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【発明の名称】 ヒートポンプ装置の運転時間平準化機構及び運転時間平準化方法
【発明者】 【氏名】岡野 俊也

【要約】 【課題】複数台のヒートポンプ装置を設置した空調システムにおいては、いずれかのヒートポンプ装置の室外機に設置したエンジン等の駆動源やコンプレッサ等の機器が設計寿命を短期間のうちにオーバーしてしまうケースが増えており、設計寿命をオーバーした機器は、オーバーホール等を行って運転を継続する場合が殆どである。そのため、多額の費用がかかる上、その後の運転において機器の故障が発生する場合が多い。

【解決手段】そこで本発明では、一対のヒートポンプ装置A,Bの夫々の室外機1a,1bと夫々の室内機2a,2bの冷媒配管8a,8bを切替弁機構9により接続し、夫々の運転時間が所定以上の不均衡となった場合に切換弁機構を動作させて、夫々の室外機と接続する室内機を切替えるようにしたものである。このため、各室外機の運転時間が平準化され、機器の長期使用が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対のヒートポンプ装置の夫々の室外機と夫々の室内機の冷媒配管を切替弁機構により接続して、夫々の室外機と接続する室内機を切替可能に構成したことを特徴とするヒートポンプ装置の運転時間平準化機構【請求項2】 切替弁機構は、夫々の室外機に対応して設けた一対の四方弁と、それらを接続する配管とから構成したことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ装置の運転時間平準化機構【請求項3】 切替弁機構は、夫々の室外機に共通する四方弁により構成したことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ装置の運転時間平準化機構【請求項4】 切換弁機構はユニットとして構成し、ユニット内に室内機情報送出手段を設置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ装置の運転時間平準化機構【請求項5】 請求項1〜4までのいずれか1項に記載の運転時間平準化機構において、各ヒートポンプ装置の運転時間を監視し、夫々の運転時間が所定以上の不均衡となった場合に切換弁機構を動作させて、夫々の室外機と接続する室内機を切替えることを特徴とするヒートポンプ装置の運転時間平準化方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒートポンプ装置の運転時間平準化機構及び運転時間平準化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビルのマルチ式空調システムのように、複数台のヒートポンプ装置を設置した空調システムにおいては、各ヒートポンプ装置に対応する空調負荷が必ずしも平準ではなく、いずれかのヒートポンプ装置の運転時間が他よりも長くなってしまう場合が多い。このようなことから、複数台のヒートポンプ装置を設置した空調システムにおいては、いずれかのヒートポンプ装置の室外機に設置したエンジン等の駆動源やコンプレッサ等の機器が設計寿命を短期間のうちにオーバーしてしまうケースが増えており、設計寿命をオーバーした機器は、オーバーホール等を行って運転を継続する場合が殆どである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機器のオーバーホールは、その際に多額の費用がかかる上、その後の運転において機器の故障が発生する場合が多い。本発明はこのような課題を解決することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために本発明では、一対のヒートポンプ装置の夫々の室外機と夫々の室内機の冷媒配管を切替弁機構により接続して、夫々の室外機と接続する室内機を切替可能に構成したヒートポンプ装置の運転時間平準化機構を提案するものである。
【0005】また本発明では、以上の構成において、切替弁機構は、夫々の室外機に対応して設けた一対の四方弁と、それらを接続する配管とから構成したり、又は夫々の室外機に共通する四方弁により構成することを提案する。
【0006】また本発明では、切換弁機構はユニットとして構成し、ユニット内に室内機情報送出手段を設置することを提案する。
【0007】また本発明では、前記の運転時間平準化機構において、各ヒートポンプ装置の運転時間を監視し、夫々の運転時間が所定以上の不均衡となった場合に切換弁機構を動作させて、夫々の室外機と接続する室内機を切替えるヒートポンプ装置の運転時間平準化方法を提案する。
【0008】以上の本発明によれば、切換弁機構を動作させることにより、夫々の室外機と接続する室内機を切替えた運転を行うことができる。従って、それまでの運転時間が長い方の室外機は、それまでの運転時間が短かい方の室内機と接続して運転を行うことができるので、それ以降は、他の室外機よりも運転時間が短くなって、夫々の運転時間の平準化が計られる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明に係るヒートポンプ装置の運転時間平準化機構の構成を概念的に示すもので、符号A,Bで示す一対のヒートポンプ装置を有している。夫々のヒートポンプ装置A,Bは、夫々室外機1a,1bと室内機2a,2bとから成り、室外機1a,1bには、ガスエンジンや電動機等の駆動源3、コンプレッサ4及び凝縮器5を設けており、また室内機2a,2bには膨張弁6と蒸発器7を設けている。尚、このヒートポンプ装置A,Bの構成は、冷房期におけるヒートポンプの構成として代表的に示すものであり、実際の構成としては、暖冷房の切替が可能な構成等、適宜の構成を適用することができるものである。
【0010】以上の構成において、本発明では、夫々のヒートポンプ装置A,Bの夫々の室外機1a,1bと夫々の室内機2a,2bの冷媒配管8a,8bを切替弁機構9により接続して、夫々の室外機1a,1bと接続する室内機2a,2bを切替可能に構成している。切換弁機構9の具体例は後述するが、この切換弁機構9は、液状態及びガス状態の冷媒に対応する冷媒配管8a,8bの双方を同時に切り替える構成である。
【0011】以上の構成において、切換弁機構9が、まず図1の実線矢印で示すように冷媒配管8a,8a;8b,8bを接続している状態では、室外機1a,1bからの液状態の冷媒は夫々冷媒配管8a,8bから切換弁機構9を経て冷媒配管8a,8bに流れて室内機2a,2bに至り、膨張弁6、蒸発器7を経てガス状態となり、冷媒配管8a,8bから切換弁機構9、冷媒配管8a,8bを経て夫々室外機1a,1bに還流する。
【0012】この際、室内機2aを設置している室内の空調負荷(空調時間を含む)が、室内機2bを設置している室内の空調負荷よりも大きいものとすると、室内機2aと接続状態の室外機1aの方が単位期間当りの運転時間が長くなるため、その累積値は、図2に示すように、時間が経つにつれて室外機1bの運転時間の累積値よりも次第に大きくなって行く。尚、図2においては、室外機に接続状態の室内機は括弧中に符号で示している。以上の運転時間が経過し、例えば、それらの運転時間の累積値の差が設定値よりも越えた場合(図中t1)には、切換弁機構9を動作させて、図1の一点鎖線で示すように冷媒配管8a,8b;8a,8bが接続状態となるようにする。この状態では、室外機1a,1bからの液状態の冷媒は夫々冷媒配管8a,8bから切換弁機構9を経て、冷媒配管8b,8aに流れて室内機2b,2aに至り、膨張弁6、蒸発器7を経てガス状態となり、冷媒配管8b,8aから切換弁機構9、冷媒配管8a,8bを経て夫々室外機1a,1bに還流する。
【0013】従って、この状態では、単位期間当りの運転時間は、室内機2aと接続状態の室外機1bの方が、室内機2bと接続状態の室外機1aよりも長くなるため、室外機1bの運転時間の累積値は次第に室外機1aの累積値に近づいて行き、図中t2において一致する。この時点では切換弁機構9は動作させず、それまでの接続状態を保ったまま運転を継続する。そのため、今度は、図2に示すように、室外機1bの運転時間の累積値が、時間が経つにつれて室外機1aの運転時間の累積値よりも次第に大きくなって行く。
【0014】そこで、上述と同様に、それらの運転時間の累積値の差が設定値よりも越えた場合(図中t3)には、切換弁機構9を動作させて、再び図1の実線で示すように冷媒配管8a,8a;8b,8bが接続状態となるようにする。そのため、今度は、図2に示すように、室内機2aと接続状態の室外機1aの方が、室内機2bと接続状態の室外機1bよりも長くなるため、室外機1aの運転時間の累積値は次第に室外機1bの累積値に近づいて行き、 終には一致することになる。
【0015】以上のように、本発明では切換弁機構9を動作させることにより、夫々の室外機1a,1bと接続する室内機2a,2bを切替えた運転を行うことができ、それまでの運転時間が長い方の室外機は、それまでの運転時間が短かい方の室内機と接続して運転を行うことができるので、それ以降は、他の室外機よりも運転時間が短くなって、夫々の運転時間の平準化が計られる。
【0016】図3、図4は本発明に係るヒートポンプ装置の運転時間平準化機構に使用する切換弁機構9の第1の実施の形態を示すもので、この切換弁機構9は、夫々の室外機1a,1bに対応して設けた一対の四方弁10a,10bと、それらを接続する配管11a,11b等とからユニットとして構成している。尚、図では、室外機1と室内機2間の冷媒配管のうち、液状態又はガス状態側の一方の冷媒配管についての切換弁機構のみを示すもので、他方の冷媒配管についても同様な構成とする。即ち、この切換弁機構9では、夫々の四方弁10a,10bは、図3に示す一方の動作時においては一方の流路11fにより、冷媒配管8a,8a;8b,8bを接続状態とすると共に、図4に示す他方の動作時においては、夫々の四方弁10a,10bの一方の流路11fから接続配管12a,12bを通り、他方の四方弁10b,10aの他方の流路11sを介して、冷媒配管8a,8b;8b,8aを接続状態とする構成である。図3、図4においては、室外機1aからの冷媒の流れは一点鎖線、室外機1bからの冷媒の流れを実線で示すことにより、切換弁機構9により切り替えた状態の夫々の冷媒の流れを示している。
【0017】図3、図4において、符号13は切換弁機構9のユニット内に設けた基板であり、この基板13には、各四方弁10a,10bを操作するための制御手段(図示省略)と共に、夫々の室外機1a,1bに対する室内機情報送出手段14を設けており、この室内機情報送出手段14と夫々の室外機1a,1bの制御手段(図示省略)とを信号線15a,15bで接続している。この室内機情報送出手段14は、制御手段により四方弁10a,10bを動作させた際に、その接続状態、即ち、夫々室外機1a,1bと接続状態の室内機2a,2bの情報を室外機1a,1bに送出することにより、対応した室外機と室内機の適切な制御を行うことができる。
【0018】図5、図6は本発明に係るヒートポンプ装置の運転時間平準化機構に使用する切換弁機構9の第2の実施の形態を示すもので、この切換弁機構9は、夫々の室外機1a,1bに共通する四方弁16により構成したものである。この四方弁16による切替動作は、図5、図6中に示した冷媒の流れにより明らかであるので、詳細な説明は省略する。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のとおり、切換弁機構を動作させることにより、冷媒を放出することなく、夫々の室外機と接続する室内機を切替えた運転を行うことができ、これにより、それまでの運転時間が長い方の室外機を、それまでの運転時間が短かい方の室内機と接続して運転を行うことができるので、夫々の室外機の各機器の運転時間の平準化を計ることができ、結果として機器を長期間使用できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成10年9月11日(1998.9.11)
【代理人】 【識別番号】100071102
【弁理士】
【氏名又は名称】三觜 晃司
【公開番号】 特開2000−88374(P2000−88374A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−257989