| 【発明の名称】 |
ヒートポンプの運転制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】内川 靖夫
【氏名】深堀 賢久
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| 【要約】 |
【課題】自然水が減少しても凍結を起こさせないで自然水からの採熱を可能とし、高い運転効率が得られる2熱源併用運転可能な限り長く確保して運転コストの大幅な低減が図れるようにする。
【解決手段】2熱源併用のヒートポンプ7の自然水熱源側に自然水と不凍液とを間接熱交換させる熱交換器9を含む不凍液強制循環回路11を設け、この不凍液強制循環回路11にバイパス路13及びバイパス3方弁12を組み込むと共に、このバイパス3方弁12の出口側で熱交換器9への戻り不凍液温度T1を検出する温度センサー14による検出温度に応じて、戻り不凍液温度が自然水の非凍結目標温度T10に保たれるようにバイパス3方弁12の開閉を自動制御するコントローラ16が設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気及び自然水の低温熱源からそれぞれ熱を吸収して負荷側の熱媒水に放熱するように構成してなるヒートポンプの運転制御装置であって、自然水熱源側に自然水と不凍液とを間接熱交換させる熱交換器を含む不凍液強制循環回路を設け、この不凍液強制循環回路にバイパス路及びバイパス3方弁を組み込むと共に、上記不凍液強制循環回路のうち上記バイパス3方弁の出口側で上記熱交換器への戻り不凍液温度を検出する温度センサーを設け、この温度センサーによる検出温度に応じて、戻り不凍液温度が上記熱交換器内の自然水の非凍結温度に保たれるように上記バイパス3方弁の開閉を自動制御するコントローラを設けていることを特徴とするヒートポンプの運転制御装置。 【請求項2】 上記コントローラが、PID制御式に構成されている請求項1に記載のヒートポンプの運転制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気及び湧き水や地下水、河川水、生活排水などの自然水をそれぞれ熱源とする2熱源併用のヒートポンプに関し、詳しくは、空気及び自然水の低温熱源からそれぞれ吸収した熱を、例えば道路面下に設置した放熱管内を流動する熱媒水に放熱することにより道路面上に積った雪を加熱し融解する道路面融雪設備あるいは暖房などを行なう空調設備等に適用されるヒートポンプの運転制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】このような2熱源併用のヒートポンプにおいて、一方の熱源となる湧き水や地下水などの自然水は熱エネルギー的に非常に質が高く、これを有効利用することによりヒートポンプの運転効率を増進して、運転コストの低減が図れるものの、自然水は量的に不安定であって、水量が減少した場合、自然水に凍結(氷結)を発生しやすい。このような水量減少に伴う自然水の凍結を防止するために、2熱源併用のヒートポンプでは、2熱源を併用運転しているときの自然水の温度を温度センサーにより検出し、その検出温度が凍結温度近辺(約0℃)に達したとき、全面的に他方の熱源(空気)側の単独運転を切り換えるといった凍結防止運転停止制御手段を採用しているのが現状である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような凍結防止運転停止制御手段を採用してなる従来の2熱源併用のヒートポンプにおいては、湧き水などの自然水の減少によって自然水の温度が凍結温度近辺(約0℃)に達したならば、自然水の保有する熱エネルギーを部分的にヒートポンプの運転に未だ十分に利用できる状態にあるにもかかわらず、熱源を空気側に全面的に切り換えて空気熱源単独の運転に切り換えるために、熱エネルギー的に質の高い自然水からの採熱を広範囲に持続してとることができない。そのために、運転効率の高い2熱源の併用運転時間がヒートポンプの総運転時間に占める割合が小さく制限され、運転コストの低減効果も十分に期待することができないという改善すべき課題があった。 【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、自然水が減少しても凍結を起こさせないで自然水からの採熱を可能とし、高い運転効率が得られる2熱源の併用運転時間を可能な限り長く持続して運転コストの大幅な低減を図ることができるヒートポンプの運転制御装置を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係るヒートポンプの運転制御装置は、空気及び自然水の低温熱源からそれぞれ熱を吸収して負荷側の熱媒水に放熱するように構成してなるヒートポンプの運転制御装置であって、自然水熱源側に自然水と不凍液とを間接熱交換させる熱交換器を含む不凍液強制循環回路を設け、この不凍液強制循環回路にバイパス路及びバイパス3方弁を組み込むと共に、上記不凍液強制循環回路のうち上記バイパス3方弁の出口側で上記熱交換器への戻り不凍液温度を検出する温度センサーを設け、この温度センサーによる検出温度に応じて、戻り不凍液温度が上記熱交換器内の自然水の非凍結温度に保たれるように上記バイパス3方弁の開閉を自動制御するコントローラを設けていることを特徴とするものである。 【0006】上記のような構成を有する本発明によれば、自然水熱源側に設けられて自然水と間接熱交換された不凍液が循環する不凍液強制循環回路のうちバイパス3方弁の出口側で熱交換器への戻り不凍液温度を温度センサーにより検出し、その検出温度に応じて、すなわち、自然水の減少に伴い検出温度が下降したときはコントローラを介してバイパス3方弁の開度を漸次大きくすることで自然水からの採熱割合を小さくする一方、空気熱源からの採熱割合を大きくして自然水の減少による凍結を防止する。また、自然水の増加に伴い上記戻り不凍液の検出温度が上昇したときはコントローラを介してバイパス3方弁の開度を漸次小さくすることで自然水からの採熱割合を大きくする一方、空気熱源からの採熱割合を小さくするといった具合に、自然水の減少、増加に伴う検出不凍液温度の変化に対応して自然水が凍結しない範囲で熱エネルギー的に質の高い自然水からの採熱を広範囲に持続させるという2熱源採熱割合の自動制御を行うことにより、高い運転効率が得られる2熱源の併用運転時間がヒートポンプの総運転時間に占める割合を可能な限り大きく維持して、消費電力など運転コストを最大限に低減することが可能である。 【0007】特に、請求項2に記載したように、上記コントローラとして、PID制御式に構成されたものを用いる場合は、一定の周期ごとに温度センサーにより検出される戻り不凍液温度の現在値と目標値との偏差に応じてPID制御演算を行ない、偏差が一定の許容範囲内の収斂されるようにバイパス3方弁の開閉を自動制御することによって、2熱源の併用運転によるヒートポンプの運転効率を最大限に高めることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。図1は本発明に係る2熱源併用ヒートポンプを利用してなる道路面融雪設備の全体概要を示す構成図であり、同設備の主要構成であるヒートポンプ7は、一方の低温熱源である空気を採熱源とする空気・冷媒熱交換器4と他方の低温熱源である自然水の一例としての湧き水を採熱源とする水・冷媒熱交換器5を直列に接続したものを蒸発器として備え、膨張弁1(またはキャピラリーチューブ)を通過した蒸発対象冷媒を上記空気・冷媒熱交換器4から水・冷媒熱交換器5の順に直列に通流させることにより上記の2熱源から採熱させるように構成しているとともに、圧縮機6で圧縮されて送出される凝縮対象冷媒と道路面下にジグザグ状に敷設された融雪用放熱パイプ2内をポンプ3により強制循環される熱媒体(温水または温不凍液)との熱交換により冷媒を凝縮させその凝縮熱を介して熱媒体を加熱昇温させる熱媒体・冷媒熱交換器18を凝縮器として備えた2熱源併用ヒートポンプから構成されている。 【0009】上記の2熱源併用ヒートポンプ7における蒸発器としての水・冷媒熱交換器5と湧き水の貯水タンク8との間には、配管内部に封入された不凍液をポンプ10により強制循環させる不凍液強制循環回路11が設けられている。この不凍液強制循環回路11のうち上記貯水タンク8の内部に対応する箇所には、不凍液と貯水タンク8内に供給水量Tv1>排水量Tv2の関係で貯溜状態にある湧き水とを対向流(平行流であってもよい)の状態で間接熱交換させて湧き水の熱を回収し不凍液を加熱する間接熱交換器9が形成されている。また、上記不凍液強制循環回路11の途中には、図2に明示するように、上記ヒートポンプ7の水・冷媒熱交換器5に対して不凍液を分流させるためのバイパス路13及びバイパス3方弁12が組み込まれている。 【0010】上記不凍液強制循環回路11のうち上記バイパス3方弁12の出口側でポンプ10の下流位置には上記間接熱交換器9への戻り不凍液の温度を検出する温度センサー14が設けられており、この温度センサー14による検出温度の変化に応じて、その戻り不凍液温度T1が上記間接熱交換器9内の湧き水の非凍結温度である目標温度T10(0℃近辺)に収斂されるように弁アクチュエータ15を介して上記バイパス3方弁12の開閉を自動的にPID制御するコントローラ16を設けている。 【0011】なお、上記不凍液強制循環回路11の各部における不凍液の温度は、図2に示すように、T1,T2,T3であって、上記バイパス3方弁12が閉のときは、T2>T1=T3の関係にあり、また、上記バイパス3方弁12が開のときは、T2>T1>T3の関係となる。 【0012】次に、上記のように構成された2熱源併用ヒートポンプ利用の道路面融雪設備におけるヒートポンプ7の運転制御動作について、図3のフローチャート及び図4の不凍液温度変化状況図を参照して説明する。通常は、膨張弁1(またはキャピラリーチューブ)を通過した蒸発対象冷媒が上記空気・冷媒熱交換器4及び水・冷媒熱交換器5の順に直列に通流することにより2つの熱源である空気及び湧き水からそれぞれ採熱して冷媒が加熱昇温される。このように2熱源からの採熱により加熱昇温された冷媒は圧縮機6での圧縮作用によりさらに昇温された後、送出されて熱媒体・冷媒熱交換器18に通流させられ、ここで道路面下にジグザグ状に敷設された融雪用放熱パイプ2内を強制循環される熱媒体との熱交換により冷媒が凝縮されその凝縮熱が熱媒体に付与されて該熱媒体が加熱昇温される。このようにして加熱昇温された熱媒体はポンプ3を介して融雪用放熱パイプ2内に強制循環され、該放熱パイプ2からの放熱によって道路面に降り積もった雪が融解される。 【0013】上記のような融雪運転時において、上記不凍液強制循環回路11のバイパス3方弁12の出口側で間接熱交換器9への戻り不凍液の温度T1は温度センサー14により常時検出されており(ステップS20)、上記貯水タンク8内の貯水水量が一定に保たれている状態では、その検出不凍液温度T1と目標温度T10(0℃近辺)とが等しく、各部の不凍液温度T1,T2,T3は図4の実線に示すように変化し、熱バランスの崩れを発生することなく、ヒートポンプ7は安定よく空気及び湧き水の2熱源併用運転状態に保たれている。 【0014】このような2熱源併用運転状態において、上記貯水タンク8への湧き水の供給水量の減少に伴い貯水水量が減少していくと、湧き水の出口温度Tw2が下がり、それに伴い不凍液温度T1,T2が低下する。したがって、温度センサー14による検出不凍液温度T1が図4のT1dの方向に下がって、目標温度T10以下になると(ステップS21)、コントローラ16から弁アクチュエータ15に制御信号が出力されてバイパス3方弁12が開動し始めて不凍液強制循環回路11中の間接熱交換器9から蒸発器としての水・冷媒熱交換器5に向かう不凍液の一部がバイパス路13に分流する(ステップS22)。これによって、不凍液温度T1dは目標温度T10の方向に、また、T3dの方向へ上昇した水・冷媒熱交換器5からの戻り不凍液温度は図4のT3の方向に向かって徐々に復帰する。 【0015】また、温度センサー14による検出不凍液温度T1が湧き水の増加に伴い図4のT1uの方向に上がって、目標温度T10以上になると(ステップS23)、コントローラ16から弁アクチュエータ15に制御信号が出力されてバイパス3方弁12が閉動し始めて不凍液強制循環回路11中の間接熱交換器9から水・冷媒熱交換器5に向かう不凍液の流動量が次第に増加する(ステップS24)。これによって、不凍液温度T1uは目標温度T10の方向に、また、T3uの方向へ下降したり水・冷媒熱交換器5からの戻り不凍液温度は図4のT3の方向に向かって徐々に復帰する。 【0016】そして、上記ステップS22及びステップ24のいずれの場合においても、バイパス3方弁12の開閉動は、タイマーにより設定された時間(周期)ごとに停止され(ステップS25,S26)、さらに、通常の2熱源併用運転状態の場合も含めてタイマーにより設定された時間(周期)ごとに上述した動作を繰り返す(ステップS27)ことによって、つまり、上記温度センサー14により検出される戻り不凍液温度T1の現在値と目標温度T10との偏差に応じたPID制御演算を行ない、偏差が一定の許容範囲内の収斂されるようにバイパス3方弁の開閉を自動制御する。 【0017】なお、図5は上記のような2熱源併用運転によるモリエル(p−h)線上における湧き水温度(Tw1−Tw2)、不凍液温度(T1−T2)、空気温度(Ta)、冷媒蒸発温度(Te)の状況変化を模式的に示した図である。 【0018】上記のように、一方の熱源となる湧き水の供給量が減少した場合、その湧き水からの採熱割合を小さくする一方、空気熱源からの採熱割合を大きくするといった運転制御を行なうことによって、湧き水の減少による凍結を防止しつつ、2熱源から採熱するという運転効率の高い2熱源併用運転をできるだけ長く維持することが可能となり、全体の運転コストを大幅に低減することができる。 【0019】なお、上記実施の形態では、一方の熱源となる自然水として湧き水を使用したもので説明したが、これ以外に地下水や河川水、生活排水などを使用しても、上記実施の形態と同様な作用効果を奏することができる。 【0020】また、上記実施の形態では、2熱源併用ヒートポンプを道路面融雪設備の加熱源として適用したものについて説明したが、これ以外に、例えば建物の屋根面の融雪やグランド面の融雪等、さらには暖房などを行なう空調設備等の熱源に適用してもよい。 【0021】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、湧き水や地下水、河川水など熱エネルギー的に質の高い自然水と空気の2熱源からの採熱を有効利用することによりヒートポンプの運転効率の増進を図ることができるのはもとより、一方の熱源で量的に不安定な自然水が減少したときは、該自然水と間接熱交換され強制循環回路内を循環される不凍液をバイパス分流させることで自然水からの採熱割合を小さくする一方、空気熱源からの採熱割合を大きくするといったように、自然水の減少、増加に伴う温度変化に対応して自然水が凍結しない範囲で熱エネルギー的に質の高い自然水からの採熱を広範囲に持続させるという自動制御を行うことにより、自然水の凍結を起こさせることなく、高い運転効率が得られる2熱源併用運転時間のヒートポンプ総運転時間に占める割合を可能な限り大きく維持して、消費電力の節減などによる運転コストの大幅な低減を図ることができるという効果を奏する。 【0022】特に、請求項2に記載のようなPID制御方式の導入によって、上記請求項1に記載の発明の効果に加えて、2熱源併用運転によるヒートポンプの運転効率を最大限に高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年9月11日(1998.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072338 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−88367(P2000−88367A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−257797 |
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