ21cが接続されている。ガスミキサ21bは燃料管路22によりガス燃料源に接続され、ガスミキサ21bには一体化されたスロットル弁の駆動モータ22a、燃料管路22にはガス流量制御弁22b、ゼロガバナ(減圧弁)22d及び電磁弁22cが設けられ、燃料ガスボンベへ連結される。
【0081】また、エンジン5の排気通路には、排気管23aを介して排ガス熱交換器23b、排気サイレンサ23c、ミストセパレータ23dが接続されている。排ガス熱交換器23b、排気サイレンサ23c及びミストセパレータ23dに生じるドレン水は、中和器23eに排出される。また、エンジン5には潤滑油タンク24aが備えられ、澗滑油量が減少すると電磁弁24bが開き、潤滑油が重力によって供給されるようになっている。
【0082】エンジン5の出力軸5aには、クラッチ6a,6aを介して冷媒回路200に配置された圧縮機6,6が接続されている。圧縮機6の吐出口は冷媒管路16a、ポート15a,15cが連通して冷房運転位置に切り替えられた四方弁15、冷媒管路16bを介して冷媒用の室外熱交換器11に接続され、この冷媒用の室外熱交換器11は冷媒管路16c、メインアキュムレータ8内の熱交換部8a(冷房時、冷媒を過冷却にする機能を有する)、冷媒管路17a,17cを介して図2に示す室内機3に配置された電子膨脹弁42、冷媒用の室内熱交換器41に接続されている。冷媒管路17aと冷媒管路17cは、継ぎ手100で接続され、冷媒管路17aには、ドライヤ101、開閉弁102が配置されている。
【0083】この冷媒用の室内熱交換器41は冷媒管路17b,17dを介して、図9に示す室外機2に配置されたポート15d,15bが連通して冷房運転位置に切り替えられた四方弁15、冷媒管路16d、メインアキュムレータ8、冷媒管路16e、サブアキュムレータ9、冷媒管路16fを介して圧縮機6,6の吸い込み口に接続されている。冷媒管路17bと冷媒管路17dは、継ぎ手110で接続され、冷媒管路17bには、開閉弁111が配置されている。
【0084】なお、暖房運転時には四方弁15が切り換えられ、ポート15aとポート15dが連通する一方、ポート15cとポート15bが連通する。これにより、圧縮機6から圧送される冷媒は室内機3に送られ室内熱交換器41、電子膨張弁42を経て、室外機3に戻り、室外熱交換器11、メインアキュムレータ8、サブアキュムレータ9を経て圧縮機6に吸引される。
【0085】冷媒管路16eには、毛細管900が配置され、910,910は各々温度検知器と毛細管を組み合わせたものであり、冷媒温度を検知することによりメインアキュームレータ8内の液相冷媒のレベルを検知するためのものである。また、911は開閉弁、912はオイル排出通路であり、アキュームレータ下部に溜めるオイル量が多くなると手動あるいは自動により開閉弁911を開け、オイルをメインアキュームレータ8からサブアキュームレータ9の方へ流すようにしている。
【0086】また、冷媒管路16aの途中には、冷媒中の潤滑油を分離するオイルセパレータ19aが設けられ、このオイルセパレータ19aで分離された潤滑油量が所定値以上になると、オイルストレーナ19b、毛細管19cを介して圧縮機6,6の吸い込み口側の冷媒管路16fに戻される。また、冷媒管路16aはオイルストレーナ20a、管内圧力が所定圧以上時に開く電磁弁20bを介してメインアキュムレータ8側の冷媒管路16dに接続されており、これにより冷媒管路圧力の異常上昇を回避している。
【0087】冷媒管路16dと冷媒管路16c間に接続された冷媒管路16gには、電磁弁90、オイルストレーナ91が配置され、冷房時、冷媒用の室内熱交換器41の負荷が特に小さくなる時、電磁弁90が開き、冷媒を冷媒用の室内熱交換器41を迂回してメインアキュームレータ8へ流すようにし、負荷とのバランスをとるようにしている。冷媒管路16aには圧縮機6の高圧側圧力センサS610が配置され、冷媒管路16fには圧縮機6の低圧側圧力センサS611が配置されている。また、冷媒管路16cには冷媒用の室外熱交換器11と熱交換器8aの中間に、冷媒温度センサCが配置されている。
【0088】室外機2には、冷却水循環システムが備えられ、この冷却水循環システムの循環路Sは、エンジン5のエンジン冷却水ジャケット28b、切換弁K、これらを連通する循環通路29a1,29a2からなるエンジン側循環半路S1と、リニア三方弁28d、他方は水−冷媒間熱交換器8内の熱交換部29g、冷却水ポンプ28e、排ガス熱交換器23b、これらを連通する循環通路29b,29c,29c1,29c2,29c3,29f1,29f2,29p,29e1,29e2からなる放熱側循環半路S2を有している。エンジン側循環半路S1と放熱側循環半路S2で、冷却水温度が所定値を越えた場合のエンジン暖機時の循環路を形成している。
【0089】循環通路29cは、放熱用ラジエータ13に接続され、また、連通路29qはエンジン5の始動直後の暖機運転中エンジン側循環半路S1を迂回し、放熱側循環半路S2を閉回路とする循環通路を構成する。また、放熱用ラジエータ13には、冷却水用リザーバタンク30aが水管路30c、冷却水循環システムの循環路S全体のリリーフ弁機能を有する注入口30bを介して接続されている。注入口30bには切換弁Kの1つのポートも接続される。なお、冷却水用リザーバタンク30aには上部に注水口30dと大気との連通路30eが設けられている。
【0090】このヒートポンプ装置1には、図10に示すように室外機2の外側近傍に、余熱利用ユニット500が備えられ、この余熱利用ユニット500に市水が供給される。余熱利用ユニット500は、冷媒管路501,502を介して冷媒管路17c,17dに接続され、冷却水配管503,504を介して床暖房パネル85に接続される。冷却水配管503には、床暖開閉弁89が設けられている。また、余熱利用ユニット500には、配管505を介して給水装置86が接続されている。
【0091】なお、冷媒管路16bの途中には分岐部120が配置され、この分岐部120と図11に示す余熱利用ユニット500の間は冷媒配管121、接続ジョイント部122及び冷媒配管501で連結され、冷房時は電子膨張弁542が全閉とされるので、四方弁15からの冷媒を室外熱交換器11のみに流すとともに、暖房時は室外熱交換器11からと余熱利用ユニット500からの冷媒を合流する。そして、図11に示す余熱利用ユニット500の替わりに、図14に示す余熱利用ユニット500’が冷媒配管501、接続ジョイント部122、そして冷媒配管121を介して分岐部120と連結される場合には、分岐部120は、暖房時は室外熱交換器11と余熱利用ユニット500’に分流し、暖房時は室外熱交換器11からと余熱利用ユニット500’からの冷媒を合流する。
【0092】余熱利用ユニット500の構成を、図11に示す。図11の余熱利用ユニットの回路図について説明する。余熱利用ユニット500には、冷媒回路510と、冷却水回路520が配置されている。冷媒回路510には、暖房時、室内熱交換器41よりの上流の高圧高温冷媒が導かれる接続ジョイント部511と、この高温高圧冷媒が通過する冷媒放熱配管512と、この冷媒放熱配管512及び電子膨張弁514、通過後の冷媒の出口となる接続ジョイント部513とが配置されている。また、冷媒放熱配管512の両側には温度センサ515,516が配置されている。冷媒入口の接続ジョイント部511と冷媒放熱配管512の一方は冷媒管路540により接続され、冷媒放熱配管512の他方と電子膨張弁514の一方は冷媒管路541により接続され、電子膨張弁514の他方と冷媒出口の接続ジョイント部513は冷媒管路542により接続されている。
【0093】冷却水回路520には、冷媒放熱配管512からの熱を冷却水に伝達する受熱配管523が対向して配置され、さらに冷却水を循環させる冷却水ポンプ522、市水タンク525が配置されている。余熱利用ユニット500には、冷却水入口の接続ジョイント部521が設けられ、この冷却水入口の接続ジョイント部521に部屋Rの床に配置される床暖房パネル85から冷却水が冷却水配管504を介して導かれ、さらに冷却水は、冷却水入口の接続ジョイント部521から配管521Aを介して市水タンク525に供給される。
【0094】市水タンク525には、市水が接続ジョイント部521B、逆止弁521C及び配管521Dを介して供給される。市水タンク525には、市水の水圧よりは高い開弁圧のリリーフ弁525aが設けられ、市水タンク525の内部にはフロート式の湯面レベル保持弁525bが設けられている。
【0095】冷媒放熱配管512と受熱配管523を、冷媒からの受熱壁と冷却水への放熱壁を共通一体化した熱交パネル529で構成し、この熱交パネル529と冷却水ポンプ522を余熱利用ユニット500の外殻を構成する6面体のパネル内に収容し、且つ1つの面に接続ジョイント部513、511、524A1、524B1、521が配置され、6面体のパネルの1面に配管用の接続部を集中している。
【0096】受熱配管523の熱運搬液入口523aは、冷却水ポンプ522に接続され、熱運搬液出口523bは、配管524Aを介して接続ジョイント部524A1に接続されている。受熱配管523には、熱運搬液入口523aと熱運搬液出口523bの途中部に分岐排出口523cが設けられている。この分岐排出口523cには、配管524Bが接続され、この配管524Bは接続ジョイント部524B1に接続されており、分岐排出口523cから分流される熱運搬液は、冷却水配管503を介して床暖房パネル(エンジン排熱利用放熱器)85へ供給され、さらに冷却水配管504から接続ジョイント部521A1、配管521Aを介して市水タンク525に戻されて循環する。熱運搬液出口523bからの高温の熱運搬液は冷却水配管505を介して給湯に使用される。使用された分の水が市水から市水タンク525に新たに供給される。
【0097】熱運搬液入口523aの上流側には、温水入口温度センサ526が配置され、熱運搬液出口523bの下流側には温水出口温度センサ526aが配置され、さらに分岐排出口523cの下流側には温水出口温度センサ526bが配置されている。また、冷媒放熱配管512の冷媒入口512aの上流側には、余熱冷媒液温度センサ515が配置され、冷媒出口512bの下流側には、余熱冷媒液温度センサ516が配置されている。
【0098】このように冷媒の凝縮熱を放熱する冷媒放熱配管512を設け、この放熱配管512の流れと反対方向に熱運搬液を流す受熱配管523を冷媒放熱配管512と対向して配置している。この受熱配管523の熱運搬液入口523aと熱運搬液出口523bの途中部に分岐排出口523cを設けている。
【0099】冷媒入口512aの上流側から高温の冷媒が冷媒放熱配管512に供給され、この冷媒放熱配管512と受熱配管523とで熱変換されて冷媒出口512bから低温になった冷媒が排出される。
【0100】受熱配管523からは、分岐排出口523cと熱運搬液出口523bとから受熱により高温となった市水である熱運搬液が床暖房パネル85と、給水装置86に供給される。分岐排出口523cからの市水の温度より、熱運搬液出口523bからの温度が高くなっており、温度差を有する熱運搬液を余熱利用装置の熱源とすることで、例えば床暖房や給湯の利用に応じた温度差を得ることができ、複数の用途の余熱利用が可能である。
【0101】図12はヒートポンプ装置の制御回路図である。ヒートポンプ装置1は、室内機制御装置81及び室外機制御装置82を有している。室内機制御装置81は、室内機3の制御を行い、室外機制御装置82は、室外機2の制御を行う。
【0102】室内機制御装置81には、床暖房温度センサ85a及び室内温度センサ43からの温度情報が入力され、リモコン操作部87からの指令に基づき送風ファン44や電子膨張弁42を制御し、室内暖房を行い、また床暖開閉弁89を開閉して床暖房を行い、運転状態の情報の授受を室外機制御装置82との間で行う。
【0103】室外機制御装置82はエンジン5の運転を行う。また、室外機制御装置82には、高圧側圧力センサ610、低圧側圧力センサ611、その他のセンサ群Fからの情報が入力され、さらに室外熱交換器入口空気センサCから温度情報が入力され、これらの温度情報に基づき、リニア三方弁28d、四方弁15、その他のアクチュエータ群Eを制御する。室外機制御装置82は余熱利用ユニット制御装置80との間で運転状態の情報の授受を行う。
【0104】暖房運転中、室内機制御装置81は電子膨張弁42のサブクール制御を行う。床暖房運転も同時に実施される場合には、余熱利用ユニット制御装置80と室内機制御装置82とで、余熱利用ユニット500内の電子膨張弁514のサブクール制御を行うサブクール制御とは、室内熱交換器85あるいは冷媒放熱配管512で凝縮して放熱し冷却された冷媒の温度(室内温度センサ43あるいは温度センサ516)が、高圧の圧力値(高圧側圧力センサ610で検知)を基に、予め記憶されるメモリーデータから求まる飽和液温度より、所定値(サブクール値)だけ低くなるように制御することである。
【0105】飽和液温度から所定値を引いた目標温度に対して、温度センサ43あるいは温度センサ516で検知される冷媒温度検知値が大なる程、電子膨張弁42あるいは514の開度を小さくする。これにより、冷媒循環量が低下し、その分所定冷媒量当たりの放熱量が増加して冷媒温度検知値が低下し、且つ電子膨張弁42あるいは514の開度が小さくなる分、高圧圧力が増加して飽和液温度が上昇して、目標温度に対して冷媒温度検知値を略同等とすることができる。また、目標温度に対して冷媒温度検知値が小なる程、電子膨張弁42あるいは514の開度を大きくする。これにより冷媒循環量が増加し、その分所定冷媒量当たりの放熱量が減少して冷媒温度検知値が増加し、且つ電子膨張弁42あるいは514の開度が大きくなる分、高圧圧力が減少して飽和温度が低下して、目標温度に対して冷媒温度検知値を略同等とすることができる。
【0106】なお、暖房運転中余熱利用ユニット500へ分流した分の冷媒は、蒸発器となる室外熱交換器11を通過しないが、エンジン排熱を熱交換部29gにより冷媒中に取り込むアキュムレータ8内において液相冷媒が蒸発する。
【0107】図13は運転時のエネルギーの流れ図である。
【0108】エンジン5で燃料が燃焼して発生するエネルギーEの内、Eの機械エネルギーが圧縮機6により冷媒に与えられ、エネルギーEの内の排熱はさらに分岐され、エネルギーEがエンジン冷却水に回収され、エネルギーEが排気ガスとともにあるいはエンジン5表面から大気中に放出される。エンジン冷却水に回収されるエネルギーEは、リニヤ三方弁28dにおいてエンジン冷却水がI、Iに分岐するのに連れてエネルギーE31とエネルギーE32に分岐する。蒸発器(暖房時室外熱交換器11、冷房時室内熱交換器11)においてエネルギーEが冷媒に与えられ、エネルギーE31が熱交換部29gにおいて冷媒に与えられる。これにより、エネルギーEとエネルギーE31とエネルギーEとが合流しエネルギーEとなる。エネルギーEは分岐し、エネルギーE61、E62となる。エネルギーE61は凝縮器(暖房時室内熱交換器41、冷房時室外熱交換器11)において放熱される。エネルギーE62は、さらに分岐してエネルギーE621、E622となり、床暖房パネル85及び給水装置86から放熱される。
【0109】一方エネルギーE32が使用された後でもエンジン冷却水温度が高いと、循環通路29cがエンジン冷却水を分岐して放熱用ラジエータ13の方へ流す。すなわち、分岐する前のエンジン冷却水量IによるエネルギーE32は放熱用ラジエータ13において大気中に放出される。
【0110】また、冷房時においては、蒸発器(室内熱交換器41)により吸熱がされつつ、エネルギーE31、エネルギーE62は0とされる。なお、冷房運転中には電子膨張弁514は全閉にされる。
【0111】図14及び図15は冷媒圧送式熱移動装置の余熱利用ユニットの他の実施の形態を示し、図14は余熱利用ユニットの他の実施の形態を示す配管とエア抜き通路類の図、図15は余熱利用装置を示す図である。この実施の形態の余熱利用ユニット500´では、市水が余熱利用ユニット500´内に入らないようにしたものであり、図11の実施の形態と同じ構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0112】余熱利用ユニット500´の冷却水回路520には、空気分離器525Aを配置している。空気分離器525には、冷却水供給部527と、空気リリーフ部528が備えられている。冷却水供給部527は、主に第1給水用キャップ530、給水配管527e、リザーブタンク527aからなり、リザーブタンク527aには第2給水用キャップ527bが取り付けられている。第1給水用キャップ530を外して第1給水口530aから供給される冷却水は、給水配管527eを通って空気分離器525内へ供給される。また、第2給水用キャップ527bを給水配管531の端部、排気管527cの端部と一緒にリザーブタンク527aより取り外す場合には、リザーブタンク527a内に給水することができる。
【0113】リザーブタンク527aの冷却水は、給水配管531、給水配管527eにより空気分離器525に供給される。給水配管527eには空気リリーフ部528の空気リリーフ弁528aが配置され、この空気リリーフ弁528aは空気分離器525の上部525Aの空気室に接続されたリリーフ管528bからの空気圧力が所定圧力になると開放され、空気分離器525の圧力が過剰に上昇することを防止する。
【0114】空気分離器525は、空気を分離するので受熱配管523での効率よい受熱、床暖房パネル85での効率よい放熱が可能となり、床暖房効率が向上する。また、冷却水ポンプ522は床暖房パネル85で放熱後の水を循環するので熱負荷が小さく、また、空気が分離された後の水を循環するので吐出効率が良い。
【0115】また、空気分離器525に冷却水供給部527と、空気リリーフ部528を設けており、空気のみでなく、蒸気も空気分離器525から吐出され床暖房用の循環冷却水が減少していくが、空気分離器525が水タンクとして活用でき、且つ冷却水の補給も可能となる。
【0116】冷媒回路510には、ポートe,f,g,hを有する四方弁5001が配置され、この四方弁5001により暖房運転時にポートeとポートhの接続で配管542aと配管542bが連通し、ポートfとポートgの接続で配管540aと配管540bが連通し、配管542bは接続ジョイント部513に、配管540bは接続ジョイント部511に接続されている。接続ジョイント部513には、冷媒管路501を介して室外機1内の冷媒配管121が接続され、接続ジョイント部511には、冷媒管路502を介して図10の管路17dが接続されている。即ち、冷暖両方の運転時に余熱利用ユニット500’を活用して温度差のある熱運搬液を供給することができる。
【0117】受熱配管523からは、分岐排出口523cと熱運搬液出口523bとから受熱により高温となった熱運搬液が床暖房パネル85と、余熱利用放熱器としての放熱部1002に供給される。放熱部1002は、熱交換タンク1000内に配置され、熱交換タンク1000に市水が供給される。
【0118】放熱部1002の一端は、配管1002aを介して接続ジョイント部524A1に接続され、他端は配管1002bを介して接続ジョイント部521A2に接続され、余熱利用ユニット500´から回収された余熱を循環させるようにしている。
【0119】このように受熱配管523からは、分岐排出口523cと熱運搬液出口523bとから受熱により高温となった熱運搬液が放熱部1002と、床暖房パネル85に供給される。分岐排出口523cからの市水の温度より、熱運搬液出口523bからの温度が高くなっており、温度差を有する熱運搬液を余熱利用装置の熱源とすることで、例えば床暖房や給湯の利用に応じた温度差を得ることができ、複数の用途の余熱利用が可能である。
【0120】
【発明の効果】前記したように、請求項1あるいは請求項2記載の発明では、回収したエンジン排熱あるいは冷媒の凝縮熱の少なくともいずれか1つを放熱する放熱配管を設け、この放熱配管の冷媒の流れと反対方向に熱運搬液を流す受熱配管を放熱配管と対向して配置し、受熱配管の入口と出口の途中部に少なくとも一つの分岐排出口を設け、温度差を有する熱運搬液を熱源としたから、例えば床暖房や給湯や乾燥等の余熱利用装置の利用に応じた温度差を得ることができ、複数の用途の余熱利用が可能である。また、空調装置を室内暖房以外にも加熱用に利用可能とするに当たり、温度差を有する熱運搬液を余熱利用装置の熱源とするだけでよく、改造工事が簡単に実施できる。
【0121】請求項3記載の発明では、エンジン排熱の方が凝縮熱より高くなりやすく、簡単な構造で床暖房や給湯や乾燥等の余熱利用装置の利用に応じた温度差を得ることができる。
【0122】請求項4記載の発明では、冷媒凝縮放熱配管の上流熱運搬液温度を検知する第1温度センサと、エンジン排熱放熱配管の上流熱運搬液温度を検知する第2温度センサと、冷媒凝縮熱放熱配管の下流側の冷媒管路に絞り開度を可変とする可変膨張弁とを有し、第2温度センサの検知温度が第1温度センサの検知温度より低い時、可変膨張弁開度を絞るように制御することで、簡単な構造で床暖房や給湯や乾燥等の余熱利用装置の利用に応じた温度差を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成10年9月9日(1998.9.9)
【代理人】 【識別番号】100081709
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴若 俊雄
【公開番号】 特開2000−88395(P2000−88395A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−254741