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【発明の名称】 ヒートポンプ装置
【発明者】 【氏名】寺井 利行

【氏名】坪野 勇

【氏名】関口 浩一

【要約】 【課題】スクロール圧縮機の損失を左右する旋回あるいは非旋回スクロール部材の少なくともどちらか一方の台板の反圧縮室側に作用する圧力は、標準的な運転条件の幾つかを考慮した上で圧縮機内の吸込圧等を基準に(圧縮機内圧力)+(略一定値)、(圧縮機内圧力)×(略一定値)+(略一定値)に設定されており、圧縮機の消費電力に関して広い圧力条件下においては必ずしも最適な値に調整されない。

【解決手段】圧縮機に圧力の調整手段と、調整手段を制御する制御手段を備え圧縮機の消費電力が最小となるように制御を行う。温度管理対象物の設定温度目標を達成しつつ、圧縮機の消費電力を低減するように調整することかできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室とを有するスクロール圧縮機と、熱交換器と、膨張手段とを備えたヒートポンプ装置において、ヒートポンプ装置若しくはスクロール圧縮機の消費電力を検出する手段と、この検出手段の出力に基づいて前記背圧室の圧力を増減する手段とを備えたヒートポンプ装置。
【請求項2】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室と、この背圧室と吸込圧力領域とを連通する連通路と、この連通路に設けられた弁とを有するスクロール圧縮機と、熱交換器と、膨張手段とを備えたヒートポンプ装置において、前記弁の開閉条件を変更する手段とを備えたヒートポンプ装置。
【請求項3】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室とを有するスクロール圧縮機と、熱交換器と、膨張手段とを備え、温度制御対象の温度を設定温度に制御するヒートポンプ装置において、前記温度制御がほぼ均衡状態に達したとき、ヒートポンプ装置若しくは前記スクロール圧縮機の消費電力を検出し、この消費電力が少なくなるように前記背圧室の圧力を調節する手段を備えたヒートポンプ装置。
【請求項4】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室とを有するスクロール圧縮機と、熱交換器と、膨張手段とを備えヒートポンプ装置において、前記スクロール圧縮機の入力電力を検出し、この検出電力の変動幅が所定の範囲内となったとき、ヒートポンプ装置若しくは前記スクロール圧縮機の消費電力を検出し、この消費電力が少なくなるように前記背圧室の圧力を調節する手段を備えたヒートポンプ装置。
【請求項5】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室とを有するスクロール圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、膨張手段とを備えたヒートポンプ装置において、前記背圧室の圧力を調整する圧力調整手段と、前記スクロール圧縮機の回転数、前記スクロール圧縮機の回転数、室外熱交換器のファン回転数、室内熱交換器のファン回転数、及び膨張手段の開度を記憶する記憶手段と、ヒートポンプ装置の消費電力変化を検出する手段と、前記圧力調整手段による背圧室の圧力変更後、前記消費電力変化が予定量より大きいと判定された場合、前記圧力調整手段による背圧室の圧力制御を変更前に戻し、前記スクロール圧縮機の回転数、前記スクロール圧縮機の回転数、室外熱交換器のファン回転数、室内熱交換器のファン回転数、及び膨張手段の開度を前記圧力調整手段による背圧室の圧力を変更する前の値に戻すようにしたヒートポンプ装置。
【請求項6】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室とを有するスクロール圧縮機と、熱交換器と、膨張手段とを備えヒートポンプ装置において、前記スクロール圧縮機の実際の入力電力を検出する手段と、現在のヒートポンプ装置の状態量から得られる前記スクロール圧縮機の消費電力を求める手段と、前記スクロール圧縮機の実際の入力電力が前記消費電力に近づくように前記背圧室の圧力を調整する手段とを備えたヒートポンプ装置。
【請求項7】請求項6において、前記ヒートポンプ装置の現在の状態量は、前記スクロール圧縮機の吸込圧力、前記スクロール圧縮機の吐出圧力、前記膨張弁の前の冷媒温度、前記スクロール圧縮機の回転数であるヒートポンプ装置。
【請求項8】台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室と、この背圧室と吸込圧力領域とを連通する連通路と、この連通路に設けられた弁とを有するスクロール圧縮機において、前記弁の流路抵抗を変化させる手段とを備えたスクロール圧縮機。
【請求項9】請求項8において、前記弁は、ばね力によって前記背圧室と吸込圧力領域との差圧で開閉するものであり、前記流路抵抗を変化させる手段は、前記このばね力を変化させるものであるスクロール圧縮機。
【請求項10】請求項8において、前記弁は、ニードル弁であり、前記流路抵抗を変化させる手段は、このニードル弁の開度を調整するものであるスクロール圧縮機。
【請求項11】請求項8において、前記弁は、ロータリ弁であり、前記流路抵抗を変化させる手段は、このロータリ弁の開度を調整するものであるスクロール圧縮機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機を用いたヒートポンプ装置による空気調和機および冷凍装置等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2を用いて従来のヒートポンプ装置について説明する。圧縮機100、蒸発器210、凝縮器220、膨張弁230は図2に示したように接続される。制御装置240は圧縮機100の回転数を制御する例えばインバータのような電力変換装置である。制御装置240は、ヒートポンプの一例としての空気調和機では、室内温度が制御目標である設定温度になるように圧縮機100の回転数を制御が可能な範囲で可変および運転のオン・オフ制御により調節する。さらに、制御装置240は、膨張弁230の開度の調整、蒸発器210および凝縮器220への通風量の調整を行なう。このようにヒートポンプ装置は、冷凍サイクルの制御を行なうことで必要な冷凍能力を得て、室内温度が設定温度に達すると各制御量を絞って消費電力を抑制するような制御を行っている。
【0003】このヒートポンプ装置に適用されている圧縮機は、台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール(固定スクロール)部材互いに組み合わせて圧縮室を形成するタイプのスクロール圧縮機である。このスクロール圧縮機は、圧縮機運転中に圧縮室内圧力により発生する旋回スクロール部材と非旋回スクロール部材とを引き離す方向の力が発生する。この引き離し力に対向して、両スクロール部材を押し付ける方向の力を発生させる必要がある。
【0004】具体的には、旋回スクロール部材および非旋回スクロール部材の少なくともいずれか一方について台板(鏡板ともいう)の反圧縮室側に背面圧力領域を設け、この背面圧力領域に流体圧力を導入して旋回スクロールおよび非旋回スクロールを近づける方向の力(押し付け力)を発生させる。このときの背面圧力の大きさは、吸込圧力等の(ヒートポンプ装置内のある部分の圧力)×(略一定値)+(略一定値)となる吸込圧力と吐出圧力との間の圧力である中間圧となるように設計された機構により発生させている。
【0005】この種の背圧室に圧力を導入するものとして、特開平7−217557号公報(文献1)及び特開昭64−381号公報(文献2)が知られている。
【0006】文献1には、背圧室と吸入側とを圧力調整弁を介してパイプで接続し、差圧が初期設定用の圧力調整つまみによって設定されたばね力よりも大きくなったとき圧力調整弁が開きばね力に見合った圧力差にすることが記載されている。
【0007】また、文献2には、旋回スクロール背面領域を同心円状に2つに区切った圧力領域を設定し、内側の領域に高圧を、外側の領域には条件に合わせて圧力を低圧若しくは高圧を導入することによって押付力を変えることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1においては、背圧室は、一旦設定されたばね力に見合った圧力になるように吸込み圧に対応した圧力、すなわち、背圧室の圧力は、吸込圧力にばね力に打ち勝つ圧力を加えた圧力になるが、吸込圧力と背圧室の圧力の関係は一定であり、更なる適正圧力とすることは言及されていない。
【0009】また、上記文献2においては、高低圧力差圧に応じて背圧室の外側領域の圧力を2段階の切替を行なうが、高圧と低圧が如何なる圧力であるか不明ではあるが、背圧室の平均圧力は2種類しかなく、文献1と同様更なる適正圧力とすることは言及されていない。
【0010】本発明の目的は、背圧室の圧力を適正にしたヒートポンプ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、台板上に渦巻状のラップを形成した旋回スクロール部材と、台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール部材と、この旋回スクロール部材若しくは非旋回スクロール部材の反圧縮室側に圧力を導入する背圧室とを有するスクロール圧縮機と、熱交換器と、膨張手段とを備えたヒートポンプ装置において、ヒートポンプ装置若しくはスクロール圧縮機の消費電力を検出する手段と、この検出手段の出力に基づいて前記背圧室の圧力を増減する手段とを備えることにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1実施の形態を図を用いて、空気調和機を例にとり説明する。図1において、スクロール圧縮機100、蒸発器210、凝縮器220、膨張弁230、制御装置240、背面圧力調整器310、背面圧力調整器制御装置300を図1の如く接続する。圧縮機100より吐出された高温高圧の冷媒を凝縮器220にて冷媒を凝縮させ熱を放出し、膨張手段としての膨張弁230にて減圧し、蒸発器210にて冷媒を気化させ熱を吸収することにより、冷凍サイクルにて熱の移動を行うヒートポンプ装置である。この時空気調和機の室内機を蒸発器とすることで冷房、凝縮器とすることで暖房運転を実現している。
【0013】この空気調和機に用いられる圧縮機は、スクロール圧縮機100であり、このスクロール圧縮機100について図6を用いて説明する。密閉容器内には圧縮機構部及び圧縮機構部を駆動する電動機部が(図示せず)が収納され、この圧縮機構部は、台板(鏡板)上に渦巻状のラップが形成された旋回スクロール部材110および台板上に渦巻状のラップを形成した非旋回スクロール(固定スクロール)部材120から構成される。圧縮機構部の旋回スクロール部材110は電動機部により回転されるシャフトにより駆動され、このシャフトは主軸受として機能するフレーム130にて軸支され、また旋回スクロール部材110はこのフレーム130にてスラスト力が受けられる。非旋回スクロール部材120のほぼ中央部に位置する吐出ポートから吐出される高温高圧のガス冷媒は密閉容器内に充満し、この密閉容器内を吐出圧力にする。そして、図示しない吐出パイプを介して冷凍サイクル中に出力される。
【0014】また、冷凍機油は密閉容器底部に貯油され、シャフトの反圧縮機構部側先端は冷凍機油内に浸され、吐出圧によって押圧された冷凍機油はシャフト内部に設けられた給油通路を通って主軸受等を潤滑する。これと共に、旋回スクロール部材110とフレーム130との間に設けられた空間(背圧室)にも給油される。この背圧室への給油は、軸受の隙間と介して行なわれるので、吐出圧力より低い圧力に減圧される。この旋回スクロール部材110の台板の反圧縮室側に作用する流体圧力を制御信号により可変する圧力調整器310が設けられている。この背圧室内の流体圧力を調整することによって、圧縮機の消費電力を低減するという着想を得た。
【0015】ここで図3を用いて背面圧力値と圧縮機の消費電力の関係について説明する。横軸に背面圧力値(背圧室圧力)、縦軸に圧縮機の摩擦損失、漏れ損失及び消費電力を示す。
【0016】背面圧力値を変化させると、旋回スクロール部材が非旋回スクロール部材を押し付ける圧力が変化するため、圧縮室での漏れ損失、摺動部における摩擦損失が変化し消費電力に大きな影響を与える。
【0017】まず、漏れ損失については、旋回スクロール部材が非旋回スクロール部材を押し付ける力を強くしていくと、旋回スクロール部材および非旋回スクロール部材が変形するため、両者間の接触部の空隙が減少する。一方、押し付ける力を減少させていくと、この空隙が増大する。スクロール圧縮機では、旋回スクロール部材および非旋回スクロール部材のラップ同士を組み合わせ旋回運動させるとき、周方向から中心に向かって徐々に圧縮する構造であり、三日月状の圧縮室が複数形成される。このため、隣り合う圧縮室間には圧力差が生じており、一方の台板と他方のラップ先端間の空隙を介して、より低圧である外側の圧縮室に向かって作動流体である冷媒が漏れ、ガス圧縮をする上で余分な仕事をしなければならない。これが漏れ損失による消費電力の増大の原因である。よって、漏れ損失については旋回スクロールおよび非旋回スクロール間の押し付け力は大きくなるにつれて低減されるが、押し付け力がある値以上の範囲では低減の効果が小さくなり、その効果は飽和する。
【0018】次に、摺動部の摩擦損失について、圧縮気運転中には旋回スクロールおよび非旋回スクロールの台板およびラップ先端が接触し摺動しており、旋回スクロールおよび非旋回スクロール間には摩擦力が発生しているため背面圧力値の増減により摩擦力も増減し、摩擦損失も増減することが分かる。圧縮機の消費電力はガス圧縮仕事と損失を加えたものであり、両損失をグラフ上で重ねあわせると、下に凸のグラフとなり、消費電力の極小値が存在する。このように背面圧力値には圧縮機の消費電力を最も小さくすることのできる値が存在することになる。
【0019】ここで、旋回スクロール部材および非旋回スクロール部材の引き離し力と吸込圧力および吐出圧力の関係について考える。引き離し力は、圧縮室内の圧力分布により変化する。この圧縮室内の圧力分布は使用圧力条件により変化するため、単に(サイクル内のある部分の圧力)×(略一定値)+(略一定値)等の圧縮機内圧力を基準とすると、空気調和機は幅広い圧力範囲で運転されため、背面圧力値の設定値を運転圧力範囲の全てに合わせることは出来ず、実際に使われるであろう代表的な標準使用条件を設定し、この条件における背面圧力値を最適化している。このため、地域差による据え付け状況や雰囲気温度等の要因により実機運転条件が背面圧力値を設定した標準条件との偏差が大きいと、背面圧力制御の目標値が実態とずれることにより、本来の性能を発揮出来ない。
【0020】また、最高効率を目指したヒートポンプ装置を複数の用途のために生産する上で、使用冷媒や使用条件の違いにあわせて、背面圧力値を該条件毎に設定した背面圧力調整機構を開発し、最大ヒートポンプ装置の種類と同数の種類の圧縮機を生産する必要があり、少量多品種生産をする必要が生じる。
【0021】この種の問題を解決するため、本実施の形態では、背圧室の圧力の大きさを、単に吸込圧力より一定値だけ大きくするといった値ではなく、スクロール圧縮機の消費電力を検出して(空気調和機の消費電力に代表させてもよい)、この消費電力がなるべく最小になるように背圧室の圧力を調整するようにした。
【0022】以下、説明する。図1において、背圧室に導入される流体圧力の変化による圧縮機の消費電力の変化傾向を検出し、検出した消費電力の変化傾向により圧縮機の消費電力を小さくするための流体圧力を制御する信号を圧力調整器310に出力する圧力調整器制御装置300を空気調和機に設けた。この制御アルゴリズムを説明する。
【0023】ここで、空気調和機の制御目標は、室内の空気温度を設定値に制御することであり、その方法として室内、室外間での必要な熱の移動を冷媒を介して行うものである。このとき、単位冷媒循環量当たりの冷凍サイクルの能力は室内、室外機の雰囲気温度と冷媒の物性値により概略決定されるため、移動させる熱量の大きさは、冷媒の循環量により制御するのが一般的であり、概ね圧縮機の回転により冷媒循環量を可変させて、必要な熱量に調整する方法が用いられている。その他、熱交換器へ通風させるファンの風量等によっても冷凍サイクルの温度や圧力を調整することができる。
【0024】以下の説明における用語について説明する。データベースは、基本的に記憶装置が設けられ、メモリ領域が大きく3ブロックに別れており運転条件としての室内温度、室外気温、設定温度等の物理量、制御条件としての背面圧力、圧縮機回転数、室内外ファン回転数、電動膨張弁開度等の制御信号、制御結果としての温度、圧力、消費電力、電圧、電流等の物理量を各々関連付けして記憶し、運転条件からの最適な運転のための制御信号を得ることができる。さらにその時の消費電力等が求めるられるようにする。さらに、上記運転条件と制御信号の関係は不変となるように記憶し運転中の制御結果を示す物理量のデータを随時記憶し、運転条件から得られた制御信号に、制御結果の記憶を加味してより最適な制御値とするとよい。なお、上記の算出方法については、運転条件、制御信号、制御結果の各々の関係式と補正項により算出してもよい。
【0025】また、メモリーは、運転条件、制御信号、制御結果を時系列的に記憶するもので、制御の安定性検出や前記背面圧力値の変化によるルームエアコンおよび圧縮機の消費電力の変化および制御の異常発生時における制御値の再設定等に用いる。尚、安定判別は固定、あるいは制御状況により可変した時間内の信号の変化を、平均値に対する偏差により求めたり、あるいは、運転条件からデータベースにより求めたリミット値との比較等によってもよい。
【0026】内蔵時計は、季節、日付、時刻等を得るための手段であり、前回の運転と今回の運転との間の停止期間を得ることも出来る。
【0027】また、背面圧力値の変化量を可変にするとよい。前述のように消費電力と背面圧力の関係は下に凸のグラフとなる。背面圧力の増減に対して消費電力の増減を考えると、(消費電力の変化量)/(背面圧力の変化量)を計算すると、制御点近傍での該グラフの接線の傾きを求めていることになるので、傾きの絶対値がある値以下になった場合には極小値近傍であるので、背面圧力の変化量をより少なくすることにより、極小値近傍での制御値の振動を抑制し、収束を早めることが出来る。
【0028】また、以上の説明のルームエアコンの消費電力については、ルームエアコンのように付帯装置の電力が圧縮機の電力に対して小さい場合等では、圧縮機の消費電力を測定してもよい。さらに、消費電力を直接測定出来ない場合でも、電圧値と電流値を測定し代用しても良い。
【0029】圧縮機の消費電力を下げるように制御する上で、ルームエアコンの制御対象である室内の温度が制御目標値近傍に安定すれば、ルームエアコンの構成要素の物理量も略平衡状態に達しており、背面圧力値の変更による消費電力の変化が確認しやすいので、ルームエアコンの運転状態の安定時に制御を行う形態について図4の制御アルゴリズムを用いて以下説明する。
【0030】まず、旋回スクロール部材110の背面圧力値を固定して室内温度が目標値に達した時点で、旋回スクロール部材110の背面圧力領域101の圧力をある変化量だけ増加(あるいは減少)する。これによりサイクルとしての冷凍能力が変化し室内温度が目標値とずれることが考えられるので、この背面圧力値を固定して、室内温度が制御目標値になるよう再度圧縮機回転数、膨張弁等にて制御を行う。再び室内温度が目標値に達し、安定した時点での消費電力をメモリに記憶された背面圧力値変更前の消費電力と比較する。
【0031】ここで、ヒートポンプ消費電力が減少していれば、次のステップにおいても再び背面圧力値を増加(あるいは減少)し、背面圧力値の調整を繰り返す。逆に、ヒートポンプ消費電力が増加してしまったら前回とは逆に背面圧力値を減少(あるいは増加)させて調整を繰り返すことにより、同一室内温度下にて消費電力が小さくなる背面圧力値に変更を続けることができる。なお、背面圧力値を決める弁の開度、ステッピングモータの回転位置を記憶しておくことにより、消費電力が増加する前の回転位置に戻すことによりその値を最小消費電力として運転することができる。
【0032】なお、図4で示したアルゴリズムでは、起動時に最初の背面圧力の変化方向は、減少させる方向の図を示したが、増加方向にしても経路が異なるだけで同様の制御が行われる。また、運転停止時の背面圧力値の増減の変化方向を記憶しておいて起動直後の変化方向に利用すれば、消費電力の制御が短時間で収束する場合が考えられる。
【0033】以上、安定性を確認する物理量として室内温度以外にも、圧縮機、熱交換器、ファン、膨張弁、配管等のルームエアコン構成要素に温度、圧力、冷媒流量について、ルームエアコン全体および圧縮機に作用する電圧、電流、電力、圧縮機回転数等についての運転状態検出手段を設け、検出手段による測定項目の少なくとも一つ以上について、各種センサを用いて検出した信号により安定判別をしてもよい。
【0034】次に、図6を用いて調整弁の機構について説明する。この実施の形態では、平板バルブによる調整構造の例を説明する。旋回スクロール110の背面に背面圧力領域(背圧室)を設定する。この背圧室には、前述したように、密閉容器内の吐出圧力をシャフトとフレーム130あるいは旋回スクロール部材110の軸受隙間を介して減圧して導入される。さらに非旋回スクロール部材120内に吸込圧力に連通する流路126および127を設ける。この吸込圧力に連通する流路126および127に開閉機構として、流路抵抗を可変するための円盤状の背圧弁123を設け、背圧弁123の一方の面には、吸込圧による力と背圧弁123の開閉の条件を変更するためのバネ124等の弾性体によって弁123を閉じる方向の力がかけられる。もう一方の面には背面圧力による力が作用するような構造となっている。さらにバネ124の長さを可変する(ばね力可変)バネ押さえ125を非旋回スクロール120側から配設し背圧弁調整機構を構成する。このバネ押さえの位置を可変することにより、バネ力が変化しバルブ押し付け力が変化するので、背面圧力>吸込圧力+バネ力により発生する圧力差の時にバルブが開いて背面圧力を減圧する。この構造の利点は、バネ特性が線形、非線型を問わず、バネ力が押し縮み量の関数で現せるのでステッピングモータ等の駆動源と組み合わせた場合、オープンループ制御で圧力センサ等の検出手段を用いずに、設定している背面圧力と吸込圧力の圧力差を概ね把握することが出来る。尚、バネは弦巻ばねに限らず板バネ、皿バネ、その他の弾性体でもよい。
【0035】図7にて背圧弁調整機構の他の例を説明する。本例はニードルバルブ調整構造である。上記同様、旋回スクロール部材110の背面に背面圧力領域を設定する。この背面圧力領域に、シャフトとフレーム130あるいは旋回スクロール部材110の軸受隙間を介して減圧された密閉容器内の吐出圧力を導入する。背面圧力領域を吸込圧力に連通する流路126及び127を非旋回スクロール部材120内に設け、この吸込圧力に連通する流路126および127に流路抵抗を可変するため略円筒状のニードルとこのニードルの端面や側面にてシールする構造を設ける。
【0036】このニードルの形状を選択することにより、ニードルの変位と流路抵抗の関係を必要に応じて様々に変えることができる。この関係を図8に示す。ニードルの軸方向の形状の違いによって、ニードルの上下動とシール面とニードル間の隙間の関係が図8のグラフに示すように変化することが分かる。
【0037】上記圧力調整機構の他の例を図17乃至図18に基づいて説明する。ここにはロータリバルブを示した。このロータリバルブは狭い空間に取り付けるのに有利であり、揺動や脈動する部分が無いので騒音が出にくい。図17に示したロータリバルブは、連続的に開口面積を可変する機構であり、図18に示したロータリバルブは、開口面積を段階的に可変する機構である。後者はこの段階的開口面積可変機構であるため、ステップモータにて回転駆動した場合、背面圧力値を測定しなくても設定値が明確にできる利点がある。いずれも流路抵抗を可変することで背圧室の圧力を調整するものである。
【0038】ところで、圧縮機密閉容器外にこれら制御機構を設ける場合には、市販のパックレスバルブや電動膨張弁等を使用することができる。
【0039】また、制御機構としては、全閉から全開となる間において背面圧力が単調増加、単調減少する特性が制御を簡潔にするために必要である。これは、実施の形態でも述べたように前回の背圧弁の制御を増加か減少かによりおこなっており、その変化の方向性が消費電力の低減に対して有効か否かを判定し次回も同じ変化傾向とするため変化の過程に於いて変極点をもつと制御の方向性が判断が困難となるためである。
【0040】次に圧力調整機構310における圧力調整弁の駆動装置について図10を用いて説明する。前述した平板バルブおよびニードルバルブによる圧力調整機構の駆動装置として、図10に示すように本実施の形態ではネジとステッピングモータを使用することとした。非旋回スクロール120内に雌ネジを設け、ステッピングモータ320と連結したバネ押さえに雄ネジを設け、両者を組み合わせステッピングモータを回転させることにより、バネ押さえを上下させる機構である。ステッピングモータではバネの押し縮み量をオープンループ制御でも把握することができる点がすぐれている。
【0041】その他の駆動装置として、リニアモータ、ソレノイド、流体圧力で作動するシリンダ機構、超音波モータ、加熱および冷却装置と組み合わせた形状記憶合金などがある。また、圧縮機外に取り付けたパックレスバルブの場合には、バルブの回転軸に回転モータを取り付けてもよい。
【0042】以上示した本実施の形態によれば、空気調和機の室内温度が設定温度と均衡した安定状態で、消費電力が低下するように背圧室の圧力を調整するようにしたので、消費電力の計測値が背圧室圧力以外の要因によって変化することがなくなり、背圧室の圧力制御系を不安定にさせることが少なくなる。これによって、背圧室圧力を最も消費電力が少ないであろう値に調整することができる。従って、冷凍サイクル全体として消費電力を抑制することができる。
【0043】圧縮機の消費電力を下げるように制御する上で、ルームエアコンの運転状態が非平衡状態での場合には、単に背面圧力を変化させても背面圧力値以外の要因によるルームエアコンの消費電力の変化が含まれるので、そのままでは評価が困難である。上記第1の実施形態では、背圧室の圧力を調整する際、空気調和機の運転状態が平衡に達した段階で行なっていたが、第2の実施の形態では非平衡状態でも背圧室の圧力調整が可能となるようにした。図5にて制御のアルゴリズムを説明する。
【0044】例えば、空気調和機において運転状態が非平衡となりやすいのは、設定温度と室内温度との偏差が大きい場合である。しかし、温度偏差が相当量大きい場合は、圧縮機回転数にも限界があるので、または一定回転数で回転している場合は、この場合は、温度制御が平衡に達していなくても、圧縮機消費電力はほぼ一定値で推移する。
【0045】そこで、本実施の形態では、圧縮機の入力電圧と入力電流から圧縮機の消費電力を求めて、この消費電力のピークツーピークが所定の範囲に入っているか否かを判定し、この範囲内に入っている場合消費電力の変動が少ないものとして、第1の実施の形態と同様、背圧室の圧力を変化させて、変化前の消費電力が変化後の消費電力より大きければその変化方向を消費電力の関係が逆転するまで継続する。
【0046】本実施形態によれば、例えば空気調和機に適用した場合、温度制御系が平衡に達していなくても、消費電力の変動が少なければ、背圧室圧力制御以外の要因で消費電力が変動する可能性が少ないと判断して、この場合でも消費電力を少なくする方向に背圧室の圧力制御を行なうことができるという効果がある。なお、第1の実施形態における背圧室の圧力制御を組み合わせれば、平衡状態においても背圧室の圧力制御を行なうことができる(温度制御が平衡状態であるということは消費電力の変動も小さいので、必然的に第1の実施の形態の制御も行なわれる)。
【0047】上記した第1及び第2の実施形態では、第1の実施形態は完全平衡状態になってからしか背圧室の圧力制御がかけられず、第2の実施形態では、消費電力の変動が小さいときにしか背圧室の圧力制御を行なうことができないが、次に説明する第3実施の形態では、消費電力が変動しているとき背圧室の圧力を変化させても、背圧室の圧力の変動結果が消費電力にいかに反映されているか判定することができるため、極端な場合どのような運転状態でも背圧室の圧力制御を行なうことができるようにしたものである。
【0048】ルームエアコンの運転状態を示す物理量として室内温度以外にも、圧縮機、熱交換器、ファン、膨張弁、配管等のルームエアコン構成要素に温度、圧力、冷媒流量について、ルームエアコン全体および圧縮機に作用する電圧、電流、電力、圧縮機回転数等についての運転状態検出手段を設ける。さらに、運転条件を示す物理量とルームエアコン装置の消費電力を関係づけたデータベースを設ける。
【0049】理想的な圧縮機はその理論が確立されており、冷凍サイクル中の物理量を測定すればモリエル線図から理想圧縮機のその時点における消費電力を求めることができる。すなわち、吸込ガス温度、膨張弁前温度、圧縮機回転数(冷媒流量)、圧縮機吸込圧力、圧縮機吐出圧力を測定して、これら値をルームエアコンの消費電力を関係づけたデータベースあるいは実験式に代入することで、理想圧縮機の測定時点における消費電力を算出することができる。
【0050】この理想消費電力と実際の圧縮機の消費電力(入力電流と入力電圧から求める)とを記憶しておき、旋回スクロール部材110の背面圧力領域101の圧力を増加(あるいは減少)させ、運転状態の変化を考慮しても圧縮機の損失が減少していれば、すなわち、背圧室の圧力を変化させた後の圧縮機実消費電力が理想消費電力に近づいているならば、さらに増加(あるいは減少)し調整を進める。逆に、圧縮機の損失が増加してしまったら(圧縮機実消費電力が理想消費電力から離れてしまったら)前回とは逆の変化傾向となるように減少(あるいは増加)させることにより、もっとも損失を小さくなる背面圧力値になるよう制御することができる。
【0051】尚、前記データベースの補正機能を用いると、上記理想消費電力の精度を高めることができ、消費電力を少なくすることができる。
【0052】上記第1乃至第3の実施形態において、背面圧力を可変する条件が整って変化させたとき、消費電力が大幅に変化してしまった場合、これは明らかに背面圧力を変化させたために起った変化ではない。このまま放置しておくと背面圧力をどの状態に制御してよいか判断できないため、背面圧力制御が不安定になってしまう。これを抑制する例を説明する。
【0053】背面圧力を可変する際に、予め背面圧力を可変する前のルームエアコンの圧縮機回転数や膨張弁開度、室内外ファンの回転数などの制御値を記憶する記憶装置を設け、ルームエアコンの消費電力が低くなるように背面圧力値を変化させ、室内温度が制御目標値に到達するように制御する。
【0054】もし、室内温度を安定させる制御をおこなっている間に換気や人の出入り等による熱負荷の変化、暖房時の除霜などにより、室内温度およびルームエアコン消費電力が急激に変化し、その絶対値および単位時間当たりの変化量が、運転状態を示す物理量からデータベースを用いて決定される規定値を越えてしまった場合、背面圧力制御の目標値への収束不可能と判断する。換言すると、背面圧力の制御量に対する消費電力の変化量が理論的に導き出せる変化量を大きく超えてしまっている場合、この大きな消費電力の変化は背面圧力制御を行なったがために起った変化ではなく他の要因で起った変化であると判断する。すなわち、圧縮機またはルームエアコンの消費電力の絶対値および単位時間当たりの変化量を監視し、これら値のうち少なくとも一方が設定値を越えた場合に、異常と判断する判定機能を設ける。
【0055】このとき背面圧力制御の不安定を避けるため、予め背面圧力を変更する前のルームエアコンの圧縮機回転数、膨張弁開度、室内外ファンの回転数及び背面圧力の値(ステップモータの位置)を記憶しておき、ルームエアコンの制御を背面圧力を変更する前にメモリに記憶した設定値に戻す制御を行う。
【0056】さらに、背面圧力を変化させる第4の実施の形態について説明する。スクロール圧縮機は運転中、旋回スクロールが非旋回スクロールに対してある旋回半径にて自転せずに旋回運動をしている。このとき、旋回スクロールラップと非旋回スクロールラップ間に構成される略三日月形状の圧縮室の位置、形及びその圧力は回転につれて変化しており、旋回スクロールと非旋回スクロールを引き離す力方向の力の大きさも回転が進むにつれて周期的に変動している。例えば、運転条件により圧縮機構の吐出直前の圧力よりも吐出口の圧力が高い場合などは、最も内側の圧縮室が吐出口に連通した際に圧縮室の圧力が高くなり引き離し力が急激に大きくなる場合がある。
【0057】この問題を解決するため、本実施の形態では、背面圧力値を必要最小限の値とするために圧縮機の回転に合わせ変動させる構造とすることとした。圧縮機の1回転中の圧縮室の圧力変動は検出することができるので、回転位置と背面圧力との間の関係を示すデータベースを作成し、このデータベースに基づいて背面圧力を調整するようにする。この実施形態により、さらに省電力化が図れる。
【0058】これまで説明したように、背面圧力を調整するためには調整弁を駆動するための何等かの駆動源をスクロール圧縮機に取付ける必要がある。この駆動源の取り付け位置に関し以下説明する。
【0059】図9に示したスクロール圧縮機では、密閉容器に圧力調整機構を外側、駆動装置を外側に設けている。このようにすることで圧縮機密閉容器内に取り付け空間が確保しにくい場合に好都合である。また、バルブのみシールすればよいので、密閉性を高めるための封止部を少なくすることができる。
【0060】また、図10に示したスクロール圧縮機では、密閉容器の内側に圧力調整機構、外側に駆動装置を設けている。この場合、非旋回スクロール部材内に駆動装置と連結するロッドが必要であり、ロッドの駆動装置側は吐出圧、非旋回スクロール部材内は吸込圧力と背面圧力であり、圧力差が生じているので、非旋回スクロール部材とロッドに間にシールを施している。同様に、密閉容器とロッド間についてもシールを施す。
【0061】さらに、図11に示したスクロール圧縮機は、密閉容器の内側に圧力調整機構、外側に駆動装置が設けられた別の例である。図10に示した例との違いは、駆動装置と密閉容器間のシールをなくすために非旋回スクロール部材の一部をケースまで延長して、両部材を溶接にて接合している点である。これにより圧入等により密閉してシールを施す個所を2個所から1個所と減らすことができるので、より冷媒の洩れに対して有利な構造となる。尚、構造としては密閉容器側を延長し、非旋回スクロール部材に接合してもよく同様の効果が得られる。
【0062】図12は、密閉容器の内側に圧力調整機構及び駆動装置を設けた例である。非旋回スクロール部材とロッドの関係は図10の例と同様に非旋回スクロール部材とロッドに間にシール手段を設け組み付ける。
【0063】ところで、図13に示した実施の形態は、非旋回スクロール部材120が可動するタイプ(固定スクロールリリースタイプ)のスクロール圧縮機に、本発明を適用した例である。図中非旋回スクロール部材120の上部に仕切り板を設けており仕切り板上部が吐出圧力、下部が吸込圧力、仕切り板と非旋回スクロール部材間120空間に背面圧力が作用する。背面圧力を背面圧量導入路126にて、吸込圧を吸込圧導入流路127にて圧縮機外に導入し、調整手段310としてのパックレスバルブに接続し、さらに駆動用のステッピングモータと連結する。
【0064】圧力調整機構を密閉容器内に組む場合には、図14に示すように、少なくとも背面圧力と吸込圧のいずれか一方を旋回、非旋回スクロール部材およびフレーム、仕切り板内に流路を設けるか、配管で導いてもよい。
【0065】図15にて旋回スクロール110の非旋回スクロール部材120への押し付け力の発生方法として、旋回スクロール部材の反圧縮室側に設けたリングの背面に圧力を作用させ、リングを介して押し付け力を旋回スクロールに伝達する様にしても同様の効果が得られる。尚、図16に示した例は、図15の圧縮機内に制御機構を設けた例である。
【0066】上記シール手段については、Oリングや樹脂性のパッキン、メカニカルシール、部品間のクリアランスや油による効果も利用するとよい。
【0067】以上説明した種々の実施の形態によれば、ヒートポンプ装置において、運転条件の代表的な運転条件についてのみ圧縮機内の旋回スクロールおよび非旋回スクロールのすくなくともいずれか一方の背面圧力値を(サイクル内のある部分の圧力)×(略一定値)+(略一定値)に設定した場合に比べて、幅広い圧力比での運転条件下において、制御対象の設定温度を変えずに圧縮機の消費電力を最小化するように調整し、装置としての省電力化が図れる。
【0068】さらに、冷凍機等の個々の機器単独に於いては半固定的な運転条件で運転される装置についても、据え付け条件や温度管理対象および設定温度の差などによる機器間の条件の差が大きいと考えられる場合においても、1種類の圧縮機でカバーできる範囲が広がり生産機種を少なくすることが出来るため、大量生産によるコスト低減が図れる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、消費電力が少ないヒートポンプ装置を提供することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成10年9月18日(1998.9.18)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
【公開番号】 特開2000−88376(P2000−88376A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−264296