| 【発明の名称】 |
炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 寅秀
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| 【要約】 |
【課題】高温高圧の冷媒の圧力に耐え得る構造を持ち、熱交換効率が高いばかりでなく、製造時のチューブの組み付け性が良好な炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器のヘッダ4,5 間を複数のチューブ1d,1e,1fで並列に連結し、熱交換器の側面にフィン6 を取り付けるためのサイドサポート11にチューブ間を所定の間隔に保つ位置決め用ツメ12,13 を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒として炭酸ガスが使用される冷凍サイクル用のサーペンタイン型熱交換器であって、当該熱交換器のヘッダ間を並列に連結する複数のチューブと、前記複数のチューブのそれぞれに対して開口されている前記ヘッダの取り付け穴に前記複数のチューブを一括して挿入できるようにする位置決め部材とを有することを特徴とする炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス(CO2 )の冷凍サイクルに適した構造の熱交換器に係るものであり、特に、高温高圧の冷媒の圧力に耐え得る構造を持ち、熱交換効率が高いばかりでなく、製造時のチューブの組み付け性が良好な炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から自動車用空気調和装置が用いられているが、この自動車用空気調和装置は、冷媒(通常はフロンガス)によって熱交換するようになっているので、図5に示すような熱交換器が用いられる。 【0003】図5に示す熱交換器は、サーペンタイン型と称されるタイプのものである。この熱交換器には、ヘッダ4とヘッダ5とが設けられ、両ヘッダ4,5は、折り畳むように屈曲された内部に複数の冷媒穴7を有するチューブ1を介して接続されている。折り畳んだチューブ1の間には、熱交換効率を高めるべくフィン6が取り付けられる。なお、両ヘッダ4,5には、チューブ1の端部を嵌挿する取り付け穴2及び3が形成され、チューブ1は、この取り付け穴2,3に嵌挿されてロー付けされる。 【0004】冷凍サイクルを循環する冷媒は、ヘッダ4に流入し、チューブ1に開口された冷媒穴7を介してヘッダ5に流出し、冷凍サイクルに戻される。冷媒がチューブ1を通る間に熱交換されるが、この熱交換の効率は、図示矢印方向から図示されていないファンによって送られる空気と放熱面積を広げるフィン6によって高められる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、フロンガスの自然環境に与える影響が問題となり、産業界ではフロンガスに代わる冷媒を用いた冷凍サイクルの開発が急務となっている。自動車用空気調和装置に用いられる冷凍サイクルでは、炭酸ガス(CO2 )を用いたものが注目されているが、炭酸ガスは、不燃性で毒性が少ないという長所を有するものの、圧力が非常に高く、例えば30℃で低圧側で35Kg/Cm2 程度、高圧側で80〜110Kg/Cm2 程度であり、システム停止時の配管内圧力は100Kg/Cm2 にも達する。この圧力は、従来のフロンガスに比較して、実に5〜7倍という高圧である。 【0006】炭酸ガスはこのように高圧にしなければならないので、耐圧の面から従来のフロンガス用の熱交換器をそのまま用いるわけにはいかない。たとえば、図5に示したような従来の熱交換器を用いた場合、ヘッダ4には、図6に示すようなチューブ1の取り付け孔2が大きく開口されているが、このような取り付け穴2が開口されていると、たとえチューブ1にしっかりロー付けされていたとしても、現在の大きさのままで高圧に耐え得るようにようにすることは非常に難しい。また、チューブ1に設けられている冷媒穴7もその開口面積が大きいので、穴の周囲に高圧がかかることになり、肉厚を厚くするなどの対策を採らずに現在の大きさのままで高圧に耐え得るようにようにすることは非常に難しい。 【0007】このような事情から、冷媒として炭酸ガスを用いた冷凍サイクルの場合には、フロンガス用の熱交換器とは異なる新たな概念に基づく炭酸ガス用の熱交換器を制作することが要求される。 【0008】炭酸ガス用の熱交換器は、当然のことながら高耐圧構造でなければならず、また、熱交換効率も従来品と同程度のものでなければならない。このような要求を考慮すると、高耐圧とするにはサーペンタイン型が適している。しかしながら、熱変換効率は20%〜30%程度低下する筈であるので、この点をカバーする工夫をする必要がある。 【0009】本発明は、以上のような要請に応えるべくなされたものであり、高温高圧の冷媒の圧力に耐え得る構造を持つのはもちろんのこと、熱変換効率が高いばかりでなく、製造時のチューブの組み付け性が良好な炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器の提供を目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明は次のように構成される。 【0011】請求項1に記載の発明は、冷媒として炭酸ガスが使用される冷凍サイクル用のサーペンタイン型熱交換器であって、当該熱交換器のヘッダ間を並列に連結する複数のチューブと、前記複数のチューブのそれぞれに対して開口されている前記ヘッダの取り付け穴に前記複数のチューブを一括して挿入できるようにする位置決め部材とを有することを特徴とする炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器である。 【0012】 【発明の実施の形態】次に、本発明の概略について説明する。冷媒に炭酸ガスを使用した場合には、上記のように必然的に高耐圧構造を余儀なくされるが、本発明では、■チューブの耐圧向上、■ヘッダ部の耐圧向上、■放熱効率向上■組み付け性の向上という4つの工夫によって、現状の大きさを維持しながらの熱交換器の高耐圧化と熱交換効率の低下防止さらには、製造の容易化を図っている。 【0013】具体的には、■チューブの耐圧向上に対しては、チューブの厚さを従来品より薄くして、チューブの穴径を従来に比較して1/4程度に小径化している。板厚を厚くすることで耐圧を向上させることも可能であるが、板厚を厚くすると熱伝達効率が悪化してしまうためである。 【0014】■ヘッダ部の耐圧向上に対しては、従来1列であったチューブを複数列のチューブまたは複数本のチューブとし、ヘッダに開口すべき取り付け穴の開口面積を小さくし、冷媒流路1列、換言すれば、取り付け穴1つ当たりにかかる圧力を低減させている。実際には、取り付け穴の開口幅を1/4程度にし、開口奥行を1/2程度にしている。つまり、チューブ1本当たりの開口面積を1/8程度に低減している。 【0015】■放熱効率向上に対しては、チューブの厚さを従来品の約半分と薄くすることによってチューブの曲げRを小さくし、単位体積当たりの折り曲げ回数を多くしてチューブの伝熱面積を増加させている。また、折り曲げ回数が多くなる結果、チューブ間の隙間の間隔が狭くなるから、従来品よりも高さの低いフィンを用いている。これによって、炭酸ガスを冷媒として用いた場合の熱変換効率の低下分をカバーしている。なお、チューブを複数に分割したことによっても、チューブ自体の表面積が多くなる分、放熱効率が向上することになる。また、チューブの端面には、飛水防止用の溝が形成してあるが、この溝によっても放熱面積が増加するので、これによっても放熱効率が向上することになる。 【0016】■チューブに冷媒流路を複数列設けたことによって、ヘッダにチューブを一括して取り付けることが難しくなるが、この取り付けを容易にする工夫をする(たとえば位置決め部材をチューブに設ける)ことで解決している。 【0017】以下に、本発明の1実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る炭酸ガス冷凍サイクル用熱交換器の概略構成を示している。 【0018】この熱交換器は、図示されているように風上方向から風下側に向けて並列に3分割された冷媒流路を有するチューブ1がヘッダ4とヘッダ5にロー付けによって取り付けられている。両ヘッダ4,5には、図2に示すように、このチューブ1に3分割された冷媒流路1a,1b,1cの断面形状と合致する取り付け穴4a〜4cが開口され、各冷媒流路1a〜1cはこれらの取り付け穴4a〜4cに嵌合され、チューブ1がロー付けされる。 【0019】この取り付け孔4a〜4cの大きさは、図6に示した従来の取り付け穴が100×5であるのに対して、27.5×2.8という小さなものである。このため、これらの各取り付け穴にかかる圧力は従来の取り付け穴にかかる圧力の約1/10程度に低減されるので、フロンガスの5〜7倍程度の圧力がかかる炭酸ガスの場合でも、取り付け穴当たりにかかる圧力は、従来品と同程度の圧力とすることができる。したがって、従来と同様のロー付けをしても、十分高圧に耐えることができることになる。 【0020】この取り付け孔に取り付けられるチューブ1は、図3のような構造にしてある。つまり、冷媒流路1a,1b,1cが分離して形成され、各冷媒流路1a,1b,1cがそれぞれに対して設けられた取り付け穴4a,4b,4cに一括して挿入できるように、ヘッダ4,5に差し込む差し込みしろ分Tだけ高さを低くして位置決め部材として機能する溝10を形成してある。 【0021】この取り付け穴に取り付けられる冷媒流路1a〜1cには、冷媒である高圧の炭酸ガスを流入する小さな冷媒穴7が図に示すように長手方向に開口されている。図5に示した従来のチューブの大きさは、取り付け穴2の大きさと同じ、つまり、100×5であり、冷媒穴7の数は24であるのに対して、図に示す一列の冷媒流路1aの大きさは、27.5×2.8であり、冷媒穴の数は18である。しかし、ヘッダ1つ当たりの冷媒穴の数は、従来品が24であるのに対して、本発明品は3列で18×3=54である。つまり小さな穴をたくさん設けているのである。このようにすれば、ある程度の冷媒の流量を確保しながら、耐圧性を向上(1つの穴当たりの圧力が小さくなるから)させることができるようになるからである。 【0022】このチューブは、非常に肉薄にしてあるので、曲げRを小さくすることができ、図1に示すようなU字型に折り畳む回数を従来品よりも多くしてあるばかりではなく、チューブの間に位置させるフィンの量も多くしてある。このため、放熱効率が向上されている。 【0023】また、この冷媒流路1a〜1cの間に設けた溝10は、位置決めの役目を果たすばかりでなく、凝縮水が送風される空気によって飛ばされてしまわないようにする保水用の溝としても機能する。熱交換器を通過する空気は冷媒流路1a〜1cとフィン6によって冷却されるが、このときに、空気中の水分が凝縮されて冷媒流路1a〜1cやフィン6の表面に付着し、これが水滴となって落下する際に飛ばされる。溝10はこの飛水を防止する。 【0024】チューブ1は、複数列の冷媒流路1a〜1cと飛水防止用の溝10を一体的に形成するのが作業性等の面から好ましい。一体形成すれば、チューブとしての剛性が増すし、ロー付けがチューブの全周に渡って行なわれるので、ロー付けの強度も増すことになる。 【0025】なお、飛水を防止する溝の形状としては、後述する図4に示すように、チューブ1の側面に設けることも可能であるし、さらに、チューブの側面に形成するだけでなく、その側面近傍の前後面側にも側面の溝を挟むようにして設けても良い。このようにすれば、凝縮水の保水の効果、つまり飛水防止の効果はさらに向上する。 【0026】つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記した第1の実施の形態は、実質的には1本のチューブに複数列の冷媒流路を設けてあるものを説明したが、この実施の形態で説明するものは、ヘッダ4,5に3本のチューブを並列に接続するタイプのものである。このように、完全に3本のチューブ1d,1e,1fに分割した場合には、チューブをヘッダに取り付けることは大変な作業になってしまう。 【0027】従来から、放熱効率を向上させるためにチューブの間だけでなくその側面にもフィン6を設けている。つまり、図4に示すようにサイドサポート11を熱交換器の側面に取り付け、そのサイドサポート11の内部にフィン6を配置している。本発明では、このサイドサポート11にチューブ1d〜1fの位置決め用のツメ12,13を設け、このツメ12,13をチューブ1d〜1fで挟むようにしてサイドサポート11を支持しながら、ヘッダ4の取り付け孔に各チューブを一括して挿入できるようにしてある。つまり、サイドサポート11に形成した位置決め用のツメが位置決め部材として機能するのである。 【0028】このような構成にしておけば、各チューブをヘッダに取り付ける際の組み付け性が著しく向上する。また、この実施の形態に示した各チューブ1d〜1fの側面には、飛水防止用の溝10a,10b,…が設けてある。このように溝を設けておけば、凝縮水がこの溝に保たれるようになるから、水飛びを防止することができるようになる。 【0029】 【発明の効果】以上のように構成された本発明の熱交換器によれば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明では、ヘッダの取り付け穴に複数のチューブを一括して挿入できるようにする位置決め部材を設けたので、チューブをヘッダに挿入する作業の作業性が著しく向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004765 【氏名又は名称】カルソニック株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月28日(1998.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072349 【弁理士】 【氏名又は名称】八田 幹雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46441(P2000−46441A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−212832 |
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