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【発明の名称】 圧縮式冷媒回収装置
【発明者】 【氏名】空井 愛

【要約】 【課題】冷媒回路構成を簡素化して小型軽量化とコスト低減とを共に図る。

【解決手段】被回収体22内の冷媒ガスを圧縮機30で直接吸引して加圧し、この加圧後に凝縮器32で液化して回収ボンベ23に充填する冷媒回収回路28と、回収ボンベ内の冷媒ガスを圧縮機の冷媒吸込側に戻す戻し回路35と、凝縮器から回収ボンベに導入される冷媒の流量を制御するキャピラリチューブ33と電磁二方弁34の並列回路とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被回収体内の冷媒ガスを圧縮機で直接吸引して加圧し、この加圧後に凝縮器で液化して回収ボンベに充填する冷媒回収回路と、上記回収ボンベ内の冷媒ガスを上記圧縮機の冷媒吸込側に戻す戻し回路と、上記凝縮器から上記回収ボンベに導入される冷媒の流量を制御する絞り装置と、を具備していることを特徴とする圧縮式冷媒回収装置。
【請求項2】 絞り装置は、キャピラリチューブと開閉弁との並列回路により構成されていることを特徴とする請求項1記載の圧縮式冷媒回収装置。
【請求項3】 絞り装置が電動膨張弁である請求項1記載の圧縮式冷媒回収装置。
【請求項4】 圧縮機の吸込側圧力を検出する圧力センサーと、この圧力センサーの検出圧力に対応して電動膨張弁の開度を制御する制御手段と、を具備していることを特徴とする請求項3記載の圧縮式冷媒回収装置。
【請求項5】 圧縮機の吸込側圧力の所定低圧を検出する低圧スイッチと、被回収体と圧縮機の吸込側とを結ぶ冷媒流路の途中に介在された第2の開閉弁と、この低圧スイッチにより所定低圧を検出したときに、上記第2の開閉弁を閉じる一方、開閉弁の開度を全開に制御する制御手段と、を具備していることを特徴とする請求項2記載の圧縮式冷媒回収装置。
【請求項6】 第2の開閉弁の閉弁時間と、開閉弁の全開時間とを所定時間保持させるタイマー手段を具備していることを特徴とする請求項5記載の圧縮式冷媒回収装置。
【請求項7】 開閉弁または電動膨張弁が共に手動操作可能に構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の圧縮式冷媒回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒を内蔵する空気調和機等の冷凍サイクル装置の被回収体内から冷媒を回収する圧縮式冷媒回収装置に係り、特に、構成の簡素化等を図った圧縮式冷媒回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5はこの種の従来の圧縮式冷媒回収装置1の冷媒回収運転モード時の基本サイクル構成図である。この圧縮式冷媒回収装置1は、冷媒を内蔵する空気調和機等の冷凍サイクル装置の被回収体2からガス冷媒を直接吸引して加圧し、液化させてから回収ボンベ3に充填することにより冷媒を回収する冷媒回収回路4を有する。
【0003】すなわち、冷媒回収回路4は、被回収体2から冷媒ガスを圧縮機5により直接吸引して圧縮し、さらに、ファン6を備えた凝縮器7により冷却して凝縮液化させてから回収ボンベ3に押し込み回収させる。このとき、凝縮器7の圧力Pcと回収ボンベ3の圧力Pbはほぼ等しい(Pc=Pb)。
【0004】しかし、このような冷媒回収運転の前に、既に回収ボンベ3内に多くの冷媒が充填されているときには、上記回収運転を実行しても回収した冷媒を回収ボンベ3内に押し込みにくく、充填しにくいので、回収時間が長くなる。
【0005】そこで、この場合には図6で示すプレクール回路8を使用するプレクール運転を行なうことにより、回収ボンベ3内の温度と圧力とを低下させて、凝縮器7内の圧力Pcを回収ボンベ3内の圧力Pbよりも低くさせる(Pc<Pb)ことにより、液冷媒を回収ボンベ3内に押し込み易くし、回収時間を短縮させることができる。
【0006】すなわち、図6に示すようにプレクール運転時には、回収ボンベ3からガス冷媒のみを、プレクール回路8を介して圧縮機5により直接吸引して圧縮し、さらに、凝縮器7により凝縮して液化させてから、この液冷媒をキャピラリチューブ9により減圧して回収ボンベ3に充填させる。これにより回収ボンベ3内の液冷媒が蒸発して温度と圧力Pbとが低下し、その後の被回収体2からの冷媒回収作業がスムーズに行なわれるようになる。
【0007】そして、このような冷媒回収運転が終了した後には、凝縮器7内に液冷媒が残留する場合があるので、この状態でチャージングホース10を取り外すと、液冷媒が大気中に排出される虞れがある。
【0008】そこで、この場合には図7で示すパージ回路11を使用するパージ運転を行なう。すなわち、回収ボンベ3内の冷媒ガスを、パージ回路11を介して圧縮機4により直接吸引して加圧し、この高圧ガス冷媒を凝縮器7内に通すことにより、この凝縮器7内の液冷媒を、回収ボンベ3内に押し込み充填させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の圧縮式冷媒回収装置1では、冷媒回収運転、プレクール運転、パージ運転の各運転時には、これらの各運転モードに応じて、冷媒回収回路4、プレクール回路8、パージ回路11をその都度構成しなければならず、これら冷媒回路の構成が複雑であり、部品数も多い。このために、大型重量化やコストアップを招くという課題がある。
【0010】また、圧縮式冷媒回収装置1の操作者が冷媒回収運転の前後で、プレクール運転かパージ運転かを選択しなければならず、運転操作が複雑化して誤操作を招く一因になっているという課題もある。
【0011】本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、冷媒回路構成を簡素化して小型軽量化とコスト低減とを共に図ることができる圧縮式冷媒回収装置を提供することにある。また、他の目的は各種運転の操作性を向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被回収体内の冷媒ガスを圧縮機で直接吸引して加圧し、この加圧後に凝縮器で液化して回収ボンベに充填する冷媒回収回路と、上記回収ボンベ内の冷媒ガスを上記圧縮機の冷媒吸込側に戻す戻し回路と、上記凝縮器から上記回収ボンベに導入される冷媒の流量を制御する絞り装置と、を具備していることを特徴とする圧縮式冷媒回収装置である。
【0013】この発明によれば、冷媒回収運転時には絞り装置がほぼ全開される。これにより被回収体内の冷媒ガスは、冷媒回収回路の圧縮機により直接吸引加圧され、さらに凝縮器により凝縮液化されてから、ほぼ全開中の絞り装置を経て回収ボンベ内に充填され、冷媒が回収される。しかも、絞り装置はほぼ全開であるので、冷媒回収運転時の能力低下を未然に防止ないし低減することができる。
【0014】また、プレクール運転時には、絞り装置の開度が所定開度に絞られる。これにより、回収ボンベ内の冷媒ガスは戻し回路を介して圧縮機により吸引加圧され、さらに冷媒回収回路の凝縮器により凝縮液化されてから、絞り装置により減圧されて回収ボンベ内に戻される。このために、回収ボンベ内の液冷媒が蒸発して回収ボンベ内の温度と圧力が低下するので、この後の冷媒回収運転時の回収ボンベ内への冷媒の押し込みをスムーズに行なうことができる。
【0015】さらに、パージ運転時には、絞り装置がほぼ全開される。これにより、回収ボンベ内の冷媒ガスは戻し回路を介して圧縮機により直接吸引されて、加圧される。この高圧冷媒ガスは、凝縮器内を通る際に、冷媒回収運転時等で凝縮器内に残留した液冷媒を凝縮器の外部へ押し出し、さらに、全開中の絞り装置を経て回収ボンベ内に押し込み、回収させる。このために、凝縮器内の残留冷媒を無くすことができる。しかも、このとき絞り装置がほぼ全開であるので、パージ運転時の能力低下を未然に防止ないし低減できる。
【0016】したがって、この発明によれば、プレクール運転とパージ運転とを、絞り装置により冷媒を減圧するか否かの相違を除いて、共に共通の冷媒回収回路と戻し回路とを使用するので、これら両運転毎に冷媒回路構成を変えていた従来例に比して、冷媒回路の簡素化を図ることができる。このために、圧縮式冷媒回収装置の小型軽量化とコスト低減とを共に図ることができる。
【0017】請求項2の発明は、絞り装置は、キャピラリチューブと開閉弁との並列回路により構成されていることを特徴とする請求項1記載の圧縮式冷媒回収装置である。
【0018】この発明によれば、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、開閉弁を開弁させることにより、凝縮器からの冷媒を、この開弁中の開閉弁側へ通過させて、冷媒回収運転とパージ運転とをそれぞれ運転することができるうえに、これら両運転時の能力低下を未然に防止ないし低減させることができる。
【0019】また、開閉弁を閉弁することにより、凝縮器からの液冷媒をキャピラリチューブ側へ通過させてプレクール運転を行なうことができる。すなわち、開閉弁の開閉を適宜制御することにより、プレクールとパージの各運転を適宜切り換えることができ、運転操作性を向上させることができる。
【0020】請求項3の発明は、絞り装置が電動膨張弁である請求項1記載の圧縮式冷媒回収装置である。
【0021】この発明によれば、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、絞り装置が電動膨張弁であるので、この電動膨張弁を例えば全開させることにより、冷媒回収運転とパージ運転とをそれぞれ運転することができるうえに、これら両運転時の能力低下を未然に防止ないし低減させることができる。
【0022】また、電動膨張弁を所定開度に絞ることによりプレクール運転を行なうことができる。しかも、絞り装置が電動膨張弁1つであるので、請求項2の発明に比しても部品数を削減させることができる。
【0023】請求項4の発明は、圧縮機の吸込側圧力を検出する圧力センサーと、この圧力センサーの検出圧力に対応して電動膨張弁の開度を制御する制御手段と、を具備していることを特徴とする請求項3記載の圧縮式冷媒回収装置である。
【0024】この発明によれば、請求項3記載の発明と同様の作用効果に加えて、圧力センサーにより検出した圧縮機の吸込側圧力に応じて、請求項3記載の電動膨張弁の開度を制御するので、プレクール運転中に、回収ボンベ内の冷媒ガスの多少に応じて電動膨張弁の開度を最適開度に制御することができる。このために、圧縮機の高圧側の過圧を防止することができる一方、冷媒循環流量に応じた適切な開度で効率よく回収ボンベ内の圧力を低下させることができ、その後の冷媒回収運転時の回収効率を向上させることができる。
【0025】請求項5の発明は、圧縮機の吸込側圧力の所定低圧を検出する低圧スイッチと、被回収体と圧縮機の吸込側とを結ぶ冷媒流路の途中に介在された第2の開閉弁と、この低圧スイッチにより所定低圧を検出したときに、上記第2の開閉弁を閉じる一方、開閉弁の開度を全開に制御する制御手段と、を具備していることを特徴とする請求項2記載の圧縮式冷媒回収装置である。
【0026】この発明によれば、冷媒回収運転中、被回収体内の冷媒ガスが無くなると、圧縮機の吸込側圧力が低下し、その低圧が低圧スイッチにより検出され、この検出信号が制御手段に与えられる。すると、この制御手段は被回収体内の冷媒の回収が終了したものと判断して、圧縮機の吸込側の第2の開閉弁を閉じる一方、凝縮器の下流側の開閉弁の開度を全開に制御する。
【0027】このために、被回収体と圧縮機の吸込側とを結ぶ冷媒流路が第2の開閉弁により閉じられて、冷媒回収運転が終了する一方、その冷媒回収運転時に凝縮器内に残留している液冷媒が、高圧ガス冷媒により開弁中の開閉弁を通って回収ボンベ内に押し込まれるパージ運転が開始される。すなわち、冷媒回収運転を自動的に終了させると共に、パージ運転に自動的に切替えることができる。
【0028】これにより、運転操作の容易性が向上するので、誤操作の防止ないし低減を図ることができる。
【0029】請求項6の発明は、第2の開閉弁の閉弁時間と、開閉弁の全開時間とを所定時間保持させるタイマー手段を具備していることを特徴とする請求項5記載の圧縮式冷媒回収装置である。
【0030】この発明によれば、請求項5記載の発明の作用効果に加えて、被回収体と圧縮機の吸込側とを結ぶ冷媒流路の途中に介在された第2の開閉弁の閉弁時間と、凝縮器の下流側の開閉弁の全開時間とを保持するタイマー手段のタイマー時間がタイムアップしたときに、パージ運転が自動的に終了する。
【0031】これにより、運転操作の容易性が向上するので、誤操作の防止ないし低減を図ることができる。
【0032】請求項7の発明は、開閉弁または電動膨張弁が共に手動操作可能に構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の圧縮式冷媒回収装置である。
【0033】この発明によれば、凝縮器の下流側の開閉弁または電動膨張弁が、共に手動操作弁であるので、これらを手動により適宜開閉させることにより、回収運転とパージ運転との切替を手動で行なうことができる。また、これら開閉弁と電動膨張弁とを自動操作するための制御手段が必要でないので、その分、コスト低減を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0035】図1は本発明の第1の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21の全体構成図である。この圧縮式冷媒回収装置21は、例えば空気調和機や冷凍サイクル装置等の冷媒を内蔵する被回収体22内の冷媒を液化して回収ボンベ23内に充填させることにより冷媒を回収するものであり、被回収体22の冷媒出口に、入側のチャージングホース24を介して着脱自在に連結される冷媒入口25と、回収ボンベ23の冷媒入口に、2本一対の出側のチャージングホース26a,26bにより着脱自在にそれぞれ連結される冷媒出口27aと、冷媒戻し口27bとを具備している。
【0036】圧縮式冷媒回収装置21は、冷媒入口25に冷媒出口27aを配管29により接続してなる冷媒回収回路28を有する。冷媒回収回路28は、その配管29に、冷媒入口25側から出口27a側に向けて、圧縮機30、送風機31を備えた凝縮器32、絞り装置であるキャピラリチューブ33と開閉弁である電磁二方弁34との並列回路を、この順に順次介在させている。電磁二方弁34は例えば図示しない開、閉ボタンを押すことにより、開弁または閉弁することができる手動操作可能に構成されている。
【0037】この冷媒回収回路28の圧縮機30の吸込口側には戻し回路35の一端を接続し、この戻し回路35の他端を冷媒戻し口27bに接続している。
【0038】したがって、このように構成された圧縮式冷媒回収装置21を冷媒回収運転する場合は、例えば図示しない冷媒回収運転開始ボタンを押して、圧縮機30と送風機31を運転する一方、電磁二方弁34を開弁させる。すると、被回収体22内の冷媒ガスが入側チャージングホース24を介して冷媒回収回路28の圧縮機30の吸込側に直接吸引されて加圧され、さらに、凝縮器32内に流入し、ここで送風機31からの送風等により冷却されて凝縮し液化する。さらに、この液冷媒は全開中の電磁二方弁34を通って出側のチャージングホース26aを介して回収ボンベ23内に押し込まれて充填され、回収される。この時の凝縮器32の圧力Pcは回収ボンベ23の圧力Pbとほぼ等しい(Pc=Pb)。
【0039】したがって、この冷媒回収運転の前に、既に多量の冷媒ガスが回収ボンベ23内に充填されているときには、この冷媒回収運転で回収した冷媒ガスを回収ボンベ23内に押し込みにくいので、回収時間が長くなり、効率が低下する。
【0040】そこで、この回収ボンベ23の温度と圧力とを低下させて上記凝縮器32の圧力Pcを回収ボンベ23内の圧力Pbよりも高圧(Pc>Pb)にするために図示しない例えばプレクール運転開始ボタンを押して電磁二方弁34を全閉させ、プレクール運転に切替える。
【0041】すると、回収ボンベ23内の冷媒ガスが戻し回路35を介して圧縮機30により直接吸引されて加圧され、さらに、凝縮器32で凝縮されて液冷媒になる。この後、液冷媒は閉弁中の電磁二方弁34を迂回してキャピラリチューブ33側を通って減圧され、回収ボンベ23内に戻されてから蒸発する。この液冷媒の蒸発潜熱のために回収ボンベ23が冷却されるので、回収ボンベ23内の温度と圧力Pbが低下し、凝縮器32側の圧力Pcの方が回収ボンベ23の圧力Pbよりも低下する(Pc>Pb)。したがって、このプレクール運転終了後の冷媒回収はスムースに高効率で行なうことができる。
【0042】そして、冷媒回収運転終了後は、凝縮器32内に液冷媒が残留する場合があるので、例えば図示しないパージ運転開始ボタンを押して電磁二方弁34を全開させ、パージ運転を開始させる。
【0043】すると、回収ボンベ23内の冷媒ガスが戻し回路35を介して圧縮機30により直接吸引されて加圧され、この高圧のガス冷媒が凝縮器32内を通る際に、凝縮器32内に残留している液冷媒を凝縮器32内から、その外部へ押し出し、さらに、全開中の電磁二方弁34を通って回収ボンベ23内に押し込む。このために、凝縮器32内の残留冷媒がほぼ無くなるので、出側チャージホース26aを回収ボンベ23から取り外したときに、その残留冷媒が大気中に排出されるのを防止することができる。
【0044】図2は本発明の第2の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21Aの全体構成図である。この圧縮式冷媒回収装置21Aは上記第1の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21のキャピラリチューブ33と電磁二方弁34との並列回路を、1台の電動膨張弁36に置換した点に特徴がある。
【0045】電動膨張弁36は、その開度を、開示しない操作レバーの手動操作により、適宜制御し得る絞り装置である。したがって、その操作レバーの手動操作により電動膨張弁36を全開させることにより、上記冷媒回収運転と、パージ運転とを行なうことができる。
【0046】また、電動膨張弁36を所要の開度まで絞ることにより上記プレクール運転を行なうことができる。しかも、上記キャピラリチューブ33と電磁二方弁34との並列回路を、1台の電動膨張弁36に置換しているので、冷媒回路構成をさらに簡素化することができ、部品数も削減してさらなる小型軽量化を図ることができる。
【0047】図3は本発明の第3の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21Bの全体構成図である。この圧縮式冷媒回収装置21Bは、上記第2の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21Aにおける冷媒回収回路28の圧縮機30の吸込側に、圧力センサー37を設けると共に、この圧力センサー37により検出された圧力に応じて電動膨張弁36の開度を最適開度に制御する制御手段38を設けた点に特徴がある。
【0048】制御手段38は、例えばマイクロプロセッサー等よりなり、圧力センサー37からの圧力検出信号を受け、この検出圧力が高くなるに従って電動膨張弁36の開度を拡大(開ける)させ、逆に検出圧力が低くなるに従って電動膨張弁36の開度を絞るように構成されている。
【0049】したがって、プレクール運転中において、回収ボンベ23内の冷媒ガスが比較的多い場合には、圧力センサー37は比較的に高い圧力を検出し、電動膨張弁36の開度も、その高い検出圧力に応じた大きい開度に制御される。このために、圧縮機30の高圧側の過圧を防止することができる。また、回収ボンベ23内の冷媒ガスが比較的少ない場合には、圧力センサー37は比較的に低い圧力を検出するので、電動膨張弁36の開度は絞られる。このために、冷媒の循環量に応じた最適な開度で効率よく回収ボンベ23内の圧力Pbを下げることができる。
【0050】図4は本発明の第4の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21Cの全体構成図である。この圧縮式冷媒回収装置21Cは、上記第1の実施形態に係る圧縮式冷媒回収装置21において、戻し回路35の途中に、第2の電磁二方弁39を介在させる一方、冷媒回収回路28の戻し回路35の一端と接続される接続部よりも上流側にて第2の開閉弁である第3の電磁二方弁40と低圧スイッチ41とを設け、これら第2、第3の電磁二方弁39,40と低圧スイッチ41と第1の電磁二方弁34とにそれぞれ電気的に接続された制御手段42を設けた点に特徴がある。
【0051】低圧スイッチ41は所定圧力以下の低圧を検出したときに、低圧検出信号を制御手段42に与えるものである。制御手段は、例えばマイクロプロセッサー等よりなり、冷媒回収運転を行なう場合は、図示しない操作手段からの冷媒回収運転指令信号を受けたときに、圧縮機30の吸込側の第3の電磁二方弁40と第1の電磁二方弁34とを共に開弁させる一方、戻し回路35の第2の電磁二方弁39を閉弁させる。
【0052】これにより、被回収体22内の冷媒ガスが開弁中の第3の電磁二方弁40を介して圧縮機30により直接吸引されて加圧され、さらに凝縮器32により凝縮されて液化し、開弁中の第1の電磁二方弁34を通って回収ボンベ23内に充填され、回収される。
【0053】この冷媒回収運転により被回収体22内の冷媒ガスがほぼ無くなると、圧縮機30の吸込側の圧力が所定圧以下に低下するので、この低圧が低圧スイッチ41により検出されて低圧検出信号が制御手段42に与えられる。
【0054】このために、制御手段42は被回収体22の冷媒回収が終了したと判断して、圧縮機30吸込側の第3の電磁二方弁40を閉弁させる一方、戻し回路35の第2の電磁二方弁39を開弁させて冷媒回収運転を終了させると共に、パージ運転に自動的に切替える。
【0055】これにより、被回収体22から圧縮機30への冷媒ガスの吸引が全閉中の第3の電磁二方弁40によりしゃ断される一方、戻し回路35の開弁中の電磁二方弁39を介して回収ボンベ23内の冷媒ガスが圧縮機30により直接吸引されて加圧される。
【0056】このために、高圧の冷媒ガスが凝縮器32内に残留している液冷媒を押し出し、回収ボンベ23内に押し込んで回収させる。このパージ運転は制御手段42が具備しているタイマー手段の所定のタイマー時間がタイムアップしたときに自動的に終了される。
【0057】したがって、この圧縮式冷媒回収装置21Cによれば、冷媒回収運転を自動的に終了させることができると共に、パージ運転に自動的に切替えることができ、さらに、パージ運転自体も自動的に終了させることができる。このために、冷媒回収運転の終了と、パージ運転への切替と、パージ運転を終了させるための誤操作を防止することができる。
【0058】そして、上記冷媒回収運転の前に、既に多量の冷媒が回収ボンベ23内に充填されているときは、制御手段42により、第1、第3の開閉弁34,40を閉弁、第2の電磁二方弁39を開弁させてプレクール運転を開始させる。
【0059】このために、回収ボンベ23内の冷媒ガスが開弁中の第2の電磁二方弁39を有する戻し回路35を通って圧縮機30により直接吸引されて加圧され、さらに凝縮機32により凝縮されて液化する。この液冷媒はさらに閉弁中の第1の電磁二方弁34を迂回してキャピラリチューブ33を通って減圧されてから回収ボンベ23内に戻され、その内部で蒸発することにより冷却して温度と圧力とを低減させる。これにより、このプレクール運転後の冷媒回収を効率よく行なうことができる。
【0060】なお、上記制御手段42と低圧スイッチ41とを省略して、第1〜第3電磁二方弁34,39,40を手動で開閉操作し得るように構成してもよく、これによれば、低圧スイッチ41と制御手段42を省略し得る分だけコスト低減を図ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、プレクール運転とパージ運転とを行なう冷媒回路を共通化したので、冷媒回路構成を簡素化することができる。このために、部品数を削減してコスト低減と小型軽量化とを共に図ることができる。さらに、冷媒回収、プレクール、パージの各運転の終了や切替えを自動的に行なうように構成した場合には、これら運転の操作性を向上させることができ、誤操作の防止ないし低減を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年8月5日(1998.8.5)
【代理人】 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久 (外1名)
【公開番号】 特開2000−55514(P2000−55514A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−221721