| 【発明の名称】 |
原子炉建屋内の換気方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】是永 高志
【氏名】平 耕一
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| 【要約】 |
【課題】大型機器類の取替時に、原子炉建屋内を負圧に保持して、建屋内の空気が建屋外に漏洩しないようにする。
【解決手段】原子炉建屋1の天井3に原子炉圧力容器2を吊り込んで搬出入する搬出入用開口4を設ける。この開口4に開口面積を自在に調整できるシャッタ7を設ける。原子炉建屋1内に排気口部材8を設け、排気口部材8を排気装置10に接続する。原子炉圧力容器2の搬出入時にシャッタ7により開口4の開口面積を最小限にするとともに、給気装置の運転を止め、排気装置10のみを運転する。これにより、原子炉建屋1内を負圧に保持することができ、もって建屋1内の空気が建屋1外へ漏洩するのを防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉建屋の天井に機器類搬出入用開口を設け、この開口から前記原子炉建屋内外へ原子炉圧力容器または蒸気発生器等の機器類を搬入出する際、前記原子炉建屋に設置した換気空調系の給気装置の運転を停止し、前記換気空調系の排気装置の運転のみを行い前記原子炉建屋内を負圧に保持することを特徴とする原子炉建屋内の換気方法。 【請求項2】 原子炉建屋の天井に機器類搬出入用開口を設け、この開口に開口面積を自在に調整できるシャッタを設け、前記開口から前記原子炉建屋内外へ機器類を搬入出する際、前記シャッタにより前記開口の開口面積を小さくして前記原子炉建屋に設置した換気空調系の給気装置および排気装置ともに通常運転して第2種換気を行い前記原子炉建屋内を負圧に保持することを特徴とする原子炉建屋内の換気方法。 【請求項3】 前記シャッタは前記開口に4方向から移動自在で前記開口の開口面積を調整し得る開閉機構からなることを特徴とする請求項2記載の原子炉建屋内の換気方法。 【請求項4】 前記シャッタは前記開口に中心部に向けて縮径する機械的絞り機構により前記開口の開口面積を調整し得る開閉機構からなることを特徴とする請求項2記載の原子炉建屋内の換気方法。 【請求項5】 前記シャッタは前記開口に複数の伸縮自在なスリットを有する覆いからなることを特徴とする請求項2記載の原子炉建屋内の換気方法。 【請求項6】 原子炉建屋の天井に機器類搬出入用開口を設け、開口から前記原子炉建屋内外へ機器類を搬入出する際、前記開口に伸縮自在の筒状体を設けて、この筒状体により前記機器類を内包し、前記開口の開口面積を小さくして前記原子炉建屋に設置した換気空調系の少なくとも給気装置を運転して前記原子炉建屋内を負圧に保持することを特徴とする原子炉建屋内の換気方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は原子炉建屋に原子炉圧力容器や蒸気発生器等の大型機器類を搬入出する際、原子炉建屋内を負圧管理して原子炉建屋内の空気の漏洩を防止し得る原子炉建屋内の換気方法に関する。 【0002】 【従来の技術】既に発電を開始している原子力発電所の長寿命化の一環として、原子炉圧力容器や蒸気発生器等の大型機器類の取替が考えられ、または実施されている。これらの機器類を収納している原子炉建屋の換気空調系では機器類の除熱および換気を行うとともに、放射線管理区域である原子炉建屋内の空気を封じ込めるため、原子炉建屋内の圧力を負圧に保持している。 【0003】原子力プラントで使用中または使用後の原子炉圧力容器または蒸気発生器等の大型機器類を原子炉建屋外に搬出する場合、または取替品を原子炉建屋内に搬入する場合には、原子炉建屋内から屋外に放射性物質を放出しないように管理する必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】大型機器類の取替には原子炉建屋の天井に大型機器類の搬出入が可能な開口を設け、その開口から搬出入を行うが原子炉建屋内の負圧を保持することは困難である。 【0005】また、大型機器類を原子炉建屋外に搬出する場合には、原子炉建屋内で大型機器類を細かく切断して大物搬入口から搬出し、新規大型機器類の部材を大物搬入口から搬入して原子炉建屋内で組立てる方法が知られている。 【0006】しかしながら、この方法では屋外に放射性物質を放出しないで大型機器類を取替えることができる反面、原子力プラントの運転を長期にわたり停止することになり、経済的に現実的でない課題がある。 【0007】本発明は上記課題を解決するためになされたもので、大型機器類取替時の原子炉建屋天井に搬出入用開口を設けても、原子炉建屋内の負圧管理を行うことができ、放射線管理区域内の空気の漏洩を防止することができる原子炉建屋内の換気方法を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原子炉建屋の天井に機器類搬出入用開口を設け、この開口から前記原子炉建屋内外へ原子炉圧力容器または蒸気発生器等の機器類を搬入出する際、前記原子炉建屋に設置した換気空調系の給気装置の運転を停止し、前記換気空調系の排気装置の運転を通常運転とするか、または全台運転して第2種換気を行い前記原子炉建屋内を負圧に保持することを特徴とする。 【0009】請求項1の発明によれば、原子炉圧力容器または蒸気発生器等の大型機器類搬出入時に原子炉建屋の天井に設けた開口を開く必要がある場合、開口を通過する機器類の大きさに合わせ、開口面積の調整を行う。また、原子炉建屋に設けた換気空調系の給気装置を全停し、排気装置のみを運転する。 【0010】そして、原子炉建屋内の給気を開口からの移送給気,排気を排気装置による強制排気とする。これにより、大型機器類搬出入時において、原子炉建屋から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が可能となる。 【0011】請求項2の発明は原子炉建屋の天井に機器類搬出入用開口を設け、この開口に開口面積を自在に調整できるシャッタを設け、前記開口から前記原子炉建屋内外へ機器類を搬入出する際、前記シャッタにより前記開口の開口面積を小さくして前記原子炉建屋に設置した換気空調系の給気装置および排気装置ともに通常運転して第2種換気を行い前記原子炉建屋内を負圧に保持することを特徴とする。 【0012】請求項2の発明によれば、天井に設けた開口に開口面積を自在に調整できるシャッタを設ける。このシャッタにより原子炉建屋外との間仕切りとなる開口の開口面積を最小とすることができる。これにより、原子炉建屋内から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が可能となる。 【0013】請求項3の発明は、前記シャッタは前記開口に4方向から移動自在で前記開口の開口面積を調整し得る開閉機構からなることを特徴とする。請求項3の発明によれば、4方向からの開閉可能なシャッタ形状であり、開口部を通過する機器類の大きさに合わせ、開口面積の調整をすることにより、屋外との仕切りである開口の開口面積を最小とする。これにより、原子炉建屋から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が可能となる。 【0014】請求項4の発明は、前記シャッタは前記開口に中心部に向けて縮径する機械的絞り機構により前記開口の開口面積を調整し得る開閉機構からなることを特徴とする。 【0015】請求項4の発明によれば、カメラのシャッタとほぼ同様の絞り機能を有したシャッタ形状であり、開口部を通過する機器類の大きさに合わせ、開口面積の調整をすることにより、屋外との仕切りである開口の開口面積を最小とする。これにより、原子炉建屋から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が可能となる。 【0016】請求項5の発明は、前記シャッタは前記開口に複数の伸縮自在なスリットを有する覆いからなることを特徴とする。請求項5の発明によれば、伸縮性を有したスリット状の覆い面を設置し、開口面積を最小とする。これにより、原子炉建屋から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が可能となる。 【0017】請求項6の発明は、原子炉建屋の天井に機器類搬出入用開口を設け、開口から前記原子炉建屋内外へ機器類を搬入出する際、前記開口に伸縮自在の筒状体を設け、この筒状体により前記機器類を内包し、前記開口の開口面積を小さくして前記原子炉建屋に設置した換気空調系の給気装置および排気装置ともに通常運転して第2種換気を行い前記原子炉建屋内を負圧に保持することを特徴とする。 【0018】請求項6の発明によれば、天井の開口の下面に伸縮自在の蛇腹状筒体を設け、この筒体内に搬出入時の大型機器類を包み込む。筒体の外側形状の大きさを変えることにより、開口の開口面積を最小にすることができる。したがって、原子炉建屋内から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が容易となる。 【0019】 【発明の実施の形態】図1および図2(a)〜(c)により本発明に係る原子炉建屋内の換気方法の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は大型機器類取替時に原子炉建屋内を負荷管理して換気する方法について、沸騰水型原子炉(BWR)を使用する原子力発電所における原子炉建屋内に設置されている原子炉圧力容器の取替えを例としている。 【0020】図1中、符号1は原子炉建屋を概略的に示しており、原子炉建屋1の天井3には搬出入用開口4が設けられている。原子炉建屋1内に原子炉圧力容器2が天井3の搬出入用開口4から原子炉建屋用クレーン5により吊り上げ治具6を介して吊り込まれて搬出入する。天井3の搬出入用開口4上にはシャッタ7が設けられており、原子炉建屋1内には建屋1内の空気を吸い込む排気口部材8が設置されている。 【0021】排気口部材8は原子炉建屋1の内部に設置した屋内排気ダクト9の上端部に取付けられ、屋内ダクト9の下端部は原子炉建屋1の外部に設置した排気装置10の吸込側に接続している。排気装置10は2台並列に設置されており、排気装置10の吐出側には屋外排気ダクト11の一端が接続し、屋外排気ダクト11の他端側は排気塔12に接続している。なお、原子炉建屋1内には図示していないが換気空調系の給気口部材が設置されている。 【0022】天井3に設けた搬出入用開口4は原子炉建屋用クレーン5を挟み込むようにしてシャッタ7により前記開口4の開口面積が自在に調整される。すなわち、シャッタ7は図2(a)に示したように4枚の平板7a〜7dをほぼ井桁状に配列し各々の平板7a〜7dが矢印で示した方向に上下左右に移動し開口面積を微調整できる操作装置(図示せず)に取付けられた開閉機構からなっている。 【0023】4枚の平板7a〜7dを相互に4方向から上下左右に移動することによって前記開口4の開口面積を変えたり、開閉したりすることが自在にできる。図2(a)の状態では、シャッタ7の目開きは原子炉圧力容器2が挿脱できる開口面積となっている。 【0024】本実施の形態において、原子炉圧力容器2を原子炉建屋1に搬出入する場合、原子炉圧力容器2を原子炉建屋用クレーン5で吊り上げ、シャッタ7を開放し原子炉建屋1外に搬出または建屋1内に搬入する。シャッタ7の開口の大きさは原子炉圧力容器2を搬出するため、9m×9m程度が必要である。 【0025】原子炉圧力容器2の取替手順としては、原子炉建屋1の換気空調系として給気装置(図示せず)を全停し、排気装置10を通常運転または全台運転(予備なし)し、建屋1内の空気を屋内排気ダクト9から導き、排気装置10により屋外排気ダクト11に導いて排気塔12から拡散放出する第3種換気法を行う。この空調系運転状態で原子炉圧力容器3の吊り上げ,吊り下ろしを行う。 【0026】ここで、第3種換気法とは給気を給気口から自然に流入させ、排気を送風機による機械換気を行う換気方法をいう。なお、第1種換気法とは給気,排気とも送風機による機械換気を行う換気方法をいい、第2種換気法とは給気を送風機による機械換気,排気を排気口から自然に押出す自然換気を行う換気方法をいう。 【0027】一方、原子炉建屋1外の排気装置10の容量は、一般に150,000 m3 /h程度のため、9m×9mの開口4を通し給気した場合、開口4の通過風速は、0.5 m/s程度であり、外気の風の影響により原子炉建屋1内の空気が原子炉建屋1外に流出する可能性がある。 【0028】原子力発電所の設置される地域の月平均風速で最も大きい風速が4m/s程度の場合、原子炉建屋1内の圧力が正圧とならず、空気の流出が発生しない開口4の開口面積としては、約17m2 程度に押える必要がある。 【0029】そこで、原子炉圧力容器2の吊り上げ,吊り下ろし方法としては、開口4に設けたシャッタ7を開口4を通過するクレーン5の吊り上げ治具6および原子炉圧力容器2等の開口部通過機器の大きさに合わせシャッタ7の開度の微調整を行い、開口4の開口面積を17m2 程度となるようにする。 【0030】本実施の形態によれば天井の開口に設けたシャッタにより原子炉建屋との間仕切りとなる開口の開口面積を最小とすることができる。これにより原子炉建屋内から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋内の負圧管理が容易となる。 【0031】図2(b)は第1の実施の形態において、伸縮性を有するスリット状覆い14を搬出入用開口4に取付けた状態を示す平面図である。この覆い14を搬出入用開口4に取付け、原子炉圧力容器2または蒸気発生器等の大型機器類の搬出入時の開口面積を最小とし、原子炉建屋1内の負荷管理を行うことができる。覆い14は伸縮性を有していることから、覆い14を設置したままの状態で機器類の搬出入を行うことができる。 【0032】図2(c)は第1の実施の形態において、図2(a)における4方向から開閉自在なシャッタ7の代りに絞り機能を有するシャッタ15の例を示している。シャッタ15は、機械的に絞り大径開口を小径に縮めたり、中心部を閉じたりできるものである。 【0033】すなわち、搬出入用開口4に前記シャッタ15を取付け、前記開口4を通過する機器類の大きさに合わせ、前記シャッタ15により前記開口4の開口面積を調整する。これにより、原子炉建屋1外との仕切りである開口4の開口面積を最小とすることにより、原子炉建屋1内から外部に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋1内の負荷管理を行うことができる。 【0034】つぎに図3から図6により本発明に係る原子炉建屋の換気方法の第2の実施の形態を説明する。図3において、原子炉建屋1の天井3面に原子炉圧力容器2の搬出入用開口4を設け、この開口4には、開閉操作が可能なシャッタ7を設置する。開口4の大きさは、原子炉圧力容器2を搬出するため、9m×9m程度が必要である。 【0035】さらに、原子炉建屋1内側に原子炉圧力容器2を内包することができる蛇腹状筒体13を天井3の内側から吊り下げて設置する。 【0036】原子炉圧力容器2の搬出入時は、図4に示すように原子炉圧力容器2をクレーン5で吊り上げ、蛇腹状筒体13に内包する。蛇腹状筒体13は図4に示したように大径部13a,中径部13bおよび小径部13cが三段重ねとなっており、通常は大径部13a内に中径部13bが入り込み中径部13b内に小径部13cが入り込んでコンパクト化されている。 【0037】この状態での原子炉建屋換気空調系の運転状態は、給気装置および排気装置10ともに通常運転状態で、建屋内の空気を排気口部材8から屋内排気ダクト9を通して導き、排気装置10により排気塔12から拡散放出する第1種換気を行う。 【0038】原子炉圧力容器2を内包した後、図5に示す通り、蛇腹状筒体13の中径部13bの端部を閉じ、シャッタ7を開放し、原子炉建屋1外に搬出または原子炉建屋1内に搬入する。 【0039】この時の原子炉建屋換気空調系の運転状態は、前述と同様に給気装置および排気装置10ともに通常運転状態で、建屋1内の空気を排気口部材8から導き、排気装置10により排気塔12から拡散放出する第1種換気を行う。 【0040】その後、原子炉圧力容器2が開口4を通過し、原子炉建屋1外への搬出が完了した後、図6に示したように開口4上のシャッタ7を閉めて、開口4を閉止し、搬出の完了となる。また、原子炉圧力容器2の搬入の手順としては、搬出時の逆手順とする。 【0041】なお、上記実施の形態において、蛇腹状筒体13の代りにビニールシート等の伸縮自在可撓性筒体を使用することもでき、これによりさらに簡易的に原子炉建屋内の空気と隔離することができる。 【0042】本実施の形態によれば、蛇腹状筒体13内に大型機器類を包み込むことができ、また筒体13により開口4の開口面積を最小にすることができる。したがって、原子炉建屋1内から屋外に放射性物質を放出しないようにするための原子炉建屋1内の負圧管理がより容易となる。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、大型機器類の搬出入をするための搬出入用開口を原子炉建屋に設けた場合、原子炉建屋内の負荷管理を容易に行うことができる。よって、原子炉建屋、つまり放射性管理区域内の空気の漏洩を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000221018 【氏名又は名称】東芝エンジニアリング株式会社 【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成10年12月25日(1998.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087332 【弁理士】 【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193279(P2000−193279A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−368647 |
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