| 【発明の名称】 |
空気調和機の風向調整装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田近 清
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| 【要約】 |
【課題】空気調和機から室内に吹き出される調温空気の吹出方向を調整する偏向板に起因する送風騒音を低減する。偏向板の湾曲に起因して発生する揚力を軽減する。偏向板の回動角度に関係なく安定な騒音防止効果を得る。
【解決手段】室内ユニット10の吹出口15に設けられて上下方向で吹出方向を調整するフラップ20の風上側の端部を他の部分より厚肉とする。この厚肉端部20aの端面を略半円状に湾曲させる。厚肉端部20aを、その厚みを徐々に減じて他の部分に滑らかに連続させる。フラップ20の風上側に設けられて左右方向で吹出方向を調整する各ルーバ30の風上側の端部を他の部分より厚肉とする。この厚肉端部30aの端面を略半円状に湾曲させる。厚肉端部30aを、その厚みを徐々に減じて他の部分に滑らかに連続させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調温空気を室内へ吹き出す吹出口に設けられた回動式の偏向板を具備しており、当該偏向板の回動角度の変更より、調温空気の吹出方向を調整する空気調和機の風向調整装置において、前記偏向板の風上側の端部が他の部分より厚肉であり、且つ、この厚肉端部の端面が略半円形状に湾曲していることを特徴とする空気調和機の風向調整装置。 【請求項2】 前記偏向板の厚肉端部は、風下側へ向けて厚みを徐々に減じて他の部分に滑らかに連続することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の風向調整装置。 【請求項3】 前記他の部分は、少なくとも偏向板の風下側の端部が、風下側へ向けて厚みを徐々に減じるテーパ形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機の風向調整装置。 【請求項4】 前記偏向板は、左右方向で吹出方向を調整するルーバであり、風上側から風下側へ向けて直線状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の空気調和機の風向調整装置。 【請求項5】 前記偏向板は、上下方向で吹出方向を調整するフラップであり、当該空気調和機の湾曲した前面パネルに合わせて全体的に湾曲していることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の空気調和機の風向調整装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、調温空気を室内へ吹き出す吹出口に設けられた回動式の偏向板により、調温空気の吹出方向を調整する空気調和機の風向調整装置に関する。 【0002】 【従来の技術】セパレート型空気調和機の室内ユニットでは、前面グリルの最下部にほぼ全幅にわたって吹出口が設けられている。吹出口から室内に吹き出される調温空気は、吹出口に設けられた2種類の偏向板により、吹出方向が調整される。第1の偏向板は、吹出口の出口部分に全幅にわたって設けられた横向きのフラップであり、横軸回りに回動することにより、吹出方向を上下方向で調整する。第2の偏向板は、フラップの奥側に幅方向に所定間隔で配列された複数の縦向きルーバであり、それぞれが縦軸回りに連動して回動することにより、吹出方向を左右方向で調整する。 【0003】フラップ及びルーバは、吹出空気の気流中に位置することから、風切音を生じやすく、送風騒音の原因になる。このため、従来からフラップやルーバに起因する送風騒音の低減を図る工夫が種々講じられている。例えば横向きのフラップについては、その断面を凸の反りの大きい翼型形状にすることが特開平3−158647号公報に記載されている。ルーバについては、各ルーバに湾曲部を設け、隣接するルーバ間を調温空気が通過するとき、その送風騒音が隣接するルーバの湾曲部同士間で反射を繰り返して減衰するようにした技術が特開平8−159546号公報に記載されている。また、フラップやルーバではないが、室外ユニットの前面グリルの各桟材の断面を翼型形状とすることは特開平5−93531号公報に記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】翼型形状とは、風上側の端部から中間部にかけて徐々に厚みが増し、中間部から風下側の端部にかけて徐々に厚みが減少する断面形状であり、空気抵抗が本質的に少なく、風切り音も小さく抑制できる。 【0005】しかし、吹出方向を上下方向で調整する横向きのフラップの場合、吹出口の開閉蓋を兼ねるために、室内ユニットの湾曲した前面パネルに合わせて全体的に湾曲するのが通例である。このため、フラップに翼型形状を適用すると、前述した通り、反りの大きい翼型形状になり、この反りに伴って大きな揚力が発生する。その結果、フラップの支持部等に加わる外力が増大し、支持部の強化等が必要になる。 【0006】一方、湾曲部を設けて隣接する湾曲部間で送風騒音を減衰させる技術は、吹出口の横幅方向に多数枚が並列配置されるルーバには適用可能であるが、単独或いは高々2枚並列で配置されるフラップには適用不可能である。加えて、ルーバの場合にあっても、回動角度によって減衰効果が変化することが予想されるため、効果の安定性に問題がある。 【0007】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたものであり、フラップ及びルーバのいずれに対しても送風騒音を安定的に低減でき、大きな反りのあるフラップの場合も揚力の発生を効果的に抑制できる空気調和機の風向調整装置を提供することを目的とする。 【0008】上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る空気調和機の風向調整装置は、調温空気を室内へ吹き出す吹出口に設けられた回動式の偏向板を具備しており、当該偏向板の回動角度の変更より、調温空気の吹出方向を調整する空気調和機の風向調整装置において、前記偏向板の風上側の端部が他の部分より厚肉であり、且つ、この厚肉端部の端面が略半円形状に湾曲した構成を採用する。 【0009】この構成によると、偏向板に衝突し偏向板の両面に沿って流れる調温空気が整流され、カルマン渦の発生が抑制されることにより、風切り音の発生が抑制される。偏向板の断面が翼型形状でないので、反りの大きいフラップの場合も揚力の発生が抑制される。また、偏向板による送風抵抗を軽減して送風騒音を抑制し、衝突の繰り返しによる減衰によらないので、偏向板の回動角度が変更されても、騒音防止効果は不変である。 【0010】本発明の請求項2に係る空気調和機の風向調整装置では、偏向板の厚肉端部は、風下側へ向けて厚みを徐々に減じて他の部分に滑らかに連続する構成とした。この構成によると、偏向板による送風抵抗が一層軽減される。 【0011】本発明の請求項3に係る空気調和機の風向調整装置では、偏向板の他の部分は、少なくとも偏向板の風下側の端部が、風下側へ向けて厚みを徐々に減じるテーパ形状である構成とした。この構成によると、偏向板による送風抵抗が一層軽減される。 【0012】本発明の請求項4に係る空気調和機の風向調整装置では、偏向板は、左右方向で吹出方向を偏向するルーバであり、風上側から風下側へ向けて直線状に形成された構成とした。この構成によると、ルーバによる風切り音が軽減される。 【0013】本発明の請求項5に係る空気調和機の風向調整装置では、偏向板は、上下方向で吹出方向を偏向するフラップであり、当該空気調和機の湾曲した前面パネルに合わせて全体的に湾曲した構成とした。この構成によると、フラップによる風切り音が軽減される。また、湾曲しているにもかかわらず、揚力の発生が抑制される。 【0014】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係る空気調和機の風向調整装置の構造を示す室内ユニットの吹出口付近の側面図、図2は図1のA−A線矢示図、図3(a)(b)はルーバの2面図、図4は偏向板周辺における気流状態のイメージ図である。 【0015】本発明の実施形態に係る空気調和機の風向調整装置は、図1に示すように、セパレート型空気調和機の室内ユニット10に設けられている。室内ユニット10は本体ケーシング11と、その前面側にねじ止めされた前面パネル12とを備えている。前面パネル12の下縁部を除く部分は吸込口13であり、ここには吸込グリル14が設けられている。前面パネル12の下縁部は下方に向かって後方へ湾曲しており、ここには前面パネル12のほぼ全幅にわたって吹出口15が形成されている。 【0016】前面パネル12の後方には熱交換器16が設けられており、その更に後方には吸込ファン17が設けられている。吸込ファン17により吸込口13から本体ケーシング11内に吸い込まれた室内空気は熱交換器16を通過して調温空気となる。この調温空気は本体ケーシング11内の下部に形成された通風路19を通って吹出口15から室内へ吹き出される。18は熱交換器16の下方に設けられたドレンパンで、通風路19の上壁を兼ねている。通風路19の下壁は本体ケーシング11の一部により形成されている。 【0017】室内ユニット10に設けられた風向調整装置は、通風路19に偏向板として設けられた回動式のフラップ20及びルーバ30を備えている。 【0018】回動式のフラップ20は、通風路19の吹出口15近傍に、吹出口15のほぼ全幅にわたって設けられた横長の偏向板である。フラップ20の両側部上面には支持部21が設けられている。支持部21は本体ケーシング11側の支持部22に水平軸23により回動自在に連結されている。これによりフラップ20は横軸回りに回動自在に支持され、図示されない駆動機構によって回動角度が調節されることで、室内への調温空気の吹出方向を上下方向で調節する。そして当該室内ユニットの運転停止時には、フラップ20は吹出口15を閉止する位置に固定される。 【0019】このフラップ20は、吹出口15を閉止する状態で前面パネル12の下縁部のカーブに沿うよう、全体が下方(反支持部側)へ凸の方向に湾曲している。フラップ20の風上側の端部20aは、他の部分より肉厚が大きい厚肉部になっている。この厚肉端部20aの端面はほぼ半円形状に湾曲している。厚肉端部20aの風下側は、厚みを徐々に減じてほぼ等厚の中間部20bに連続している。等厚中間部20bの風下側は、風下側へ向かって厚みを徐々に減じるテーパ端部20cになっている。テーパ端部21cの端面には若干丸みが付与されている。 【0020】フラップ20の風上側に位置して通風路19に設けられたルーバ30は、図3に示すように、吹出口15の幅方向に等間隔で複数配置された縦向きの偏向板である。各ルーバ30は、図2に示すように、薄板からなる本体部31の下方に支持部32を有する。支持部32は円筒形状に組み合わされた複数のスナップフィット式の爪部であり、これが、通風路19の下壁を形成する本体ケーシング11の一部に設けられた丸孔に嵌合することにより、本体部31は縦軸回りに回動自在に支持される。 【0021】本体部31の下部には、連結用のピン部33が風上側の端部に位置して設けられている。その下部の風下側の端部には、風下側(吹出口15の側)に突出する操作部34が設けられている。ピン部33は、複数のルーバ30,30・・に跨がって設けられた横長の連結部材35の凹部36に嵌合している。特定のルーバ30を回動操作すると、複数のルーバ30,30・・は連動して縦軸回りに回動し、主に本体部31の上半部によって調温空気の吹出方向を左右方向で調節する。 【0022】吹出方向の調整に寄与する本体部31の上半部は、図3(a)に示すように、風上側の端部30aが他の部分より肉厚が大きい厚肉部とされている。この厚肉端部30aの端面はほぼ半円形状に湾曲している。厚肉端部30aの風下側は、厚みを徐々に減じてテーパ部30bに連続している。テーパ部30bは、風下側へ向かって徐々に薄肉となり、テーパ部30bの先端面、即ち上記上部の風下側の端面には若干丸みが付与されている。 【0023】次に、本発明の実施形態に係る空気調和機の風向調整装置の機能について説明する。 【0024】室内ユニット10の通風路19に送給された調温空気は、通風路19に偏向板として設けられた複数のルーバ30,30・・及びフラップ20を順に通過して吹出口15から室内に吹き出される。ルーバ30,30・・の縦軸回りの回動角度調整により、室内への調温空気の吹出方向が左右方向で調節され、フラップ21の横軸回りの回動角度調整により、室内への調温空気の吹出方向が上下方向で調節される。 【0025】ここで、各ルーバ30の断面形状及びフラップ21の断面形状は以下のように設定されている。吹出方向の調整に寄与する各ルーバ30の本体部31の上半部では、風上側の端部30aが他の部分より肉厚が大きい厚肉部とされ、この厚肉端部30aの端面がほぼ半円形状に湾曲すると共に、厚肉端部30aの風下側が、厚みを徐々に減じてテーパ部30bに連続する。フラップ20では、風上側の端部20aが他の部分より肉厚が大きい厚肉部とされ、この厚肉端部20aの端面がほぼ半円形状に湾曲すると共に、厚肉端部20aの風下側が、厚みを徐々に減じてほぼ等厚の中間部20bに連続し、更に等厚中間部20bが風下側のテーパ端部20cに連続する。 【0026】各ルーバ30及びフラップ20がこのような断面形状をもつと、それぞれの風上側の端部近傍では、図4の一点鎖線で囲う部分に示す通り、各ルーバ30及びフラップ20に衝突する調温空気は、厚肉端部の端面で整流されて両面側に分かれる。そして、両面側では各面に沿ってスムーズに風下側へ流れる。このため、衝突に伴うカルマン渦の発生が防止され、風切り音の発生が抑制される。 【0027】加えて、フラップ20は、吹出口15を閉止する状態で前面パネル12の下縁部のカーブに沿うよう、下方(反支持部側)へ凸の方向に湾曲するが、その断面形状は翼型形状とは異なるので、湾曲に伴う揚力の発生が抑制される。このため、フラップ20の支持機構に付加される外力が、翼型断面形状の場合と較べて軽減され、その支持機構の構造簡略化が図られる。 【0028】また、各ルーバ30は、風切り音そのものを抑制するので、回動角度が変化しても安定な騒音防止効果を発揮する。 【0029】なお、上記実施形態では、各ルーバ30及びフラップ20の両方に本発明に係る先端厚肉の断面形状を採用したが、いずれか一方にのみ採用することもできる。各ルーバ30では、薄板からなる本体部31の上半部に本発明に係る先端厚肉の断面形状を採用したが、これに限るものではなく、要は吹出方向の調整に寄与する部分に採用すればよく、本体部31の形状によってはそのほぼ全体に本発明に係る先端厚肉の断面形状を採用することもできる。 【0030】 【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の請求項1に係る空気調和機の風向調整装置は、偏向板の風上側の端部を他の部分より厚肉とし、且つ、この厚肉端部の端面を略半円形状に湾曲させたことにより、風切り音の発生を抑制する効果がある。また、偏向板の回動角度が変更されても、安定した騒音防止効果を発揮する。 【0031】本発明の請求項2に係る空気調和機の風向調整装置は、偏向板の厚肉端部を、風下側へ向けて厚みを徐々に減じて他の部分に滑らかに連続させたことにより、風切り音をを一層軽減する。 【0032】本発明の請求項3に係る空気調和機の風向調整装置は、少なくとも偏向板の風下側の端部を、風下側へ向けて厚みを徐々に減じるテーパ形状としたことにより、風切り音を一層軽減する。 【0033】本発明の請求項4に係る空気調和機の風向調整装置は、ルーバによる風切り音を軽減する。 【0034】本発明の請求項5に係る空気調和機の風向調整装置は、フラップによる風切り音を軽減し、しかも、フラップの湾曲に伴う揚力の発生を抑制して、フラップ支持機構の簡略化等を可能にする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000201113 【氏名又は名称】船井電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月25日(1998.12.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−193301(P2000−193301A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−369119 |
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