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【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】山下 哲也

【氏名】畝崎 史武

【氏名】隅田 嘉裕

【氏名】森本 裕之

【要約】 【課題】常に、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の圧力よりも高くし、オイルタンクから圧縮機へ確実に油供給することにより、信頼性の高い冷凍装置を提供すること。

【解決手段】この冷凍装置は、圧縮機1a,1b、油分離器2、凝縮器5、液だめ6、冷媒絞り弁25、および蒸発器26を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、油分離器2で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンク3を油分離器2と接続するとともに、圧縮機1a,1bへ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータ4a,4bをオイルタンク3と圧縮機1a,1bの間に配備した装置であって、冷凍サイクルの冷媒高圧部である油分離器2の冷媒出側とオイルタンク3との間に、これらを連通するホットガスバイパス配管7が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、前記油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを前記油分離器と接続するとともに、前記圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータを前記オイルタンクと前記圧縮機の間に配備した冷凍装置において、前記冷凍サイクルの冷媒高圧部と前記オイルタンクとを連通するホットガスバイパス配管を設けたことを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】 ホットガスバイパス配管に電磁弁を設け、冷凍サイクルの状態に係る所定の信号により前記電磁弁を開閉することを特徴とする請求項第1項に記載の冷凍装置。
【請求項3】 ホットガスバイパス配管に流量調整弁を設け、冷凍サイクルの状態に係る所定の信号により前記流量調整弁を所定の開度に調節することを特徴とする請求項第1項に記載の冷凍装置。
【請求項4】 少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、前記油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを前記油分離器と接続するとともに、前記圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータを前記オイルタンクと前記圧縮機の間に配備した冷凍装置において、前記オイルタンクを断熱材で断熱被覆したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項5】 少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、前記油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを前記油分離器と接続するとともに、前記圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータを前記オイルタンクと前記圧縮機の間に配備した冷凍装置において、前記オイルタンクに当該オイルタンク内を加熱するヒータを設けたことを特徴とする冷凍装置。
【請求項6】 少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、前記油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを前記油分離器と接続するとともに、前記圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータを前記オイルタンクと前記圧縮機の間に配備した冷凍装置において、前記冷凍サイクルの冷媒高温部と配管接続された熱交換器を前記オイルタンク内に配備し、前記冷媒高温部からの冷媒と前記オイルタンク内を熱交換させることを特徴とする冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機から吐出された冷媒に含まれる冷凍機油を分離してオイルタンクへ貯留し再度圧縮機へ戻す機能を有する冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は冷媒部品メーカなどのカタログ(例えば、1991年9月に再版された米国SPORLAN社カタログ)に紹介されている従来の冷凍装置を示す概略構成図である。図において、1a,1bは並列に配管接続された2基の圧縮機、2は圧縮機1a,1bより吐出された冷媒から冷凍機油を分離する油分離器、3は分離された油を貯留するオイルタンク、4a,4bはオイルタンク3から各圧縮機1a,1bに供給される油量を調節するオイルレギュレータ、5は凝縮器、6は液だめである。これらの圧縮機1a,1b、油分離器2、凝縮器5、液だめ6、冷媒絞り弁(図1参照)、および蒸発器(図1参照)が環状に配管接続されることにより、冷媒を循環させる冷凍サイクルが構成されている。また、8は差圧弁であり、オイルタンク3と圧縮機1a,1b吸入側の間に配管接続されている。油分離器2の下部とオイルタンク3の上部は返油配管9で接続され、オイルタンク3の下部とオイルレギュレータ4a,4bは給油配管10で接続されている。
【0003】上記のように構成された従来の冷凍装置において、圧縮機1a,1bで圧縮され高温・高圧になったガス冷媒(圧縮機1a,1bから持出された油を同伴させている)は、油分離器2でガス冷媒と油に分離される。ガス冷媒は凝縮器5に送られて液化したのち液だめ6に流れ込み、後続の冷媒絞り装置や蒸発器を経て冷媒吸入配管27から圧縮機1a,1bへ戻る。一方、油分離器2の油は返油配管9を通じてオイルタンク3に貯留される。一般に、オイルタンク3内の圧力は油分離器2から流入する油に溶け込んでいた冷媒が蒸発することにより上昇する。また、オイルタンク3の内圧は差圧弁8により圧縮機1a,1bの吸入側の圧力よりも設定値だけ高くなるように維持されている。オイルレギュレータ4a,4bは、図10に示すように、圧縮機1a,1bの貯油部に連通して取付けられている。
【0004】そこで、圧縮機1a,1b内の油面が下がる(図10(a)参照)と、オイルレギュレータ4a,4b内のフロート19が下がり、弁20が開く。すると、オイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の吸入側の差圧(オイルタンク内圧力>圧縮機内圧力になっている)により、オイルタンク3の油が給油配管10を通じてオイルレギュレータ4a,4bから圧縮機1a,1bに供給される。一方、圧縮機1a,1b内の油面が上がる(図10(b)参照)と、フロート19が上がって、弁20が閉じる。これにより、オイルタンク3から圧縮機1a,1bへの油供給は止まる。以上のようにして、オイルレギュレータ4a,4bは圧縮機1a,1b内の油量を所定の油面に調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従来の冷凍装置は、以下に示す条件(1),(2)になると、圧縮機1a,1b内の圧力がオイルタンク3内の圧力以上に高くなり、オイルタンク3内に貯留した油が圧縮機1a,1bに移動しない状態が発生する。これにより、圧縮機1a,1bは油不足に至って故障するおそれがある。
【0006】(1)外気温度が低下しオイルタンク3の周囲温度が低下している場合は、周囲温度の低下に伴ってオイルタンク3内の油温も低下するので、油分離器2からオイルタンク3に流入した油に溶けている冷媒の蒸発量が不足し、オイルタンク3の内圧が上昇しない。そのため、オイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧ガ小さくなり、十分な量の油を圧縮機1a,1bに供給できなくなる。特に、オイルタンク3の周囲温度がオイルタンク3内の圧力に対応した冷媒飽和温度よりも低い場合、オイルタンク3内の圧力はオイルタンク3の周囲温度に対応した圧力となるため、オイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧が逆転し、油を圧縮機1a,1bに供給できなくなる。因みに、圧縮機1a,1b内の圧力が3.3kg/cm2 G(蒸発温度=−5℃相当)の場合は、オイルタンク3の周囲温度が−5℃未満になると、オイルタンク内圧力>圧縮機内圧力となる。
【0007】(2)圧縮機1a,1b内の圧力上昇よりもオイルタンク3内の圧力上昇の方が遅い場合は、オイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧が小さくなり、もしくは逆転するため、油を圧縮機1a,1bに十分供給できなくなる。オイルタンク3内の圧力は、油分離器2から流入する油に溶けている冷媒が蒸発することや、オイルタンク3の周囲温度が上がることにより上昇する。そのため、冷凍装置の負荷変動により上昇する圧縮機1a,1b内の圧力に追従できず、オイルタンク内圧力<圧縮機内圧力となる場合が有る。特に、オイルタンク3の周囲温度が低い場合はその影響が大きくなる。
【0008】本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであり、常に、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の圧力よりも高くし、オイルタンクから圧縮機へ確実に油供給することにより、信頼性の高い冷凍装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために、本発明の冷凍装置は、少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを油分離器と接続するとともに、圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータをオイルタンクと圧縮機の間に配備した冷凍装置において、冷凍サイクルの冷媒高圧部とオイルタンクとを連通するホットガスバイパス配管を設けた構成にしてある。
【0010】また、前述の構成において、ホットガスバイパス配管に電磁弁を設け、冷凍サイクルの状態に係る所定の信号により電磁弁を開閉するものである。
【0011】そして、前述の構成において、ホットガスバイパス配管に流量調整弁を設け、冷凍サイクルの状態に係る所定の信号により流量調整弁を所定の開度に調節するものである。
【0012】更に、少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを油分離器と接続するとともに、圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータをオイルタンクと圧縮機の間に配備した冷凍装置において、オイルタンクを断熱材で断熱被覆したものである。
【0013】また、少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを油分離器と接続するとともに、圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータをオイルタンクと圧縮機の間に配備した冷凍装置において、オイルタンクに当該オイルタンク内を加熱するヒータを設けたものである。
【0014】そして、少なくとも、圧縮機、油分離器、凝縮器、冷媒絞り弁、および蒸発器を環状に配管接続して冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、油分離器で分離された冷凍機油を貯留するオイルタンクを油分離器と接続するとともに、圧縮機へ供給される冷凍機油量を調節するオイルレギュレータをオイルタンクと圧縮機の間に配備した冷凍装置において、冷凍サイクルの冷媒高温部と配管接続された熱交換器をオイルタンク内に配備し、冷媒高温部からの冷媒とオイルタンク内を熱交換させるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。
【0016】発明の実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る冷凍装置の概略構成図である。図において、1a,1bは並列に配管接続された2基の圧縮機(低圧シェル型)であり、所定量の冷凍機油を機内(例えば、底部の貯油部)に保持している。2はフロート弁内蔵タイプの油分離器、3は分離された油を貯留するオイルタンク、4a,4bはオイルタンク3から各圧縮機1a,1bへ供給される油量を調節するオイルレギュレータであり、各圧縮機1a,1bの油面を検出できる位置に連通して取付けられている。5は凝縮器、6は液だめである。これらの圧縮機1a,1b、油分離器2、凝縮器5、液だめ6、冷媒絞り弁25、および蒸発器26が環状に配管接続されることにより、冷媒の循環する冷凍サイクルが構成されている。
【0017】また、7はホットガスバイパス配管であり、冷凍サイクルの冷媒高圧部である油分離器2の冷媒出側とオイルタンク3とを接続している。8は差圧弁であり、オイルタンク3と圧縮機1a,1bの吸入側とに配管接続されている。また、油分離器2とオイルタンク3は返油配管9で接続され、オイルタンク3とオイルレギュレータ4a,4bは給油配管10で接続されている。
【0018】上記のように構成された冷凍装置において、圧縮機1a,1bで圧縮されて高温・高圧になったガス冷媒(圧縮機1a,1bから持出された油を含んでいる)は、油分離器2で油と分離される。分離後の冷媒は凝縮器5で液化したのち液だめ6に流れ込み、更に冷媒絞り装置25や蒸発器26を流通して冷媒吸入配管27から圧縮機1a,1bの吸入側へ戻る。一方、油分離器2内で油が所定量溜まると、油は図外のフロート弁を押し上げ、返油配管9を通じてオイルタンク3に流れ込んで貯留される。オイルタンク3内の圧力は油分離器2から流入する油に溶けている冷媒が蒸発することに加え、ホットガスバイパス配管7を通じて高圧ガスが流入することにより上昇する。尚、オイルタンク3の内圧は差圧弁8により圧縮機1a,1bの吸入側の圧力よりも設定値だけ高くなるように維持されている。
【0019】そして、ホットガスバイパス配管7は、その管径や長さを調整したりあるいは配管途中にオリフィスやキャピラリーチューブなどを設けることにより、管内を流れるガス流量を調整する機能を有している。すなわち、冷凍装置の使用範囲(例えば、外気温度43〜−15℃、蒸発温度−45〜−5℃)において、ホットガスバイパス配管7は、常に差圧弁8を作動させ、オイルタンク3内の圧力を圧縮機1a,1bの吸入側圧力よりも設定値だけ高く維持できるように配管設計されている。
【0020】そこで、圧縮機1a,1b内の油面が下がる(図10(a)参照)と、オイルレギュレータ4a,4bのフロート19が下がり、弁20が開く。これにより、オイルタンク3の油はオイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧(オイルタンク内圧力>圧縮機内圧力になっている。)により給油配管10を通じて圧縮機1a,1bに戻される。他方、油面が上がる(図10(b)参照)と、フロート19が上がり、弁21が閉じて、オイルタンク3から圧縮機1a,1bへの油供給が止まる。
【0021】以上のように、この実施形態の冷凍装置によれば、ホットガスバイパス配管7の機能により、圧縮機1a,1bの油量を常に所定の油面に調整するようオイルレギュレータ4a,4bを作動させることができる。尚、本実施形態では、冷凍サイクルの冷媒高圧部として油分離器2の冷媒出側を例示したが、他に例えば、圧縮機1a,1bの吐出側を利用することもできる。また、圧縮機が2台並列の場合を示したが、圧縮機が3台以上並列配備されたものであっても同様の動作が可能である。また、冷媒の種類を問わず、同様の動作が可能である。従って、本発明の冷凍装置は現行の冷凍装置に主として用いられているR22や、HFC系の混合冷媒であるR404Aなどを用いた冷凍装置でも適用できる。
【0022】発明の実施の形態2.図2はこの発明の実施の形態2に係る冷凍装置の概略構成図である。図において、11はホットガスバイパス配管7の途中に設けた電磁弁である。他の構成は実施の形態1と同じである。この実施の形態では、冷凍サイクルの状態として全ての圧縮機1a,1bが停止しているような場合に、電磁弁11が閉じるように構成されている。すなわち、全ての圧縮機1a,1bが停止している場合でも、ホットガスがホットガスバイパス配管7を通してオイルタンク3へバイパスされることがない。これにより、高圧のガス冷媒が差圧弁8を通じて圧縮機1a,1bの吸入側に流れ込まないため、ショートサイクル運転(頻繁な圧縮機の発停運転)による不具合や圧縮機1a,1b内への冷媒寝込みなどの不具合を防止することができる。但し、圧縮機1a,1bの停止中にホットガスのバイパスが問題とならない場合は電磁弁11を閉じる必要はない。
【0023】一方、オイルタンク3の周囲温度をサーモ(図示せず)等で検出し、冷凍サイクルの状態を表す検出温度が所定温度以上になると、電磁弁11を閉じるようにすることもできる。すなわち、オイルタンク3の周囲温度が高い場合は、オイルタンク3の内圧が上昇しやすい。そのため、オイルタンク3の内圧が圧縮機1a,1b内の吸入側圧力よりも低い状態とならず、ホットガスのバイパスは不要となる。ホットガスバイパスは、高圧のガス冷媒を差圧弁8を通じて圧縮機1a,1bの吸入側にバイパスさせるものであるため、冷凍装置の冷凍能力の損失になる。従って、不必要な条件下であればホットガスバイパスを行わないほうが良い。
【0024】尚、ここではオイルタンク3の周囲温度で電磁弁11を開閉させる例を説明したが、それぞれ検出した外気温度、オイルタンク3の出口温度、オイルタンク3の内圧、あるいはオイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧などといった、冷凍サイクルの状態に応じて電磁弁11を開閉させても構わない。
【0025】発明の実施の形態3.ところで、前記した実施の形態2では油分離器2としてフロート弁内蔵タイプのものを説明したが、フロート弁なしタイプの油分離器を用いる場合は、図3に示した構成の冷凍装置が採用される。図において、12はフロート弁なしタイプの油分離器、13は油流量を制限するために返油配管9に設けたキャピラリーチューブ、7aはホットガスバイパス配管であり、キャピラリーチューブ13を迂回するよう返油配管9にバイパス接続されている。11はホットガスバイパス配管7aの途中に設けた電磁弁である。通常は油分離器12で分離した油だけをオイルタンク3に送ればよいので、キャピラリーチューブ13により油流量が制限されている。そこで、実施の形態2と同様の所定条件になれば、電磁弁11が開かれて、油とともに高圧のガス冷媒がオイルタンク3に導入される。このとき、高温のホットガスは返油配管9およびホットガスバイパス配管7aを通してオイルタンク3に導かれる。
【0026】発明の実施の形態4.図4はこの発明の実施の形態4に係る冷凍装置の概略構成図である。図において、14はホットガスバイパス配管7の途中に設けた流量調整弁である。他の構成は実施の形態1と同じである。ここでは、冷凍サイクルの状態として全ての圧縮機1a,1bが停止している場合に、流量調整弁14は全閉となるように構成されている。従って、全ての圧縮機1a,1bが停止している場合でも、ホットガスバイパス配管7を通してホットガスがバイパスされることがない。これにより、高圧のガス冷媒が差圧弁8を通じて圧縮機1a,1bの吸入側に流れ込まないため、ショートサイクル運転(頻繁な圧縮機の発停運転)による不具合や圧縮機1a,1b内への冷媒寝込みなどの不具合を防止することができる。但し、圧縮機1a,1bの停止中のバイパスが問題とならない場合は流量調整弁14を全閉にする必要はない。
【0027】他方、オイルタンク3の周囲温度をサーモ(図示せず)等で検出し、冷凍サイクルの状態を表す検出温度に応じて流量調整弁12の開度を調整するようにすることもできる。すなわち、オイルタンク3の周囲温度が低くなるほど流量調整弁12の開度を大きくする。ホットガスバイパスは、高圧のガス冷媒を差圧弁8を通じて圧縮機1a,1bの吸入側にバイパスさせるものであるため、冷凍装置における冷凍能力の損失につながる。従って、必要に応じてバイパス量を決めるほうが冷凍能力の損失が少なくてすむ。尚、ここではオイルタンク3の周囲温度を信号にして流量調整弁14の開度を決める例を説明したが、それぞれ検出した外気温度、オイルタンク3の出口温度、オイルタンク3の内圧、あるいはオイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧などといった、冷凍サイクルの状態に応じて、流量調整弁14の開度を決めるようにしても良い。
【0028】発明の実施の形態5.図5はこの発明の実施の形態5に係る冷凍装置の概略構成図である。図において、15はオイルタンク3の表面を断熱被覆する断熱材である。他の構成は実施の形態1と同じである。通常、油分離器2からオイルタンク3に流入する油はオイルタンク3の温度を上昇させる。そこで、断熱材15はオイルタンク3内を所定の温度以上に維持する。従って、オイルタンク3内の圧力は周囲温度に影響されず、油分離器2からオイルタンク3へ流入する油に溶け込んでいる冷媒が蒸発することにより上昇する。これにより、オイルタンク3内の圧力を圧縮機1a,1b内の吸入側圧力よりも高くして、常にオイルタンク3から圧縮機1a,1bへ油を供給することができる。また、上述のホットガスバイパス配管7,7aを設ける必要がなく、ホットガスバイパスによる冷凍能力の損失がない。
【0029】発明の実施の形態6.図6はこの発明の実施の形態6に係る冷凍装置の概略構成図である。図において、16はオイルタンク3内に配設されたヒータである。ヒータ16の熱源は制御しやすい電力が好ましいが、それに限らず、スチームその他の高温熱源を用いることもできる。他の構成は実施の形態1と同じである。この場合、ヒータ16がオイルタンク3を所定の温度以上に維持する。従って、オイルタンク3内の圧力は周囲温度に影響されず、油分離器2からオイルタンク3へ流入する油に溶け込んでいる冷媒が蒸発することで上昇する。これにより、オイルタンク3内の圧力を圧縮機1a,1b内の吸入側圧力よりも高くして、常にオイルタンク3から圧縮機1a,1bへ油を供給することができる。また、上述のホットガスバイパス配管7,7aを設ける必要がなく、ホットガスバイパスによる冷凍能力の損失がない。
【0030】一方、オイルタンク3の周囲温度をサーモ(図示せず)等で検出し、このときの検出値を利用する構成を採用することもできる。すなわち、検出温度が所定温度以上であればヒータ16をOFFにし、所定温度以下のときにONするようにすれば、ヒータ加熱によるエネルギー消費量を最小限に抑えられる。尚、ここではオイルタンク3の所定温度でヒータ16をON・OFFさせる例を説明したが、外気温度、オイルタンク3の出口温度、オイルタンク3の内圧、あるいはオイルタンク3内と圧縮機1a,1b内の差圧などにより、ヒータ16をON・OFFさせても良い。
【0031】発明の実施の形態7.図7はこの発明の実施の形態7に係る冷凍装置の概略構成図である。図において、17は熱交換器であり、油分離器2と凝縮器5とを接続する冷媒配管の途中を引き回して設けられている。この熱交換器17は、冷凍サイクルにおける冷媒高温部(例えば、圧縮機1a,1bの冷媒吐出側、油分離器2の冷媒出側、液管部(図示せず)、凝縮器5、液だめ6など)からの高温の冷媒とオイルタンク3内を熱交換させるようになっていて、オイルタンク3の油を所定の温度以上に維持する機能を有している。従って、オイルタンク3内の圧力は周囲温度に影響されず、油分離器2からオイルタンク3へ流入する油に溶け込んでいる冷媒が蒸発することで上昇する。これにより、オイルタンク3内の圧力を圧縮機1a,1b内の圧力よりも高くして、常にオイルタンク3から圧縮機1a,1bへ油を供給することができる。また、ホットガスバイパスによる冷凍能力の損失がなく、ヒータの熱源として電力を用いた場合のような電気エネルギーの損失もない。
【0032】発明の実施の形態8.図8はこの発明の実施の形態8に係る冷凍装置の概略構成図である。図においては、実施の形態1で示したオイルレギュレータ4a,4bの代わりに、それぞれの圧縮機1a,1bの貯油部にフロートスイッチ21a,21bが設けられている。一方、給油配管10はそれぞれの圧縮機1a,1bの吸入側に直に接続され、圧縮機1a,1bへ油を直接供給するようになっている。また、22は制御装置であり、23a,23bは給油電磁弁である。
【0033】そこで、圧縮機1a,1bの油面がある所定値を越えると、フロートスイッチ21a,21bはON信号を発し、それ以下であればOFF信号を発してそれらの信号を制御装置22に伝送する。制御装置22はフロートスイッチ21a,21bからON信号を受けると、それぞれの給油電磁弁23a,23bを閉じる信号を発し、OFF信号を受けるとそれぞれの給油電磁弁23a,23bを開く信号を発する。給油電磁弁23a,23bが開くとオイルタンク3から圧縮機1a,1bに油が供給され、給油電磁弁23a,23bが閉じると油供給が停止される。
【0034】上述のように構成したことで、圧縮機1a,1bの油面上昇時にはオイルタンク3から圧縮機1a,1bへの給油を止め、油面低下時にはオイルタンク3から圧縮機1a,1bへの給油を実施するという、オイルレギュレータと同様の機能を実現することができる。尚、既述した実施の形態2から実施の形態7の冷凍装置においても、オイルレギュレータ4a,4bの代わりに、前記のようなフロートスイッチ、制御装置、および給油電磁弁からなる構成を用いることで、オイルレギュレータと同様の機能を実現することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、この発明に係る冷凍装置によれば、冷凍サイクルからの高圧のガス冷媒がホットガスバイパス配管を通してオイルタンクに導入されるので、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の吸入側圧力よりも常に高く維持することができる。これにより、オイルタンクから圧縮機への油供給を確実にし、冷凍装置の信頼性を確保することができる。
【0036】また、ホットガスバイパス配管に設けた電磁弁を開閉することにより、ホットガスバイパスによる冷凍能力の損失を最小限に抑え、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の吸入側圧力よりも常に高く維持することができる。その結果、オイルタンクから圧縮機への油供給を確実にし、冷凍装置の信頼性を確保することができる。
【0037】そして、ホットガスバイパス配管に設けた流量調整弁を所定の開度に調節することにより、ホットガスバイパスによる冷凍能力の損失を最小限に抑え、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の吸入側圧力よりも常に高く維持することができる。その結果、オイルタンクから圧縮機への油供給を確実にし、冷凍装置の信頼性を確保することができる。
【0038】更に、断熱材でオイルタンクを断熱被覆してあるので、オイルタンクの温度を高く保持し、これによってオイルタンク内の圧力を圧縮機内の吸入側圧力よりも常に高く維持することができる。その結果、オイルタンクから圧縮機への油供給を確実にし、信頼性の高い冷凍装置を安価に実現することができる。
【0039】また、ヒータによってオイルタンクを加熱するようにしたことにより、ホットガスバイパスのような冷凍能力の損失がなく、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の吸入側圧力よりも常に高く維持することができる。その結果、オイルタンクから圧縮機への油供給を確実にし、冷凍装置の信頼性を確保することができる。
【0040】そして、冷凍サイクルにおける冷媒高温部からの冷媒とオイルタンク内を熱交換することにより、省エネルギーの点で無駄なく、オイルタンク内の圧力を圧縮機内の吸入側圧力よりも常に高く維持することができる。その結果、オイルタンクから圧縮機への油供給を確実にし、冷凍装置の信頼性を確保できる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年9月14日(1998.9.14)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−88368(P2000−88368A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−259651