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【発明の名称】 空気調和機
【発明者】 【氏名】遠山 基治

【氏名】中尾 實明

【氏名】寺内 英樹

【氏名】小林 実

【要約】 【課題】本発明の目的は、冷房運転時において、吐出圧力と吸込圧力との圧力差が小さいときでも、四方弁が誤動作しない正常な冷凍サイクルで冷房運転することができる空気調和機を提供することにある。

【解決手段】冷房運転時において圧縮機の吐出圧力と吸込圧力との圧力差が小さいときのみ、四方弁のパイロット電磁弁に通電し、圧力変換室を低圧の状態にして、スライドバルブを冷房運転状態に保持し、四方弁が誤動作しない正常な冷凍サイクルで冷房運転ができる空気調和機を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧縮機,冷媒通路を切換えて冷房運転と暖房運転を切換える四方弁,室外側熱交換器,減圧装置,室内側熱交換器とそれぞれを接続する配管で構成する空気調和機で、四方弁は、冷房運転時に通電し、四方弁内部のスライドバルブは、吐出圧力と吸込圧力との圧力差と圧力変換室および抗圧バネとの圧力差により保持する構造をなし、室外側熱交換器と室内側熱交換器の冷媒の温度を検出して、該四方弁の通電を制御することを特徴とした空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷暖房兼用空気調和機の冷凍サイクルは図1に示すように圧縮機,室外側熱交換器,室内側熱交換器,四方弁および減圧装置とそれぞれを接続する配管で構成されており、冷房運転,暖房運転の切換えは、四方弁によって冷媒の流れる方向を切換えて行っている。四方弁は、圧縮機の吐出圧力と吸込圧力との圧力差と圧力変換室および抗圧バネの圧力差により、スライドバルブを移動させて、冷媒の流れる方向を変えている。
【0003】四方弁の動作は、四方弁を構成しているパイロット電磁弁に通電して、そのパイロット電磁弁を開くことにより圧力変換室の圧力を高圧または低圧に切換えることにより、スライドバルブを移動させて冷媒の流れを変えている。
【0004】四方弁は、暖房運転時、パイロット電磁弁に通電する暖房通電方式と、冷房運転時、パイロット電磁弁に通電する冷房通電方式がある。図2は、冷房通電方式の四方弁の断面図を示す。圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒は、aから四方弁の高圧室へ入り、圧縮機の吸込口へはcから戻される。冷房運転のときパイロット電磁弁は、通電されるのでパイロット電磁弁は、開き、四方弁の圧力変換室の内圧は、パイロットを通じてcと同じ圧力となる。圧力変換室の内圧は、高圧室に比べ低圧になりスライドバルブは、低圧側へ移動する。
【0005】したがって、高圧室に入った冷媒は、bへ流れ室外側熱交換器へ入る。dから室内側熱交換器から戻ってきた冷媒が入り、スライドバルブを通りcより圧縮機の吸込口へ流れ、冷房運転の冷凍サイクルを行う。暖房運転のとき、パイロット電磁弁は、無通電状態なのでパイロット電磁弁は閉じていて、抗圧バネのバネ圧力により、スライドバルブは暖房運転の位置にあり、暖房運転の冷凍サイクルをする。この冷房通電方式の冷暖房兼用空気調和機については、特開平2−263070号公報に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術のうち、暖房運転時、四方弁を通電する方式は、圧縮機の吐出圧力と吸込圧力の圧力差が大きいため、切換え時の冷媒音が大きくなると同時に暖房運転時、四方弁のパイロット電磁弁を常時通電とし、圧力変換室を常時低圧状態にしておかなければならず、そのため消費電力が多くなる問題がある。一方、冷房運転時、四方弁を通電する方式は、圧縮機の吐出圧力と吸込圧力の圧力差が暖房運転時に比べ小さいため、切換え時の冷媒音が小さく、運転開始時パイロット電磁弁に通電し、圧力変換室を低圧の状態にして、スライドバルブを冷房運転状態とする。そして吸込圧力と吐出圧力の圧力差が確保されればパイロット電磁弁の通電を止めても、スライドバルブは冷房運転状態に保持されるため、通電する必要はない。
【0007】しかしながら、従来の技術においては、圧縮機の回転数がある回転数に達したとき四方弁のパイロット電磁弁の通電を止めることにより四方弁の制御を行っており、図4のグラフにおいて、点N以上の圧縮機の回転数で四方弁のパイロット電磁弁の通電を止めているので、室内温度,室外温度が低い運転条件によっては、吐出圧力と吸込圧力の圧力差が小さく、四方弁のスライドバルブが移動して、正常な冷凍サイクルで冷房運転ができなくなることについて配慮がされていなかった。
【0008】本発明の目的は、冷房運転時において、吐出圧力と吸込圧力との圧力差が小さいときでも、四方弁が誤動作しない正常な冷凍サイクルで冷房運転することができる空気調和機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、空気調和機の室外側熱交換器の冷媒の温度と室内側熱交換器の冷媒の温度を検出して、四方弁のパイロット電磁弁の通電を制御する、すなわち四方弁を制御する方式とすることにより、冷房運転時において圧縮機の吐出圧力と吸込圧力との圧力差が小さいときのみ、四方弁のパイロット電磁弁に通電し、圧力変換室を低圧の状態にして、スライドバルブを冷房運転状態に保持し、四方弁が誤動作しない正常な冷凍サイクルで冷房運転ができる空気調和機を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下、本発明の詳細を図3に示す一実施例で説明する。図3は本発明の空気調和機の冷凍サイクルを示す。
【0011】図3において、1,2は、本発明提案の室外熱交換器、および室内熱交換器の冷媒の温度検出センサーである。3は圧縮機で、4は四方弁である。5は室外側熱交換器、6は減圧装置、7は室内側熱交換器、8は四方弁のパイロット電磁弁を通電を制御する制御装置である。
【0012】本発明の冷凍サイクルにおいて、冷房運転のときは、圧縮機3から吐出された高温,高圧の冷媒ガスは、四方弁4に入る。四方弁4に入った冷媒ガスは、室外側熱交換器5で冷却,凝縮されて液冷媒となり、この液冷媒は、矢印の実線で示すが如く、減圧装置6を通り、室内側熱交換器7に入る。室内側熱交換器7に入った液冷媒は、蒸発して、ガス状態になり、四方弁4に入り、圧縮機3に戻る。
【0013】四方弁のパイロット電磁弁の通電を制御する制御装置8は、温度検出センサー1より検出された室外側熱交換器の冷媒の温度信号Tout と温度検出センサー2より検出された室内側熱交換器の冷媒の温度信号Tinを取り込み、その取り込まれた冷媒の温度信号Tout ,Tinからその温度にあった冷媒の吐出圧力の圧力信号Pout(=f(Tout)),吸込圧力の圧力信号Pin(=f(Tin))に換算し、吐出圧力と吸込圧力の圧力信号Pout ,Pinより吐出圧力と吸込圧力の圧力差P(=Pout −Pin)を算出する。Tout ,TinからPout ,Pinへの換算は、あらかじめ、実機により関係を調べておくことにより可能となる。図4は、吐出圧力と吸込圧力の圧力差と圧縮機の回転数の関係を示したグラフで、吐出圧力と吸込圧力の圧力差Pがある判定値C以下の場合、すなわちP≦C>0のときは四方弁のパイロット電磁弁を通電とする。また、その差が、ある判定値Cを超える場合、すなわちP>C≧0のときは四方弁のパイロット電磁弁を無通電状態とする。
【0014】通常の冷房運転状態では、吐出圧力と吸込圧力の圧力差が判定値C以上となるため、四方弁のパイロット電磁弁を無通電状態とすることができ、消費電力を節約できる。一方、圧縮機の吐出圧力および吸込圧力の圧力差が小さくなる状態、すなわち室内温度および室外温度が低い条件での冷房運転においては、判定値C未満を検知し、四方弁のパイロット電磁弁を通電することにより、圧力変換室が低圧となり、スライドバルブは冷房側に保持されるため、正常な冷凍サイクルの冷房運転をすることができる。
【0015】(その他の実施例)前記実施例において、室外側熱交換器および、室内側熱交換器の冷媒の温度検出センサーの代わりに圧縮機の吐出口と四方弁または、四方弁と室外側熱交換器を接続する配管と室内側熱交換器と四方弁または四方弁と圧縮機の吸込口を接続する配管の冷媒の温度検出センサーとし、その冷媒の温度を検出することでもよい。この場合も、あらかじめ、実機により冷媒の圧力と温度の関係を調べておくことにより可能となる。
【0016】温度検出センサー1より検出された圧縮機の吐出口と四方弁または、四方弁と室外側熱交換器を接続する配管の冷媒の温度信号Tout と温度検出センサー2より検出された室内側熱交換器と四方弁または四方弁と圧縮機の吸込口を接続する配管の冷媒の温度信号Tinを取り込み、その取り込まれた冷媒の温度信号Tout,Tinからその温度にあった冷媒の吐出圧力の圧力信号Pout(=f(Tout)),吸込圧力の圧力信号Pin(=f(Tin))に換算し、吐出圧力と吸込圧力の圧力信号Pout,Pinより吐出圧力と吸込圧力の圧力差P(=Pout−Pin)を算出し、その値がある判定値C以下の場合、すなわちP≦C>0のときは四方弁のパイロット電磁弁を通電とする。
【0017】また、その差が、ある判定値Cを超える場合、すなわちP>C≧0のとき四方弁のパイロット電磁弁は無通電状態とする。圧縮機の吐出圧力および吸込圧力の圧力差が小さくなる状態となる室内温度、および室外温度が低い条件での冷房運転は、四方弁のパイロット電磁弁を通電することにより、正常な冷凍サイクルの冷房運転をすることができる。
【0018】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、圧縮機の吐出圧力と吸込圧力の圧力差が小さくなる状態となる室内温度および室外温度が低い条件での冷房運転は、四方弁のパイロット電磁弁を通電することにより、四方弁の誤作動のない正常な冷凍サイクルの冷房運転をすることができる空気調和機を提供できるとともに、節電のできる空気調和機を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成10年8月5日(1998.8.5)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
【公開番号】 特開2000−55511(P2000−55511A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−221306