| 【発明の名称】 |
非共沸混合冷媒を用いたヒートポンプ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 賢一
【氏名】山本 泰司
|
| 【要約】 |
【課題】非共沸混合冷媒を用いたヒートポンプ装置において、低温側蒸発過程と高温側凝縮過程で混合冷媒の濃度比をそれぞれの過程で最適に近い値となる様に変化させ、これによって高温側凝縮過程における過大な作動圧力の発生を抑制すると共に、低温側蒸発過程における混合冷媒の熱交換能力を向上させる。
【解決手段】蒸発器1と圧縮機4の間の冷媒循環路21には、蒸発器1から供給される気液2相流を気相と液相に分離する気液分離器5と、気液分離器5からの液相流を気化して圧縮機4へ供給するための副膨張弁8及び熱交換器10、9とが接続され、圧縮機4と蒸発器1の間の冷媒循環路22には、気液分離器5から冷媒バイパス路13を経て供給される気相流と圧縮機4からの液相流とを混合して蒸発器1へ供給する気液混合器6が接続されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蒸発器(1)、圧縮機(4)、凝縮器(3)及び膨張弁(2)を配管により互いに接続して、非共沸混合冷媒が循環する冷媒循環路を形成したヒートポンプ装置において、蒸発器(1)から圧縮機(4)へ冷媒を流す冷媒循環路には、蒸発器(1)から供給される気液2相流を気相と液相に分離する気液分離器(5)と、気液分離器(5)からの液相流を気化して圧縮機(4)へ供給する気化手段とが接続され、圧縮機(4)から蒸発器(1)へ冷媒を流す冷媒循環路には、気液分離器(5)から冷媒バイパス路を経て供給される気相流と圧縮機(4)からの液相流とを混合して蒸発器(1)へ供給する気液混合器(6)が接続されていることを特徴とする非共沸混合冷媒を用いたヒートポンプ装置。 【請求項2】 気化手段は、気液分離器(5)からの液相流を膨張させる副膨張弁(8)と、副膨張弁(8)から流出する冷媒を加熱して気化する熱交換器とから構成される請求項1に記載のヒートポンプ装置。 【請求項3】 気化手段の出口には第2の気液分離器が接続され、該気液分離器からの気相流が圧縮機(4)へ供給される一方、該気液分離器からの液相流は第2の冷媒バイパス路を経て気液混合器(6)へ供給される請求項1又は請求項2に記載のヒートポンプ装置。 【請求項4】 気液分離器(5)と気液混合器(6)の間の冷媒バイパス路には、副圧縮器(7)が接続されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載のヒートポンプ装置。 【請求項5】 副圧縮器(7)と気液混合器(6)の間の冷媒バイパス路には、該冷媒バイパス路を流れる冷媒から熱を奪うための熱交換器が接続されている請求項4に記載のヒートポンプ装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置やヒートポンプ等の如く、低温側の熱源と高温側の熱源の間で熱を移動させるための熱サイクルを構成するヒートポンプ装置に関し、特に冷媒として非共沸混合冷媒を用いたヒートポンプ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】蒸気圧縮式の冷凍装置は、図5に示す如く、蒸発器(1)、圧縮機(4)、凝縮器(3)及び膨張弁(2)を配管により互いに接続して構成され、図6に示す如き冷凍サイクルを実現するものである。即ち、蒸発器(1)からの冷媒ガスが圧縮機(4)によって圧縮(■→■)されて、高温、高圧のガスとなり、圧縮機(4)から吐出された冷媒ガスは凝縮器(3)へ送られ、高温熱源(外気)へ熱を放出することによって凝縮(■→■)する。凝縮によって液化した高温、高圧の冷媒液は膨張弁(2)へ供給され、膨張(■→■)によって低温、低圧の冷媒液となる。膨張弁(2)からの冷媒液は蒸発器(1)へ送り込まれ、低温熱源(冷凍室)から熱を奪って蒸発(■→■)し、冷媒ガスとなって圧縮機(4)へ供給される。上述の冷凍サイクル(■→■→■→■→■)を繰り返すことによって、低温熱源から高温熱源へ熱が輸送され、低温熱源が冷却されるのである。 【0003】冷媒としては、一般にCFC、HCFC、HFC等のフロン(デュポン社の商品名)が採用されており、更に二酸化炭素、アンモニア等の自然冷媒の採用が検討されている。又、設定熱源温度に対して適度な飽和圧力を得ること、冷媒の密度、粘性、熱導電率、比熱、潜熱等の熱的又は動的特性を改善すること、冷媒の可燃性や毒性を緩和し、安全性を向上させること等を目的として、2種類の冷媒を混合してなる混合冷媒を採用した冷凍装置が開発されている。この様な冷凍装置において、混合すべき2種類の冷媒は、熱サイクル全体として最良の性能を得るべく、その組合せや濃度比(組成比)を選定する必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】冷凍装置の熱サイクルには一般に、複数の温度域と条件の異なる複数の過程が存在し、それぞれの過程に対して望ましい濃度比が存在することになる。然るに、従来の混合冷媒を用いた冷凍装置においては、特定の濃度比で混合された混合冷媒が、濃度比一定で熱サイクル全体を循環しているので、全ての過程に対して最適な濃度比を達成することは出来ない。例えば、高温側凝縮過程において作動圧力を下げようとした結果、低温側蒸発過程における熱交換能力が損なわれる虞れがある。又、熱源間の温度差が大きい場合、圧力比の増大によって圧縮過程の損失が増大する問題がある。更に、低温側蒸発過程と高温側凝縮過程の双方の作動温度において良好な冷媒特性を得ることは困難である。 【0005】図5中の数値は、二酸化炭素(50%)とイソブタン(50%)の混合冷媒(非共沸混合冷媒)を用いた蒸気圧縮式冷凍装置における状態変化を例示したものである。二酸化炭素は、低温域、特に冷凍温度域において他の自然冷媒よりも高い替熱と低い粘性を有し、非常に優れた熱交換能力を発揮するが、臨界温度が低いため、単体で熱サイクルを組んだ場合、作動圧力が高くなる欠点がある。これに対し、イソブタンは二酸化炭素よりも飽和圧力が低く、二酸化炭素にイソブタンを混合することによって、作動圧力を下げることが可能である。しかしながら、二酸化炭素とイソブタンの混合冷媒を濃度比一定で熱サイクル全体を循環させる熱サイクルにおいては、例えば図5に示す様に、低温側蒸発過程で良好な冷媒特性を得るべくイソブタンに対する二酸化炭素の濃度比を50%に設定した場合、高温側凝縮過程では、二酸化炭素の濃度比が50%と高いために、作動圧力が50barにも達する問題がある。 【0006】そこで本発明の目的は、非共沸混合冷媒を用いたヒートポンプ装置において、低温側蒸発過程と高温側凝縮過程で混合冷媒の濃度比をそれぞれの過程で最適若しくは最適に近い値となる様に変化させ、これによって高温側凝縮過程における過大な作動圧力の発生を抑制すると共に、低温側蒸発過程における混合冷媒の熱交換能力を向上させることである。 【0007】 【課題を解決する為の手段】非共沸混合冷媒においては、飽和線と蒸気線が温度によって変化するが、同時にこれらの境界線は濃度比によっても変化する。例えば高温側凝縮過程における作動圧力を下げたい場合は、低い飽和圧力を有する冷媒(例えばイソブタン)の濃度比(組成比)を上げればよい。又、低温側蒸発過程における冷媒の熱交換能力を上げるためには、高い飽和圧力をもつ冷媒(例えば二酸化炭素)の濃度比(組成比)を上げればよい。 【0008】そこで、本発明に係るヒートポンプ装置においては、混合冷媒の濃度比を凝縮と蒸発の双方の過程で変化させるべく、蒸発器(1)から圧縮機(4)へ冷媒を流す冷媒循環路に、蒸発器(1)から供給される気液2相流を気相と液相に分離する気液分離器(5)と、気液分離器(5)からの液相流を気化して圧縮機(4)へ供給する気化手段とが接続されている。又、圧縮機(4)から蒸発器(1)へ冷媒を流す冷媒循環路には、気液分離器(5)から冷媒バイパス路を経て供給される気相流と圧縮機(4)からの液相流とを混合して蒸発器(1)へ供給する気液混合器(6)が接続されている。 【0009】上記本発明のヒートポンプ装置においては、蒸発器(1)から気液2相流が流出して、気液分離器(5)へ供給される。気液分離器(5)では、気液2相流が気相と液相に分離され、液相流は気化手段へ供給される一方、気相流は気液混合器(6)へ供給される。ここで、液相流は、低い飽和圧力を有する冷媒(イソブタン)の濃度比が高い状態になっており、これに対して気相流は、高い飽和圧力を有する冷媒(二酸化炭素)の濃度比が高い状態になっている。従って、気化手段からは、低い飽和圧力を有する冷媒(イソブタン)の濃度比が高い気相流が得られ、該気相流が凝縮器(3)へ供給されることとなって、高温側凝縮過程の作動圧力が低下することになる。 【0010】又、気液分離器(5)からの気相流は、高い飽和圧力を有する冷媒(二酸化炭素)の濃度比が高い状態になっており、該気相流が凝縮器(3)からの液相流と混合されて、従来に比べて、高い飽和圧力を有する冷媒(二酸化炭素)の濃度比がより高い気液2相流となって、蒸発器(1)へ供給される。この結果、蒸発器(1)からは、気相と液相からなる気液2相の混合冷媒が流出することになる。即ち、高温側凝縮過程では、低い飽和圧力を有する冷媒(イソブタン)の濃度比(組成比)が上がって、作動圧力が低下する。又、低温側蒸発過程では、高い飽和圧力をもつ冷媒(二酸化炭素)の濃度比(組成比)が上がって、作動圧力が上昇すると共に、混合冷媒の熱的、動的特性が改善される。 【0011】具体的構成において、気化手段は、気液分離器(5)からの液相流を膨張させる副膨張弁(8)と、副膨張弁(8)から流出する冷媒を加熱して気化する熱交換器とから構成される。該具体的構成によれば、気液分離器(5)からの液相流を完全に気化させて圧縮機(4)へ供給することが出来る。 【0012】又、気化手段の出口には第2の気液分離器が接続され、該気液分離器からの気相流が圧縮機(4)へ供給される一方、該気液分離器からの液相流は第2の冷媒バイパス路を経て気液混合器(6)へ供給される。該具体的構成によれば、仮に気液分離器(5)からの冷媒が完全に気化されない場合があったとしても、該冷媒は第2の気液分離器によって気相と液相に分離され、気相流のみが圧縮機(4)へ供給される。又、液相流は気液混合器(6)へ供給される。 【0013】更に具体的構成において、気液分離器(5)と気液混合器(6)の間の冷媒バイパス路には、副圧縮器(7)が接続されている。該具体的構成によれば、気液分離器(5)からの気相流が、凝縮器(3)からの液相流と同等の圧力まで昇圧されて、気液混合器(6)へ供給され、凝縮器(3)からの液相流と混合されて、高い飽和圧力をもつ冷媒(二酸化炭素)の濃度比(組成比)が上がることとなる。 【0014】更に具体的構成において、副圧縮器(7)と気液混合器(6)の間の冷媒バイパス路には、該冷媒バイパス路を流れる冷媒から熱を奪うための熱交換器が接続されている。該具体的構成によれば、熱交換によって奪った熱を高温側熱源へ供給することにより、熱の有効利用が図られる。 【0015】 【発明の効果】本発明に係る非共沸混合冷媒を用いたヒートポンプ装置によれば、高温側凝縮過程及び低温側蒸発過程における非共沸混合冷媒の濃度比をそれぞれ、最適若しくは最適に近い値に変化させることによって、高温側凝縮過程における過大な作動圧力の発生を抑制すると共に、低温側蒸発過程における混合冷媒の熱交換能力を改善することが出来る。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明を蒸気圧縮型の冷凍装置に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。図1に示す本発明の冷凍装置は、冷媒として、二酸化炭素とイソブタンを混合してなる非共沸混合冷媒を採用しており、高温側凝縮過程で二酸化炭素濃度比を20%程度に低く設定して作動圧力を低下させると同時に、低温膨張過程では、二酸化炭素濃度比を50%程度に高く設定して、優れた熱交換能力を実現したものである。該冷凍装置によって実現される熱サイクルは、80℃〜50℃の高温熱源に熱を供給し、同時に0℃の低温熱源から熱を奪って冷熱を発生させるものであって、冷凍装置とヒートポンプの両方の機能を兼ね具え、作動圧力は30bar以下に抑えられている。 【0017】該冷凍装置は、低温側熱源との熱交換によって0℃付近で冷媒の蒸発吸熱が起こる蒸発器(1)と、その直前で混合冷媒を膨張させる膨張弁(2)と、高温側熱源との熱交換によって80℃〜50℃付近で冷媒の凝縮放熱が起こる凝縮器(3)と、その直前で冷媒を圧縮加圧する圧縮機(4)とを主な構成機器としている。そして、蒸発・圧縮両温度間で混合冷媒の濃度比を変化させるために、蒸発器(1)と圧縮機(4)の間の冷媒循環路(21)には、蒸発器(1)から供給される気液2相流の濃度比(組成比)を調整するための組成調整用膨張弁(11)と、組成調整用膨張弁(11)からの気液2相流を気相と液相に分離する気液分離器(5)とが接続されている。又、凝縮器(3)と蒸発器(1)の間の冷媒循環路(22)には、内部熱交換器(10)及び気液混合器(6)が接続されている。気液分離器(5)からの液相流は、副膨張弁(8)、内部熱交換器(10)、及び中間熱交換器(9)を経て、圧縮機(4)へ供給される。一方、気液分離器(5)からの気相流は、冷媒バイパス路(13)に導かれ、副圧縮器(7)を経て気液混合器(6)へ供給される。 【0018】上記冷凍装置における各ポイントを流れる混合冷媒の状態S1〜S11(温度、圧力、二酸化炭素濃度比、相状態)を図1中に例示する。又、図4(a)(b)(c)は、各ポイント(状態S1〜S11)における二酸化炭素の質量比(濃度比)と圧力を、気液平衡線図中に記入したものである。図4において、(L)は液相状態、(L+G)は気液2相状態、(G)は気相状態を表わしている。 【0019】図4(a)は、蒸発器(1)と気液分離器(5)における冷媒の状態の変化を表わしている。蒸発器内(状態S1)では、混合冷媒の二酸化炭素濃度比(以下、単に濃度比という)は50%、温度は0℃、圧力は17barであって、この状態で冷媒は液相状態になっている。50%濃度比の冷媒は蒸発器(1)内で蒸発し、低温熱源から熱を奪うが、完全に蒸気とはならずに液気2相流として、組成調整用膨張弁(11)を経て気液分離器(5)に流入する。ここで冷媒は、蒸発器(1)及び組成調整用膨張弁(11)内の圧力損失により、17barから15barに低下し(状態S2)、更に非共沸混合液であるので温度も0℃から10℃に変化するとする。この結果、混合冷媒は、気液分離器(5)内で濃度比20%の液相(状態S3)と濃度比70%の気相(状態S9)とに分離される。 【0020】濃度比20%の液相流(状態S3)は更に副膨張弁(8)及び内部熱交換器(10)を通過し、膨張加熱されて状態S4に達し、一部が蒸発して気液2相となる。この濃度比20%の気液2相流は更に中間熱交換器(9)を通過して、40℃の中温熱源より熱を受け、最終的には、濃度比20%、温度40℃、圧力5barの完全な気相状態(状態S5)となって、圧縮機(4)に吸入される。 【0021】図4(b)は、冷媒の圧縮及び凝縮過程を表わしている。濃度比20%の混合冷媒は圧縮機(4)によって5barから25barに圧縮され、その温度は40℃から80℃の高温に変化する(状態S6)。圧縮機(4)から流出する気相状態の混合冷媒は、凝縮器(3)にて高温熱源に放熱し、同時にその温度は40℃程度に低下する。このように、冷媒として非共沸混合冷媒を採用しているので、凝縮過程においても冷媒の温度変化が発生し、高温熱源からの熱媒を混合冷媒の流れに対して対抗する向きに流すことによって、良好な熱交換が実現される。この例では凝縮器内で20%濃度比の冷媒は完全に凝縮して液相(状態S7)となる。凝縮器(3)からの高圧の液相流(状態S7)は、内部熱交換器(10)内を低圧状態での流れとは逆向きに流れて、20℃に冷却され、更に内部熱交換器(10)内での圧力損失のために、20.5barに減圧されることになる(状態S8)。 【0022】尚、蒸発器(1)を通過して吸熱した冷媒の熱量は、その大部分が、気液分離器(5)にて分離された気相(状態S9)によって輸送される。冷凍サイクルを成り立たせるためには、この気相流を冷却する必要があり、後述の如くこの冷却は、凝縮器(3)にて高温熱源に放熱した後に更に内部熱交換器(10)にて冷却された濃度比20%の冷媒(状態S8)によって為される。 【0023】気液分離器(5)から得られる濃度比70%(状態S9)の気相の冷媒は、副圧縮器(7)により圧縮されて、温度40℃、圧力20.5barの気相(状態S10)となる。一方、状態S8の濃度比20%の混合冷媒は、内部熱交換器(10)により冷却されて温度が20℃となっており、状態S10の70%濃度比の気相流よりも低温であるので、この状態S10の気相流を冷却することが可能である。この冷却は、気液混合器(6)内で状態S8の20%濃度比の液相流と状態S10の70%濃度比の気相流を互いに混合することによって行なわれる。即ち、図4(c)に示す様に、状態S8の20%濃度比の液相流と状態S10の70%濃度比の気相流とが混合されることによって、70%濃度比の気相流が気液混合器(6)内で冷却吸収され、最終的に濃度比50%の気液2相(状態S11)の冷媒となって、気液混合器(6)から流出するのである。この50%濃度比の冷媒は、膨張弁(2)を経て状態S1の気液2相冷媒となり、蒸発器(1)へ導かれ、同様のサイクルが繰り返される。 【0024】尚、冷凍温度や冷凍負荷は、蒸発器(1)の前後に配置された膨張弁(2)及び組成調整膨張弁(11)の開度や、圧縮機(4)及び副圧縮機(7)の回転数を調整することによって制御される。又、気液混合器(6)は、流入してくる2つの冷媒を十分に混合するために必要な十分な長さに設計されている。 【0025】上述の冷凍装置の熱サイクルにおいては、高温側凝縮過程における二酸化炭素濃度比は20%と低くなって、作動圧力は25barと二酸化炭素単体のサイクルに比較して、十分に低くなっている。又、低温側蒸発過程における二酸化炭素濃度比は50%と高くなるので、濃度比20%の冷媒を単体で循環させた場合より良好な低温熱交換能力が得られることになる。 【0026】図2に示す冷凍装置は、上述の熱サイクルよりも更に熱の有効利用を図ったものであり、低温側熱源として、蒸発器(1)を吸熱側伝熱管とする低温側熱交換器(12)を設置すると共に、高温側熱源として、凝縮器(3)を放熱側伝熱管とする高温側熱交換器(15)を設置している。副膨張弁(8)の出口には第1中間熱交換器(16)が接続され、該熱交換器(16)の放熱側伝熱管は高温側熱交換器(15)の放熱側伝熱管と接続され、両伝熱管の両端が冷却水配管(17)に繋がっている。又、副圧縮器(7)と気液混合器(6)の間の冷媒バイパス路(13)には、第2中間熱交換器(14)が接続され、該第2中間熱交換器(14)の吸熱側伝熱管は、高温側熱交換器(15)の吸熱側伝熱管と接続され、両伝熱管の両端が給湯配管(18)に繋がっている。 【0027】従って、冷却水配管(17)を流れる冷却水は、先ず第1中間熱交換器(16)を経て約30℃から約20℃まで冷却された後、更に低温側熱交換器(12)を経て、約20℃から10℃まで冷却される。一方、給湯配管(18)を流れる温水は、先ず第2中間熱交換器(14)を経て約30℃から40℃まで加熱された後、更に高温側熱交換器(15)を経て、約40℃から約70℃まで加熱されることになる。 【0028】又、図3に示す冷凍装置においては、副膨張弁(8)及び副圧縮器(7)の出口に中間熱交換器(19)を接続して、副膨張弁(8)から流出する気液2相の冷媒を、副圧縮器(7)から流出する気相の冷媒によって加熱し、加熱された冷媒は更に補助気液分離器(20)へ供給して、気相と液相に分離し、気相流のみを圧縮機(4)へ供給し、液相流は第2冷媒バイパス路(23)を経て気液混合器(6)へ供給している。尚、副膨張弁(8)から流出する気液2相の冷媒を中間熱交換器(19)によって完全に気化することが可能な場合には、補助気液分離器(20)を省略することが出来る。 【0029】上述した何れの冷凍装置においても、高温側凝縮過程及び低温側蒸発過程の混合冷媒の濃度比を意図的に変えることが出来、これによって高温側凝縮過程の圧力を下げると共に低温側蒸発過程の圧力を上げて、圧縮比を低下させることが可能であり、これによって圧縮機の損失を低減させ、熱サイクルの高効率化を図ることが出来る。又、高温側凝縮過程及び低温側蒸発過程における冷媒の熱的、動的特性を各過程に適したものに変化させ、これによって熱サイクルの高効率化を図ることが可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年9月18日(1998.9.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100114 【弁理士】 【氏名又は名称】西岡 伸泰
|
| 【公開番号】 |
特開2000−88371(P2000−88371A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−264144 |
|