トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】滝澤 敬次

【要約】 【課題】冷凍装置の熱を外部に放熱することにより、冷凍能力に優れた冷凍装置を提供することを目的とする。

【解決手段】真空断熱容器11と、その中に設置された蓄冷器12及びパルス管13と、容器11の外部から蓄冷器12内の作動流体を圧縮膨張及び変位させて蓄冷器に蓄冷させる流体駆動手段と、細管14を介してパルス管13に連通するバッファタンク15と、を備え、パルス管13の高温端部およびその近傍の細管14の熱を真空断熱容器11の外部へ伝導して放熱する放熱ブロック(放熱部材24〜27)を有する。その放熱ブロックには放熱フィン24a,25aを有し、一部が真空断熱容器11の外部に露出するのが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】作動流体が充填された蓄冷器と、前記蓄冷器に連通するパルス管と、絞り通路を有する細管を介して前記パルス管に連通するバッファタンクと、少なくとも、前記蓄冷器およびパルス管が設置された真空断熱容器と、前記真空断熱容器の外部から前記蓄冷器内の作動流体を圧縮膨張および変位させて前記蓄冷器に蓄冷させる流体駆動手段と、を備え、前記真空断熱容器内で前記蓄冷器によって所定の被冷却物を冷却する冷凍装置であって、前記パルス管の高温端部の熱を前記真空断熱容器の外部へ伝導して放熱する放熱手段を有することを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】作動流体が充填された蓄冷器と、前記蓄冷器に連通するパルス管と、絞り通路を有する細管を介して前記パルス管に連通するバッファタンクと、少なくとも、前記蓄冷器およびパルス管が設置された真空断熱容器と、前記真空断熱容器の外部から前記蓄冷器内の作動流体を圧縮膨張および変位させて前記蓄冷器に蓄冷させる流体駆動手段と、を備え、前記真空断熱容器内で前記蓄冷器によって所定の被冷却物を冷却する冷凍装置であって、前記パルス管の高温端部近傍から前記細管の熱を前記真空断熱容器の外部へ伝導して放熱する放熱手段を有することを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】前記放熱手段には放熱用フィンを有し、前記放熱手段の一部が前記真空断熱容器の外部に露出するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空断熱容器内に蓄冷器とこれに熱移送可能なパルス管とを設け、その蓄冷器によって真空断熱容器内で被冷却物を冷却する冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、超伝導体の低損失特性を利用した高性能のフィルタ回路や増幅器等を移動体通信系の受信側で利用する研究がなされている。このような超伝導デバイスを用いる場合、例えば超伝導フィルタの超伝導状態を実現するために、真空断熱容器によって外部からの熱的影響を遮断しつつ所定の低温状態を長期にわたって維持する必要がある。
【0003】そこで、真空断熱容器内に設けた蓄冷器およびパルス管と、真空断熱容器外から前記蓄冷器内の作動流体に周期的な圧力変動を加える圧縮機と、を含むパルス管冷凍機を構成し、その真空断熱容器内で前記超伝導体の低損失特性を利用したフィルタ回路や増幅器等を被冷却物として、これを冷却するようにした冷凍装置が開発されている。
【0004】また、この種の好ましい装置として、例えば図3に示すように、真空断熱容器1の内部に、冷媒としての作動流体を充填した蓄冷器2とこれに連通するパルス管3と、を備えたものがある。この装置は、そのパルス管3に絞り通路を有する細管4を介してバッファタンク5を接続した構成を有しており、図外の圧縮機により蓄冷器2内の作動流体を膨張・圧縮および変位させ、真空断熱容器1の内部で、蓄冷器2の低温部2aによって被冷却物である複数の超伝導フィルタ6を冷却する。また、真空断熱容器1の内部には、超伝導フィルタ6への熱放射を遮る遮蔽板7が設けられている。この遮蔽板7は、パルス管3あるいは真空断熱容器1の周辺部に支持される。なお、蓄冷器2内を図外の圧縮機側端部まで移動した熱は、前記圧縮機のシリンダ又は図示しない放熱器より大気中に放熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の冷凍装置にあっては、蓄冷器2の低温部2aによって超伝導フィルタ6が冷却される一方、パルス管3の高温端(細管4側端部)の温度は330°K程度となり、パルス管3に連通する細管4からの発熱によって、冷凍能力を向上させることが難しかった。
【0006】本発明の目的は、このような問題点を改善し、冷凍装置からの発熱を外部へ放熱することにより、冷凍能力に優れた冷凍装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、作動流体が充填された蓄冷器と、前記蓄冷器に連通するパルス管と、絞り通路を有する細管を介して前記パルス管に連通するバッファタンクと、少なくとも、前記蓄冷器およびパルス管が設置された真空断熱容器と、前記真空断熱容器の外部から前記蓄冷器内の作動流体を圧縮膨張および変位させて前記蓄冷器に蓄冷させる流体駆動手段と、を備え、前記真空断熱容器内で前記蓄冷器によって所定の被冷却物を冷却する冷凍装置であって、前記パルス管の高温端部の熱を前記真空断熱容器の外部へ伝導して放熱する放熱手段を有することを特徴とするものである。したがって、パルス管の高温端の熱を真空断熱容器の外部へ放熱することができ、冷凍能力を向上させることが可能である。
【0008】また、前記目的を達成するため、本発明は、作動流体が充填された蓄冷器と、前記蓄冷器に連通するパルス管と、絞り通路を有する細管を介して前記パルス管に連通するバッファタンクと、少なくとも、前記蓄冷器およびパルス管が設置された真空断熱容器と、前記真空断熱容器の外部から前記蓄冷器内の作動流体を圧縮膨張および変位させて前記蓄冷器に蓄冷させる流体駆動手段と、を備え、前記真空断熱容器内で前記蓄冷器によって所定の被冷却物を冷却する冷凍装置であって、前記パルス管の高温端部近傍から前記細管の熱を前記真空断熱容器の外部へ伝導して放熱する放熱手段を有することを特徴とするものである。したがって、パルス管の高温端に連通する細管の熱を真空断熱容器の外部へ放熱することができ、冷凍能力を向上させることが可能である。
【0009】さらに、前記放熱手段には放熱用フィンを有し、前記放熱手段の一部が前記真空断熱容器の外部に露出するようにすると、冷凍装置からの発熱を効率的に外部へ放熱することができ、冷凍能力を向上させることが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る冷凍装置の一実施形態を示す図であり、本発明を超伝導フィルタシステムに適用したものである。同図において、11は真空チャンバを形成する真空断熱容器であり、真空断熱容器11の内部には、流体通路(詳細は図示していない)を有する蓄冷器12と、これに連結されたパルス管13と、が設けられている。蓄冷器12は、円筒状のケーシング内に例えばステンレス、銅又は銅合金等からなる多数枚のプレート状の蓄冷材を積層し、その蓄冷材にそれぞれ多数形成された孔によって多数(複数)本の流体通路を形成したものであるが、多数の粒状の蓄冷材を収納したものでもよい。蓄冷器12の流体通路とパルス管13の内部空間は、一つの作業空間を形成するように連通しており、この作業空間内に所定の作動流体(例えば不活性ガス、具体的にはヘリウム、アルゴン又は窒素等)が充填されている。蓄冷器12の前記流体通路は、真空断熱容器11の外部に設けた図示しない例えばピストン型の圧縮機(流体駆動手段)の圧縮室に連通しており、この圧縮機が蓄冷器12を介して前記作動流体を周期的に圧縮・膨張および変位させるようになっている。なお、ここで作動流体を圧縮・膨張させるとは、作業流体に周期的な圧力変化を加えて、その体積を周期的に変化させる(微小空間についてみれば、周期的に加わる圧力変化と同位相成分の流体変位が生じる)ことをいい、作動流体を変位させるとは、作業流体をパルス管13の軸方向に単に移動させる(作動流体の圧縮・膨張に関与しない、圧力変化と位相の異なる流体変位が生じる)ことをいう。
【0011】蓄冷器12は、作動流体の圧縮時には作動流体の熱を吸収し、作動流体を等温圧縮させるように機能し、一方、作動流体の膨張時には蓄積した熱を作動流体に与えて、作動流体を等温膨張させるように機能する。また、蓄冷器12はいわゆるコールドヘッドとしての低温部12aを有し、この低温部12aには、所定の被冷却物、例えば複数の超伝導フィルタ16がパルス管13の周りに周方向所定間隔に設置されている。なお、超伝導フィルタ16は、例えば移動体通信系の基地局においてアンテナで受けた微弱電波を受信するためにバンドパスフィルタとして使用される。勿論、低雑音増幅器を含むフィルタモジュールであってもよい。 パルス管13は、例えばステンレス、チタン等からなる薄肉の金属製パイプによって蓄冷器12側で開口する一端開口形状に形成されており、作動流体の周期的な圧縮・膨張および変位が生じるとき、蓄冷器12と協働して、その軸方向で蓄冷器12側に向かう熱移送を行うことができる。すなわち、圧縮過程における作動流体の変位がパルス管の高温端側に偏り、膨張過程における作動流体の変位がパルス管の低温端側に偏ることと、蓄冷器12が圧縮時には作動流体の熱を吸収して等温圧縮を進行させ、膨張時には熱を放出して等温膨張を進行させることとが相俟って、蓄冷器12側に向かう熱移送を行うことができるようになっている。また、パルス管13は内部に絞り通路を有する細管14を介してバッファタンク15に接続されており、これにより、パルス管13内の作動流体の圧縮過程においてはパルス管13の高温端側への流体変位を増加させ、膨張過程においてはパルス管13の低温端側への流体変位を増加させることにより、前記熱移送を促進するようになっている。
【0012】このパルス管13の高温端は、放熱部材25,26,27によって支持固定されている。すなわち、放熱部材27がパルス管13の高温端の周囲および上部を覆うように設けられており、熱はこの放熱部材27からワイヤ状の放熱部材26を介して放熱部材25へ伝導されて放熱フィン25a(放熱用フィン)により真空断熱容器11の外部に放熱されるようになっている。この放熱フィン25aを含む放熱部材25は、図2(a)に示すように真空チャンバを形成する真空断熱容器11の上蓋に取り付けられ、その一部が外部に露出している。これらの放熱部材25,26,27は、熱伝導率の高い材料(例えば、銅、銅合金)から構成されている。
【0013】一方、真空断熱容器11は、所定間隔を隔てて対向する一対の対向壁面部11a,11bと、これらの外周を取り囲む周壁部11cとを有しており、これら一対の対向壁面部11a,11bがバッファタンク15の両端に連結されている。これにより、バッファタンク15は真空断熱容器1内においてパルス管13の近傍で支柱状に延在しており、支柱状のバッファタンク15にはステー18を介して遮蔽板17が支持されている。遮蔽板17は、蓄冷器12の低温部12a上において、被冷却物である超伝導フィルタ16を取り囲んで外部からの放射(少なくとも熱放射として放出された電磁波)を遮るものであり、輻射熱の発生を抑えるとともに、フィルタ相互の干渉を防止する機能を有している。この遮蔽板17の形状は、例えば多角形又は円筒状の周壁とその上部に連結された天板とからなる。バッファタンク15には、また、パルス管13の高温端部側を支持するステー19が設けられている。
【0014】さらに、細管14は、パルス管13とバッファタンク15の間において、バッファタンク15の周壁に沿って設けられた放熱部14aを有している。この放熱部14aは、例えば螺旋状に形成されてバッファタンク15に接触し、あるいはこれと一体化されており、流体の絞りにより発生する熱を熱伝導によって熱容量の大きいバッファタンク15側に放熱するようになっている。
【0015】この細管14の前記高温端近傍には、放熱部材24bが設けられており、図2(b)に示すように2個の放熱部材24bによって細管14の一部を覆うようになっている。この放熱部材24bの一方は着脱自在に設置され、2個の放熱部材24bで細管14を挟むように装着する。そして、細管14の熱は、放熱フィン24a(放熱用フィン)によって真空断熱容器11の外部に放熱されるようになっている。この放熱フィン24aおよび放熱部材24bを含む放熱部材24は、図2(a)に示すように真空チャンバを形成する真空断熱容器11の上蓋に取り付けられ、その一部が外部に露出している。この放熱部材24は、熱伝導率の高い材料(例えば、銅、銅合金)から構成されており、前記放熱部材25,26,27と共に放熱ブロック(放熱手段)を構成している。
【0016】なお、21,22は超伝導フィルタ16に接続された同軸ケーブル等のインターフェース、23はそのインターフェースを外部に接続するためのコネクタである。上記構成を有する本実施形態の冷凍装置においては、パルス管13とバッファタンク15の間の細管14が、作動流体の絞によって生じる熱を、その放熱部15aにおいてバッファタンク15側に伝導することにより効率良く放熱するから、細官14からパルス管13への熱伝導による低温部への熱流入を抑えることができる。また、パルス管13の高温端およびその高温端近傍の細管14からの発熱を放熱ブロックによって前記真空チャンバ外部へ伝導して放熱することができる。その結果、冷凍装置の冷凍能力を格段に向上させることができる。
【0017】また、バッファタンク15が真空断熱容器11内に支柱として設けられた構造となっているので、真空断熱容器11の強度をバッファタンク15によって大幅に高めるとともに、バッファタンク15の壁部を被冷却物周辺の部品の支持に利用することができる。さらに、支柱状のバッファタンク15により、遮蔽板17やパルス管13の上端部をこれらの近傍で支持することができ、構成の簡素化を図ることができ、しかも、超伝導フィルタ16に接続されるインターフェース等の部品配置の自由度を高めることもできる。
【0018】なお、本実施形態おいては、複数の超伝導フィルタ16が縦長形状を有するものであり、遮蔽板17がこれら全体を取り囲む形状であったが、例えば図3に示すように個々の超伝導フィルタ16(被冷却物)が横幅の広いものである場合には、そのフィルタモジュールを個別に取り囲む形状を有していてもよいし、図4に示すように、1個の超伝導フィルタ16を取り囲む形状でもよく、任意の形状が採用できることはいうまでもない。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、パルス管の高温端部の熱を真空断熱容器の外部へ伝導して放熱する放熱手段を有するので、パルス管の高温端部の熱を真空断熱容器の外部へ放熱することができ、冷凍能力を向上させることが可能である。
【0020】また、請求項2記載の発明によれば、パルス管近傍で細管の熱を真空断熱容器の外部へ伝導して放熱する放熱手段を有するので、パルス管の高温端部に連通する細管の熱を真空断熱容器の外部へ放熱することができ、冷凍能力を向上させることが可能である。さらに、請求項3記載の発明によれば、前記放熱手段には放熱用フィンを有し、その一部が真空断熱容器の外部に露出するようにしたので、冷凍装置からの発熱を効率的に外部へ放熱することができ、冷凍能力を向上させることが可能である。
【出願人】 【識別番号】595000793
【氏名又は名称】株式会社移動体通信先端技術研究所
【出願日】 平成10年8月5日(1998.8.5)
【代理人】 【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
【公開番号】 特開2000−55491(P2000−55491A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−222104