| 【発明の名称】 |
冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松永 久嗣
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| 【要約】 |
【課題】安定した制御により着霜時の蒸発器風量と冷凍能力の低下を抑制できる冷凍装置を提供すること。
【解決手段】まず、送風機1の初期風量(冷媒蒸発器の無着霜時の風量)を冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる風量に設定する。その後、冷媒蒸発器5の吹出風速が低下した場合は、送風機1の送風レベル(モータ回転数)を予め設定されている最大風量レベルに到達するまで段階的に増加する。送風機1の送風レベルが最大風量レベルに到達した場合は、その送風レベル(最大風量レベル)を所定時間維持した後、更に冷媒蒸発器5の吹出風速が予め設定されている吹出風速まで低下した場合に除霜運転を実行する。これにより、クールダウン時間を短縮でき、且つ蒸発器風量と冷凍能力の低下を抑制できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内部を流れる低温冷媒との熱交換によって送風空気を冷却する冷媒蒸発器と、この冷媒蒸発器に送風する送風機と、この送風機の回転数を制御する制御手段とを備えた冷凍装置であって、前記制御手段は、前記冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる時の前記冷媒蒸発器への送風量を前記送風機の初期風量として設定し、前記冷媒蒸発器を通過して吹き出される吹出風量が前記初期風量と略等しくなるように前記送風機の回転数を制御することを特徴とする冷凍装置。 【請求項2】前記送風機より送風された空気が前記冷媒蒸発器を通過して吹き出される吹出空気の風速を検出する風速センサを備え、前記制御手段は、前記風速センサで検出される風速が、前記送風機の初期風量時の風速と略等しくなるように前記送風機の回転数を制御することを特徴とする請求項1に記載した冷凍装置。 【請求項3】前記制御手段は、前記送風機の回転数が予め設定されている最高回転数に到達した後、前記風速センサで検出される風速が予め設定した風速まで低下した場合に除霜運転を行うことを特徴とする請求項2に記載した冷凍装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、保冷庫等に用いられる冷凍装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来技術として、特開平5−39974号公報に開示された冷却装置がある。この冷却装置は、蒸発器出口管部と庫内の貯蔵品近傍との温度差の大きさに応じて蒸発器用送風機の回転数を制御することにより、着霜による蒸発器風量の低下、冷却能力の低下を抑制するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、車両の走行用エンジンで圧縮機を駆動する場合は、エンジン回転数の変動により圧縮機の回転数が変動し、蒸発器出口管部の温度も変動するため、蒸発器出口管部と庫内の貯蔵品近傍との温度差も変動して安定した制御ができないという問題が生じる。このため、冷凍(冷却)運転中の着霜による蒸発器風量の低下、冷却能力の低下を抑制することは困難である。 【0004】本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、安定した制御により着霜時の蒸発器風量と冷凍能力の低下を抑制できる冷凍装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)本発明では、冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる時の冷媒蒸発器への送風量を送風機の初期風量として設定し、冷媒蒸発器を通過して吹き出される吹出風量が初期風量と略等しくなるように送風機の回転数を制御する。この場合、従来技術のように蒸発器出口管部の温度に基づいて送風機の回転数を制御する必要がないので、エンジン回転数の変動に関わりなく、安定した制御を実行できる。なお、冷凍装置の実行冷凍能力は、冷凍装置の冷凍能力から送風機の消費電力を減算して求められる。 【0006】また、冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる時の冷媒蒸発器への送風量を送風機の初期風量として設定することにより、最も効率的に庫内をクールダウン(急速冷却)できるため、そのクールダウン時間を短縮できる。更に、冷媒蒸発器の着霜時には、冷媒蒸発器を通過して吹き出される吹出風量が送風機の初期風量と略等しくなるように、送風機の回転数を上げて冷媒蒸発器への送風量を増加することにより、蒸発器風量と冷凍能力の低下を抑制できる。 【0007】(請求項2の手段)冷媒蒸発器の着霜時には、冷媒蒸発器の吹出風速を風速センサで検出し、その風速センサで検出された風速が、送風機の初期風量時の風速と略等しくなるように送風機の回転数を制御する。これにより、着霜時においても冷媒蒸発器の吹出風量を送風機の初期風量と略等しくできる。 【0008】(請求項3の手段)送風機の回転数が予め設定されている最高回転数に到達した後、風速センサで検出される風速が予め設定した風速まで低下した場合に除霜運転を行う。この制御により除霜運転を効率的に行うことができる。なお、送風機の回転数が予め設定されている最高回転数に到達した後、その最高回転数を一定時間維持し、その後に除霜運転を行っても良い。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は冷凍装置の冷凍サイクル図である。本実施形態の冷凍装置は、例えば食料品等を貯蔵する保冷庫に適用されるもので、保冷庫内を冷却(または冷凍)するための冷却手段である冷凍サイクルSと、この冷凍サイクルSに使用する送風機1の作動を制御する制御手段(後述する)とを備える。 【0010】冷凍サイクルSは、冷媒圧縮機2、冷媒凝縮器3、膨張弁4、冷媒蒸発器5を有し、これらの機能部品を冷媒配管6により接続して構成される。また、冷凍サイクルSには、冷媒凝縮器3と膨張弁4とをバイパスして冷媒圧縮機2より吐出された高温冷媒を冷媒蒸発器5へ導くためのバイパス通路7と、このバイパス通路7を開閉する電磁弁8とが設けられている。 【0011】送風機1は、保冷庫内の空気を冷媒蒸発器5に送風して循環させるもので、ファン1Aとモータ1Bから成る。制御手段は、送風機1のモータ回転数を可変するモータ制御器9と、冷媒蒸発器5の吹出風速が低下した場合に、送風機1の風量アップを指示する制御信号をモータ制御器9へ出力する風速演算器10とから成る。この風速演算器10は、図示しないマイクロコンピュータを内蔵し、このマイクロコンピュータに送風機1の作動制御に必要な演算式や制御プログラム等がインプットされている。 【0012】なお、上記の「冷媒蒸発器5の吹出風速」とは、送風機1より送風された空気が冷媒蒸発器5を通過して吹き出される空気の風速であり、冷媒蒸発器5の空気下流側(吹出側)に配された風速センサ11によって検出される。 【0013】次に、本実施例の作動を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、送風機1の送風レベル(初期風量)を決定する(S10)。ここで、送風機1の初期風量(冷媒蒸発器5に着霜していない時の風量)について説明する。 【0014】冷凍装置は、冷媒蒸発器5への送風量を増加すると冷凍能力が増加する。しかし、ある程度まで増加すると、図3のグラフ■に示すように、風量の増加に対して冷凍能力の増加が頭打ち(微量)となる。一方、送風機1のモータ消費電力は、図3のグラフ■に示すように、風量の増加に対して2次曲線的に増加する。 【0015】これにより、冷凍装置の冷凍能力からモータ消費電力を減算して求められる実効冷凍能力(保冷庫からの排熱量)は、図3のグラフ■に示すように、風量の増加率よりモータ消費電力の増加率の方が小さいうちは増加するが、風量の増加率よりモータ消費電力の増加率の方が大きくなると減少する。 【0016】言い換えると、実効冷凍能力が最大(図3のA点)となる風量及びモータ消費電力が存在することになる。従って、冷媒蒸発器5が無着霜時の風量を実効冷凍能力が最大となる風量(モータ消費電力)に設定すれば、クールダウン時間を短縮でき、且つ省エネ効果を得ることができる。以上の理由から、送風機1の初期風量を冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる風量に設定する。 【0017】送風機1の初期風量が決定された後、風速センサ11のセンサ値を読み込む(S20)。続いて、読み込んだセンサ値により、冷媒蒸発器5の吹出風速が低下しているか否かを判定する(S30)。ここでは、風速センサ11のセンサ値と送風機1の初期風量時の風速とを比較して、センサ値の方が初期風量時の風速より所定値以上低下した場合に冷媒蒸発器5の吹出風速が低下していると判断する。 【0018】S30の判定結果がNOの場合、つまり冷媒蒸発器5の吹出風速が低下していない場合は、冷媒蒸発器5が着霜していないと判断できるため、再びS20へ戻る。S30の判定結果がYESの場合、つまり冷媒蒸発器5の吹出風速が低下している場合は、送風機1の送風レベル(モータ回転数)を1段階アップする(S40)。 【0019】続いて、送風機1の送風レベルが予め設定されている最大風量レベル(モータ1Bの最高回転数)に到達したか否かを判定する(S50)。この判定結果がNOの場合、つまり送風機1の送風レベルが最大風量レベルに達してない場合は再びS20へ戻る。S50の判定結果がYESの場合、つまり送風機1の送風レベルが最大風量レベルに達した場合は、その送風レベル(最大風量レベル)を所定時間維持する(S60)。 【0020】所定時間経過後、風速センサ11のセンサ値が予め設定されている吹出風速まで低下したか否かを判定する(S70)。この判定結果がYESの場合、つまりセンサ値が予め設定されている吹出風速まで低下した場合は、これ以上送風機1の送風レベルを上げることができないため、除霜運転を実行する(S80)。この除霜運転は、冷凍サイクルSのバイパス通路7に設けられている電磁弁8を開弁して行われる。除霜運転を実行した後、S10へ戻って再び送風機1の初期風量を設定する。 【0021】(本実施形態の効果)本実施形態では、冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる時の風量を送風機1の初期風量として設定し、冷媒蒸発器5の吹出風速と初期風量時の風速とを比較して冷媒蒸発器5の着霜を判断している。この場合、従来技術のように蒸発器出口管部の温度に基づいて送風機1の回転数を制御する必要がないので、エンジン回転数の変動に関わりなく、安定した制御を実行できる。 【0022】また、冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる時の風量を送風機1の初期風量として設定することにより、最も効率的に庫内をクールダウン(急速冷却)できるため、そのクールダウン時間を短縮でき、且つ省エネ効果を得ることができる。 【0023】更に、冷媒蒸発器5の着霜時には、冷媒蒸発器5の吹出風速が初期風量時の風速と略等しくなるように送風機1のモータ回転数を上げて冷媒蒸発器5への送風量を増加することにより、蒸発器風量と冷凍能力の低下を抑制できる。この点を図4を参照して説明する。風量Aから着霜した場合と、風量Aより大きい風量Bから着霜した場合とを比較すると、着霜により同一実効冷凍能力C及びDまで低下した時の冷凍能力は、風量Aより大きい風量Bから着霜した場合の方が着霜量が多くなるため、その分だけ冷凍能力が高いと言える。 【0024】これにより、本実施形態では、クールダウン時間を短縮するために冷凍装置の実効冷凍能力が最大となる時の風量Aを送風機1の初期風量として設定しているが、冷媒蒸発器5の着霜に応じて送風機1の風量レベルを上昇させているため、クールダウン時間を短縮できる効果に加えて、上記の説明から冷凍能力の低下を抑制できる効果も生じる。 【0025】(変形例)上記の実施形態では、冷媒蒸発器5の着霜により吹出風速が低下した場合に、送風機1の送風レベルを1段階ずつアップする制御例を示したが、吹出風速の低下度合いに応じて送風機1の風量レベルを上げても良い。送風機1のモータ回転数が予め設定されている最高回転数に到達した後、その状態を所定時間維持してから冷媒蒸発器5の吹出風速を判定しているが、所定時間維持するための処理(S60)を省略しても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年8月3日(1998.8.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080045 【弁理士】 【氏名又は名称】石黒 健二
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| 【公開番号】 |
特開2000−55486(P2000−55486A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−219244 |
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