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【発明の名称】 ヒートポンプ式空気調和機
【発明者】 【氏名】町田 和彦

【氏名】青山 繁男

【要約】 【課題】冷房運転に室内熱交換器が保有する性能を最大限引き出す。

【解決手段】パルス式電動膨張弁EVを全開として圧縮機1を運転開始し、所定時間△τ経過した時点での室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差△tを第1基準温度差△to1として、その後の圧縮機1の運転継続中における出入口温度差△tから第1基準出入口温度差△to1を減算した結果を検知過熱度SHとする。そして、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になるまでパルス式電動膨張弁EVの開度を小さくしていき、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度pls1に対して第1所定開度△pls1だけ逆に大きく設定する。これにより、室内熱交換器7出口の冷媒過熱度が大きく確保されることがなく、ほぼ過熱度SH=0の状態に近づけることが可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第1制御手段とを備え、前記第1制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式空気調和機。
【請求項2】 圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第2制御手段とを備え、前記第2制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差に対して所定温度差を加算した結果を第2基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式空気調和機。
【請求項3】 圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第3制御手段とを備え、前記第3制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差に対して所定温度差を加算した結果を第2基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御し、その後、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度より小なる第2所定過熱度以上である場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過熱度が0より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過熱度が0以上かつ前記第2所定過熱度未満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように前記膨張弁制御手段を制御することを特徴とするヒートポンプ式空気調和機。
【請求項4】 圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第4制御手段とを備え、前記第4制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御し、その後、前記運転モード検出手段にて冷房サイクルを検出中であり、かつ前記圧縮機が運転状態から停止状態になった後に再度、前記圧縮機の運転を開始する場合、前記膨張弁の開度を前記圧縮機が停止状態になる直前における前記膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定するように前記膨張弁制御手段を制御させて前記圧縮機の運転を再起動し、前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差を第3基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第3基準温度差を減算した結果を新たな検知過熱度とすることを特徴とするヒートポンプ式空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気を熱源とするヒートポンプ式空気調和機の冷房運転において、室内熱交換器が保有する性能を最大限引き出すことを図る冷凍サイクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプ式空気調和機については、既にさまざまな開発がなされており、例えば、特開平3−204568号公報に示されているようなヒートポンプ式空気調和機の基本的な技術について以下述べる。
【0003】上記従来のヒートポンプ式空気調和機は図12に示すように、1台の室外ユニットAに対して3台の室内ユニットB1,B2,B3から構成されている。
【0004】室外ユニットAは、圧縮機1,インバータINV,室外熱交換器3とからなり、そして室内ユニットB1は膨張弁EV1,室内熱交換器17,第1温度センサTh11,第2温度センサTh21から構成されており、室内ユニットB2、及び室内ユニットB3も同様に、各々、膨張弁EV2,室内熱交換器27,第1温度センサTh12,第2温度センサTh22、及び膨張弁EV3,室内熱交換器37,第1温度センサTh13,第2温度センサTh23から構成されている。
【0005】そして、室外ユニットA、及び室内ユニットB1,B2,B3は冷媒配管にて連通され、圧縮機1、室外熱交換器3、膨張弁EV1、室内熱交換器17、圧縮機1を冷媒配管にて環状に順次接続し、膨張弁EV1、及び室内熱交換器17に対して並列に膨張弁EV2、室内熱交換器27、及び膨張弁EV3、室内熱交換器37が接続されて冷凍サイクルを形成している。
【0006】また、室内ユニットB1,B2,B3内の各膨張弁EV1,EV2,EV3の出口、及び各室内熱交換器17,27,37の出口には第1温度センサTh11,Th12,Th13、及び第2温度センサTh21,Th22,Th23を設けられ、室内ユニットB1,B2,B3近傍には室温を検知する室温センサ3,13,23を設けている。
【0007】以上のように構成されたヒートポンプ式空気調和機について、その動作を説明する。
【0008】まず、冷房運転の場合、図中の実線矢印の方向に冷媒が流れて冷房サイクルが形成され、室外熱交換器3を凝縮器、室内熱交換器17,27,37を蒸発器として作用させる。
【0009】上記冷房サイクルにおいて、圧縮機1を出た高温高圧のガス冷媒は室外熱交換器3にて凝縮して高温高圧の液冷媒となり、室外ユニットAを出て、その後各室内ユニットB1,B2,B3へ分配されて流入し、各膨張弁EV1,EV2,EV3にて減圧膨張されて二相冷媒となった冷媒は、室内熱交換器17,27,37にて蒸発することにより室内空気から吸熱(冷房運転)するというサイクルを繰り返す。
【0010】制御装置は各室の室温を室温センサ3,13,23により検出し、各室の熱負荷に応じて冷媒を分配する。膨張弁EV1,EV2,EV3の入口の温度を第1温度センサTh11,Th12,Th13で測定し、かつ室内熱交換器17,27,37の出口の温度を第2温度センサTh21,Th22,Th23で測定して、室内熱交換器17,27,37毎の過熱度を算出する。
【0011】過熱度の不足する室内機があれば、その室内機の膨張弁の開度を絞ることにより、冷媒循環量を調整し、過熱度を確保し、常に最適な過熱度での運転を可能にする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構成は、膨張弁出口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失が大きい場合は、膨張弁EV1,EV2,EV3の入口の温度と室内熱交換器17,27,37の出口の温度との出入口温度差が、室内熱交換器17,27,37の出口の過熱度を表すことにはならず、正確な室内熱交換器17,27,37の出口過熱度を算出することはできないという欠点があった。
【0013】即ち、室内熱交換器17,27,37内のの冷媒経路(以下、冷媒パスと称する)が複数存在する場合には、冷媒を各冷媒パス毎に分流するための冷媒分流器が膨張弁EV1,EV2,EV3と室内熱交換器と17,27,37の間に設置する必要がある。
【0014】冷媒分流器は膨張弁入口、及び出口の集合配管径より小さい内径の細管複数本で構成されているため、その部分での圧力損失は大きく、決して無視することはできない。
【0015】あるいは、室内熱交換器本体についても各冷媒パスにおける圧力損失が必ず存在し、過熱度を算出する際には決して無視することはできない。
【0016】以上に示したような圧力損失が存在する場合、膨張弁EV1,EV2,EV3の入口の圧力(冷媒は二相状態であるため飽和圧力)が室内熱交換器17,27,37の出口における飽和圧力に相当しない。
【0017】従って、膨張弁出口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失が大きい場合は、単純に膨張弁EV1,EV2,EV3の入口の温度と室内熱交換器17,27,37の出口の温度との出入口温度差が、室内熱交換器17,27,37の出口の過熱度を表すことにはならず、正確な室内熱交換器17,27,37の出口過熱度を算出することはできないという欠点があった。
【0018】更に、上記従来の構成は、冷房サイクルを安定して制御するために、室内熱交換器出口における冷媒過熱度を確保しているが、熱交換器を蒸発器として用いる場合、熱交換器出口の冷媒過熱度が飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態の時に熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態から外れた運転をしているという欠点があった。
【0019】そこで、本発明は従来の課題を解決するもので、膨張弁出口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失が大きい場合でも、その圧力損失の大小の影響を受けずに、簡易的に、かつ精度良く、室内熱交換器出口の過熱度を算出し、かつ冷房運転において室内熱交換器が保有する性能を最大限引き出し得るヒートポンプ式空気調和機を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明は、第1の技術的手段として、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、冷房モードでの圧縮機の運転開始時は、前記膨張弁を全開にさせ、その後前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時点での室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう構成したのである。
【0021】これにより、冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた室内熱交換器出口の正味の過熱度を検知できる。また、蒸発器として機能する室内熱交換器出口の冷媒過熱度が大きく確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態に近づけることが可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0022】また、第2の技術的手段として、第1の技術的手段で、圧縮機の運転開始から所定時間経過した時点での室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を基準温度差としていた部分を、室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差に対して所定温度差を加算したものを基準温度差とするものに置換えることにより、冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じる差異を補正することが可能になる。
【0023】即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくした時点での飽和温度差との間に生じる差異を、前記第2基準温度差に加算することにより、室内熱交換器出口の検知過熱度を精度良く検出することが可能となる。
【0024】また、第3の技術的手段として、第2の技術的手段に加えて、膨張弁の開度設定後、検知過熱度が第1所定過熱度より小なる第2所定過熱度以上である場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定するようにし、検知過熱度が0より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定するようにすることにより、室内の冷房負荷に応じて変化する室内熱交換器出口の冷媒過熱度をほぼ0付近に収めるように膨張弁の開度を制御できるために、冷房負荷が変動した場合でも、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0025】また、第4の技術的手段として、第1の技術的手段に加えて、膨張弁の開度設定後、冷房サイクルのままで圧縮機が一旦停止し再起動する場合、膨張弁の開度を、前記圧縮機が停止状態になる直前における前記膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定して前記圧縮機の運転を再起動し、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時点での室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差を第3基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第3基準温度差を減算した結果を新たな検知過熱度とすることにより、室内の冷房負荷が変化することにより、冷房サイクル内を循環する冷媒の循環量が変動することによる前記第3基準温度差の変化に対応することが可能となる。
【0026】即ち、室内温度が設定温度に達した場合や、冷凍サイクルが異常運転状態になって冷凍サイクルに保護制御が動作する場合等によって、圧縮機が運転状態から停止状態になった後、再度、圧縮機の運転を開始する場合には、圧縮機が停止する直前の膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定して、圧縮機を再起動し、配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差である第3基準温度差を更新することにより、室内の冷媒負荷変動に対応した運転制御が可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第1制御手段とを備え、前記第1制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御するものである。
【0028】上記構成により、圧縮機起動後の所定時間内にて冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差を第1基準温度差として検出し、所定時間経過後における室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から第1基準温度差を減算することによって、冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた室内熱交換器出口の正味の過熱度を検知できる。
【0029】更に、蒸発器として機能する室内熱交換器出口の冷媒過熱度が大きく確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態に近づけることが可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0030】また、請求項2に記載の発明は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第2制御手段とを備え、前記第2制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差に対して所定温度差を加算した結果を第2基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御するものである。
【0031】上記構成により、冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じる差異を補正することが可能になる。即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくした時点での飽和温度差との間に生じる差異を、前記第2基準温度差に加算することにより、室内熱交換器出口の検知過熱度を精度良く検出することが可能となる。
【0032】また、請求項3に記載の発明は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第3制御手段とを備え、前記第3制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差に対して所定温度差を加算した結果を第2基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第2基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御し、その後、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度より小なる第2所定過熱度以上である場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過熱度が0より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定するよう前記膨張弁制御手段を制御し、前記検知過熱度が0以上かつ前記第2所定過熱度未満の場合は前記膨張弁の開度を維持するように前記膨張弁制御手段を制御するものである。
【0033】上記構成により、室内の冷房負荷に応じて変化する室内熱交換器出口の冷媒過熱度をほぼ0付近に収めるように膨張弁の開度を制御できるために、冷房負荷が変動した場合でも、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0034】また、請求項4に記載の発明は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、前記膨張弁と前記冷媒分流器との間の冷媒配管に設置した室内入口配管温センサと、前記室内熱交換器の出口集合配管に設置した室内出口配管温センサと、前記室内入口配管温センサ、及び前記室内出口配管温センサからの出力を温度信号に変換する配管温検出手段と、前記冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード検出手段と、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時に信号を出力する時間検出手段と、前記圧縮機の運転/停止を行う圧縮機制御手段と、前記膨張弁の開度制御を行う膨張弁制御手段と、前記配管温検出手段と前記運転モード検出手段と前記時間検出手段とからの信号をもとに前記圧縮機制御手段と前記膨張弁制御手段とを制御する第4制御手段とを備え、前記第4制御手段は、前記運転モード検出手段により冷房モードを検出した時に、前記膨張弁制御手段により前記膨張弁を全開にさせて前記圧縮機制御手段により前記圧縮機の運転を開始させ、その後前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁制御手段により前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう前記膨張弁制御手段を制御し、その後、前記運転モード検出手段にて冷房サイクルを検出中であり、かつ前記圧縮機が運転状態から停止状態になった後に再度、前記圧縮機の運転を開始する場合、前記膨張弁の開度を前記圧縮機が停止状態になる直前における前記膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定するように前記膨張弁制御手段を制御させて前記圧縮機の運転を再起動し、前記時間検出手段により前記圧縮機の運転開始から所定時間経過したことを検知した時点での前記配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差を第3基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における前記配管温検出手段により検出した室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第3基準温度差を減算した結果を新たな検知過熱度とするものである。
【0035】上記構成により、室内の冷房負荷が変化することにより、冷房サイクル内を循環する冷媒の循環量が変動することによる前記第3基準温度差の変化に対応することが可能となる。
【0036】即ち、圧縮機が運転状態から停止状態になった後、再度、圧縮機の運転を開始する場合には、圧縮機が停止する直前の膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定して、圧縮機を再起動し、配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差である第3基準温度差を更新することにより、室内の冷房負荷変動に対応した運転制御が可能になる。
【0037】
【実施例】以下、本発明によるヒートポンプ式空気調和機の実施例について図面を参照しながら説明する。尚、従来と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0038】(実施例1)図1は、本発明の実施例1によるヒートポンプ式空気調和機の冷房運転時の冷凍サイクル図及びブロック図を示している。図1中、黒抜き矢印は通常の冷房運転時の冷媒の流動方向を示す。
【0039】本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、室外ユニットAと、室内ユニットBとから構成されている。
【0040】室外ユニットAは、圧縮機1、室外送風機4を備えた室外熱交換器3、パルス式電動膨張弁EVとからなり、室内ユニットBは、冷媒分流器5と、室内熱交換器7と、室内送風機8とから構成されており、圧縮機1,室外熱交換器3,パルス式電動膨張弁EV,冷媒分流器5,室内熱交換器7,圧縮機1を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルを形成している。
【0041】そして、パルス式電動膨張弁EVと冷媒分流器5との間の冷媒配管に室内入口配管温センサTh1と、室内熱交換器7の出口集合配管に室内出口配管温センサTh2を配置し、室内入口配管温センサTh1、及び室内出口配管温センサTh2からの出力を配管温検出手段Tsensにより温度信号に変換することができる。
【0042】また、所定経過時間に達した時に信号を出力する時間検出手段TMと、圧縮機1の運転/停止を行う圧縮機制御手段CMcntと、パルス式電動膨張弁EVの開度制御を行う膨張弁制御手段EVcntと、冷房サイクルの運転モードを検出する運転モード手段Modeとを備えている。
【0043】そして、第1制御手段Cnt1は運転モード手段Modeより冷房モードを検出し、パルス式電動膨張弁EVを全開pls0相当の100%に設定する膨張弁全開開度比設定手段51と、時間検出手段TMより経過時間τが所定時間Δτに達した時の出力信号を検出した場合に第1基準温度差Δto1を算出する基準温度差Δto1算出手段52と、基準温度差Δto1算出手段52、及び配管温検出手段Tsensより検知過熱度SHを算出する検知過熱度SH算出手段53と、第1所定過熱度SH1を記憶する所定過熱度SH1記憶手段54と、検知過熱度SHと第1所定過熱度SH1との大小関係を比較する過熱度比較手段55と、膨張弁下限開度pls1相当の開度比設定を行う膨張弁下限開度比設定手段56と、最適な膨張弁開度比を設定する膨張弁開度比設定手段57からなり、圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度を最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び膨張弁制御手段EVcntを動作させるものである。
【0044】以上のように構成されたヒートポンプ式空気調和機について、以下その動作を図2、及び図3を用いて説明する。まず、図2にて一般的な蒸気圧縮式ヒートポンプの冷凍サイクルの特性について説明する。図2はある一般的なヒートポンプ式空気調和機を用いて筆者らが行った実験結果のうち、冷房運転時の室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δt、室内熱交換器出口過熱度(=出口冷媒温度−出口冷媒圧力の飽和温度)、及び冷房能力比のパルス式電動膨張弁EVの開度比に対する特性を示すグラフである。
【0045】一般的な冷凍サイクルの設計では、運転範囲拡大のためパルス式電動膨張弁EVは最適な冷媒循環量が得られる開度に対して、裕度を考慮して最適循環量に対して大きい冷媒循環量が得られる開度まで設定可能である。
【0046】従って、パルス式電動膨張弁EVが全開、或いは比較的大きな開度の条件では、冷凍サイクル内の冷媒循環量としてはほぼ最大で運転されるため、凝縮器として機能する室外熱交換器出口での冷媒過冷却度や蒸発器として機能する室内熱交換器出口での過熱度を確保できず、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口は共に二相冷媒状態となる。
【0047】即ち、冷媒分流器5入口配管温度t1、及び室内熱交換器7出口配管温度t2は各々の冷媒圧力に対する冷媒飽和温度を示すことになる。
【0048】この時、パルス式電動膨張弁EVは全開で運転されるので、冷凍サイクル内の冷媒循環量としてはほぼ最大で、しかも冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口は共に二相冷媒状態であるため、冷媒分流器5入口配管温度t1、及び室内熱交換器7出口配管温度t2は各々の冷媒圧力に対する冷媒飽和温度を示す。従って、この時の冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の冷媒飽和温度差(t1−t2=−Δt)は管内圧力損失に相当することになる。
【0049】そして、この状態は冷凍サイクルを構成する圧縮機の循環量に対して凝縮器である室外熱交換器の能力、及び蒸発器である室内熱交換器の能力が、適正にバランスするまでほぼ維持される。
【0050】従って、図2に示すように、配管温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δtは、パルス式電動膨張弁EVの開度比が全開相当から小さくなるに従って、殆ど変化のない一定状態から次第に上昇していく傾向になり、ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する特性を示す。
【0051】一方、室内熱交換器出口過熱度SHは、図2に示すように、パルス式電動膨張弁EVの開度比が大きい場合においては殆ど変化することなく、ほぼ一定(SH=0)で推移し、ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する特性を示す。
【0052】同時に、冷房能力Qについては、図2に示すように、室内熱交換器出口過熱度SHが確保されて急激に上昇するパルス式電動膨張弁EVの開度比よりやや大きめの開度比において、蒸発器である室内熱交換器7の出口において冷媒はほぼ飽和蒸気状態(SH=0)となって蒸発性能(冷房能力比)が最大となり、即ち冷媒循環量と室内熱交換器の性能がほぼ最適なバランスする状態になり、最大値となる特性を示す。
【0053】次に、上記特性を鑑みた本実施例の冷房運転時の制御内容について図3のフローチャートに示す。
【0054】まず、step1にて運転モード検出手段Modeにより冷房運転モードが設定されたことを検出され、step2にて運転モード検出手段Modeから膨張弁全開開度比設定手段51へ圧縮機起動信号が出力され、パルス式電動膨張弁EVの開度比を全開pls0相当の100%に設定され、step3にて圧縮機制御手段CMcntへ圧縮機起動信号が出力され、圧縮機1を起動する。
【0055】その後、step4にて圧縮機1起動後の経過時間τを時間検出手段TMにより検出し、step5にて圧縮機1起動後の経過時間τが所定時間Δτに達しているかを時間検出手段TMにより比較し、経過時間τ<所定時間Δτである場合はstep4へ戻るルーチンを繰り返し、経過時間τ≧所定時間Δτである場合はstep6へ進む。
【0056】step6では、配管温検出手段Tsensから配管温検出手段Tsensから基準温度差Δto1検出手段52へ室内入口配管温度t1、及び室内出口配管温度t2の信号が出力され、基準温度差Δto1検出手段52にて温度信号に変換され、この時点での出入口温度差Δt(=t2−t1)を第1基準温度差Δto1として算出する。
【0057】次に、step7にて検知過熱度SH算出手段53により、配管温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t2との出入口温度差Δt(=t2−t1)に、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失の負数に相当する第1基準温度差Δto1を考慮する、即ち、第1基準温度差Δto1を減算(Δt−Δto1)して、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた検知過熱度SHを算出する。
【0058】前記検知過熱度SHのパルス式電動膨張弁EVの開度比に対する特性は図4のグラフに示すように、室内熱交換器出口の冷媒過熱度の特性と同傾向を示す。
【0059】従って、step8にて過熱度比較手段55により、検知過熱度SHと、所定過熱度SH1記憶手段54に記憶されている第1所定過熱度SH1との大小関係を比較し、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1より小さい(SH<SH1)場合は、step9にてパルス式電動膨張弁EVの開度比を、更に所定開度相当だけ小さくした後、step7へ戻り、再度検知過熱度SHを算出する。
【0060】step8で、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上に大きい(SH≧SH1)状態になった場合はstep10へ進む。
【0061】更に、step10にて膨張弁下限開度比設定手段56により、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、step11にて膨張弁開度比設定手段57により、パルス式電動膨張弁EVの設定開度比を下限開度pls1相当に対して第1所定開度Δpls1相当だけ逆に加算(pls1+Δpls1)した開度pls2相当の開度比に設定し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0062】従って、その後に室内の冷房負荷が大きく変動しない限り、室内熱交換器7出口の冷媒過熱度が過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態で運転が継続されることになる。
【0063】以上のように本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、運転モード手段Modeにより冷房モードを検出し、時間検出手段TMからの時間信号、及び配管温検出手段Tsensにより検出した室内入口配管温度t1と室内出口配管温度t2との温度信号を取り込み、圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度比を最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び膨張弁制御手段EVcntを制御させる第1制御手段Cnt1を備えているため、以下の効果が発揮される。
【0064】まず、圧縮機1起動後の所定時間Δτ内では、パルス式電動膨張弁EVが全開で運転されるので、冷凍サイクル内の冷媒循環量としてはほぼ最大で、しかも冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口は共に二相冷媒状態であるため、冷媒分流器5入口配管温度、及び室内熱交換器7出口配管温度は各々の冷媒能力に対する冷媒飽和温度を示す。
【0065】従って、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の冷媒飽和温度差は管内圧力損失に相当し、その負数を第1基準温度差Δto1として検出し、所定時間Δτ経過後における室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δtから第1基準温度差Δto1を減算することによって、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた室内熱交換器7出口の正味の過熱度SHを温度差のみから検知できる。
【0066】更に、この検知過熱度SHの特性を用いることにより、蒸発器として機能する室内熱交換器7出口の冷媒過熱度が過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態に近づけることが可能となるため、熱交換器の保有している性能はほぼ最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0067】(実施例2)次に、本発明の実施例2について図面を参照しながら説明するが、実施例1と同一構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】図5は、本発明の実施例2によるヒートポンプ式空気調和機の冷房運転時の冷凍サイクル図及びブロック図を示している。図5中、黒抜き矢印は通常の冷房運転時の冷媒の流動方向を示す。本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、実施例1と同様に室外ユニットAと、室内ユニットBとから構成されている。但し、本実施例では実施例1の第1制御手段Cnt1に替わって、第2制御手段Cnt2を備えている。
【0069】第2制御手段Cnt2は運転モード手段Modeより冷房モードを検出し、パルス式電動膨張弁EVを全開pls0相当の100%に設定する膨張弁全開開度比設定手段51と、時間検出手段TMより経過時間τが所定時間Δτに達した時の出力信号を検出した場合に第2基準温度差Δto2を算出する基準温度差Δto2算出手段62と、基準温度差Δto2算出手段62、及び配管温検出手段Tsensより検知過熱度SHを算出する検知過熱度SH算出手段53と、第1所定過熱度SH1を記憶する所定過熱度SH1記憶手段54と、検知過熱度SHと第1所定過熱度SH1との大小関係を比較する過熱度比較手段55と、膨張弁下限開度pls1相当の開度比設定を行う膨張弁下限開度比設定手段56と、最適な膨張弁開度比を設定する膨張弁開度比設定手段57からなる。
【0070】そして第2制御手段Cnt2は、運転モード手段Modeにより冷房モードを検出し、パルス式電動膨張弁EVを全開として圧縮機1を運転開始し、時間検出手段TMにより経過時間τが所定時間Δτに達したことを検知した時に、配管温検出手段Tsensにより検出した室内入口配管温度t1と室内出口配管温度t2との出入口温度差Δtに対して所定温度差θを加算した結果を第2基準温度差Δto2として、その後の圧縮機1の運転継続中における配管温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t1と室内入口配管温度t2との出入口温度差Δt(=t2−t1)から第2基準温度差Δto2を減算した結果を検知過熱度SHとし、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になるまでパルス式電動膨張弁EVの開度比を小さくしていき、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比に対して第1所定開度Δpls1相当だけ逆に大きく設定するものである。
【0071】以上のように構成されたヒートポンプ式空気調和機について、以下その動作を図6、及び図7を用いて説明する。まず、図6にて一般的な蒸気圧縮式ヒートポンプの冷凍サイクルの特性について説明する。図6は冷房運転時の室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δt、室内熱交換器出口過熱度SH、及び冷房能力比のパルス式電動膨張弁EVの開度比に対する特性を示すグラフである。
【0072】一般的な冷凍サイクルの設計では、運転範囲拡大のためパルス式電動膨張弁EVは最適な冷媒循環量が得られる開度に対して、裕度を考慮して最適循環量に対して大きい冷媒循環量が得られる開度まで設定可能である。
【0073】従って、パルス式電動膨張弁EVが全開、或いは比較的大きな開度の条件では、冷凍サイクル内の冷媒循環量としてはほぼ最大で運転されるため、凝縮器として機能する室外熱交換器出口での冷媒過冷却度や蒸発器として機能する室内熱交換器出口での過熱度を確保できず、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口は共に二相冷媒状態となる。
【0074】即ち、冷媒分流器5入口配管温度t1、及び室内熱交換器7出口配管温度t2は各々の冷媒圧力に対する冷媒飽和温度を示すことになる。
【0075】この時、パルス式電動膨張弁EVは全開で運転されるので、冷凍サイクル内の冷媒循環量としてはほぼ最大で、しかも冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口は共に二相冷媒状態であるため、冷媒分流器5入口配管温度t1、及び室内熱交換器7出口配管温度t2は各々の冷媒圧力に対する冷媒飽和温度を示す。従って、この時の冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の冷媒飽和温度差(t1−t2=−Δt)は管内圧力損失に相当することになる。
【0076】そして、この状態は冷凍サイクルを構成する圧縮機の循環量に対して凝縮器である室外熱交換器の能力、及び蒸発器である室内熱交換器の能力が、適正にバランスするまでほぼ維持される。
【0077】従って、図6に示すように、配管温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δtは、パルス式電動膨張弁EVの開度比が全開相当から小さくなるに従って、殆ど変化のない一定状態から次第に上昇していく傾向になり、ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する特性を示す。
【0078】この時、出入口温度差Δtが急激に上昇する直前の出入口温度差Δtは、パルス式電動膨張弁EVが全開時に対して、温度差θだけ上昇する。
【0079】これはパルス式電動膨張弁EVの開度比を小さくしていくに従って、冷凍サイクル内の冷媒循環量が徐々に低下していくことにより、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒飽和温度差(t1−t2=−Δt)も僅かながら、次第に低下していくためである。
【0080】一方、室内熱交換器出口過熱度SHは、図6に示すように、パルス式電動膨張弁EVの開度比が大きい場合においては殆ど変化することなく、ほぼ一定(SH=0)で推移し、ある開度比より小さくしていくと、急激に上昇する特性を示す。
【0081】同時に、冷房能力Qについては、図6に示すように、室内熱交換器出口過熱度SHが確保されて急激に上昇するパルス式電動膨張弁EVの開度比よりやや大きめの開度比において、蒸発器である室内熱交換器7の出口において冷媒はほぼ飽和蒸気状態(SH=0)となって蒸発性能(冷房能力比)が最大となり、即ち冷媒循環量と室内熱交換器の性能がほぼ最適なバランスする状態になり、最大値となる特性を示す。
【0082】次に、上記特性を鑑みた本実施例の冷房運転時の制御内容について図7のフローチャートに示す。
【0083】まず、step1にて運転モード検出手段Modeにより冷房運転モードが設定されたことを検出され、step2にて運転モード検出手段Modeから膨張弁全開開度比設定手段51へ圧縮機起動信号が出力され、パルス式電動膨張弁EVの開度比を全開pls0相当の開度比100%に設定され、step3にて圧縮機制御手段CMcntへ圧縮機起動信号が出力され、圧縮機1を起動させる。
【0084】その後、step4にて圧縮機1起動信号を時間検出手段TMが検出して、step5にて圧縮機1起動後の経過時間τが所定時間Δτに達しているかを時間検出手段TMにより比較し、経過時間τ<所定時間Δτである場合はstep4へ戻るルーチンを繰り返し、経過時間τ≧所定時間Δτである場合はstep6へ進む。
【0085】step6では、配管温検出手段Tsensから基準温度差Δto2検出手段へ室内入口配管温度t1、及び室内出口配管温度t2の信号が出力され、基準温度差Δto2検出手段62にて温度信号に変換され、この時点での出入口温度差Δt(=t2−t1)に対して所定温度差θを加算した結果を第2基準温度差Δto2として算出する。
【0086】次に、step7にて検知過熱度SH算出手段53により、経過時間τが所定時間Δτ経過以降における配管温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δt(=t2−t1)に、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失に相当する第2基準温度差Δto2を考慮する、即ち、第2基準温度差Δto2を減算(Δt−Δto2)して、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた検知過熱度SHを算出する。
【0087】そして、step8にて過熱度比較手段55により、検知過熱度SHと第1所定過熱度SH1との大小関係を比較し、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1より小さい(SH<SH1)場合はstep9にてパルス式電動膨張弁EVの開度比を、更に所定開度相当だけ小さくした後、step7へ戻り、再度検知過熱度SHを算出する。
【0088】step8で、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上に大きい(SH≧SH1)状態になった場合はstep10へ進む。
【0089】更に、step10にて膨張弁下限開度比設定手段56により、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、step11にて膨張弁開度比設定手段57により、パルス式電動膨張弁EVの設定開度比を下限開度pls1相当対して第1所定開度Δpls1相当だけ逆に加算(pls1+Δpls1)したpls2相当の開度比に設定し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0090】従って、その後に室内の冷房負荷が大きく変動しない限り、室内熱交換器7出口の冷媒過熱度が過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態で運転が継続されることになる。
【0091】以上のように本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、運転モード手段Modeにより冷房モードを検出し、時間検出手段TMからの時間信号、及び配管温検出手段Tsensにより検出した室内入口配管温度t1と室内出口配管温度t2との温度信号を取り込み、圧縮機1の運転中にパルス式電動膨張弁EVの開度比を最適に制御するべく、圧縮機制御手段CMcnt、及び膨張弁制御手段EVcntを制御させる第2制御手段Cnt2を備えているため、以下の効果が発揮される。
【0092】即ち、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じる差異を補正することが可能になる。つまり、圧縮機1起動所定時間Δτ経過後の飽和温度差と、その所定時間Δτ経過以降にパルス式電動膨張弁EVの開度比を小さくした時点での飽和温度差との間に生じる差異、即ち所定温度差θを、第2基準温度差Δto2に考慮することにより、室内熱交換器7出口の検知過熱度SHを精度良く検出することが可能となる。
【0093】更に、この検知過熱度SHの特性を用いることにより、蒸発器として機能する室内熱交換器7出口の冷媒過熱度が過大に確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態に近づけることが可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0094】(実施例3)次に、本発明の実施例3について図面を参照しながら説明するが、実施例2と同一構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0095】図8は、本発明の実施例3によるヒートポンプ式空気調和機の冷房運転時の冷凍サイクル図及びブロック図を示している。本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、実施例2と同様に室外ユニットAと、室内ユニットBとから構成されている。但し、本実施例では実施例2の第2制御手段Cnt2に替わって、第3制御手段Cnt3を備えている。
【0096】第3制御手段Cnt3は第2制御手段Cnt2に加えて、検知過熱度SH算出手段53より得られた検知過熱度SHと、所定過熱度SH2記憶手段64に記憶されている第2所定過熱度SH2との大小関係を比較する過熱度第2比較手段66と、検知過熱度SHと0との大小関係を比較する過熱度第3比較手段76と、過熱度第2比較手段66、及び過熱度第3比較手段76の比較結果によって、pls2+Δpls2相当、pls2−Δpls2相当、及び現状開度相当の各開度比設定を行う膨張弁開度比設定手段58,59,60とを備えている。
【0097】そして、第3制御手段Cnt3は第2制御手段Cnt2の動作に加えて、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比をpls1相当に対して第1所定開度Δplsだけ逆に大きくした開度pls2(=pls1+Δpls1)相当に設定された後に、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1より小なる第2所定過熱度SH2より大きい場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ大きく設定し、検知過熱度SHが0より小さい場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ小さく設定し、検知過熱度SHが0以上、かつ第2所定過熱度SH2以下の場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を維持するように膨張弁制御手段EVを動作させるものである。
【0098】以上のように構成されたヒートポンプ式空気調和機について、以下その動作を図9を用いて説明する。図9は本実施例の冷房運転時の制御内容のフローチャートである。尚、step1からstep11については、実施例2と同一であるため詳細な説明を省略する。
【0099】但し、実施例1のstep10とstep11については実施例3いおいても関連があるため、再度説明を加える。
【0100】まず、step10にて膨張弁下限開度比設定手段56により、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、step11にて膨張弁開度比設定手段57により、パルス式電動膨張弁EVの設定開度比を下限開度pls1相当に対して第1所定開度Δpls1だけ逆に加算(pls1+Δpls1)した開度pls2相当の開度比に設定し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0101】次に、step12にて過熱度第2比較手段66により、検知過熱度SHと、所定過熱度SH2記憶手段64に記憶されている第1所定過熱度SH2との大小関係の比較し、制御の分岐を行う。即ち、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1(例えば、4K)より小なる第2所定過熱度SH2(例えば、1K)以上に大きい場合はstep14へ分岐し、step13にて検知過熱度SHと0との大小関係の比較し、検知過熱度SHが0より小さい場合はstep15へ分岐し、検知過熱度SHが0以上、かつ第2所定過熱度SH2未満の場合はstep16へ分岐する。
【0102】即ち、step14にて膨張弁開度比設定手段58により、検知過熱度SHが第2所定過熱度SH2より以上の場合(SH≧1K)はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ大きく設定し、step15にて膨張弁開度比設定手段59により、検知過熱度SHが0より小さい場合(SH<0K)はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ小さく設定し、更にstep16にて膨張弁開度比設定手段60により、検知過熱度SHが0以上、かつ第2所定過熱度SH2未満の場合(0≦SH<1)はパルス式電動膨張弁EVの開度比を維持するように膨張弁制御手段EVを動作させる。
【0103】ここで、検知過熱度SHには所定温度差θが加算されているため、検知過熱度SHの下限値は−θまで存在することになる。
【0104】これにより、室内の冷房負荷に応じて変化する室内熱交換器7出口の検知過熱度SHが0から第2所定過熱度SH2の間に収まるようにパルス式電動膨張弁EVの開度比を制御できるために、冷房負荷が変動した場合でも、室内熱交換器7の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0105】以上のように本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、実施例2の第2制御手段Cnt2に替わって、第3制御手段Cnt3を設置した構成であるために、即ち、第2制御手段Cnt2の動作に加えて、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比をpls1相当に対して第1所定開度Δpls相当だけ逆に大きくした開度pls2(=pls1+Δpls1)相当に設定された後に、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1より小なる第2所定過熱度SH2以上の場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ大きく設定し、検知過熱度SHが0より小さい場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を第2所定開度Δpls2相当だけ小さく設定し、検知過熱度SHが0以上、かつ第2所定過熱度SH2未満の場合はパルス式電動膨張弁EVの開度比を維持するように膨張弁制御手段EVを動作させるため、以下の効果が発揮される。
【0106】つまり、実施例2の効果に加えて、室内の冷媒負荷に応じて変化する室内熱交換器7出口の検知過熱度SHが0から第2所定過熱度SH2の間に収まるようにパルス式電動膨張弁EVの開度比を制御できるために、冷房負荷が変動した場合でも、室内熱交換器7の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0107】(実施例4)次に、本発明の実施例4について図面を参照しながら説明するが、実施例1と同一構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0108】図10は、本発明の実施例4によるヒートポンプ式空気調和機の冷房運転時の冷凍サイクル図及びブロック図を示している。本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、実施例1と同様に室外ユニットAと、室内ユニットBとから構成されている。但し、本実施例では実施例1の第1制御手段Cnt1に替わって、第4制御手段Cnt4を備えている。
【0109】第4制御手段Cnt4には第1制御手段Cnt1に加えて、パルス式電動膨張弁EVの開度比を記憶する開度比記憶手段71、及び運転モード検出手段Modeからの圧縮機1の再起動信号を検出して圧縮機1起動時のパルス式電動膨張弁EVの開度比設定を行う膨張弁開度比設定手段61が備えられている。
【0110】そして、第4制御手段Cnt4では、第1制御手段Cnt1の動作に加えて、運転モード手段Modeにて冷房サイクルを検出中であり、かつ圧縮機1が運転状態から停止状態になった後、再度、圧縮機1の運転を開始する場合、パルス式電動膨張弁EVの開度を圧縮機1が停止状態になる直前におけるパルス式電動膨張弁EVの開度に対して第3所定開度Δpls3だけ大きく設定するように膨張弁制御手段EVcntを動作させて圧縮機1の運転を再起動し、時間検出手段TMにより経過時間τが所定時間Δτに達したことを検知した時に、配管温検出手段Tsensにより検出した室内入口配管温度t1と室内出口配管温度t2との出入口温度差Δt(=t2−t1)を第3基準温度差Δto3として、第1基準温度差Δto1を更新する制御動作を行う。
【0111】以上のように構成されたヒートポンプ式空気調和機について、以下その動作を図11を用いて説明する。図11は本実施例の冷房運転時の制御内容のフローチャートである。尚、step1からstep11については、実施例1と同一であるため詳細な説明を省略する。
【0112】但し、実施例1のstep9とstep11については実施例4においても関連があるため、再度説明を加える。
【0113】まず、step10にて膨張弁下限開度比設定手段56により、検知過熱度SHが第1所定過熱度SH1以上になった時点でのパルス式電動膨張弁EVの開度比を下限開度pls1相当とし、更に、step11にてパルス式電動膨張弁EVの開度比を下限開度pls1相当に対して第1所定開度Δpls1相当だけ逆に加算(pls1+Δpls1)したpls2相当の開度比に設定し、圧縮機1の運転を継続していく。
【0114】その後、step17にて、室内温度が設定温度に達した場合や、冷凍サイクルが異常運転状態になって冷凍サイクルに保護制御が動作する等の場合、圧縮機1が運転状態から停止状態になる。その場合、圧縮機1が停止状態になる直前におけるパルス式電動膨張弁EVの開度pls2が、膨張弁開度比設定手段57が備える開度比記憶手段71に記憶される。
【0115】次に、step18にて、圧縮機1が再起動運転されるか監視する。即ち、step18にて圧縮機1が再起動される場合はstep19へ移行し、そうでない場合はstep17にて圧縮機1の再起動の待機状態にある。
【0116】また、step19では、運転モード設定手段Modeから膨張弁開度比設定手段61へ圧縮機再起動信号が出力され、膨張弁開度比設定手段61にてパルス式電動膨張弁EVの開度を圧縮機1が停止状態になる直前におけるパルス式電動膨張弁EVの開度比をpls2相当に対して第3所定開度Δpls3相当だけ大きく設定し、その後、膨張弁制御手段EVcntへ(pls2+Δpls3)相当の開度比を出力して動作させる。
【0117】そして、step20にて、運転モード設定手段Modeから圧縮機制御手段CMcntへ圧縮機1の再起動信号が出力され、step21にて圧縮機制御手段CMcntから圧縮機起動信号を受けて、圧縮機1起動後の経過時間τを時間検出手段TMがカウントを開始し、step22にて経過時間τが所定時間Δτに達しているかを時間検出手段TMにより比較し、経過時間τ<所定時間Δτである場合はstep21へ戻るルーチンを繰り返し、経過時間τ≧所定時間Δτである場合はstep23へ進む。
【0118】step23では、配管温検出手段Tsensから基準温度差算出手段52へ室内入口配管温度t1、及び室内出口配管温度t2の信号が出力され、基準温度差算出手段52にて温度信号へ変換され、この時点での出入口温度差Δt(=t2−t1)を第3基準温度差Δto3として算出し、第1基準温度差Δto1から値を更新する。
【0119】この時、パルス式電動膨張弁EVは全開ではないが、冷凍サイクル内の冷媒循環量としては比較的大きく、しかも冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口は共に二相冷媒状態であるため、実施例1の場合と同様に、冷媒分流器5入口配管温度t1、及び室内熱交換器7出口配管温度t2は各々の冷媒圧力に対する冷媒飽和状態を示す。従って、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の冷媒飽和温度差(t1−t2=−Δto)は管内圧力損失に相当することになる。
【0120】従って、step24にて検知過熱度SH算出手段53により、経過時間τが所定時間Δτ経過以降における配管温検出手段Tsensにより検出した室内出口配管温度t2と室内入口配管温度t1との出入口温度差Δt(=t2−t1)に、パルス式電動膨張弁EV出口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失に相当する第3基準温度差Δto3を考慮する、即ち、第3基準温度差Δto3を減算(Δt−Δto3)して、冷媒分流器5入口と室内熱交換器7出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた検知過熱度SHを算出することができる。
【0121】そして、この後は実施例1のstep8へ戻るルーチンとして繰り返し制御を継続していく。ただし、実施例1のstep8へ戻ったとき、実施例1のstep7に進んだときは、step7をstep24に置換える。
【0122】以上のように本実施例のヒートポンプ式空気調和機は、実施例1の第1制御手段Cnt1に替わって、第4制御手段Cnt4を設置した構成であるために、即ち、運転モード手段Modeにて冷房サイクルを検出中であり、かつ圧縮機1が運転状態から停止状態になった後、再度、圧縮機1の運転を開始する場合、パルス式電動膨張弁EVの開度を圧縮機1が停止状態になる直前におけるパルス式電動膨張弁EVの開度に対して第3所定開度Δpls3だけ大きく設定するように膨張弁制御手段EVcntを動作させて圧縮機1の運転を再起動し、時間検出手段TMにより経過時間τが所定時間Δτに達した時に配管温検出手段Tsensにより検出した室内入口配管温度t1と室内出口配管温度t2との出入口温度差Δt(=t2−t1)を第3基準温度差Δto3として、第1基準温度差Δto1を更新する制御を備えているために、以下の効果が発揮される。
【0123】つまり、実施例1の効果に加えて、室内冷房負荷の変化に伴う、冷房サイクル内の冷媒循環量の変動を、前記基準温度差の変化を把握することにより対応可能となる。
【0124】即ち、圧縮機が運転状態から停止状態になった後、再度、圧縮機の運転を開始する場合でも、圧縮機が停止する直前の膨張弁の開度に対して第3所定開度Δpls3だけ大きく設定して圧縮機1を再起動し、配管温検出手段Tsensにより検出した室内入口配管温度t1と室内出口配管温度t2との出入口温度差Δtである基準温度差を第1基準温度差Δto1から第3基準温度差Δto3へ更新することにより、室内の冷房負荷変動に対応した運転制御が可能になる。
【0125】尚、前記実施例1から実施例4においては、パルス式電動膨張弁EVを室内ユニットBの冷媒分流器5の上流側に設置した構成であるが、室外ユニットA内の室外熱交換器3の下流側に設置した構成の場合でも、室内熱交換器7の性能を最大限に引き出すことについては同等の効果がある。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明は、圧縮機と室外熱交換器と室外送風機と膨張弁とからなる室外ユニットと、冷媒分流器と室内熱交換器と室内送風機とからなる室内ユニットとから構成され、かつ前記圧縮機,前記室外熱交換器,前記膨張弁,前記冷媒分流器,前記室内熱交換器,前記圧縮機を順次冷媒配管にて環状に接続して冷媒を循環させる冷房サイクルにおいて、冷房モードでの圧縮機の運転開始時は、前記膨張弁を全開にさせ、その後前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時点での室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を第1基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第1基準温度差を減算した結果を検知過熱度として、前記検知過熱度が第1所定過熱度以上になるまで前記膨張弁の開度を小さくしていき、前記検知過熱度が前記第1所定過熱度以上になった時点での前記膨張弁の開度より第1所定開度だけ大きい開度を求め、その求められた開度をその後の前記膨張弁の開度にするよう構成したのである。
【0127】これにより、冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失の影響を差し引いた室内熱交換器出口の正味の過熱度を検知できる。また、蒸発器として機能する室内熱交換器出口の冷媒過熱度が大きく確保されることがなく、飽和蒸気状態、即ち、ほぼ過熱度=0の状態に近づけることが可能となるため、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0128】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明で、圧縮機の運転開始から所定時間経過した時点での室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差を基準温度差としていた部分を、室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差に対して所定温度差を加算したものを基準温度差とするものに置換えたものである。
【0129】これにより、冷媒分流器入口と室内熱交換器出口との間の管内圧力損失に相当する冷媒の飽和温度差に生じる差異を補正することが可能になる。
【0130】即ち、圧縮機起動所定時間経過後の飽和温度差と、その所定時間経過以降に膨張弁開度を小さくした時点での飽和温度差との間に生じる差異を、前記第2基準温度差に加算することにより、室内熱交換器出口の検知過熱度を精度良く検出することが可能となる。
【0131】また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明に加えて、膨張弁の開度設定後、検知過熱度が第1所定過熱度より小なる第2所定過熱度以上である場合は前記膨張弁の開度を第2所定開度だけ大きく設定するようにし、検知過熱度が0より小さい場合は前記膨張弁の開度を前記第2所定開度だけ小さく設定するようにしたものである。
【0132】これにより、室内の冷房負荷に応じて変化する室内熱交換器出口の冷媒過熱度をほぼ0付近に収めるように膨張弁の開度を制御できるために、冷房負荷が変動した場合でも、熱交換器の保有している性能は最大限に発揮され得るという、理想状態に近い制御を実現可能となる。
【0133】また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、膨張弁の開度設定後、冷房サイクルのままで圧縮機が一旦停止し再起動する場合、膨張弁の開度を、前記圧縮機が停止状態になる直前における前記膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定して前記圧縮機の運転を再起動し、前記圧縮機の運転開始から所定時間経過した時点での室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差を第3基準温度差とし、その後の前記圧縮機の運転継続中における室内出口配管温度と室内入口配管温度との出入口温度差から前記第3基準温度差を減算した結果を新たな検知過熱度とするものである。
【0134】これにより、室内の冷房負荷が変化することにより、冷房サイクル内を循環する冷媒の循環量が変動することによる前記第3基準温度差の変化に対応することが可能となる。
【0135】即ち、室内温度が設定温度に達した場合や、冷凍サイクルが異常運転状態になって冷凍サイクルに保護制御が動作する場合等によって、圧縮機が運転状態から停止状態になった後、再度、圧縮機の運転を開始する場合には、圧縮機が停止する直前の膨張弁の開度に対して第3所定開度だけ大きく設定して、圧縮機を再起動し、配管温検出手段により検出した室内入口配管温度と室内出口配管温度との出入口温度差である第3基準温度差を更新することにより、室内の冷房負荷変動に対応した運転制御が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000004488
【氏名又は名称】松下冷機株式会社
【出願日】 平成10年9月16日(1998.9.16)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−88363(P2000−88363A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−261162