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【発明の名称】 排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置
【発明者】 【氏名】池島 清美

【要約】 【課題】乗り物の内燃機関の排熱を有効利用して乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫を冷やすことができ、安価で、振動や騒音ない。

【解決手段】乗り物や船の内燃機関2の排出する排熱を、乗り物に備えた冷凍庫3や冷蔵庫に設けた吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両や船等の乗り物の内燃機関の排出する排熱を、乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫に設けた吸収冷凍機の発生器の熱源として成ることを特徴とする排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置。
【請求項2】 吸収冷凍機が、アンモニアが水に溶解したアンモニア水溶液を溜める受液槽と、受液槽からアンモニア水溶液が供給され且つ乗り物の内燃機関の排出する排熱を熱源としてアンモニアガスと水との混合ガスを発生させる発生器と、発生器から発生した混合ガスをアンモニアガスと水蒸気及び水滴とに分離する分離器側に供給するかあるいはバイパス管側に供給するかを切り換え自在とした第1切り替え弁と、分離器で分離されたアンモニアガスを凝縮するための凝縮器と、凝縮器で凝縮されたアンモニア液を溜めるためのアンモニア溜り部と、アンモニア溜り部からのアンモニア液を端部が受液槽に連通した気化器に供給するか、又はバイパス管から供給される混合ガスを上記気化器に供給するかを切り換えるための第2切り換え弁と、分離器で分離された水蒸気及び水滴が供給され且つ端部が受液槽に連通した吸収管と、吸収管の分離器側の端部と気化器とを接続する連通管とで構成され、受液槽の上部、吸収管、連通管、気化器という一連の管路に水素を封入して成ることを特徴とする請求項1記載のガス吸収式冷暖房装置。
【請求項3】 アンモニアガスが流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部を形成して成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス吸収式冷暖房装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍車、冷蔵車、保冷車などの車両において、冷凍車、冷蔵車、保冷車(以下、これらを総称して便宜上冷凍車として説明する)は車両に冷凍機を積載して冷凍庫内を冷やすようになっている。そして、従来にあっては冷凍車における冷凍機はヒートポンプ式の冷凍サイクルのものを用い、車両のエンジンでコンプレッサを駆動するようにしている。
【0003】ところが、上記の従来例においては、車両のエンジンでコンプレッサを駆動する必要があるので、冷凍車における冷凍機を用いて冷凍庫を冷やすのにエネルギーコストがかかり、また、コンプレッサを駆動するために、振動や騒音が発生するという問題がある。
【0004】また、従来から冷凍機としてヒートポンプ式の冷凍サイクルのものの他に、吸収冷凍機が知られている。このものはコンプレッサを必要としないが、発生器を加熱して冷媒蒸気を発生させる熱源を必要とする。そして、この熱源としては一般に都市ガス、プロパンガス、電熱器等であり、このような熱源は車両に付設されておらず、したがって、従来にあっては吸収冷凍機は冷凍車の冷凍機として使用されていないのが現実である。また、仮に、このような熱源を車に付設できたとしても、発生器を加熱するための熱源のエネルギーコストがかかるという問題がある。
【0005】更に、吸収冷凍機の熱媒としてアンモニアが使用されているが、仮に吸収式冷凍機を乗り物に装備した場合、衝突事故などにより吸収冷凍機の配管が破損してアンモニアガスが漏出すると、アンモニアガスは悪臭を発生する有害ガスであるので、この有害ガスが漏出すると周囲にきわめて悪影響を与えて環境を悪化させ、また、交通事故にあった人の救助や事故処理の障害となるという問題がある。
【0006】また、上記いずれの従来例にあっても冷凍庫内に霜が付着して冷熱効率が悪くなるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、車両や船等の乗り物の内燃機関の排熱を有効利用して車両や船に備えた冷凍庫や冷蔵庫を冷やすことができ、安価で、振動や騒音なく、しかも、簡単な構成で霜取りができ、また乗り物が事故を起こしてアンモニアガスが漏出しても、瞬間的にアンモニア水として周囲に強烈な悪臭を放つことながいようにできる排熱利用によるガス吸収式冷暖房装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係るガス吸収式冷暖房装置は、車両1や船等の乗り物の内燃機関2の排出する排熱を、乗り物に備えた冷凍庫3や冷蔵庫に設けた吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとして成ることを特徴とするものであり、このような構成とすることで、乗り物を移動させるための駆動源である内燃機関2の排出する排熱を有効利用して乗り物に備えた冷凍庫3や冷蔵庫(以下冷凍庫3を例示して説明する)に設けた吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとし、これにより、冷凍庫3を冷却することができるものである。
【0009】また、吸収冷凍機4が、アンモニアが水に溶解したアンモニア水溶液6を溜める受液槽7と、受液槽7からアンモニア水溶液6が供給され且つ乗り物の内燃機関2の排出する排熱を熱源Aとしてアンモニアガスと水との混合ガスを発生させる発生器5と、発生器5から発生した混合ガスをアンモニアガスと水蒸気及び水滴とに分離する分離器8側に供給するかあるいはバイパス管9側に供給するかを切り換え自在とした第1切り替え弁10と、分離器8で分離されたアンモニアガスを凝縮するための凝縮器11と、凝縮器11で凝縮されたアンモニア液を溜めるためのアンモニア溜り部12と、アンモニア溜り部12からのアンモニア液を端部が受液槽7に連通した気化器13に供給させるか、又はバイパス管9から供給される混合ガスを上記気化器13に供給するかを切り換えるための第2切り換え弁14と、分離器8で分離された水蒸気及び水滴が供給され且つ端部が受液槽7に連通した吸収管15と、吸収管15の分離器8側の端部と気化器13とを接続する連通管16とで構成され、受液槽7の上部、吸収管15、連通管16、気化器13という一連の管路に水素を封入することが好ましい。このような構成とすることで、発生器5で発生したアンモニアガスと水蒸気との混合ガスが分離器8側に流れるように第1切り換え弁10を切り換えると共に、アンモニア溜り部12からのアンモニア液を気化器13に供給するように第2切り換え弁14を切り換えることで、発生器5で発生したアンモニアガスと水との混合ガスが分離器8でアンモニアガスと水蒸気及び水滴に分離され、アンモニアガスは凝縮器11で凝縮されてアンモニア液となってアンモニア溜り部12に溜り、このアンモニア溜り部12から供給されるアンモニア液が気化器13で気化するとともに水素と混合し、アンモニアが水素と混合することでアンモニアの分圧が低くなって気化がより促進されて急激に気化膨張して気化熱を奪うことで、気化器13部分において冷却され、また、水素とアンモニアの混合したものが受液槽7に導かれ、受液槽7の上部の空間を通過して吸収管15に流れ、一方、分離器8で分離された水蒸気及び水滴は吸収管15に供給されて発生器5に流れる際に、吸収管15に流れ込んだアンモニアと水素との混合ガスのうち、アンモニアを吸収してアンモニア水溶液となって発生器5に流れ、この時水蒸気及び水滴にアンモニアが吸収される際の吸収熱を周囲から奪うことで吸収管15部分が冷却されるものであり、吸収管15の端部からは水素のみが気化器13側に流れ、これにより、管路内の圧力を水素により均一化することができるものである。他方、第1切り換え弁10を切り換えて発生器5から発生した混合ガスをバイパス管9側に供給すると共に第2切り換え弁14を切り換えてバイパス管9から供給される混合ガスを気化器13に供給すると、発生器5で発生した高温のアンモニアガスと水蒸気との混合ガスがバイパス管9から気化器13に供給され、これにより気化器13は高温の混合ガスにより暖房器となり、温度の下がったアンモニアガスと水蒸気とが結合してアンモニア水溶液となり、受液槽7に流れて溜まるものである。
【0010】また、アンモニアガスが流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部17を形成することが好ましい。このような構成とすることで、乗り物が衝突事故などを起こして配管が破損する場合、衝突の衝撃でアンモニアガスが流れる配管の近傍の水溜め部17も破損することになり、この結果、アンモニアガスが漏出しても破損した水溜め部17から流れ出る水とアンモニアガスが瞬間的に接触してアンモニア液となり、これにより、有害なアンモニアガスが周囲に流れて環境汚染を行うことがないものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】本発明としては車両1や船等の内燃機関2を備えた乗り物として図1に模式的に示す冷凍車のような車両1を例として説明する。
【0013】内燃機関2を備えた車両1には冷凍庫3が装備してあり、この冷凍庫3は以下に述べるような吸収冷凍機4により冷やすようになっている。
【0014】本発明における吸収冷凍機4は、図2に示すような構造となっている。すなわち、アンモニアが水に溶解したアンモニア水溶液6を溜める受液槽7には注入弁20が設けてあって、この注入弁20より濃度28%以上の高濃度のアンモニア水溶液を受液槽7に所定量供給してある。受液槽7の下部と発生器5の下部とはアンモニア水溶液供給管21により連通してあり、受液槽7から発生器5にアンモニア水溶液6が供給されるようになっている。ここで、受液槽7と発生器5とは吸収冷凍機4の下部のほぼ同じ高さ位置に配設してあり、受液槽7内におけるアンモニア水溶液の水位と発生器5内における水溶液の水位とが同じレベルとなっている。発生器5は熱源Aにより加熱されるようになっていてアンモニア水溶液を入れた発生器5を熱源Aにより加熱することで、アンモニアガスと水蒸気が発生する。
【0015】発生器5の上部には上昇管22の下端部が連通接続してある。上昇管22の上端部には第1切り換え弁10を介して分離器8とバイパス管9とが接続してあって、第1切り換え弁10を切り換えることで、発生器5で発生したアンモニアガスと水蒸気との混合ガスを分離器8側に供給するかあるいはバイパス管9側に供給するかを選択できるようになっている。
【0016】分離器8はアンモニアガスと水蒸気との混合ガスを比重差を利用してアンモニアガスと水蒸気及び水滴とに分離するためのものであり、分離器8の上部には分離されたアンモニアガスが供給されてアンモニアガスを凝縮するための空冷式凝縮器のような凝縮器11が連通接続してあり、凝縮器11でアンモニアガスが凝縮されてアンモニア液となり、凝縮器11の上流側に設けたアンモニア溜り部12に凝縮されたアンモニア液が溜まるようになっている。分離器8の下部には上記第1切り換え弁10を介して分離器8で分離された水蒸気及び水滴が流れる排出管23が連通接続してあり、第1切り換え弁10を分離器8側が開となるように切り換えた状態では排出管23側も開となって分離器8で分離された水蒸気及び水滴が排出管23に流れるようになっており、また、バイパス管9側が開となり分離器8側が閉となるように第1切り換え弁10を切り換えた場合には排出管23側も閉となるものである。
【0017】アンモニア溜り部12に連通接続した接続管24の端部とバイパス管9の端部とはそれぞれ第2切り換え弁14を介して気化器13の上端部に接続してある。そして、第2切り換え弁14を切り換えて接続管24が気化器13の上端部に連通する場合にはアンモニア溜り部12からアンモニア液が供給されて気化器13で気化されるようになっており、この場合にはバイパス管9と気化器13とは連通せず閉となっている。一方、第2切り換え弁14を切り換えてバイパス管9と気化器13とを連通する場合には高温のアンモニアガスと水蒸気との混合ガスが気化器13に流れて気化器13を暖房器として加熱するものであり、この場合には接続管24と気化器13とは連通せず閉となっている。気化器13には送風機25対向配置してあって気化器13に送風機25から送風するようになっており、この送風機25は切り換え装置26により風速並びに風量を切り換え自在となっている。図の実施形態においては送風機25からの送風が気化器13に通過するようにしているが、この送風機25から送風される風は実際は吸収管15も通過するものである。
【0018】気化器13は蛇行しているが下部は下降管27となっていて受液槽7の上面部の一端部に連通接続してある。受液槽7の上面部の他端部には吸収管15の下端部が連通接続してあり、吸収管15は上下方向に蛇行しており、吸収管15の上端部が排出管23に連通接続してあり、更に、吸収管15の上端部の排出管23との連通接続部分付近において上方に立ち上がった連通管16の下端部が連通接続してあり、連通管16の上端部が気化器13の上端部に連通接続してあって、受液槽7の上部、吸収管15、連通管16、気化器13が連通した管路となっており、この管路には水素が封入してあって上記管路が水素が流れる水素流路となっている。
【0019】本発明においては、上記のような吸収冷凍機4を車両1に備えた冷凍庫3を冷やすための冷凍機として装備し、この吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとして車両1に設けた内燃機関2の排熱を利用することに特徴がある。
【0020】車両1に設けた内燃機関2の排熱を利用して上記吸収冷凍機4の排熱を発生器5の熱源Aとすることの例を以下に示す。
【0021】図3においては内燃機関2の多岐排気管30を流れる排気ガスの排気熱で発生器5を加熱する例が示してある。すなわち、内燃機関2に接続した多岐排気管30を合流させた合流部31に発生器5を配設し、排気ガスの排気熱で発生器5を加熱するようにしている。
【0022】また、図4においては排気ガスを流す排気管32又は排気管32に設けたマフラー33に発生器5を配設して発生器5を排気ガスの排気熱により加熱するようにしている。
【0023】また、図5においてはエンジンを冷却するためのラジエーター34に発生器5を配設してラジエーター34の熱により発生器5を加熱するようにしている。
【0024】しかして、通常車両1に備えた冷凍庫3を冷却する場合には、発生器5で発生したアンモニアガスと水蒸気との混合ガスが分離器8側に流れるように第1切り換え弁10を切り換えると共に、アンモニア溜り部12からのアンモニア液を気化器13に供給するように第2切り換え弁14を切り換えるものである。この状態で、発生器5を上記車両1に備えた内燃機関2の排熱により吸収冷凍機4のアンモニア水溶液が入った発生器5を加熱することで、アンモニアガスと水蒸気とが発生し、このアンモニアガスと水蒸気との混合ガスが上昇管22を上昇し、第1切り換え弁10を経て分離器8に流れ、分離器8で比重差を利用してアンモニアガスと水蒸気及び水滴とに分離される。分離されたアンモニアは凝縮器11に流れ、凝縮器11で凝縮されてアンモニア液となってアンモニア溜り部12に流れて溜まる。アンモニア溜り部12に溜まったアンモニア液は第2切り換え弁14を経て気化器13に供給され、気化器13で気化される。この場合、気化器13で気化するアンモニアは水素と混合する。このようにアンモニアガスが水素と混合することで、アンモニアの分圧が低くなって気化がより促進されて急激に気化膨張して気化熱を奪い、これにより気化器13部分が冷却される。ここで、送風機25から送風される風が気化器13の外側を通過することで冷風となり、車両1に備わった冷凍庫3が冷やされるものである。また、気化器13を流れた水素とアンモニアガスの混合したものが受液槽7に流れる。ここで、水素とアンモニアガスの混合したものが気化器13を通過していく際にアンモニアガスの一部が冷やされてアンモニア液となって、下降管27から受液槽7に流れ落ちる。また、他のアンモニアガスは水素とともに受液槽7の上部の空間を通過して吸収管15に流れる。一方、分離器8で分離された水蒸気及び水滴は排出管23から吸収管15に流れる。そして、吸収管15を水素と共に上昇して流れるアンモニアガスが吸収管15を下降する水蒸気及び水に吸収されることで、周囲から吸収熱を奪って吸収管15部分が冷却される。ここで、送風機25から送風される風が吸収管15の外側を通過することで冷風となり、冷凍庫3が冷やされるものである。このようにして吸収管15でアンモニアガスが吸収されることで、水素だけが吸収管15から連通管16を上昇して気化器13の上端部に流れ、気化器13で気化したアンモニアと混合され、上記と同様のサイクルを繰り返すものである。そして、この水素は上記のように受液槽7の上部、吸収管15、連通管16、気化器13により構成される水素流路を循環して流れるものであり、この水素により管路内の圧力が均一化されるものである。
【0025】上記のように本発明においては気化器13部分と、吸収管15部分において冷やされることで、冷凍庫3が冷却されるのである。
【0026】次に、第1切り換え弁10を切り換えて発生器5から発生した混合ガスをバイパス管9側に供給すると共に第2切り換え弁14を切り換えてバイパス管9から供給される混合ガスを気化器13に供給すると、発生器5で発生した高温のアンモニアガスと水蒸気との混合ガスがバイパス管9から気化器13に供給され、これにより気化器13は高温の混合ガスにより暖房器となり、送風機25からの風が気化器13の外側を通過する際に加熱され、したがって、上記冷凍庫3を冷却運転している途中で、一時的に第1切り換え弁10及び第2切り換え弁14を切り換えて気化器13を一時的に暖房器とすることで、冷凍庫3が加熱され、冷凍庫3を冷やして使用している場合に冷凍庫3内に発生した霜を取ることができるものである。
【0027】もちろん、第1切り換え弁10及び第2切り換え弁14を切り換えることで気化器13を暖房器とする運転を連続して行うことで、車両1に備えた冷凍庫3を車両1に設けた内燃機関2の排熱を有効利用して加温して温蔵庫とすることもできるものであり、冷凍庫3と温蔵庫との使用形態を切り換えにより選択自在とした冷凍庫付きの車両1とすることができるものである。
【0028】ここで、送風機25は切り換え装置により風量を切り換え自在としてあり、送風機25の風量並びに風速を切り換えることで、気化器13外部を通過する風量並びに風速が変更され、これにより任意の冷風又は温風を得ることができるものである。
【0029】ところで、図2に示すように、受液槽7、発生器5を下に、凝縮器11、気化器13を上に配置することで、ガスより液化して比重が重くなった場合に自然に上部より下部に下って流れ落ちるものであり、配管構成が合理的となり、動力を必要としないものである。
【0030】なお、アンモニア溜り部12にアンモニア液が溜められ、このアンモニア溜り部12がドレインの役目をして水素が凝縮器11側に流れないようになっている。
【0031】次に、本発明の他の実施形態につき説明する。本実施形態においてはアンモニアガスの流れる配管の近傍に水溜め部17を設けた構成に特徴がある。すなわち、車両1が衝突事故などの事故を起こした場合、吸収冷凍機4の配管が破損する恐れがある。この場合、アンモニアガスが流れる配管が破損すると有害気体であるアンモニアガスが漏出し、周囲に悪臭がただよって、事故を起こした人の救助や事故処理の妨げになると共に、周囲の環境を悪化させるおそれがある。このため、本実施形態においてはアンモニアガスが流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部17を形成しておくものである。水溜め部17としては、例えば図6に示すように、アンモニアガスが流れる配管(例えば図6においては気化器13が挙げられる)部分の外周を更に水を溜める外管18で囲み、この外管18の両端部を密封して外管18を水溜め部17として水を溜めてある。これにより車両1が事故を起こした場合に、アンモニアガスが流れる配管が破損する際に外管18が同時に破損することになり、アンモニアガスが配管の破損により漏出する際に同時に水溜め部17が破損して水が漏出し、漏出したアンモニアガスが水に接触することで瞬間的に水と結合してアンモニアガスに比べてはるかに害の少ないアンモニア水となり、この結果、有害気体であるアンモニアガスが周囲に流れ出て周囲に悪臭がただようという事態が生じないようにできるものである。図6においては2重管構造(つまりアンモニアガスが流れる配管が内管、外管18が水溜め部17となって水を溜めている2重管構造)のものの例を示したが、図7に示すようにアンモニアガスが流れる配管20の隣りに水を溜める水溜め部17となる配管21を並列して形成してもよい。また、図示を省略しているが、アンモニアが流れる配管と水溜め部17とを一体に結合することなく、両者を少し放して配置してもよい。いずれにせよ水溜め部17はアンモニアを流す配管が車両1の衝突事故等で破損する場合、同時に破損して水を漏出することができるように、アンモニアガスを流す配管の近傍に配設するものである。
【0032】そして、上記いずれの実施形態においても水溜め部17はアンモニアガスが流れる配管よりも強度を弱いものとするのが好ましい。この場合には、車両1が衝突事故等を起こした際に、アンモニアガスが流れる配管が破損する際には必ず水溜め部17が破損して水が漏出するようにできて、確実にアンモニアガスと水を接触させて、瞬間的にアンモニア水とすることができるものであり、また、水溜め部17の材料として強度の高いものを必要としないので、コストも低減できるものである。
【0033】上記した実施形態においては冷凍車のような車両1を例として説明したが、内燃機関2を備えた船に冷凍車を装備し、この冷凍庫の吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとして船の内燃機関2の排熱を利用するようにしてもよいものである。
【0034】なお、本発明の技術は車両や船の内燃機関2の排熱を利用して吸収冷凍機4の発生器5の熱源Aとする技術は、該吸収冷凍機4で車両や船の冷房や暖房を行うものに適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】上記の請求項1記載の本発明にあっては、車両や船等の乗り物の内燃機関の排出する排熱を、乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫に設けた吸収冷凍機の発生器の熱源としてあるので、乗り物を移動させるための駆動源である内燃機関の排出する排熱を有効利用して乗り物に備えた冷凍庫や冷蔵庫(以下冷凍庫を例示して説明する)に設けた吸収冷凍機の発生器の熱源とし、これにより、冷凍庫を冷却することができ、この結果、乗り物の内燃機関の排熱を有効利用して乗り物に備えた冷凍庫を冷やすことができて、エネルギーのロスを少なくして省エネが図れて安価に乗り物に備えた冷凍庫を冷やすことができるものであり、また、従来のヒートポンプ式の冷凍サイクルに基づく冷凍機を備えた冷凍車のように、乗り物のエンジンやこれとは別のエンジンでコンプレッサを駆動する必要がなく、この結果、騒音や振動なく冷凍庫を冷やすことができるものである。また、車両のエンジンとは別のエンジンを設けてコンプレッサを駆動する必要がないので、この別のエンジンの排気ガスによる環境悪化を防止できるものである。
【0036】また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、吸収冷凍機が、アンモニアが水に溶解したアンモニア水溶液を溜める受液槽と、受液槽からアンモニア水溶液が供給され且つ乗り物の内燃機関の排出する排熱を熱源としてアンモニアガスと水との混合ガスを発生させる発生器と、発生器から発生した混合ガスをアンモニアガスと水蒸気及び水滴とに分離する分離器側に供給するかあるいはバイパス管側に供給するかを切り換え自在とした第1切り替え弁と、分離器で分離されたアンモニアガスを凝縮するための凝縮器と、凝縮器で凝縮されたアンモニア液を溜めるためのアンモニア溜り部と、アンモニア溜り部からのアンモニア液を端部が受液槽に連通した気化器に供給するか、又はバイパス管から供給される混合ガスを上記気化器に供給するかを切り換えるための第2切り換え弁と、分離器で分離された水蒸気及び水滴が供給され且つ端部が受液槽に連通した吸収管と、吸収管の分離器側の端部と気化器とを接続する連通管とで構成され、受液槽の上部、吸収管、連通管、気化器という一連の管路に水素を封入するので、第1切り換え弁、第2切り替え弁を切り換えることで、吸収冷凍機で乗り物に備わっている冷凍庫を冷やしたり、暖めて霜取りしたり、あるいは温蔵庫とすることができ、この結果、簡単な構成で、乗り物の内燃機関の排熱を有効利用して、乗り物に装備した冷凍庫を冷やして冷凍庫として使用している際における霜取りができたり、冷凍庫と温蔵庫とを切り替えたりすることができるものである。
【0037】また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、アンモニアガスが流れる配管の近傍に水を溜めた水溜め部を形成してあるので、乗り物が衝突事故等の事故を起こしてアンモニアガスが流れる配管が破損してアンモニアガスが漏出したとしても、アンモニアガスが流れる配管の近傍に形成した水溜め部を同時に破損して水が流れ出て、アンモニアガスが水に瞬間的に接触してアンモニア水となるものであって、周囲に有害ガスであるアンモニアガスが流れ出るのを防止できるものであり、この結果、事故を起こした人の救助や事故処理に当っての支障がなく、また悪臭による周辺への環境悪化を防止できるものである。したがって、アンモニアを熱媒とする吸収冷凍庫を自動車に装備しても何ら問題がないものである。
【出願人】 【識別番号】597132986
【氏名又は名称】池島 清美
【識別番号】597132997
【氏名又は名称】池島 秀子
【識別番号】598125925
【氏名又は名称】今田 幸慶
【識別番号】597133008
【氏名又は名称】今田 喜美子
【識別番号】597133019
【氏名又は名称】今田 慶昭
【識別番号】598125936
【氏名又は名称】祖父江 八重子
【識別番号】598125947
【氏名又は名称】熊川 勉
【識別番号】598125958
【氏名又は名称】熊川 洋子
【出願日】 平成10年9月14日(1998.9.14)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2000−88393(P2000−88393A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−260175