| 【発明の名称】 |
反復運動装置および冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池上 和男
|
| 【要約】 |
【課題】クロスガイドの連通孔を介してシール部に供給される潤滑油が作動空間内に侵入する不都合を防止する。
【解決手段】クロスガイド18,19における回転するクランクシャフトによって潤滑油がはね上げられるオイルはね上げ側を避けた箇所に、切欠64a,64bを設け、はね上げられた潤滑油が直接切欠64a,64bを通ってシール部にはねかけられて潤滑油が供給過多となる不都合を防止できるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ内に反復運動部材が設けられ、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けて前記反復運動部材が前記シリンダ内を反復運動する反復運動装置であって、前記反復運動部材とともに反復運動し、前記クランクシャフトに連動連結されたコネクティングロッドから受ける力のうち前記反復運動部材の反復運動方向成分を前記反復運動部材に伝達するクロスガイドと、該クロスガイドと前記反復運動部材との間に配設され、前記クランク室内の潤滑油の前記シリンダ内への侵入を防止するためのシール部とを含み、前記クロスガイドには、回転する前記クランクシャフトにより潤滑油がはね上げられる側を避けた箇所に、前記クランク室側と前記シール部側とを連通する連通孔が形成されている、反復運動装置。 【請求項2】 シリンダ内に反復運動部材が設けられ、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けて前記反復運動部材が前記シリンダ内を反復運動する反復運動装置であって、前記反復運動部材とともに反復運動し、前記クランクシャフトに連動連結されたコネクティングロッドから受ける力のうち前記反復運動部材の反復運動方向成分を前記反復運動部材に伝達するクロスガイドと、該クロスガイドと前記反復運動部材との間に配設され、前記クランク室内の潤滑油の前記シリンダ内への侵入を防止するためのシール部とを含み、前記クロスガイドには、回転する前記クランクシャフトにより潤滑油がはね上げられるオイルはね上げ側と該オイルはね上げ側を避けた箇所とに、前記クランク室側と前記シール部側とを連通する連通孔が設けられ、前記オイルはね上げ側の連通孔の方が前記オイルはね上げ側を避けた箇所の連通孔よりも潤滑油が通過しにくい孔で構成されている、反復運動装置。 【請求項3】 複数のシリンダ内それぞれに反復運動部材が設けられ、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けて前記複数の反復運動部材が前記複数のシリンダ内を反復運動する反復運動装置であって、前記各反復運動部材とともに反復運動し、前記クランクシャフトに連動連結されたコネクティングロッドから受ける力のうち、前記各反復運動部材の反復運動方向成分を前記各反復運動部材に伝達する複数のクロスガイドと、該各クロスガイドと前記各反復運動部材との間に配設され、前記クランク室内の潤滑油の前記シリンダ内への侵入を防止するための複数のシール部とを含み、前記各クロスガイドには、前記クランク室側と前記シール部側とを連通する連通孔が形成され、前記複数の反復運動部材は、第1の反復運動ストロークで反復運動する第1の反復運動部材と、前記第1の反復運動ストロークよりも短い第2の反復運動ストロークで反復運動する第2の反復運動部材とを含み、前記第1の反復運動部材とともに反復運動する前記クロスガイドの連通孔の方が、前記第2の反復運動部材とともに反復運動する前記クロスガイドの連通孔よりも、潤滑油が通過しにくい孔で構成されている、反復運動装置。 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の反復運動装置を含む冷凍装置であって、前記シリンダが、圧縮シリンダと膨張シリンダとを含んでおり、冷媒ガスが、前記圧縮シリンダ内で圧縮された後に放熱されて前記膨張シリンダ内へ移動し、該膨張シリンダ内で膨張されて冷熱を発生させる、冷凍装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、ピストンやディスプレーサがシリンダ内を反復運動するスターリング冷凍装置やスターリングエンジンや圧縮ピストンによりガスが圧縮される圧縮機等で代表される反復運動装置および冷凍装置に関する。詳しくは、シリンダ内に反復運動部材が設けられ、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けて前記反復運動部材が前記シリンダ内を反復運動する反復運動装置、および、その反復運動装置を含む冷凍装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の反復運動装置において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、反復運動部材としてのピストンが圧縮シリンダ内を反復運動するとともに、反復運動部材としてのディスプレーサが膨張シリンダ内を反復運動し、作動ガスを圧縮シリンダ内で圧縮した後放熱させて膨張シリンダ内に移し、その膨張シリンダ内で作動ガスを膨張させて冷熱を発生させるスターリング冷凍装置があった。 【0003】ここでディスプレーサタイプのスターリング冷凍装置の構造について、図7を参照して説明する。このスターリング冷凍装置は、主に、膨張シリンダ2と圧縮シリンダ3とクランク室12とに分けられている。クランク室12内には、駆動源としての電動モータ40とその電動モータ40の駆動力によって回転するクランクシャフト5とが設けられている。またこのクランク室12内には、潤滑油10が貯留されている。 【0004】圧縮シリンダ2内には、ディスプレーサ6が設けられている。このディスプレーサ6とクランクシャフト5とが、コネクティングロッド16b,ロッド16aを介して連動連結されており、クランクシャフト5が回転することによりディスプレーサ6が上下方向に反復運動するように構成されている。このディスプレーサ6内には、蓄冷材14が設けられている。この蓄冷材14は、焼結金属からなる熱交換材で構成されており、ディスプレーサ6の一方の開口から流入した作動ガスがこの蓄冷材14の内部を通過して他方の開口から流出するまでの過程で、この蓄冷材14と熱交換されるように構成されている。なお、図5中15はコールドヘッドである。 【0005】前述した圧縮シリンダ3は、前述した膨張シリンダ2に対しほぼ90°の角度差で取付けられている。この圧縮シリンダ3内には、圧縮ピストン7が設けられている。この圧縮ピストン7は、クランクシャフト5に対しコネクティングロッド17b,ロッド17aを介して連動連結されており、クランクシャフト5が回転することにより圧縮ピストン7が左右方向に反復運動するように構成されている。クランクシャフト5が回転することにより、ディスプレーサ6と圧縮ピストン7とが互いにほぼ90°位相差がずれた状態で反復運動する。 【0006】ディスプレーサ6よりもクランク室12寄りの箇所にシール部8が設けられ、膨張シリンダ2とクランク室12とがシール部8により仕切られている。また、圧縮ピストン7よりもクランク室12寄りの箇所にシール部9が設けられ、このシール部9により、圧縮シリンダ3とクランク室12とが仕切られている。このシール部8,9により、クランク室12内の潤滑油10が圧縮シリンダ2内や膨張シリンダ3内に入り込むことが極力防止できる。 【0007】膨張シリンダ2の基端部と圧縮シリンダ3の圧縮空間部とは、作動ガス通路4によって互いに連通されている。これにより、圧縮シリンダ3に形成される圧縮空間13と膨張シリンダ2に形成される膨張空間11とが蓄冷材14を介して作動ガス通路4によって連通されることになる。 【0008】前述したシール部8,9よりもさらにクランク室12寄りの箇所には、クロスガイド18,19が設けられている。このクロスガイド18,19は、コネクティングロッド16b,17bから受ける力のうち反復運動方向の力に直交する方向の分力を負担してシリンダ内壁に伝達し、その直交方向の分力がディスプレーサ6や圧縮ピストン7に伝わらないように構成するためのものである。つまり、クランクシャフト5の回転に伴ってコネクティングロッド16b,17bは揺動しながら上下方向に反復運動するのであり、そのコネクティングロッド16b,17bの揺動に伴って反復運動方向の力ばかりでなくそれに交差する方向の分力が発生する。その分力が直接ディスプレーサ6や圧縮ピストン7に伝わったのでは、ディスプレーサ6の外周面のシールあるいは圧縮ピストン7の外周面のシールがその分力により変形するという不都合が生ずる。そこで、そのような分力を負担してシリンダ内壁に伝達するためのクロスガイド18,19が設けられている。 【0009】次に、図8を参照して、前述した構成からなるスターリング冷凍装置の動作について説明する。なお、図8は、横軸に時間T、縦軸にストロークSをとっている。 【0010】スターリング冷凍装置においてディスプレーサ6が、図8の曲線B、Cのごとく反復運動すると同時に、圧縮ピストン7が図8の曲線Dのごとく反復運動することによって、膨張シリンダ2の膨張空間11は、図8の直線Aと曲線Bに挟まれた幅領域で容積変化し、圧縮シリンダ3の圧縮空間13は、図8の曲線Cと曲線Dに挟まれた幅領域で容積変化する。 【0011】この結果、図8の■の工程では、圧縮空間13内の作動ガスが圧縮され、作動ガス通路4を経て圧縮シリンダ2内へ流入する(理想的には等温圧縮)。この作動ガスは、図8の■の工程でディスプレーサ6内の蓄冷材14を通過し、蓄冷材14と熱交換を行なって温度低下する(定積冷却)。蓄冷材14を通過した作動ガスは図8の■の工程で膨張シリンダ2の膨張空間11へ流入し、その後、圧縮ピストン7の降下に伴って膨張する(理想的には等温膨張)。次に、図8の■の工程では、膨張空間11内の作動ガスがディスプレーサ6の上昇に伴って蓄冷材14を通過し、蓄冷材14と熱交換を行なって温度上昇した後、作動ガス通路4を経て再び圧縮空間13へ流入される(定積加熱)。 【0012】この結果、膨張シリンダ2頭部に設けられたコールドヘッド15が冷却される。 【0013】なお、スターリング冷凍装置としては他に2ピストンタイプのものがあるが、冷熱発生の原理は、基本的には前述したディスプレーサタイプのものと同じである。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】この従来のスターリング冷凍装置では、クランク室12内の潤滑油10が圧縮シリンダ3および膨張シリンダ2内に侵入して作動ガスに混じった場合には、作動ガスとともに潤滑油が循環して、前述した熱交換器としての蓄冷材14に付着する。その結果、蓄冷材14の熱交換機能が低下して冷却機能が失われる不都合が生ずるばかりでなく、蓄冷材14が潤滑油で目詰まりを起こし、作動ガスが蓄冷材14を通過しにくくなるという欠点も生ずる。 【0015】そこで、従来のスターリング冷凍装置においては、前述したように、圧縮ピストン7とクロスガイド19との間およびディスプレーサ6とクロスガイド18との間にそれぞれシール部9,8を設け、クランク室12内の潤滑油が圧縮シリンダ3および膨張シリンダ2内に侵入することを防止できるようにしている。このシール部9,8は、ロッド17a,16aと摺動するため、摺動に伴うシール部9,8の摩耗を防止するべく、潤滑油の一部がこのシール部9,8に供給されるように構成して、摩耗箇所から潤滑油がシリンダ内に侵入することを防止できるようにしている。 【0016】具体的には、クランクシャフト5内に潤滑油経路を形成するとともにコネクティングロッド16b,17b内にも潤滑油供給経路を形成し、クランクシャフト5の回転に伴う遠心力により潤滑油をクランクシャフト5内の潤滑油供給経路からコネクティングロッド16b,17b内の潤滑油供給経路に送り出し、このコネクティングロッド16b,17b内の潤滑油供給経路からクロスガイド18,19内に潤滑油が供給されるように構成されている。クロスガイド18,19には、シール部8,9とクロスガイド間に存在する空間内のガスの圧力を抜くための連通孔が形成されており、クロスガイド18,19が反復運動することに伴い、その慣性力によりクロスガイド18,19内の潤滑油がこの連通孔を通ってシール部8,9にまで供給されるように構成されている。 【0017】一方、クランクシャフト5が回転することに伴ってクランク室12内の潤滑油がクランクシャフト5によりはね上げられてクロスガイド18,19内に侵入し、そのはね上がってきた潤滑油がクロスガイド18,19の連通孔を通ってシール部9,8にまで到達する場合があり、このような場合にはそのシール部9,8への潤滑油の供給量が多すぎる状態となり、余剰の潤滑油がシリンダ2,3内に侵入して作動ガスを汚染してしまうという前述した不都合が生ずるおそれがある。 【0018】また、クランクシャフト5の遠心力やクロスガイド18,19の反復運動に伴う慣性力を利用して潤滑油がシール部9,8に供給されるために、反復運動部材の反復運動ストロークが長くなればそれだけ遠心力や慣性力も大きくなり、反復運動ストロークの長い反復運動部材に対応して設けられたシール部により多くの潤滑油が供給されることとなる。その結果、その反復運動ストロークの長い箇所のシール部に潤滑油の供給過多が生じ、前述したように余剰の潤滑油がシリンダ内に侵入するという不都合が生ずるおそれがある。 【0019】このような潤滑油の作動空間内への侵入の問題は、スターリング冷凍装置に限らず、たとえばスターリングエンジンや圧縮シリンダのみが設けられた圧縮機等でも同様の問題が生ずる。 【0020】本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、クロスガイドの連通孔を介してシール部に供給される潤滑油が作動空間内に侵入する不都合を防止することである。 【0021】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、シリンダ内に設けられた反復運動部材が、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けて前記シリンダ内を反復運動する。その反復運動部材とともに反復運動するクロスガイドにより、前記クランクシャフトに連動連結されたコネクティングロッドから受ける力のうち前記反復運動部材の反復運動方向成分が前記反復運動部材に伝達される。そのクロスガイドと前記反復運動部材との間に配設されたシール部の働きにより、前記クランク室内の潤滑油の前記シリンダ内への侵入が防止できる。前記クロスガイドには、回転する前記クランクシャフトにより潤滑油がはね上げられる側を避けた箇所に、クランク室側とシール部側とを連通する連通孔が形成されている。 【0022】これにより、クランクシャフトによってはね上げられた潤滑油が直接シール部付近にはねかけられることが防止できる。 【0023】請求項2に記載の本発明は、シリンダ内に設けられた反復運動部材が、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けてそのシリンダ内で反復運動する。反復運動部材とともに反復運動するクロスガイドにより、前記クランクシャフトに連動連結されたコネクティングロッドから受ける力のうち前記反復運動部材の反復運動方向成分が前記反復運動部材に伝達される。クロスガイドと反復運動部材との間に配設されたシール部の働きにより、クランク室内の潤滑油の前記シリンダ内への侵入が防止できる。クロスガイドには、回転する前記クランクシャフトにより潤滑油がはね上げられるオイルはね上げ側とそのオイルはね上げ側を避けた箇所とに、前記クランク室側と前記シール部側とを連通する連通孔が形成されており、オイルはね上げ側の連通孔の方がオイルはね上げ側を避けた箇所の連通孔よりも潤滑油が通過しにくい孔で構成されている。 【0024】これにより、回転するクランクシャフトによりはね上げられた潤滑油が、クロスガイドのオイルはね上げ側の連通孔を通過して余剰にシール部に供給される不都合が極力防止できる。 【0025】請求項3に記載の本発明は、複数のシリンダ内それぞれに設けられた反復運動部材が、クランク室内のクランクシャフトからの動力を受けて複数のシリンダ内で反復運動する。各反復運動部材とともに反復運動する複数のクロスガイドにより、クランクシャフトに連動連結されたコネクティングロッドから受ける力のうち各反復運動部材の反復運動方向成分が各反復運動部材に伝達される。各クロスガイドと各反復運動部材との間に配設された複数のシール部の働きにより、クランク室内の潤滑油の前記シリンダ内への侵入が防止できる。各クロスガイドには、クランク室側とシール部側とを連通する連通孔が形成されている。 【0026】複数の反復運動部材は、第1の反復運動ストロークで反復運動する第1の反復運動部材と、第1の反復運動ストロークよりも短い第2の反復運動ストロークで反復運動する第2の反復運動部材とを含んでおり、第1の反復運動部材とともに反復運動するクロスガイドの連通孔が、第2の反復運動部材とともに反復運動するクロスガイドの連通孔よりも、潤滑油が通過しにくい孔で構成されている。 【0027】これにより、反復運動ストロークが長い方のクロスガイドの連通孔を通って潤滑油が余剰にシール部に供給される不都合が極力防止できる。 【0028】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の反復運動装置を含む冷凍装置であって、冷媒ガスが、圧縮シリンダ内で圧縮された後に放熱されて膨張シリンダ内へ移動し、その膨張シリンダ内で膨張されて冷熱が発生される。 【0029】これにより、冷凍装置に用いられるシール部に供給される潤滑油の供給過多の不都合を極力防止できる。 【0030】 【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、前述の従来技術と同じ構成については同一符号を付して示しており、これらの部分の詳細な説明は省略する。 【0031】図1は、本発明に係る実施の形態の一例である2ピストンタイプのスターリング冷凍装置の概略構成を示す概略構成図である。ディスプレーサタイプのスターリング冷凍装置との主な相違点は、ディスプレーサの代わりに膨張ピストン6aを用い、蓄冷材14が作動ガス通路4の途中箇所に設けられている点である。この2ピストンタイプのスターリング冷凍装置は、冷熱を発生させる膨張機21と、その膨張機21により膨張させた作動ガスを受取り圧縮して戻す圧縮機22とが並列状態に設けられている。また膨張機21と圧縮機22とを駆動する駆動源としての電動モータ40はクランク室12に設けられている。このクランク室12には、さらにクランクシャフト5が設けられており、電動モータ40の駆動力によってこのクランクシャフト5が回転する。 【0032】クランクシャフト5には、コネクティングロッド16b,17bが設けられており、クランクシャフト5が回転することによりこのコネクティングロッド16b,17bが揺動しながら上下方向に反復運動する。コネクティングロッド16b,17bの上端部にはクロスガイド18,19が設けられている。コネクティングロッド16b,17bの揺動に伴って生ずる反復運動方向に交差する方向の分力が、このクロスガイド18,19を介してシリンダ内壁に伝達され、その分力が膨張ピストン6aや圧縮ピストン7に伝達されないように構成されている。クロスガイド18,19の上方には、ロッド16a,17aが設けられており、上下方向の力がこのロッド16a,17aを介して膨張ピストン6a,圧縮ピストン7へ伝達される。 【0033】膨張ピストン6aとクロスガイド18との間および圧縮ピストン7とクロスガイド19との間にシール部8,9が設けられている。シール部8により、膨張シリンダ2内の膨張空間11とクランク室12とが仕切られ、シール部9により、圧縮シリンダ3内の圧縮空間13とクランク室12とが仕切られる。図1中4は、膨張シリンダ2と圧縮シリンダ3とを連通する作動ガス通路である。 【0034】次に、この冷凍装置の動作について説明する。ユーザの操作により電動モータ40が駆動すると、その電動モータ40で発生した駆動力により、クランクシャフト5が回転する。クランクシャフト5の回転によりコネクティングロッド16b,17bが揺動しながら上下方向に反復運動する。このコネクティングロッド16b,17bの駆動に伴って、クロスガイド18,19およびロッド16a,17aが上下方向に反復運動する。その結果、ロッド16aに取付けられている第1の反復運動部材としての膨張ピストン6aが反復運動し、かつ、ロッド17aに取付けられている第2の反復運動部材としての圧縮ピストン7が反復運動する。その結果、膨張機21と圧縮機22とが駆動され、圧縮空間13内で圧縮された作動ガスが作動ガス通路4を通って蓄冷材14で熱交換された後膨張空間11内で膨張し、図8に基づいて前述した熱サイクルに従って冷熱が発生してコールドヘッド15が冷却される。 【0035】図2は、シール部8,9への潤滑油の供給経路を説明するための断面図である。電動モータ40の端部には、電動モータ40の回転とともに回転して潤滑油10をはね上げるはね上げ部材50が設けられている。このはね上げ部材50によりはね上げられた潤滑油は、オイル溜51に落入してそのオイル溜51で貯留される。クランクシャフト4内には、潤滑油を誘導するための潤滑油経路52が形成されており、この潤滑油経路52とオイル溜51とが連通されている。クランクシャフト4の所定の複数箇所には、小孔53a,53b,53c,53dが設けられており、この小孔により、潤滑油経路52とクランクシャフト4の外周部とが連通された状態となる。このように構成されたクランクシャフト4が回転することにより、その遠心力によりオイル溜51内の潤滑油が、図示矢印で示すように、潤滑油経路52を通って小孔53a〜53dから外方に送り出される。 【0036】クランクシャフト4のクランク部4aに外嵌しているコネクティングロッド17bにも、潤滑油経路54が形成されており、小孔53dから送り出されてきた潤滑油がこの潤滑油経路54を通ってクロスガイド19の上方部分にまで誘導される。そして、クロスガイド19の反復運動に伴う慣性力により、潤滑油が図示矢印で示すように、シール部9の方に放出される。なお、クランク部4bにも小孔が形成されており、かつ、コネクティングロッド16bにも潤滑油経路55が形成されており(図面上小孔および潤滑油経路55の一部が見えない状態となっている)、その小孔と潤滑油経路55を通って潤滑油がクロスガイド18の上部まで誘導される。そして前述と同様に、クロスガイド18の反復運動に伴う慣性力により潤滑油がシール部8の方に放出される。 【0037】図3は、コネクティングロッド17bに形成された潤滑油経路54を説明するための斜視図である。図3では、コネクティングロッド17b,16bのうちの一方のコネクティングロッド17bの方を代表として示しており、他方のコネクティングロッド16bについては、同様の構成であるために、図示およびその説明を省略する。 【0038】図3では、コネクティングロッド17bを縦方向に分断した片方の斜視図が示されている。ハッチングで示した部分が分断された断面部分である。コネクティングロッド17bは、クランクシャフト4のクランク部4aに外嵌する軸受56と、クロスガイド19に設けられたクロスガイドピン(図示省略)に外嵌する軸受57と、それら両軸受56,57を連結する連結部58とから構成されている。軸受56の内周面には、潤滑油を誘導するための溝59が形成されている。軸受57の方にも、同様に、潤滑油を誘導するための溝60が形成されている。そして、連結部58にはオイル供給経路61が形成されており、そのオイル供給経路61により、前述した両溝59,60が連通されている。さらに、溝60の上端には、オイル放出口62が形成されている。 【0039】そして、クランクシャフト4に形成された小孔53aと溝59とが連通しており、小孔53aから放出された潤滑油が溝59,オイル供給経路61,溝60,オイル放出口62を通ってクロスガイド19の上方部分にまで誘導される。 【0040】図4は、クロスガイド19の構造を説明するための一部切欠斜視図である。その切欠部分がハッチングで示されている。 【0041】クロスガイド19には、クロスガイドピン(図示せず)が挿入されるピン孔63が形成されている。図3に示したコネクティングロッド17bの軸受57をこのクロスガイド19内に挿入して軸受57とピン孔63とが連通した状態で、クロスガイドピンをピン孔63,軸受57,ピン孔63に挿入する。この状態で、クロスガイドピンを揺動中心としてコネクティングロッド17bが揺動可能にクロスガイド19と連結される。 【0042】クロスガイド19の上方部分には、連通孔の一例の切欠64a,64bが形成されている。この切欠64a,64bが形成されているために、シール部9とクロスガイド19との間の空間内に溜まっている作動ガスがこの切欠64a,64bを通過可能となり、クロスガイド19が反復運動したとしても、クロスガイド19とシール部9との間の空間内の作動ガスが圧縮されることがない。 【0043】一方、前述したように、コネクティングロッド17bのオイル放出口62から放出された潤滑油は、反復運動するクロスガイド19の慣性力により、前述した切欠64a,64bからシール部9へ放出される。その結果、シール部9への潤滑油の供給が可能となり、シール部9とロッド17aとの摺動に伴うシール部9の摩耗が防止される。なお、図4においては、クロスガイド19の上部に設けられているロッド17aは図示を省略した。 【0044】図4で示したように、回転するクランクシャフト5により潤滑油がはね上げられるオイルはね上げ側70を避けた箇所に、切欠64a,64bが形成されている。これによって、回転するクランクシャフト5により潤滑油がはね上げられた場合に、そのはね上げられた潤滑油が直接切欠64a,64bを通ってシール部9にはねかけられることが防止できる。その結果、シール部9に潤滑油が過剰に供給される不都合が軽減できる。 【0045】図5は、クロスガイド18,19に形成された切欠64a,64bを比較説明するための斜視図である。 【0046】クロスガイド19に比べてクロスガイド18の方が反復運動ストロークが長いものであり、図5(a)(b)に示すように、クロスガイド19に設けられた切欠64a,64bよりもクロスガイド18に設けられた切欠64a,64bの方が孔面積が小さくなるように構成されている。その結果、反復運動ストロークが長いことに起因して多くの潤滑油がクロスガイド18に供給されたとしても、クロスガイド18に形成されている切欠64a,64bの孔面積が小さいために、その切欠64a,64bを通過してシール部8にまで到達する潤滑油の量を軽減することができ、反復運動ストロークが長いことに起因する潤滑油のシール部8への供給過多の不都合を防止することができる。 【0047】図5(c)(d)は、クロスガイド18,19のそれぞれにおいて、回転するクランクシャフト5により潤滑油がはね上げられるオイルはね上げ側70とそのオイルはね上げ側70を避けた箇所との両者に、切欠64b,64aを形成した例が示されている。この場合において、オイルはね上げ側70に形成された切欠64bの方がオイルはね上げ側70を避けた箇所に形成された切欠64aに比べて孔面積が小さいように構成されている。その結果、回転するクランクシャフト5により潤滑油がオイルはね上げ側70にはね上げられたとしても、そこに形成されている切欠64bが孔面積の小さいものであるために、潤滑油が通過しにくく、切欠64を通って潤滑油がシール部8,9に余剰に供給される不都合が防止できる。 【0048】また、この図5(c)(d)に示すように、反復運動ストロークの長いクロスガイド18に形成されている切欠64a,64bの方が反復運動ストロークの短いクロスガイド19に形成されている切欠64a,64bに比べて、孔面積が小さいもので構成されている。これにより、前述と同様に、反復運動ストロークの長いことに起因した潤滑油のシール部8への供給過多の不都合が軽減できる。 【0049】図5(e)(f)は、切欠64aをクロスガイド18,19に1つだけ形成した例が示されている。この切欠64aは、クランクシャフト5により潤滑油がはね上げられるオイルはね上げ側70を避けた箇所に1箇所だけ形成されている。この場合においても、反復運動ストロークの長いクロスガイド18の切欠64aの方が、反復運動ストロークの短いクロスガイド19の切欠64aに比べて、孔面積が小さく構成されている。 【0050】以上説明した実施の形態の変形例や特徴点とを以下に列挙する。本実施の形態では、膨張機21と圧縮機22とが並列して設けられていたが、膨張機21と圧縮機22とは90°程度の角度を有して設けられていてもよい。 【0051】本実施の形態では、ディスプレーサ6のストロークが圧縮ピストン7のストロークよりも長い構成となっていたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、圧縮ピストン7のストロークの方が長い構成であってもよい。 【0052】さらに、図1に示した本実施の形態のスターリング冷凍装置の変形例の構造を図6に示した。このスターリング冷凍装置は、さらに連通経路30がクランクシャフト室12のシール部8,9下方に設けられている。膨張機21側と圧縮機22側とにおいて一方に潤滑油の供給過多が生じた場合に、その余剰潤滑油が連通経路30を介して一方から他方へ移動できるように構成されている。この連通経路30はシール部8,9とクロスガイド18,19の上死点との間に設けられると、クロスガイド18,19の移動により閉じられることがないので余剰潤滑油を移しやすい構成となって好ましい。 【0053】本実施の形態では、反復運動部材はディスプレーサ6と圧縮ピストン7の2個であったが、1個だけでもよく、また3個以上の反復運動部材を有する反復運動装置であってもよい。 【0054】さらに、切欠64a,64bは、孔面積の大小によって潤滑油の通過しやすさを調整しているが、切欠の形状や構造等によって潤滑油の通過しやすさを調整してもよい。 【0055】以上の実施の形態で示した技術はすべて例示にすぎず、本発明はこの例示に限定されるものではない。本発明の範囲は、あくまで特許請求の範囲に基づいて定められ、特許請求の範囲と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。 【0056】 【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、クロスガイドに設けられた連通孔がオイルはね上げ側を避けた箇所に設けられているために、回転するクランクシャフトによってはね上げられた潤滑油が連通孔を通って直接シール部近辺にはねかけられることが極力防止でき、シール部への潤滑油の供給過多に起因した作動空間内への潤滑油の侵入による不都合を極力防止することができる。 【0057】請求項2に記載の本発明によれば、クロスガイドのオイルはね上げ側の連通孔の方がオイルはね上げ側を避けた箇所の連通孔よりも潤滑油が通過しにくい孔で構成されているために、回転するクランクシャフトにより潤滑油がはね上げられた場合にその潤滑油がオイルはね上げ側の連通孔を通ってシール部に余剰に供給される不都合が極力減少できる。 【0058】請求項3に記載の本発明によれば、反復運動ストロークの長いクロスガイドの連通孔の方が、反復運動ストロークの短いクロスガイドの連通孔よりも、潤滑油が通過しにくい孔で構成されているために、反復運動ストロークが長いことに起因した潤滑油のシール部の供給過多を極力抑制でき、反復運動ストロークに長短があったとしてもバランスのとれた潤滑油の供給を行なうことが可能となる。 【0059】請求項4に記載の本発明によれば、潤滑油のシール部への供給過多を極力抑制でき、潤滑油が冷媒ガスに混入して作動空間内に侵入する不都合が極力防止でき、冷媒ガスに混入した潤滑油に起因して蓄冷材等による熱交換が妨害されてしまうという不都合が軽減され、効率よく冷熱を取出すことのできる冷凍装置を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年9月8日(1998.9.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064746 【弁理士】 【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−88382(P2000−88382A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−253815 |
|