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【発明の名称】 空気調和機
【発明者】 【氏名】清水 克浩

【氏名】安藤 正和

【要約】 【課題】低圧側圧力損失の低減に基づく暖房運転時の性能改善と除霜運転時の除霜性能の改善を図る。

【解決手段】暖房運転時に、圧縮機3から吐出された冷媒が四方弁1を介して室内熱交換器5、減圧器7、室外熱交換器9を通り、再び四方弁1を介して圧縮機3の吸込側3aに戻る暖房サイクルを構成し、前記減圧器7と室外熱交換器9とをつなぐ低圧側回路に、気液分流器11を設け、前記気液分流器11で分流した比体積の大きいガス冷媒をバイパス回路13によって圧縮機3の吸込側3aへ直接戻し、熱交換時の圧力損失を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 暖房運転時に、圧縮機から吐出された冷媒が四方弁を介して室内熱交換器、減圧器、室外熱交換器を通り、再び四方弁を介して圧縮機の吸込側に戻る暖房サイクルを構成する空気調和機において、前記減圧器と室外熱交換器とをつなぐ回路に、気液分流器を設け、前記気液分流器で分流したガス冷媒を前記圧縮機の吸込側へ戻すバイパス回路を設けたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】 バイパス回路に、開閉流量制御弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】 開閉流量制御弁は、暖房運転時に、バイパス回路に冷媒が流れるよう制御されることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】 開閉流量制御弁は、暖房運転時の圧縮機の回転数に応じてバイパス回路に冷媒が流れるよう制御されることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項5】 開閉流量制御弁は、除霜運転時に、バイパス回路に冷媒が流れるよう制御されることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項6】 開閉流量制御弁は、圧縮機内の保有畜熱量の検出温度に応じて制御されることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項7】 気液分流器は、Tジョイントタイプ又はYジョイントタイプとしたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項8】 開閉流量制御弁は、暖房運転時と除霜運転時に、バイパス回路に冷媒が流れるよう制御されることを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、暖房運転時の性能改善を図る目的として、低圧側の圧力損失低減を図る手段が知られている。圧力損失低減を図る手段は、室外熱交換器の入口側と減圧器とをつなぐ低圧側となる回路に、気液分流器を設置し、気液分流器で分流したガス冷媒を、サブ回路によって室外熱交換器の出口側と四方弁とをつなぐ回路へ戻すようにするもので、そのサブ回路には、逆止弁が設けられた構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サブ回路に設けられた逆止弁は、気液分流器から送り出されたガス冷媒が気液分流器側へ戻るのを阻止する手段となっている。
【0004】このために、気液分流器から送り出される比体積の大きいガス冷媒は逆止弁によって戻りが阻止される結果、その体積分の圧力損失の影響を四方弁で受けるようになる点、また、サブ回路には、暖房運転時以外に冷媒を循環させるメリットがない点、また、サブ回路は、冷媒循環流量等に影響される最適な流路抵抗の調整ができず、効率のよい能力改善が難しい点があった。
【0005】そこで、この発明は、前記問題点の解決を図った空気調和機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、この発明の請求項1にあっては、暖房運転時に、圧縮機から吐出された冷媒が四方弁を介して室内熱交換器、減圧器、室外熱交換器を通り、再び四方弁を介して圧縮機の吸込側に戻る暖房サイクルを構成する空気調和機において、前記減圧器と室外熱交換器とをつなぐ回路に、気液分流器を設け、前記気液分流器で分流したガス冷媒を圧縮機の吸込側へ戻すバイパス回路を設ける。
【0007】これにより、低圧側となる気液分流器から送り出される比体積の大きいガス冷媒を、圧縮機の吸込側へバイパス回路によって戻すことが可能となり、蒸発器側となる熱交換性能の向上と四方弁の圧力損失の影響を改善できる。
【0008】また、この発明の請求項2によれば、バイパス回路に、開閉流量制御弁を設ける。
【0009】これにより、冷媒循環流量等に影響される最適なバイパス回路の流路抵抗の調整が可能となり、効率のよい運転が行なえる。
【0010】また、この発明の請求項3よれば、開閉流量制御弁を、暖房運転時に、バイパス回路に冷媒が流れるよう制御する。
【0011】これにより、暖房運転時の最適なバイパス回路の流路抵抗制御が可能となり、効率のよい暖房が得られる。
【0012】また、この発明の請求項4によれば、開閉流量制御弁を、暖房運転時の圧縮機の回転数に応じてバイパス回路に冷媒が流れるよう制御する。
【0013】これにより、暖房運転時の冷媒循環量に応じて最適なガスインジェクションを行なうことができ、暖房性能の向上が図れる。
【0014】また、この発明の請求項5によれば、開閉流量制御弁を、除霜運転時に、バイパス回路に冷媒が流れるよう制御する。
【0015】これにより、除霜運転時に、開閉流量制御弁を開とすることで、室内熱交換器をバイパスする流路が形成され、室外熱交換器を通るサイクルのトータル冷媒循環量が増大し、除霜時間が短縮される。
【0016】また、この発明の請求項6によれば、開閉流量制御弁を、圧縮機内の保有畜熱量の検出温度に応じて制御する。
【0017】これにより、除霜運転時に、開閉流量制御弁を開け、冷媒流量を増大させることで、圧縮機内に保有する畜熱量を、除霜熱量として素早く活用することができ、短時間の除霜が可能となる。
【0018】また、この発明の請求項7によれば、気液分流器を、Tジョイントタイプ又はYジョイントタイプとする。
【0019】これにより、コスト性の面で大変好ましいものとなる。
【0020】また、この発明の請求項8によれば、開閉流量制御弁を、暖房運転時と除霜運転時に、バイパス回路に冷媒が流れるよう制御する。
【0021】これにより、暖房性能及び除霜性能を同時に改善し、暖房低外気温時の除霜を含めた暖房低温性能を大幅に向上させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図4の図面を参照しながらこの発明の実施形態について具体的に説明する。
【0023】図1は空気調和機の暖房運転モード時の回路を示しており、四方弁1を実線位置に切換えることで、圧縮機3から吐出された冷媒は、四方弁1,室内熱交換器5,減圧器7,室外熱交換器9,四方弁1を介して再び圧縮機3に戻る暖房サイクルを構成するようになっている。
【0024】減圧器7と室外熱交換器9とをつなぐ低圧側となる回路には気液分流器11が配置されている。気液分流器11は、気・液に分離する機能を有するタンクタイプとなっていて、分離されたガス冷媒は、バイパス回路13を介して圧縮機3の吸込側3aへ戻るようになっている。
【0025】なお、気液分流器11は、タンクタイプとなっているが、T型をしたTジョイントタイプあるいはY型をしたYジョイントタイプ(いずれも図示していない)とすることも可能である。これにより、コストの安い気液分流器が得られるようになる。
【0026】一方、バイパス回路13には、開と閉の2態様の二方弁15と流路抵抗を制御する流量調整弁17とから成る開閉流量制御弁19を有している。
【0027】なお、開閉流量制御弁19は、各運転モード条件に応じて開閉自在に制御可能となっている。
【0028】このように構成された空気調和機において、暖房運転時にあっては、図1に示す如く圧縮機3から吐出された冷媒は、四方弁1,室内熱交換器5,減圧器7,気液分流器11,室外熱交換器9,四方弁1,を介して再び圧縮機3に戻る暖房サイクルを構成し、室内熱交換器5において熱交換された温風は室内へ吹き出されるようになる。
【0029】この暖房運転時において、二方弁15及び流量調整弁17を開とすることで、熱交換時のマイナス要因となる気液分流器11で分流された比体積の大きいガス冷媒は、バイパス回路13を介して圧縮機3の吸込側3aへ直接戻るようになる。この結果、四方弁1での圧力損失の影響と、蒸発器側となる熱交換性能の改善ができるようになり暖房性能の向上が図れる。
【0030】また、暖房運転時の圧縮機3の回転周波数に応じて、二方弁15を開、流量調整弁17の開度を制御することで、圧縮回転周波数(冷媒循環量)に応じたバイパス回路13に流れる好適な流路抵抗の確保が可能となるため、最適なガスインジェクションを行なうことができる。この結果、暖房性能の向上が図れる。
【0031】この場合、図3に示す如く、流量調整弁17を、回転周波数Hzに比例して開度が大きく制御できる電子式膨張弁を用いてもよい。
【0032】次に、室外熱交換器9に着霜した霜を取除くには、除霜運転を行なう。即ち、圧縮機3から吐出された冷媒を、四方弁1により室外熱交換器9へ送り出す。その冷媒は室外熱交換器9から気液分流器11,減圧器7,室内熱交換器5,四方弁1を介して再び圧縮機3へ戻る除霜(冷凍)サイクルを構成し、圧縮機3から吐出された高温高圧の冷媒で室外熱交換器9の除霜を行なう。
【0033】この除霜運転時において、二方弁15及び流量調整弁17を開とすることで、室内熱交換器5をバイパスするバイパス回路13により、室外熱交換器9を通るサイクルのトータル冷媒循環量が増大し、除霜時間が短縮される。
【0034】また、流量調整弁17の開度を調整することで、室内熱交換器5を流れる冷媒循環量の制御が可能となり、除霜性能を低下させることなく、除霜中の室内冷媒音の抑制、室温の低下防止が可能となる。
【0035】一方、圧縮機3のケース温度が高い時には、流量調整弁17の開度を大きくすることで、ケース内の畜熱量を除霜熱量として素早く活用することができ、短時間での除霜が可能となる。
【0036】この場合、図4に示す如く、流量調整弁17を、圧縮機3のケース温度に比例して開度が大きく制御できる電子式膨張弁を用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の空気調和機によれば、バイパス回路により低圧側圧力損失となる比体積の大きいガス冷媒を圧縮機の吸込側に直接戻すことが可能となり、四方弁に作用する圧力損失の影響の改善及び低圧側圧力損失低減に基づく暖房運転時の性能改善と、除霜運転時の除霜性能の改善ができる。このため、暖房効率の向上が図れると共に、短時間で除霜が行なえるようになる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年8月12日(1998.8.12)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外3名)
【公開番号】 特開2000−55482(P2000−55482A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−228270