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【発明の名称】 冷凍サイクルにおける結露防止構造
【発明者】 【氏名】古牧 久司

【氏名】佐藤 憲

【要約】 【課題】冷凍サイクルにおいて、低沸点冷媒が通過する弁本体近傍の電動装置の巻線部分と端子部分とを隔離してコイルに結露しても端子がショートしない結露防止構造を提供する。

【解決手段】圧縮機と凝縮器と電動装置を備えた膨脹弁と蒸発器とを接続してなる冷凍サイクルにおいて、低沸点冷媒が通過する近傍の前記電動装置の巻線部3と導線が接続する端子部18との間に接続部17を連設してなる結露防止構造を構成するものである。前記電動装置は、電磁弁又は電子膨脹弁からなるものであってもよい。前記結露防止構造は、端子部が巻線部から隔離されており、具体的には、電動装置の巻線部と端子部との間に空気流通部を有しているか、端子部が巻線部から隔離され且つ下方に延設してなるものである。前記端子部は内部に端子を備えた中空状に形成され、中空状端子部は肉厚を薄くしてなるものであってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機と凝縮器と電動装置を備えた膨脹弁と蒸発器とを接続してなる冷凍サイクルにおいて、低沸点冷媒が通過する近傍の前記電動装置の巻線部と導線が接続する端子部との間に接続部を連設してなる冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項2】 前記電動装置が電磁弁からなる請求項1記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項3】 前記電動装置が電子膨脹弁からなる請求項1記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項4】 前記接続部は、端子部を巻線部から隔離してなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項5】 前記接続部は、断面積を小さくしてなる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項6】 前記接続部は、電動装置の巻線部と端子部との間に空気流通部を有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項7】 前記端子部は巻線部から隔離され且つ下方に延設してなる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【請求項8】 前記端子部は内部にコネクタを備えた中空状に形成され、中空状端子部は肉厚を薄くしてなる請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の冷凍サイクルにおける結露防止構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機と凝縮器と電動装置を備えた膨脹弁と蒸発器とを接続してなる冷凍サイクルにおける結露防止構造、更に詳細には、冷凍サイクルにおける低沸点冷媒が通過する近傍の電動装置の結露防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、空調機、例えば冷蔵庫は、庫内温度を一定に保つためにサーモスタットにより圧縮機31を作動停止させ、冷媒ガスを凝縮器32において冷却、液化し受液器33を経て膨脹弁やキャピラリチューブ35の手前に設けた電磁弁34に流入する。ここで電磁弁34は、圧縮機の停止状態のとき、冷媒が温度の低い蒸発器36に流入し、蒸発器の温度が上昇するのを防止するためともに、蒸発器36,36’への流入を振り分けるために設けられている。前者は圧縮機の発停とともに、後者はサーモスタットの信号により、電磁弁34を開閉するようにしている。次いで、膨脹弁やキャピラリチューブ35によって液冷媒が低温で膨脹し、蒸発器36で液冷媒は蒸発され、膨脹弁やキャピラリチューブ35及び前記電磁弁34を冷却する。ついで冷媒は蒸発器出口管37を経て圧縮機31へ戻る。
【0003】電磁弁Vは、例えば図7に示すように、ボビン51に巻回された銅線からなる電磁コイル52を樹脂等の封止材53で封止しこれを金属製の外函54に収容している。ボビン51中心の中空部には吸引子55を収容し、ボルト56により外函54に吸引子55を取り付けている。ボビン51中心の中空部には吸引子55に対向してプランジャ57を収容し、プランジャ57はボビン51の中空内壁に設けたチューブ58内を摺動自在にされている。流入管60及び流出管61をチューブ58とともにろう付けして一体的に固着した弁本体62に弁座63を形成し、弁座63に弁体64を載置し、弁体64はプランジャ57に嵌合されている。外函54の側方から導線65を延設して構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】図8(ロ)に示すように、電磁弁Vの封止材53側方には、端子部66が設けられ、コネクタ67が形成されている。ここで、上記のように、液冷媒が低温で膨脹し、電磁弁Vが冷却されると、周囲の空気が冷却され空気中に含まれる水蒸気が露点以下に下がると、水蒸気が凝結して水滴となり、図8(イ)に示すように、公称上は分離されているコネクタ67で漏電が発生してショートしたり、内部接続部、導線等の腐食を発生させる可能性が生じる。
【0005】したがって、本発明は、冷凍サイクルにおいて、低沸点冷媒が通過する弁本体近傍の電動装置の巻線部と端子部とを隔離してコイルに結露しても端子がショートしない結露防止構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、圧縮機と凝縮器と電動装置を備えた膨脹弁と蒸発器とを接続してなる冷凍サイクルにおいて、低沸点冷媒が通過する近傍の前記電動装置の巻線部と導線が接続する端子部との間に接続部を連設してなる結露防止構造を構成するものである。前記電動装置は、電磁弁又は電子膨脹弁からなるものであってもよい。前記結露防止構造は、端子部が巻線部から隔離されており、具体的には、電動装置の巻線部と端子部との間に空気流通部を有しているか、端子部が巻線部から隔離され且つ下方に延設してなるものである。前記端子部は内部に端子を備えた中空状に形成され、中空状端子部は肉厚を薄くしてなるものであってもよい。
【0007】本発明は、上記のように構成したので、冷凍サイクルで液冷媒が膨脹弁やキャピラリチューブによって低温で膨脹し、電動装置が冷却されても、端子部分に冷気が伝わりにくく、外気温度の影響を受けやすいので、端子部分の結露が防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1、図2及び図3に示すように、電磁弁Vは、ボビン1に巻回された銅線の電磁コイル2からなる巻線部3を樹脂等の円筒状封止材4で包囲して封止しこれを金属製の外函5に収容している。ボビン2中心の中空部には吸引子6を収容し、ボルト7により外函5に吸引子6を取り付けている。ボビン2中心の中空部にはまた吸引子6に対向してプランジャ8を収容し、プランジャ8はボビン2の中空内壁に設けたチューブ10内を摺動自在にされている。流入管11及び流出管12をチューブ10とともにろう付けして一体的に固着した弁本体13に弁座14を形成し、弁座14に弁体15を載置し、弁体15はプランジャ8に嵌合され、吸引子6とプランジャ8との間に設けたスプリング16により下方に付勢されている。
【0009】前記封止材4には接続部17が延設されている。接続部17は断面積を小さくして電磁コイル3部分からの熱伝導を受けにくくしている。更に、接続部17から下方に端子部18が延びている。接続部17の内部には、ボビン2を貫通して導線19が延設されている。これらの構成により、端子部18は電磁コイル3から隔離されている。端子部18は中空筒状をなし、内部に導線19に接続したコネクタ20が設けられている。図3に示すように、中空状端子部18は肉厚を薄くして外気の温度を吸収しやすくしている。
【0010】図4は、低沸点冷媒が通過する近傍の電動装置として、電子膨脹弁30の例を示したもので、内部に図示しない電磁コイルを備えたステータの外周には合成樹脂によるステータケース31が形成されている。ステータケース31の下方には流入管32と流出管33を一体的に固着した弁本体34が形成されている。
【0011】ステータケース31の上方一端部から側方に接続部35を連接し、接続部35から下方に長く端子部36が延びている。ステータケース31の下方の接続部35は符号37で示すように内方にくびれている。これにより、結露部分の温度が伝導しにくくしている。端子部36はコネクタ38が設けられている。コネクタ38近傍から端子部36の下方は中空状に形成されている。中空状端子部36は、図3に示すものと同様に肉厚を薄くして外気の温度を吸収しやすくしている。
【0012】図5は、図4と同様に電子膨脹弁30の例を示したもので、ステータケース31の上方一端部から側方に接続部35が延設されている。更に、接続部35から下方に端子部36が延びている。端子部36は内部にコネクタ38が設けられている。中空状端子部36は肉厚を薄く形成し、外気の温度を吸収しやすくして端子部36の結露を防止するようにしている。
【0013】ここで圧縮機、凝縮器、膨脹弁、蒸発器とを接続した冷凍サイクルにおいて、低沸点冷媒が通過する膨脹弁やキャピラリチューブによって液冷媒が低温で膨脹し、膨脹弁やキャピラリチューブやこれに接続する配管及び電磁弁が冷却され、周囲の雰囲気の露点以下に下がると、空気中の水蒸気がこれらの機器に凝縮し、コネクタで漏電を発生させる恐れがある。
【0014】しかしながら、上記のように電動装置の端子部が巻線部から隔離され、巻線部分と端子部分との間に空気流通部を有するので、端子部に冷気が伝わりにくく、且つ空気流通部を有するので外気の温度に影響されやすいので、端子部に結露を生じない。
【0015】本願発明の端子部が巻線部から隔離されている電磁弁の結露状態を比較した。すなわち、コイルの巻線部と端子部にそれぞれ熱電対をエポキシ樹脂にて固定し、ドライアイスで電磁弁本体のみ冷却した。このとき、ドライアイスは本体以外のコイルや外函に接触しないようにした。コイルの2点と本体の2点及び雰囲気の温度を記録しながら、コイルの巻線部や端子部に露や霜が付着していく状態を観察した。これらの実験結果を表1に示す。
【0016】
【表1】

【0017】表1に示すように、コイル巻線部が結露しても、端子部には結露しなかった。また、本願発明の電磁弁では、3時間経過時に導線と本体、コイルとの間の絶縁抵抗を測定した結果、∞で端子間で短絡していないことが確認された。
【0018】実施例において、電動装置は電磁弁、電子膨脹弁について示したが、その他の実施例として、電磁比例弁等にも適用しても良い。
【0019】
【発明の効果】本発明の結露防止構造は、上記のような構成及び作用により、低沸点冷媒が通過する弁本体近傍の電動装置の巻線部と端子部とを隔離して接続部を形成し、その断面積を小さくする等により、巻線部の熱が端子部に伝導しにくいので、コイルに結露しても端子部が結露しなく、端子間でショートすることがない。また、端子部内部は中空状に形成し肉厚を薄くしているので、外周面と内面の温度差が小さくなり、端子部の結露を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
【出願日】 平成10年8月7日(1998.8.7)
【代理人】 【識別番号】100096275
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 浩一 (外1名)
【公開番号】 特開2000−55513(P2000−55513A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−236392