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【発明の名称】 空調用蓄熱システム及びその運転方法
【発明者】 【氏名】塩出 勝

【要約】 【課題】空調用蓄熱システム及びその運転方法における熱源機器の運転の頻度を高めることができ、空調の熱負荷の大量から小量までの全域に亘つてシステム全体を効率良く運転できること。

【解決手段】熱源機器11及び蓄熱装置12に蓄熱用ポンプ13で熱媒体を循環させる熱製造経路14と、空調用熱交換器16から流出する熱媒体が熱製造経路18を通過して空調用熱交換器16に戻るように熱取出用ポンプ15で熱媒体を循環させる主熱取出経路18とを備え、中量熱供給運転のときには、蓄熱運転の状態で熱製造経路14を循環する熱媒体に空調用熱交換器16から流出する熱媒体を混入して熱源機器11を通過させ、この通過した熱媒体の一部を空調用熱交換器16へ戻すようにしたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】蓄熱のみ運転のときには、熱源機器が生成した熱を蓄熱装置にのみ供給して蓄熱し、大量熱供給運転のときには、熱源機器が生成した熱と蓄熱装置が放出した熱とを空調用熱交換器へ供給し、熱取出のみの運転のときには、蓄熱装置が放出した熱のみを空調用熱交換器に供給する空調用蓄熱システムの運転方法において、中量熱供給運転のときには、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給して蓄熱すると共に前記空調用熱交換器に供給することを特徴とする空調用蓄熱システムの運転方法。
【請求項2】小量熱供給運転のときには、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給して蓄熱した後に、残りを前記空調用熱交換器に供給する請求項1記載の空調用蓄熱システムの運転方法。
【請求項3】追かけのみ運転のときには、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給することなく前記空調用熱交換器に供給する請求項1又は2記載の空調用蓄熱システムの運転方法。
【請求項4】前記熱取出のみの運転を除く他の前記運転は、前記熱源機器を全負荷運転状態とし、前記熱取出のみの運転を除く他の前記運転の間で運転切替えを行うときには、前記熱源機器の連続運転状態を維持させる請求項1、2又は3記載の空調用蓄熱システムの運転方法。
【請求項5】循環経路に蓄熱用ポンプと熱源機器と蓄熱装置とを順に配置した蓄熱経路と、別の循環経路の一部分を蓄熱経路で形成すると共に該別の循環経路の他の部分に上流側の主熱取出用ポンプ及び下流側の空調用熱交換器を配置した熱取出経路とを備えた空調用蓄熱システムにおいて、前記蓄熱装置と前記熱源機器の流入側との接続部に前記空調用熱交換器の一次側の流出側を接続し、前記熱源機器の流出側と前記蓄熱装置との接続部に前記主熱取出用ポンプの吸引側を接続し、前記主熱取出用ポンプは前記蓄熱用ポンプの吐出量より少ない吐出量から前記蓄熱用ポンプの吐出量より多い吐出量まで可変できるものとしたことを特徴とする空調用蓄熱システム。
【請求項6】前記蓄熱装置と前記蓄熱用ポンプの吸引側との接続部に、前記空調用熱交換器の一次側の流出側を接合すると共に、この接合する箇所と前記蓄熱装置との間から分岐し、吐出量が前記主熱取出用ポンプの吐出量よりも小量の副熱取出用ポンプを介して前記空調用熱交換器の流入側に接合する副熱取出経路を形成した請求項5記載の空調用蓄熱システム。
【請求項7】前記蓄熱用ポンプと前記熱源機器の流入側との接続部に、前記空調用熱交換器の一次側の流出側を接合すると共に、この接合する箇所と前記蓄熱用ポンプとの間から分岐し、前記主熱取出用ポンプの吐出量よりも吐出量が小量の副熱取出用ポンプを介して前記空調用熱交換器の一次側の流入側に接合する副熱取出経路を形成した請求項5記載の空調用蓄熱システム。
【請求項8】前記空調用熱交換器の二次側の流出側の温度を測定する温度センサと、温度センサの測定温度と設定温度との偏差を小さくするように、前記主熱取出用ポンプの回転数を自動調節する調節部とを備えた請求項5,6又は7記載の空調用蓄熱システム。
【請求項9】前記空調用熱交換器の二次側の流出側の温度を測定する温度センサと、温度センサの測定温度と設定温度との偏差を小さくするように、前記副熱取出用ポンプの回転数を自動調節する調節部とを備えた請求項6又は7記載の空調用蓄熱システム。
【請求項10】前記蓄熱経路における前記熱源機器の流入側の温度を測定する温度センサと、温度センサの測定温度と設定温度との偏差を小さくするように、前記蓄熱用ポンプの回転数を自動調節する調節部とを備えた請求項5,6,7,8又は9記載の空調用蓄熱システム。
【請求項11】冷凍機及び氷蓄熱槽に蓄熱用ポンプで熱媒体を循環させることができる蓄熱経路と、主冷熱取出ポンプで循環させて空調用熱交換器から流出する熱媒体を該冷凍機と解氷バルブを介して該氷蓄熱槽とに分岐した後に合流させて該空調用熱交換器に戻すことができる主熱取出経路と、蓄熱状態の該氷蓄熱槽から流出する熱媒体の一部を副冷熱取出用ポンプで該空調用熱交換器の流入側へ供給した後に該冷凍機の流入側へ戻すことができる副熱取出経路とを備えた空調用蓄熱システムにおいて、前記冷凍機及び前記蓄熱用ポンプの運転、前記主冷熱取出ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止並びに前記解氷バルブの閉を指令し、前記蓄熱経路に熱媒体を循環させて前記氷蓄熱槽に蓄熱させる氷蓄熱のみ運転モードを選択する氷蓄熱のみ運転選択ボタンと、前記冷凍機、前記蓄熱用ポンプ及び前記主冷熱取出ポンプの運転、前記解氷バルブの閉並びに前記副冷熱取出用ポンプの停止を指令し、蓄熱を終わって前記氷蓄熱槽から流出する熱媒体と前記空調用熱交換器から流出する熱媒体とを混合して前記冷凍機を通過させ、この通過した熱媒体の一部を前記空調用熱交換器へ戻す中量冷熱供給運転モードを選択する中量冷熱供給運転選択ボタンと、前記冷凍機及び前記主冷熱取出ポンプの運転、前記蓄熱用ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止並びに前記解氷バルブの開を指令し、前記空調用熱交換器から流出する熱媒体を前記主熱取出経路で導いて前記冷凍機と前記氷蓄熱槽とに分岐した後に合流させて前記空調用熱交換器へ戻す大量冷熱供給運転モードを選択する大量冷熱供給運転選択ボタンと、前記主冷熱取出ポンプの運転、前記冷凍機、前記蓄熱用ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止、前記解氷バルブの開を指令し、前記主熱取出経路を循環する熱媒体が前記冷凍機を通過することなく前記氷蓄熱槽を通過する解氷のみ運転モードを選択する解氷のみ運転選択ボタンと、前記主冷熱取出ポンプの停止並びに前記解氷バルブの閉を指令し、蓄熱状態の前記蓄熱装置から流出した熱媒体の一部を前記副冷熱取出用ポンプで前記空調用熱交換器に供給した後に、前記冷凍機の吸引側に戻す小量冷熱供給運転モードを選択する小量冷熱供給運転選択ボタンとを備えたことを特徴とする空調用蓄熱システム。
【請求項12】前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転モード及び小量冷熱供給運転モードでは、前記冷凍機を全負荷運転状態とし、前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転及び前記小量冷熱供給運転モードの中から選択された二つの運転モードの間で運転切替えを行うときには、前記冷凍機の連続した運転を維持させる請求項11記載の空調用蓄熱システム。
【請求項13】前記冷凍機及び前記主冷熱取出ポンプの運転、前記蓄熱用ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止並びに前記解氷バルブの閉を指令し、前記空調用熱交換器から流出した熱媒体の総てを前記冷凍機を通過させて空調用熱交換器に戻す追かけのみ冷熱供給運転モードを選択する追かけのみ冷熱供給運転選択ボタンとを備えた請求項11又は12記載の空調用蓄熱システム。
【請求項14】前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転モード、小量冷熱供給運転モード及び追かけのみ冷熱供給運転モードでは、前記冷凍機を全負荷運転状態にし、前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転、小量冷熱供給運転モード及び追かけのみ冷熱供給運転モードの中から選択された二つの運転モードの間で運転切替えを行うときには、前記冷凍機の連続した運転を維持させる請求項13記載の空調用蓄熱システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調用蓄熱システム及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空調用氷蓄熱システムには、図12に示す如く、冷熱源機器である冷凍機1及び氷蓄熱槽2に蓄熱用ポンプ3で熱媒体であるブラインを循環させる蓄熱経路4と、解氷ポンプ5で循環させるブラインを空調用熱交換器6から冷凍機1と解氷バルブ7を介して氷蓄熱槽2とに分岐した後に合流させて空調用熱交換器6に戻す解氷経路8とを備えたものがある。
【0003】氷蓄熱槽2に冷熱を蓄える蓄熱のみ運転モードのときには、解氷ポンプ5を停止して解氷経路8のブライン循環を停止すると共に解氷バルブ7を閉じ、この状態で運転している蓄熱用ポンプ3でブラインをポンプアップして冷凍機1及び氷蓄熱槽2へ供給して蓄熱用ポンプ3に戻し、冷凍機1で得た冷熱を氷蓄熱槽2に蓄熱する。
【0004】氷蓄熱槽2に蓄熱されている冷熱を取出しながら空調運転するときには、蓄熱用ポンプ3を停止して蓄熱経路4のブライン循環を停止するが、空調の熱負荷に応じて二つの運転モードがある。空調に必要な冷熱供給量が大量のときの運転モード(前者)は、解氷バルブ7を開操作し、解氷ポンプ5のポンプアップで空調用交換器6を通過したブラインを冷凍機1と氷蓄熱槽2とに分岐して解氷ポンプ5へ戻し、冷凍機1で得た冷熱及び氷蓄熱槽2で取出した冷熱を空調用熱交換器6で熱交換する。空調に必要な冷熱供給量が氷蓄熱槽2に蓄熱されている冷熱を取出すだけで充分なときのときの運転モード(後者)は、冷凍機1を停止すると共に解氷バルブ7を開操作し、解氷経路8を循環する熱媒体の全てが氷蓄熱槽2を通過するようにする。
【0005】前記蓄熱のみ運転モード、前者の運転モード及び後者の運転モードは、予め定められたスケージュールに基づいて行われている。そして、運転モードを変更するときには、冷凍機1を一旦停止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、空調用氷蓄熱システムでは、次のような問題点があった。
【0007】(1)電力状況によっては、一日中給電できる場合がある。しかし、後者の運転モードでは、冷凍機1を運転できる電力状況下でありながら冷凍機1を停止しているため、冷凍機1の稼働率及びエネルギー効率が低下している。
(2)前記解氷ポンプ5は、前者及び後者の運転モードの全てを満足させることができるポンプ容量の大きなものを用いる必要がある。ところが、後者の運転モードのときであっても、空調の熱負荷に大小がある。そのため、従来のシステムでは、空調の熱負荷が小さいときでも、ポンプ容量の大きな解氷ポンプ5を運転することになり、効率が悪く無駄なエネルギーを消費していた。
【0008】また、ボイラー等の温熱源機器で得た温熱を温熱蓄熱装置に蓄え、空調の負荷に応じて温熱蓄熱装置から温熱を取出しながら運転する空調用温熱蓄熱システム(図示略)においても、上記(1)及び(2)と同様の問題を生じさせることがある。
【0009】そこで、本発明は、上記問題を解決するために、熱源機器の運転停止を少なくすることができ、また空調の熱負荷の大量から小量までの全域に亘ってシステム全体を効率良く且つ熱製造能力を高める運転ができる空調用蓄熱システム及びその運転方法の提供を目的とする。更に、本発明は、空調の熱負荷の変動に応じて、運転モードの切り換えが簡単にできる空調用蓄熱システムの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】熱源機器の運転停止を少なくするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、蓄熱のみ運転のときには、熱源機器が生成した熱を蓄熱装置にのみ供給して蓄熱し、大量熱供給運転のときには、熱源機器が生成した熱と蓄熱装置が放出した熱とを空調用熱交換器へ供給し、熱取出のみの運転のときには、蓄熱装置が放出した熱のみを空調用熱交換器に供給する空調用蓄熱システムの運転方法において、中量熱供給運転のときには、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給して蓄熱すると共に前記空調用熱交換器に供給することを特徴とする空調用蓄熱システムの運転方法である。氷蓄熱システムの場合には、熱源機器は冷凍機となり、蓄熱装置は氷蓄熱槽となる。なお、より具体的な手段Aとしては、熱源機器及び蓄熱装置に蓄熱用ポンプで熱媒体を循環させる蓄熱経路と、空調用熱交換器から流出した熱媒体が蓄熱経路の一部を通過して空調用熱交換器に戻るように主熱取出用ポンプで熱媒体を循環させる主熱取出経路とを用い、蓄熱のみ運転のときには、蓄熱経路で熱媒体を循環させて、熱源機器が生成した熱を蓄熱装置にのみ供給して蓄熱し、大量熱供給運転のときには、空調用熱交換器から流出した熱媒体を熱源機器と蓄熱槽とに分岐した後に合流して空調用熱交換器へ戻すように、主熱取出経路で熱媒体を循環させて、熱源機器が生成した熱と蓄熱槽が放出した熱とを空調用熱交換器へ供給し、熱取出のみの運転のときには、熱源機器を通過することなく蓄熱装置を通過するように、主熱取出経路で熱媒体を循環させて、蓄熱槽が放出した熱のみを空調用熱交換器に供給する空調用蓄熱システムの運転方法において、中量熱供給運転のときには、前記空調用熱交換器から流出した熱媒体と前記蓄熱装置から流出した熱媒体とを混合して前記熱源機器を通過させるように、前記蓄熱経路及び前記主熱取出経路で熱媒体を循環させて、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給して蓄熱すると共に前記空調用熱交換器に供給することを特徴とする空調用蓄熱システムの運転方法がある。
【0011】請求項1記載の本発明にあっては、空調の熱負荷に応じて、大量熱供給運転、中量熱供給運転または熱取出のみの運転を選択することができると共に、空調の熱負荷が熱源機器の熱製造能力より小さいときには、中量熱供給運転を選択することで蓄熱状態で熱源機器を運転することができるので、熱源機器の運転時間を長くして製造熱量及び蓄熱量を多くすることができる。
【0012】熱源機器の運転する機会をより多くして空調用蓄熱システム全体を効率良く運転させるために請求項2記載の本発明が採用した手段は、小量熱供給運転のときには、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給して蓄熱した後に、残りを前記空調用熱交換器に供給する請求項1記載の空調用蓄熱システムの運転方法である。なお、より具体的な手段Bとしては、小量熱供給運転のときには、前記蓄熱装置を流出した熱媒体を前記主熱取出用ポンプのポンプ容量より小量の副熱取出用ポンプで前記空調用熱交換器に供給した後に前記熱源機器の吸引側に戻す副熱取出経路を用い、前記蓄熱経路及び該副熱取出経路で熱媒体を循環させて、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給して蓄熱した後に、残りを前記空調用熱交換器に供給する前記手段Aに記載の空調用蓄熱システムの運転方法がある。
【0013】請求項2記載の本発明にあっては、空調の熱負荷が前記中量熱供給運転時より小さいときには、小量熱供給運転を選択することで対応できることから、空調の熱負荷の大量から小量までの全範囲に亘つて熱源機器の運転時間を更に長くすることができる。また、具体的な手段Bでは、大量及び中量の熱供給運転のときにはポンプ容量の大きな主熱取出用ポンプを運転し、小量の熱供給運転のときにはポンプ容量の小さな副熱取出用ポンプを運転するように、熱供給量の大小に応じてポンプ容量を選択するため、空調の熱負荷の大量から小量までの全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0014】空調用蓄熱システム全体を更に効率良く運転させるために請求項3記載の本発明が採用した手段は、追かけのみ運転のときには、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給することなく前記空調用熱交換器に供給する請求項1又は2記載の空調用蓄熱システムの運転方法である。なお、より具体的な手段Cとしては、追かけのみ運転のときには、前記空調用熱交換器から流出した熱媒体の総てを、前記熱源機器を通過させた後に前記蓄熱装置を通過させることなく前記空調用熱交換器へ戻るように前記主熱取出経路で熱媒体を循環させて、前記熱源機器が生成した熱を、前記蓄熱装置に供給することなく前記空調用熱交換器に供給する前記手段A又は手段Bに記載の空調用蓄熱システムの運転方法がある。
【0015】請求項3記載の本発明にあっては、空調の熱負荷が中量熱供給運転と大量熱供給運転との中間である熱源機器の熱製造能力の範囲内であるときに、追かけのみ運転を選択することで、蓄熱用ポンプを停止して蓄熱装置に熱媒体を循環させることがないため、システムを効率良く運転できる。
【0016】熱源機器の稼働率及びエネルギー効率の向上を図るために請求項4記載の本発明が採用した手段は、前記熱取出のみの運転を除く他の前記運転は、前記熱源機器を全負荷運転状態とし、前記熱取出のみの運転を除く他の前記運転の間で運転切替えを行うときには、前記熱源機器の連続運転状態を維持させる請求項1、2又は3記載の空調用蓄熱システムの運転方法である。
【0017】請求項4記載の本発明にあっては、熱源機器の連続した全負荷運転により、製造熱量及び蓄熱熱量を多くすることができる。そして、熱取出のみの運転を除く他の運転の間で運転切替えを行うときにも、熱源機器を停止させることなく、熱源機器の連続した全負荷運転を維持させることが可能となる。
【0018】熱源機器の運転停止を少なくするために請求項5記載の本発明が採用した手段は、循環経路に蓄熱用ポンプと熱源機器と蓄熱装置とを順に配置した蓄熱経路と、別の循環経路の一部分を蓄熱経路で形成すると共に該別の循環経路の他の部分に上流側の主熱取出用ポンプ及び下流側の空調用熱交換器を配置した熱取出経路とを備えた空調用蓄熱システムにおいて、前記蓄熱装置と前記熱源機器の流入側との接続部に前記空調用熱交換器の一次側の流出側を接続し、前記熱源機器の流出側と前記蓄熱装置との接続部に前記主熱取出用ポンプの吸引側を接続し、前記主熱取出用ポンプは前記蓄熱用ポンプの吐出量より少ない吐出量から前記蓄熱用ポンプの吐出量より多い吐出量まで可変できるものとしたことを特徴とする空調用蓄熱システムである。
【0019】請求項5記載の本発明にあっては、大量熱供給運転のときには、空調用熱交換器から流出する熱媒体を熱源機器と蓄熱装置とに分岐した後に合流して空調用熱交換器へ戻るようにでき、中量熱供給運転のときには、蓄熱のみ運転の状態で蓄熱経路を循環する熱媒体に空調用熱交換器から流出する熱媒体を混合して熱源機器を通過させ、この通過した熱媒体の一部を空調用熱交換器へ戻るようにでき、蓄熱装置に対する蓄熱や熱取出しを行わない追かけのみ運転のときには、空調用熱交換器から流出する熱媒体の総てを熱源機器へ循環させるようにできるため、大量の熱供給運転のときは勿論のこと追かけのみ運転や中量の熱供給運転のときにも熱源機器を運転することになり、熱源機器の運転時間を長くすることができる。
【0020】空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘って空調用蓄熱システム全体を効率良く運転させるために請求項6記載の本発明が採用した手段は、前記蓄熱装置と前記蓄熱用ポンプの吸引側との接続部に、前記空調用熱交換器の一次側の流出側を接合すると共に、この接合する箇所と前記蓄熱装置との間から分岐し、吐出量が前記主熱取出用ポンプの吐出量よりも小量の副熱取出用ポンプを介して前記空調用熱交換器の流入側に接合する副熱取出経路を形成した請求項5記載の空調用蓄熱システムである。
【0021】請求項6記載の本発明にあっては、蓄熱状態の蓄熱装置を出た熱媒体を副熱取出用ポンプで空調用熱交換器に供給した後に、蓄熱用ポンプの吸引側に戻すことにより、小量熱供給運転を並行して行うことができるため、小量の熱供給運転のときにも熱源機器を運転することになり、熱源機器の運転時間を長くすることができる。更に、本発明にあっては、大量及び中量の熱供給運転のときには主熱取出用ポンプを運転し、小量の熱供給運転のときには副熱取出用ポンプを運転するように、熱供給量の大小に応じて吐出能力の異なるポンプを選択することが可能であるため、空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0022】空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘って空調用蓄熱システム全体を効率良く運転させるために請求項7記載の本発明が採用した手段は、前記蓄熱用ポンプと前記熱源機器の流入側との接続部に、前記空調用熱交換器の一次側の流出側を接合すると共に、この接合する箇所と前記蓄熱用ポンプとの間から分岐し、前記熱取出用ポンプの吐出量よりも吐出量が小量の副熱取出用ポンプを介して前記空調用熱交換器の一次側の流入側に接合する副熱取出経路を形成した請求項5記載の空調用蓄熱システムである。
【0023】請求項7記載の本発明にあっては、蓄熱運転状態の蓄熱装置を出た熱媒体を副熱取出用ポンプで空調用熱交換器に供給した後に、熱源機器の吸引側に戻すことにより、小量熱供給運転を並行して行うことができるため、小量の熱供給運転のときにも熱源機器を運転することになり、熱源機器の運転時間を更に長くすることができ。更に、本発明にあっては、大量及び中量の熱供給運転のときには主熱取出用ポンプを運転し、小量の熱供給運転のときには副熱取出用ポンプを運転するように、熱供給量の大小に応じて吐出能力の異なるポンプを選択することが可能であるため、空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0024】なお、空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させるためには、前記主熱取出用ポンプに、前記主熱取出用ポンプの吐出量よりも吐出量が小量の副熱取出用ポンプを並列的に接続することもある。この場合にあっては、小量熱供給運転のときには、蓄熱のみ運転の状態で蓄熱経路を循環する熱媒体に空調用熱交換器から流出する熱媒体を混入して熱源機器を通過させ、この通過した熱媒体の一部を空調用熱交換器へ戻るようにできるため、大量乃至中量の熱供給運転のときは勿論のこと小量の熱供給運転のときにも熱源機器を運転することになり、熱源機器の運転時間を長くすることができる。更に、大量及び中量の熱供給運転のときには主熱取出用ポンプを運転し、小量の熱供給運転のときには副熱取出用ポンプを運転するように、熱供給量の大小に応じて吐出能力の異なるポンプを選択することが可能となり、空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0025】空調の熱負荷に応じて熱取出用ポンプを効率良く運転させるために請求項8記載の本発明が採用した手段は、前記空調用熱交換器の二次側の流出側の温度を測定する温度センサと、温度センサの測定温度と設定温度との偏差を小さくするように、前記主熱取出用ポンプの回転数を自動調節する調節部とを備えた請求項5,6又は7記載の空調用蓄熱システムである。
【0026】請求項8記載の本発明にあっては、空調用熱交換器の二次側の流出側の温度を設定温度に近づけるように主熱取出用ポンプの回転数を自動調節するので、空調の熱負荷に応じて熱取出用ポンプを効率良く運転させることができる。
【0027】空調の熱負荷に応じて熱取出用ポンプを効率良く運転させるために請求項9記載の本発明が採用した手段は、前記空調用熱交換器の二次側の流出側の温度を測定する温度センサと、温度センサの測定温度と設定温度との偏差を小さくするように、前記副熱取出用ポンプの回転数を自動調節する調節部とを備えた請求項6又は7記載の空調用蓄熱システムである。
【0028】請求項9記載の本発明にあっては、空調用熱交換器の二次側の流出側の温度を設定温度に近づけるように副熱取出用ポンプの回転数を自動調節するので、空調の熱負荷に応じて熱取出用ポンプを効率良く運転させることができる。
【0029】空調の熱負荷に応じて熱源機器を効率良く運転させるために請求項10記載の本発明が採用した手段は、前記蓄熱経路における前記熱源機器の流入側の温度を測定する温度センサと、温度センサの測定温度と設定温度との偏差を小さくするように、前記蓄熱用ポンプの回転数を自動調節する調節部とを備えた請求項5,6,7,8又は9記載の空調用蓄熱システムである。
【0030】請求項10記載の本発明にあっては、熱源機器の流入側の温度を設定温度に近づけるように蓄熱用ポンプの回転数を自動調節するので、空調の熱負荷に応じて熱源機器を効率良く運転させることができる。
【0031】氷蓄熱システムにおける冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を向上させると共に空調の熱負荷変動に応じて蓄熱システムの運転モードの変更を容易にできるようにするために請求項11記載の本発明が採用した手段は、冷凍機及び氷蓄熱槽に蓄熱用ポンプで熱媒体を循環させることができる蓄熱経路と、主冷熱取出ポンプで循環させて空調用熱交換器から流出する熱媒体を該冷凍機と解氷バルブを介して該氷蓄熱槽とに分岐した後に合流させて該空調用熱交換器に戻すことができる主熱取出経路と、蓄熱状態の該氷蓄熱槽から流出する熱媒体の一部を副冷熱取出用ポンプで該空調用熱交換器の流入側へ供給した後に該冷凍機の流入側へ戻すことができる副熱取出経路とを備えた空調用蓄熱システムにおいて、前記冷凍機及び前記蓄熱用ポンプの運転、前記主冷熱取出ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止並びに前記解氷バルブの閉を指令し、前記蓄熱経路に熱媒体を循環させて前記氷蓄熱槽に蓄熱させる氷蓄熱のみ運転モードを選択する氷蓄熱のみ運転選択ボタンと、前記冷凍機、前記蓄熱用ポンプ及び前記主冷熱取出ポンプの運転、前記解氷バルブの閉並びに前記副冷熱取出用ポンプの停止を指令し、蓄熱を終わって前記氷蓄熱槽から流出する熱媒体と前記空調用熱交換器から流出する熱媒体とを混合して前記冷凍機を通過させ、この通過した熱媒体の一部を前記空調用熱交換器へ戻す中量冷熱供給運転モードを選択する中量冷熱供給運転選択ボタンと、前記冷凍機及び前記主冷熱取出ポンプの運転、前記蓄熱用ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止並びに前記解氷バルブの開を指令し、前記空調用熱交換器から流出する熱媒体を前記主熱取出経路で導いて前記冷凍機と前記氷蓄熱槽とに分岐した後に合流させて前記空調用熱交換器へ戻す大量冷熱供給運転モードを選択する大量冷熱供給運転選択ボタンと、前記主冷熱取出ポンプの運転、前記冷凍機、前記蓄熱用ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止、前記解氷バルブの開を指令し、前記主熱取出経路を循環する熱媒体が前記冷凍機を通過することなく前記氷蓄熱槽を通過する解氷のみ運転モードを選択する解氷のみ運転選択ボタンと、前記主冷熱取出ポンプの停止並びに前記解氷バルブの閉を指令し、蓄熱状態の前記蓄熱装置から流出した熱媒体の一部を前記副冷熱取出用ポンプで前記空調用熱交換器に供給した後に、前記冷凍機の吸引側に戻す小量冷熱供給運転モードを選択する小量冷熱供給運転選択ボタンとを備えたことを特徴とする空調用蓄熱システムである。
【0032】請求項11記載の本発明にあっては、中量冷熱供給運転モード及び小量冷熱供給運転モードのときには蓄熱状態で冷凍機を運転しているので、冷凍機の運転時間を長くして稼働率及びエネルギー効率を高め、冷熱製造量及び冷熱蓄熱量を多くすることができる。更に、本発明にあっては、蓄熱システムの複数ある運転モードを選択ボタンで選択できるため、空調の熱負荷変動に応じて蓄熱システムを最適な運転モードで運転させることができる。
【0033】冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を更に高めるために請求項12の本発明が採用した手段は、前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転モード及び小量冷熱供給運転モードでは、前記冷凍機を全負荷運転状態とし、前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転及び前記小量冷熱供給運転モードの中から選択された二つの運転モードの間で運転切替えを行うときには、前記冷凍機の連続した運転を維持させる請求項11記載の空調用蓄熱システムである。
【0034】請求項12の本発明にあっては、冷凍機を運転するときにはエネルギー効率の良い全負荷運転状態となり、また、解氷のみ運転を除く他の運転モードの間で運転切替えを行うときには、冷凍機を停止させることなく、冷凍機の連続した全負荷運転を維持させたまま運転切替えを行うことが可能となり、冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を更に高めることができる。
【0035】冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を更に高める蓄熱システムの運転モードを増やすと共に運転モードの変更を容易にできるようにするために請求項13記載の本発明が採用した手段は、前記冷凍機及び前記主冷熱取出ポンプの運転、前記蓄熱用ポンプ及び前記副冷熱取出用ポンプの停止並びに前記解氷バルブの閉を指令し、前記空調用熱交換器から流出した熱媒体の総てを前記冷凍機を通過させて空調用熱交換器に戻す追かけのみ冷熱供給運転モードを選択する追かけのみ冷熱供給運転選択ボタンとを備えた請求項11又は12記載の空調用蓄熱システムである。
【0036】請求項13記載の本発明にあっては、追かけのみ冷熱供給運転モードのときには冷凍機の運転が行われ、更に蓄熱システムの複数ある運転モードを選択ボタンで選択できるため、空調の熱負荷変動に応じて蓄熱システムを最適な運転モードで運転させることができる。
【0037】冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を更に高めるために請求項14記載の本発明が採用した手段は、前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転モード、小量冷熱供給運転モード及び追かけのみ冷熱供給運転モードでは、前記冷凍機を全負荷運転状態にし、前記氷蓄熱のみ運転モード、前記大量冷熱供給運転モード、前記中量冷熱供給運転、小量冷熱供給運転モード及び追かけのみ冷熱供給運転モードの中から選択された二つの運転モードの間で運転切替えを行うときには、前記冷凍機の連続した運転を維持させる請求項13記載の空調用蓄熱システムである。
【0038】請求項14記載の本発明にあっては、冷凍機を運転するときにはエネルギー効率の良い全負荷運転状態となり、また、解氷のみ運転を除く他の運転モードの間で運転切替えを行うときには、冷凍機を停止させることなく、冷凍機の連続した全負荷運転を維持させたまま運転切替えを行うことが可能となり、冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を更に高めることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る空調用蓄熱システム及びその運転方法を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0040】(第1の実施の形態)図1乃至図5は本発明に係る空調用蓄熱システム及びその運転方法を空調用氷蓄熱システム及びその運転方法に適用した第1の実施の形態を示す概略図であり、図1は氷蓄熱槽に蓄熱している状態を示すものであり、図2は大量熱供給運転状態を示すものであり、図3は中量熱供給運転状態を示すものであり、図4は小量熱供給運転状態を示すものであり、図5は熱取出しのみの運転状態を示すものである。
【0041】本実施形態に係る空調用氷蓄熱システム10は、図1に示すように、熱製造経路である蓄熱経路14と、大量乃至中量の冷熱を取出す主熱取出経路18及び小量の冷熱を取出す副熱取出経路30とを備えている。
【0042】該蓄熱経路14は、循環経路14aに熱製造用ポンプである蓄熱用ポンプ13と熱源機器である冷凍機11と蓄熱装置である氷蓄熱槽12とを順に配置し、蓄熱用ポンプ13でポンプアツプした熱媒体であるブラインを冷凍機11及び氷蓄熱槽12に循環させるようにしてある。冷凍機11は、単段圧縮ターボ若しくは多段圧縮ターボ式又はスクリュー冷凍機等が用いられる。蓄熱用ポンプ13は、インバータ式等の可変速モータ19で駆動され、可変速モータ19を温度制御装置20で回転制御するようにしてある。温度制御装置20は、冷凍機11のブライン流入側の温度を測定する温度センサ21と、温度センサ21と温度設定器23の設定温度との偏差を小さくするように、モータ19の回転数を自動調節する調節部22とを備えている。温度設定器23は、冷凍機11に最適温度のブラインを流入させて冷凍機11の運転効率を高く維持できる範囲に設定できるようになっている。
【0043】前記主熱取出経路18は、図2に示すように、循環経路18aに接合点18b,18cを備え、上流側の接合点18bを出て下流側の接合点18cに至る循環経路18aの一部18a−1,18a−2を前記蓄熱経路14と共用できるように形成すると共に、循環経路18aの他の部分18a−3に上流側の主熱取出用ポンプ15及び下流側の空調用熱交換器16を配置してある。空調用熱交換器16は、蓄熱経路14の氷蓄熱槽12と蓄熱用ポンプ13との接続部に、接合点18bを介して熱交換器一次側16aの流出側を接合してある。
【0044】上記主熱取出用ポンプ15は、蓄熱経路14の冷凍機11と氷蓄熱槽12との接続部に、接合点18cを介してポンプ吸引側を接続してある。主熱取出経路18は、循環経路18aの一方の一部18a−1に流量調節弁36を配置すると共に他方の一部18a−2に流量調節弁37を配置することにより、一方の一部18a−1を通過するブラインの流量と他方の一部18a−2を通過するブラインの流量とを調節できるようにしてある。主熱取出用ポンプ15は、インバータ式等の可変速モータ24で駆動され、可変速モータ24を温度制御装置25で回転制御するようにしてある。主熱取出用ポンプ15は、前記蓄熱経路14の蓄熱用ポンプ13の吐出量より少ない吐出量から蓄熱用ポンプ13の吐出量より多い吐出量まで可変できるようにしてある。温度制御装置25は、熱交換器16の二次側16bのブライン流出側の温度を測定する温度センサ26と、温度センサ26と温度設定器27の設定温度との偏差を小さくするように、可変速モータ24の回転数を自動調節する調節部28とを備えている。温度制御装置25は、主熱取出用ポンプ15の回転数を自動調節することにより、空調の熱負荷に応じて主熱取出用ポンプ15を効率良く運転させることができる。
【0045】前記空調用熱交換器16は、その二次側16bで空調設備用経路38の一部を形成し、二次側16bを通過して各空調装置(図示略)へ供給される熱媒体を、一次側16aを通過する主熱取出経路18のブラインで冷却するようにしてある。前記空調用熱交換器16の二次側16bを通過する熱媒体は、各空調設備(図示略)から空調設備用経路38を介して戻された後にポンプ39で圧送され、空調用熱交換器16で冷却されて各空調設備へ送られる。
【0046】前記副熱取出経路30は、図4に示すように、循環経路30aに接合点30b(前記接合点18bと同一)と接合点30cとを備え、上流側の接合点30bを出て下流側の接合点30cに至る循環経路30aの一部30a−1を前記蓄熱経路14の一部と共用できるように形成すると共に、循環経路30aの他の部分30a−2に上流側の副熱取出用ポンプ31及び下流側の空調用熱交換器16を配置してある。循環経路30aの他の部分30a−2は、その一部が前記主熱取出経路18の一部で形成されている。空調用熱交換器16は、蓄熱経路14の氷蓄熱槽12と蓄熱用ポンプ13との接続部に、接合点30bを介して熱交換器一次側16aの流出側を接合してある。
【0047】上記副熱取出用ポンプ31は、蓄熱経路14の氷蓄熱槽12と蓄熱用ポンプ13の流入側との接続部における接合点30bより上流側に、接合点30cを介してポンプ吸引側を接続してある。副熱取出用ポンプ31は、インバータ式等の可変速モータ32で駆動され、可変速モータ32を温度制御装置33で回転制御するようにしてある。副熱取出用ポンプ31は、前記主熱取出用ポンプ15の吐出量より少ない吐出量の範囲で可変できるようにしてある。温度制御装置33は、熱交換器16の二次側16bの空調用伝熱媒体流出側の温度を測定する温度センサ26と、温度センサ26と温度設定器27の設定温度との偏差を小さくするように、可変速モータ32のモータの回転数を自動調節する調節部34とを備えている。温度制御装置33は、副熱取出用ポンプ31の回転数を自動調節することにより、空調の熱負荷に応じて副熱取出用ポンプ31を効率良く運転させることができる。なお、温度制御装置33は、前記温度制御装置25(図2参照)の温度センサ26及び温度設定器27を共用できるようにすることもある。
【0048】次に、空調用氷蓄熱システム10の運転方法を説明する。蓄熱のみ運転する場合には、図1に示すように、主熱取出用ポンプ15及び副熱取出用ポンプ31を停止して熱取出用経路18及び副熱取出経路30を閉じ、この状態で蓄熱用ポンプ13及び冷凍機11を起動して蓄熱経路14にブラインを循環させ、氷蓄熱槽12に蓄氷する。
【0049】氷蓄熱槽12に蓄熱された冷熱を利用して大量熱供給運転する場合には、図2に示すように、副熱取出用ポンプ31を停止し、この状態で蓄熱用ポンプ13を起動する共に、蓄熱用ポンプ13の吐出量より大量の吐出量となるように主熱取出用ポンプ15を起動する。主熱取出用ポンプ15のポンプアツプにより空調用熱交換器16の一次側16aから流出するブラインは、接合点18bで分岐して主熱取出経路18の一部18a−1と他の部分18a−2とを通過した後に、接合点18cで合流して主熱取出用ポンプ15に戻る。主熱取出経路18を循環するブラインは、主熱取出経路18の一部18a−1を通過する間に冷凍機11で冷熱を受けると共に、他の部分18a−2を通過する間に氷蓄熱槽12で冷熱を受ける。主熱取出経路18を循環するブラインは、熱交換器16の一次側16aを通過するときに、空調用熱交換器16の二次側16bを通過する空調設備用経路38の空調用伝熱媒体との間で熱交換を行う。
【0050】空調設備の熱負荷の変動に応じて空調設備用経路38を通過する空調用伝熱媒体の温度が変動しようとすると、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体を設定温度に近づけるように、主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。主熱取出経路18は、主熱取出用ポンプ15の吐出量が増大すると、主熱取出経路18の他の部分18a−2を通過するブライン量が増大し、氷蓄熱槽12から受ける冷熱も増大する。主熱取出経路18は、主熱取出用ポンプ15の吐出量が減少し蓄熱用ポンプ13の吐出量と同一になると、主熱取出経路18の他の部分18a−2を通過するブライン量がゼロとなり、冷凍機11からのみ冷熱を受けることになる。もし、主熱取出用ポンプ15の吐出量が更に減少して蓄熱用ポンプ13の吐出量より小量になると、次の中量熱供給運転に移行する。
【0051】氷蓄熱槽12に蓄熱しながら中量熱供給運転する場合には、図3に示すように、副熱取出用ポンプ31を停止して副熱取出経路30を閉じ、この状態で蓄熱用ポンプ13及び冷凍機11を起動して蓄熱経路14にブラインを循環させて氷蓄熱槽12に蓄氷すると共に、蓄熱用ポンプ13の吐出量より小量の吐出量となるように主熱取出用ポンプ15を起動する。主熱取出用ポンプ15のポンプアツプにより空調用熱交換器16の一次側16aから流出するブラインは、接合点18bから蓄熱経路14を循環するブラインに混入して冷凍機11を通過し、接合点18cから主熱取出用ポンプ15の流入側に戻る。中量熱供給運転中も、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。もし、空調設備の熱負荷が低下して、主熱取出用ポンプ15の可変できる最低吐出量より更に小量の吐出量で十分なときには、次の小量熱供給運転に移行する。
【0052】氷蓄熱槽12に蓄熱しながら小量熱供給運転する場合には、図4に示すように、主熱取出用ポンプ15を停止して主熱取出経路18を閉じ、この状態で蓄熱用ポンプ13及び冷凍機11を起動して蓄熱経路14にブラインを循環させて氷蓄熱槽12に蓄氷すると共に、副熱取出用ポンプ31を起動して副熱取出経路30にブラインを循環させる。副熱取出用ポンプ31のポンプアツプにより空調用熱交換器16の一次側16aから流出するブラインは、接合点30bから蓄熱経路14を循環するブラインに混入して冷凍機11及び氷蓄熱槽12を通過し、接合点30cから、副熱取出用ポンプ31の流入側に戻る。小量熱供給運転中も、温度制御装置33は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように副熱取出用ポンプ31の回転数を自動制御する。
【0053】冷凍機11を運転することなく熱取出のみ運転するときには、図5に示すように、蓄熱用ポンプ13及び冷凍機11を停止して蓄熱経路14の循環を停止し、この状態で主熱取出用ポンプ15を起動して主熱取出経路18にブラインを循環させ、ブラインが氷蓄熱槽12を通過する間に冷熱を受け、ブラインが空調用熱交換機16の一次側16aを通過する間に二次側16bを通過する空調用伝熱媒体との間で熱交換する。この熱供給運転のときにも、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。
【0054】なお、蓄熱用ポンプ13の回転速度の調節は、温度制御装置20で自動的に行うことなく、温度計21(図1参照)を目測しながら手動で行うようにしてもよい。更に、主熱取出用ポンプ15及び副熱取出用ポンプ31の回転速度の調節は、温度制御装置25又は33で自動的に行うことなく、温度計26を目測しながら手動で行うようにしてもよい。
【0055】本実施の形態の空調用氷蓄熱システム10は、蓄熱のみ運転、大量熱供給運転、中量熱供給運転及び小量熱供給運転のいずれのときも、熱源機器である冷凍機11を全負荷運転とするための制御回路を備え、エネルギー効率の良い状態で運転できるようにすることもある。この場合には、エネルギー効率の良い全負荷運転とすることで、省エネルギー運転ができる。
【0056】更に、空調用氷蓄熱システム10は、熱取出のみ運転を除く他の運転状態の間で運転状態を変更するときに、冷凍機11を停止させることなく運転の切替えを行うことができる制御回路を備えることもある。従来は、運転状態を変更するときに冷凍機11を停止させている。しかし、冷凍機11を一旦停止させると、再起動まで冷凍機11のエネルギー効率が低下すると共に、冷凍機11の稼働率が低下する。従って、冷凍機11を停止させることなく運転の切替えを行う場合には、冷凍機11の運転時間を長くすることができると共に、冷凍機11のエネルギー効率を高くすることが可能となる。
【0057】空調用氷蓄熱システム10は、中量熱供給運転及び小量熱供給運転が新たにできるため、冷凍機11の製造冷熱量及び氷蓄熱槽12の蓄熱量を増大させることが可能となり、空調の熱負荷の最大ピーク時に氷蓄熱槽12から取出せる熱量を多くして、大量の熱供給運転における冷凍機11の負荷を低減でき、結果的にシステム全体の総電力量も低減して、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、空調用氷蓄熱システム10は、中量熱供給運転及び小量熱供給運転が新たにできるため、冷凍機11の運転時間を長くすることにより、冷凍機11の起動停止の頻度が低くなりシンプルな運転が可能となると共に、従来に比べ小型の冷凍機11で必要熱量の製造の確保が図れるため、システムの建設コストを低減できる。更に、空調用氷蓄熱システム10にあっては、大量及び中量の熱供給運転のときにはポンプ容量の大きな主熱取出用ポンプ15を運転し、小量の熱供給運転のときにはポンプ容量の小さな副熱取出用ポンプ31を運転するように、熱供給量の大小に応じてポンプ容量を選択できるため、空調の熱負荷の大量から小量までの全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0058】(第2の実施の形態)図6乃至図11は本発明に係る空調用蓄熱システム及びその運転方法を空調用氷蓄熱システム及びその運転方法に適用した第2の実施の形態を示す概略図であり、図6は氷蓄熱槽に蓄熱している状態を示すものであり、図7は大量熱供給運転状態を示すものであり、図8は中量熱供給運転状態を示すものであり、図9は小量熱供給運転状態を示すものであり、図10は追かけのみの熱供給運転状態を示すものであり、図11は熱取出しのみの運転状態を示すものである。
【0059】本実施形態に係る空調用氷蓄熱システム40は、図6に示すように、熱製造経路である蓄熱経路14と、大量乃至中量の冷熱を取出す熱取出経路である主熱取出経路48及び小量の冷熱を取出す副熱取出経路50とを備えている。
【0060】該蓄熱経路14は、循環経路14aに熱製造用ポンプである蓄熱用ポンプ13と熱源機器である冷凍機11と蓄熱装置である氷蓄熱槽12とを順に配置し、蓄熱用ポンプ13でポンプアツプした熱媒体であるブラインを冷凍機11及び氷蓄熱槽12に循環させるようにしてある。冷凍機11は、単段圧縮ターボ若しくは多段圧縮ターボ式又はスクリュー冷凍機等が用いられる。蓄熱用ポンプ13は、インバータ式等の可変速モータ19で駆動され、可変速モータ19を温度制御装置20で回転制御するようにしてある。温度制御装置20は、冷凍機11のブライン流入側の温度を測定する温度センサ21と、温度センサ21と温度設定器23の設定温度との偏差を小さくするように、モータ19の回転数を自動調節する調節部22とを備えている。温度設定器23は、冷凍機11に最適温度のブラインを流入させて冷凍機11の運転効率を高く維持できる範囲に設定できるようになっている。
【0061】前記主熱取出経路48は、図7に示すように、循環経路48aに接合点48b,48cを備え、上流側の接合点48bを出て下流側の接合点48cに至る循環経路48aの一部48a−1,48a−2を前記蓄熱経路14と共用できるように形成すると共に、循環経路48aの他の部分48a−3に上流側の主熱取出用ポンプ15及び下流側の空調用熱交換器16を配置してある。循環経路48aの一部48a−1には、冷凍機11が配置され、循環経路48aの一部48a−2には、上流側の解氷バルブ41及び下流側の氷蓄熱槽12が配置されている。空調用熱交換器16は、蓄熱経路14の冷凍機11と解氷バルブ41との接続部に、接合点48bを介して熱交換器一次側16aの流出側を接合してある。
【0062】上記主熱取出用ポンプ15は、蓄熱経路14の冷凍機11と氷蓄熱槽12との接続部に、接合点48cを介してポンプ吸引側を接続してある。主熱取出用ポンプ15は、インバータ式等の可変速モータ24で駆動され、可変速モータ24を温度制御装置25で回転制御するようにしてある。主熱取出用ポンプ15は、前記蓄熱経路14の蓄熱用ポンプ13の吐出量より少ない吐出量から蓄熱用ポンプ13の吐出量より多い吐出量まで可変できるようにしてある。温度制御装置25は、熱交換器16の二次側16bの空調用伝熱媒体流出側の温度を測定する温度センサ26と、温度センサ26と温度設定器27の設定温度との偏差を小さくするように、可変速モータ24の回転数を自動調節する調節部28とを備えている。温度制御装置25は、主熱取出用ポンプ15の回転数を自動調節することにより、空調の熱負荷に応じて主熱取出用ポンプ15を効率良く運転させることができる。
【0063】前記空調用熱交換器16は、その二次側16bで空調設備用経路38の一部を形成し、二次側16bを通過して各空調装置(図示略)へ供給される熱媒体を、一次側16aを通過する主熱取出経路48のブラインで冷却するようにしてある。前記空調用熱交換器16の二次側16bを通過する熱媒体は、各空調設備(図示略)から空調設備用経路38を介して戻された後にポンプ39で圧送され、空調用熱交換器16で冷却されて各空調設備へ送られる。
【0064】前記副熱取出経路50は、図9に示すように、循環経路50aに接合点50bと接合点50cとを備え、上流側の接合点50bを出て下流側の接合点50cに至る循環経路50aの一部50a−1を前記蓄熱経路14の一部と共用できるように形成すると共に、循環経路50aの他の部分50a−2に上流側の副熱取出用ポンプ31及び下流側の空調用熱交換器16を配置してある。空調用熱交換器16は、蓄熱経路14の蓄熱用ポンプ13と冷凍機11との接続部に、接合点50bを介して熱交換器一次側16aの流出側を接合してある。
【0065】上記副熱取出用ポンプ31は、前記接合点50bより上流側に、接合点50cを介してポンプ吸引側を接続してある。副熱取出用ポンプ31は、インバータ式等の可変速モータ32で駆動され、可変速モータ32を温度制御装置33で回転制御するようにしてある。副熱取出用ポンプ31は、前記主熱取出用ポンプ15の吐出量より少ない吐出量の範囲で可変できるようにしてある。温度制御装置33は、熱交換器16の二次側16bの空調用伝熱媒体流出側の温度を測定する温度センサ26と、温度センサ26と温度設定器27の設定温度との偏差を小さくするように、可変速モータ32のモータの回転数を自動調節する調節部34とを備えている。温度制御装置33は、副熱取出用ポンプ31の回転数を自動調節することにより、空調の熱負荷に応じて副熱取出用ポンプ31を効率良く運転させることができる。なお、温度制御装置33は、前記温度制御装置25(図7参照)の温度センサ26及び温度設定器27を共用できるようにすることもある。
【0066】本実施形態の空調用氷蓄熱システム40は、複数ある運転モードの中から一つの運転モードを選択するための選択ボタンを有する操作盤51を備えている。操作盤51には、氷蓄熱のみ運転選択ボタンM1と、小量冷熱供給運転選択ボタンM2と、中量冷熱供給運転選択ボタンM3と、追かけのみの冷熱供給運転選択ボタンM4と、大量冷熱供給運転選択ボタンM5と、解氷のみ運転選択ボタンM6とを備えている。
【0067】次に、第2の実施の形態に係る空調用氷蓄熱システム40の運転方法を説明する。氷蓄熱槽12に蓄熱する場合には、図6に示すように、操作盤51の氷蓄熱のみ運転選択ボタンM1をONして氷蓄熱のみ運転モードを選択する。この氷蓄熱のみ運転モードでは、冷凍機11及び蓄熱用ポンプ13の運転、主冷熱取出ポンプ15及び副冷熱取出用ポンプ31の停止並びに解氷バルブ41の閉を指令し、蓄熱経路14に熱媒体であるブラインを循環させて氷蓄熱槽12に蓄熱(蓄氷)する。
【0068】氷蓄熱槽12に蓄熱しながら小量熱供給運転する場合には、図9に示すように、操作盤51の小量冷熱供給運転選択ボタンM2をONして小量冷熱供給運転モードを選択する。この小量冷熱供給運転モードでは、主冷熱取出ポンプ15の停止並びに解氷バルブ41の閉を指令し、この状態で冷凍機11及び蓄熱用ポンプ13を運転して蓄熱経路14にブラインを循環させて氷蓄熱槽12に蓄氷すると共に、副熱取出用ポンプ31を運転して副熱取出経路50にブラインを循環させる。副熱取出用ポンプ31のポンプアツプにより空調用熱交換器16の一次側16aから流出するブラインは、接合点50bから蓄熱経路14を循環するブラインに混入して冷凍機11及び氷蓄熱槽12を通過し、接合点50cから、副熱取出用ポンプ31の流入側に戻る。副熱取出経路50を循環するブラインは、熱交換器16の一次側16aを通過するときに、空調用熱交換器16の二次側16bを通過する空調設備用経路38の空調用伝熱媒体との間で熱交換を行う。この小量熱供給運転は、氷蓄熱槽12で冷熱を奪われて昇温したブラインの一部を、副熱取出経路50で循環させるため、昇温したブラインと副熱取出経路50との間で熱交換される熱量も少なくできる。この小量熱供給運転中も、温度制御装置33は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように副熱取出用ポンプ31の回転数を自動制御する。もし、空調設備の熱負荷が更に増大した場合には、次の中量熱供給運転に移行する。
【0069】氷蓄熱槽12に蓄熱しながら中量熱供給運転する場合には、図8に示すように、操作盤51の中量冷熱供給運転選択ボタンM3をONして中量冷熱供給運転モードを選択する。この中量冷熱供給運転モードでは、解氷バルブ41の閉及び副冷熱取出用ポンプ31の停止を指令し、この状態で蓄熱用ポンプ13及び冷凍機11を運転して蓄熱経路14にブラインを循環させて氷蓄熱槽12に蓄氷すると共に主熱取出用ポンプ15を起動する。主熱取出用ポンプ15のポンプアツプにより空調用熱交換器16の一次側16aから流出するブラインは、接合点48dから蓄熱経路14を循環するブラインに混入して冷凍機11を通過し、接合点48cから主熱取出用ポンプ15の流入側に戻る。循環するブラインは、熱交換器16の一次側16aを通過するときに、空調用熱交換器16の二次側16bを通過する空調設備用経路38の空調用伝熱媒体との間で熱交換を行う。この中量冷熱供給運転中も、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。もし、空調設備の熱負荷が増大した場合には、次の追かけのみ運転モードに移行する。
【0070】氷蓄熱槽12に蓄熱することなく追かけのみの熱供給運転する場合には、図10に示すように、操作盤51の追かけのみ冷熱供給運転選択ボタンM4をONして追かけのみの冷熱供給運転モードを選択する。この追かけのみの冷熱供給運転モードでは、蓄熱用ポンプ13及び副冷熱取出用ポンプ31の停止並びに解氷バルブ41の閉を指令し、この状態で冷凍機11及び主冷熱取出ポンプ15を運転して、空調用熱交換器16から流出したブラインを冷凍機11へ循環させて空調用熱交換器16に戻す。循環するブラインは、熱交換器16の一次側16aを通過するときに、空調用熱交換器16の二次側16bを通過する空調設備用経路38の空調用伝熱媒体との間で熱交換を行う。この追かけのみの冷熱供給運転中も、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出るブラインの温度が設定温度に近づくように主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。もし、空調設備の熱負荷が更に増大した場合には、次の大量熱供給運転に移行する。
【0071】氷蓄熱槽12に蓄熱された冷熱を利用して大量熱供給運転する場合には、図7に示すように、操作盤51の大量冷熱供給運転選択ボタンM5をONして大量冷熱供給運転モードを選択する。この大量冷熱供給運転モードでは、蓄熱用ポンプ13及び副冷熱取出用ポンプ31の停止並びに解氷バルブ41の開を指令し、この状態で冷凍機11及び主冷熱取出ポンプ15の運転する。主熱取出用ポンプ15のポンプアツプにより空調用熱交換器16の一次側16aから流出するブラインは、接合点48bで分岐して主熱取出経路48の一部48a−1と他の部分48a−2とを通過した後に、接合点48cで合流して主熱取出用ポンプ15に戻る。主熱取出経路48を循環するブラインは、主熱取出経路48の一部48a−1を通過する間に冷凍機11で冷熱を受けると共に、他の部分48a−2を通過する間に氷蓄熱槽12で冷熱を受ける。主熱取出経路48を循環するブラインは、熱交換器16の一次側16aを通過するときに、空調用熱交換器16の二次側16bを通過する空調設備用経路38の空調用伝熱媒体との間で熱交換を行う。この大量冷熱供給運転中も、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。なお、冷凍機11を通過するブラインの流量が最低限値以下とならないように、主熱取出用ポンプ15の回転数及び解氷バルブ41の開度を調節する。
【0072】電力状況により電力負荷の大きな冷凍機11の運転を停止して熱供給運転するときには、図11に示すように、操作盤51の解氷のみ運転選択ボタンM6をONして解氷のみ運転モードを選択する。この解氷のみ運転モードでは、冷凍機11、蓄熱用ポンプ13及び副冷熱取出用ポンプ31の停止並びに解氷バルブ41の開を指令し、この状態で主熱取出用ポンプ15を起動して主熱取出経路48にブラインを循環させ、ブラインが氷蓄熱槽12を通過する間に冷熱を受け、ブラインが空調用熱交換機16の一次側16aを通過する間に二次側16bを通過する空調用伝熱媒体との間で熱交換する。この熱供給運転のときにも、温度制御装置25は、空調用熱交換器16の二次側16bを出る空調用伝熱媒体の温度が設定温度に近づくように主熱取出用ポンプ15の回転数を自動制御する。この主熱取出用ポンプ15の回転数を制御するときには、併せて解氷バルブ41の開度を調節することもある。
【0073】なお、前記蓄熱用ポンプ13の回転速度の調節は、温度制御装置20で自動的に行うことなく、温度計21を目測しながら手動で行うようにしてもよい。更に、主熱取出用ポンプ15及び副熱取出用ポンプ31の回転速度の調節は、温度制御装置25又は33で自動的に行うことなく、温度計26を目測しながら手動で行うようにしてもよい。
【0074】本実施の形態の空調用氷蓄熱システム40は、蓄熱のみ運転、大量熱供給運転、中量熱供給運転、小量熱供給運転及び追かけのみ運転のいずれのときも、熱源機器である冷凍機11を全負荷運転とするための制御回路を備え、エネルギー効率の良い状態で運転することがある。この場合には、エネルギー効率の良い全負荷運転とすることにで、省エネルギー運転ができる。
【0075】更に、空調用氷蓄熱システム40は、熱取出のみ運転を除く他の運転状態の間で運転状態を変更するときに、冷凍機11を停止させることなく運転の切替えを行うことができる制御回路を備えることもある。従来は、運転状態を変更するときに冷凍機11を停止させている。しかし、冷凍機11を一旦停止させると、再起動まで冷凍機11のエネルギー効率が低下すると共に、冷凍機11の稼働率が低下する。従って、冷凍機11を停止させることなく運転の切替えを行う場合には、冷凍機11の運転時間を長くすることができると共に、冷凍機11のエネルギー効率を高くすることが可能となる。
【0076】空調用氷蓄熱システム40は、中量熱供給運転、小量熱供給運転及び追かけのみ運転が新たにできるため、冷凍機11の製造冷熱量及び氷蓄熱槽12の蓄熱量を増大させることが可能となり、空調の熱負荷の最大ピーク時に氷蓄熱槽12から取出せる熱量を多くして、大量の熱供給運転における冷凍機11の負荷を低減でき、結果的にシステム全体の総電力量も低減して、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、空調用氷蓄熱システム40は、中量熱供給運転、小量熱供給運転及び追かけのみ運転が新たにできるため、冷凍機11の運転時間を長くすることにより、冷凍機11の起動停止の頻度が低くなりシンプルな運転が可能となると共に、従来に比べ小型の冷凍機11で必要熱量の製造の確保が図れるため、システムの建設コストを低減できる。更に、空調用氷蓄熱システム40にあっては、大量及び中量の熱供給運転のときにはポンプ容量の大きな主熱取出用ポンプ15を運転し、小量の熱供給運転のときにはポンプ容量の小さな副熱取出用ポンプ31を運転するように、熱供給量の大小に応じてポンプ容量を選択できるため、空調の熱負荷の大量から小量までの全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0077】また、本実施の形態の空調用氷蓄熱システム40にあっては、蓄熱システムの複数ある運転モードを、操作盤51に備えた選択ボタンM1乃至M6の選択で容易に変更できるため、空調の熱負荷変動や電力状況に迅速に対応できることになり、従来のスケージュール運転に代わり蓄熱システムを最適な運転モードで運転させることができる。M1乃至M5の選択で運転モードを変更する場合には、冷凍機11を一旦停止させることなく全負荷での運転状態を維持させたまま、変更させるようにすることも可能となる。
【0078】(その他の実施の形態)本発明は、前記実施の形態である空調用氷蓄熱システム10,40に限定されるものではなく、図示は省略したが、ボイラー等で得た温熱を蓄熱装置に蓄え、空調の負荷に応じて蓄熱装置から熱を取出しながら運転する空調用温熱蓄熱システムの運転に適用することも可能である。この空調用温熱蓄熱システムの運転に適用する場合、前記熱源機器11は蒸気ボイラー又は温水ボイラー等の温熱発生装置で構成し、蓄熱装置12は蒸気又は温水の温熱を蓄熱できる蓄熱槽で構成する。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の本発明に係る運転方法は、空調で消費できずに残った熱量を蓄熱しながら中量の空調負荷にも対応できるので、熱源機器の運転時間を長くして製造熱量及び蓄熱量を増大させることが可能となり、空調負荷の最大ピーク時に蓄熱装置から取出せる熱量を多くして、従来よりも小型の熱源機器で大量の熱供給運転に対応でき、結果的にシステム全体の総電力量も低減して、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、請求項1記載の本発明は、熱源機器の起動停止の頻度が低くなりシンプルな運転が可能となる。請求項2記載の本発明に係る運転方法は、空調で消費できずに残った熱量を蓄熱しながら小量の空調負荷にも対応できるので、熱源機器の運転時間を長くして製造熱量及び蓄熱量を増大させることが可能となり、空調負荷の最大ピーク時に蓄熱装置から取出せる熱量を多くして、従来よりも小型の熱源機器で大量の熱供給運転に対応でき、結果的にシステム全体の総電力量も低減して、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、請求項2記載の本発明は、熱源機器の起動停止の頻度が更に低くなりシンプルな運転が可能となる。
【0080】請求項3記載の本発明に係る運転方法は、蓄熱用ポンプを停止して熱源機器の運転のみで空調負荷に対応できる追かけのみ運転の選択が可能となり、ポンプを効率よく起動停止できるので、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、請求項3記載の本発明は、熱源機器の起動停止の頻度がより低くなりシンプルな運転が可能となる。請求項4記載の本発明に係る運転方法は、熱源機器の連続した全負荷運転により、製造熱量及び蓄熱熱量を多くすることができる。そして、熱取出のみの運転を除く他の運転の間で運転切替えを行うときにも、熱源機器を停止させることなく、熱源機器の連続した全負荷運転を維持させることが可能となる。
【0081】請求項5記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、空調で消費できずに残った熱量を蓄熱しながら中量の空調負荷にも対応できる運転が可能となり、熱源機器の運転時間を長くして蓄熱量を増大させて空調負荷の最大ピーク時に蓄熱装置から取出せる熱量を多くし、従来よりも小型の熱源機器で大量の熱供給運転に対応でき、更に蓄熱用ポンプを停止して熱源機器の運転のみで空調負荷に対応できる運転の選択も可能となるため、ポンプを効率よく起動停止できることになり、結果的にシステム全体の総電力量も低減して、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、請求項4記載の本発明は、熱源機器の起動停止の頻度が低くなりシンプルな運転が可能となる。請求項5及び6記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、空調で消費できずに残った熱量を蓄熱しながら小量の空調負荷にも対応できる運転を選択できるので、熱源機器の運転時間を更に長くして製造熱量及び蓄熱量を増大させることが可能となるため、システム全体の総電力量も更に低減して、システム全体の効率を高め、省エネルギー運転ができる。また、請求項5及び6記載の本発明は、熱供給量の大小に応じて熱取出用ポンプの容量を選択できるため、空調の熱負荷の大量から小量までの全域に亘ってシステム全体を効率良く運転させることができる。
【0082】請求項7記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、小量の熱供給運転のときにも熱源機器を運転することになり、熱源機器の運転時間を更に長くすることができると共に、熱供給量の大小に応じて吐出能力の異なるポンプを選択することが可能であるため、空調の大量から小量までの熱負荷変動の全域に亘って空調用蓄熱システム全体を効率良く運転させることができる。請求項8記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、空調の熱負荷に応じて主熱取出用ポンプを効率良く運転させることができる。請求項9記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、空調の熱負荷に応じて副熱取出用ポンプを効率良く運転させることができる。請求項10記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、空調の熱負荷に応じて熱源機器を効率良く運転させることができる。
【0083】請求項11記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、氷蓄熱システムにおける冷凍機の運転時間を長くできると共に、蓄熱システムの運転モードの変更を容易にできるため空調の熱負荷変動に迅速に対応できる。請求項12及び14の本発明に係る空調用蓄熱システムは、冷凍機を運転するときにはエネルギー効率の良い全負荷運転状態となり、また、解氷のみ運転を除く他の運転モードの間で運転切替えを行うときには、冷凍機を停止させることなく、冷凍機の連続した全負荷運転を維持させたまま運転切替えを行うことが可能となり、冷凍機の稼働率及びエネルギー効率を更に高めることができる。請求項13記載の本発明に係る空調用蓄熱システムは、追かけのみ冷熱供給運転モードにより、冷凍機の運転の頻度を高める蓄熱システムの運転モードを増やすことで冷凍機の運転の稼働率及びエネルギー効率を更に高めることができると共に、運転モードの変更を容易にできる。
【出願人】 【識別番号】598139656
【氏名又は名称】大阪エネルギーサービス株式会社
【出願日】 平成11年8月23日(1999.8.23)
【代理人】 【識別番号】100082016
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敏彦
【公開番号】 特開2000−193289(P2000−193289A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平11−235282