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【発明の名称】 排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システムとその使用方法
【発明者】 【氏名】市川 雅英

【氏名】佐藤 尚之

【氏名】戸田 雅之

【氏名】佐藤 利晴

【要約】 【課題】システム構成を容易にするとともに設置スペースの低減を図る。

【解決手段】第1排水水送出手段11から送出された排水は、排水槽12および排水中水兼用槽13に貯蔵される。排水槽12に貯蔵された排水は、第1蓄熱槽14に供給され、兼用槽13に貯蔵された排水は第2蓄熱槽15に、中水は第1蓄熱槽14と第2蓄熱槽15に供給される。第1、第2蓄熱槽14、15では、夜間に汚水が凍結されるように制御され、凍結残水は汚濁成分が濃縮された状態となって槽内に貯留される。第1熱交換器16には、兼用槽13からの中水と第1、第2蓄熱槽14、15からの残水が供給され、残水の冷熱は兼用槽13からの中水と熱交換される。第2熱交換器17には、第2蓄熱槽15から中水が供給され、使用量に応じて中水槽18に供給される。第2排水送出手段19から送出された排水は、除害施設手段20に供給され、処理された水の一部は排水槽12に供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排水送出手段から送出された汚水が貯蔵される排水槽と、この排水槽に貯蔵された汚水が供給され、夜間に汚水が凍結されるように制御されるとともに中水が供給される第1蓄熱槽と、前記排水送出手段から送出された汚水が貯蔵されるとともに、時間帯によって汚水を送出して中水を貯蔵するように設定された排水中水兼用槽と、この排水中水兼用槽に貯蔵された汚水あるいは中水が供給され、夜間には汚水が凍結されるように制御される第2蓄熱槽と、前記排水中水兼用槽への汚水貯蔵か中水貯蔵かを選択制御する指令を送出するとともに、前記第1蓄熱槽を使用するか第2蓄熱槽を使用するかを選択する際に、一方の蓄熱槽を優先的に使用し、中水と冷熱を使い切ったときに、他方の蓄熱槽に切り替え選択する指令を送出する制御装置とを備えたことを特徴とする排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システム。
【請求項2】 前記排水中水兼用槽は、槽本体と、この槽本体の上部に設けられ、槽本体内を洗浄するための散水装置と、中水が流入して来たときに消毒剤を注入する薬品設備とからなる請求項1記載の排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システム。
【請求項3】 前記排水中水兼用槽は、槽本体と、この槽本体内に設けられ、汚水貯留時には形状が収縮されるとともに、中水を貯留するときには、形状が拡大する袋状の防水性セパレータと、中水が流入して来たときに消毒剤を注入する薬品設備とからなる請求項1記載の排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システム。
【請求項4】 前記蓄熱槽は、槽本体と、この槽本体内に設けられた洗浄用散水装置および冷凍機に連結された伝熱管と、前記冷凍機に連結され、槽本体内の水温を計測して氷点より僅かに高い温度のときに、槽本体内に投入される種氷を製造する種氷製造装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システム。
【請求項5】 前記蓄熱槽は、槽本体と、この槽本体内に設けられ、冷凍機に連結された伝熱管と、前記槽本体内の底部に設けられ、槽本体内に温風を送風する散気装置と、前記冷凍機に連結され、槽本体内の水温を計測して氷点より僅かに高い温度のときに、槽本体内に投入される種氷を製造する種氷製造装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システム。
【請求項6】 排水送出手段から送出された汚水を排水槽および排水中水兼用槽に貯蔵するとともに、時間帯によっては中水を前記排水中水兼用槽に貯蔵するように設定した後、貯蔵された汚水を第1蓄熱槽および第2蓄熱槽に供給してその汚水を凍結するように構成した氷蓄熱方法において、汚水凍結後に残された水を冷熱と中水利用が始まる直前に排出する排出工程と、この排出工程で水を排出した後、蓄熱槽内に、凍結された汚水から清浄な氷だけを得た後、兼用槽から中水を両蓄熱槽に導入する工程と、この工程で導入された第2蓄熱槽の中水を熱交換器に供給して中水の冷熱が冷房負荷に利用されるようにした中水の利用工程と、この利用工程で第2蓄熱槽の中水が使い切られると第1蓄熱槽の中水に切り替えられて冷熱の供給が行われる冷熱利用工程と、この冷熱利用工程が終了した後、兼用槽から第2蓄熱槽に汚水が送水され、その送水で空になった兼用槽を洗浄した後、第1蓄熱槽より兼用槽に中水が送水されるとともに、排水槽より第1蓄熱槽には汚水が送水されて汚水と中水との入れ替えが行われる工程とを備えたことを特徴とする排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システムの使用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、夜間電力を貯蔵するための氷蓄熱装置に、排水を、処理する機能を併せ持つ排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システムとその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル等から排出される排水を安価な夜間電力により凍結して、純粋な氷を製造し、この氷を融かすことで昼間の冷房需要に冷熱を供給し、さらにこの融解した水を再利用する氷蓄熱装置とそのシステムが開発されて来ている。この装置では、排水は凍結により汚濁成分が極端に少なく、再利用に供される部分と高濃度に濃縮される部分に分けられる。濃縮された部分は、その濃度や環境条件により、下水放流、産業廃棄物として処分、放流のために再処理等の処置がなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】氷蓄熱の方法としては、スタティック型とダイナミック型に分けられる。前者は製氷と蓄熱が同じ槽で行われ、氷は移動することはない。これに対して後者では製氷器で氷が作られた後、氷が蓄熱槽へ移動する機構を持っている。前者は装置が容易であるが、蓄熱槽における氷の充填率を高くするのが難しいことと、製氷速度や冷熱の取り出し速度が遅くなる問題がある。また、後者では製氷装置が複雑になったり、氷の移送時に着氷を防止しなければならないと言う問題をもっている。
【0004】排水処理機能付き氷蓄熱槽は、濃縮汚水と処理水を分離する必要からダイナミック型を採用している(特願平10−199379号)。しかしながら、このダイナミック型のものは、製氷装置が複雑になることと、熱効率の低下や安定した処理水質を確保するための運転操作が難しい等の問題が残されている。
【0005】一方、スタティック型を採用した排水処理機能付き氷蓄熱システム(特願平6−18069号)は、処理下水受槽や濃縮された汚水と中水(ある程度水質が改善され、便器洗浄等に再利用が可能な処理水)を入れ替えるための処理下水受槽を必要とする。このため、全体の装置が大きくなり、これらの槽の設置スペースが、一般の水処理システムの設置スペースとほとんど同じぐらいになるために、再利用を兼ねる長所がなくなる可能性がある。また、製氷手段として、一般に用いられている方法では、中水として要求される水質の処理水を得ることは困難である。従って、スタティック型を採用した排水処理機能付き氷蓄熱システムの実用化は困難な状況にある。
【0006】この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、システム構成が容易で、かつシステムの設置スペースの低減を図るとともに、安定した処理水質を確保することができる排水処理機能付き氷蓄熱装置の水処理システムとその使用方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を達成するために、第1発明は、排水送出手段から送出された汚水が貯蔵される排水槽と、この排水槽に貯蔵された汚水が供給され、夜間に汚水が凍結されるように制御されるとともに中水が供給される第1蓄熱槽と、前記排水送出手段から送出された汚水が貯蔵されるとともに、時間帯によって汚水を送出して中水を貯蔵するように設定された排水中水兼用槽と、この排水中水兼用槽に貯蔵された汚水あるいは中水が供給され、夜間には汚水が凍結されるように制御される第2蓄熱槽と、前記排水中水兼用槽への汚水貯蔵か中水貯蔵かを選択制御する指令を送出するとともに、前記第1蓄熱槽を使用するか第2蓄熱槽を使用するかを選択する際に、一方の蓄熱槽を優先的に使用し、中水と冷熱を使い切ったときに、他方の蓄熱槽に切り替え選択する指令を送出する制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】第2発明は、前記排水中水兼用槽が、槽本体と、この槽本体の上部に設けられ、槽本体内を洗浄するための散水装置と、中水が流入して来たときに消毒剤を注入する薬品設備とからなるものである。
【0009】第3発明は、前記排水中水兼用槽が、槽本体と、この槽本体内に設けられ、汚水貯留時には形状が収縮されるとともに、中水を貯留するときには、形状が拡大する袋状の防水性セパレータと、中水が流入して来たときに消毒剤を注入する薬品設備とからなるものである。
【0010】第4発明は、前記蓄熱槽が、槽本体と、この槽本体内に設けられた洗浄用散水装置および冷凍機に連結された伝熱管と、前記冷凍機に連結され、槽本体内の水温を計測して氷点より僅かに高い温度のときに、槽本体内に投入される種氷を製造する種氷製造装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】第5発明は、前記蓄熱槽が、槽本体と、この槽本体内に設けられ、冷凍機に連結された伝熱管と、前記槽本体内の底部に設けられ、槽本体内に温風を送風する散気装置と、前記冷凍機に連結され、槽本体内の水温を計測して氷点より僅かに高い温度のときに、槽本体内に投入される種氷を製造する種氷製造装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】第6発明は、排水送出手段から送出された汚水を排水槽および排水中水兼用槽に貯蔵するとともに、時間帯によっては中水を前記排水中水兼用槽に貯蔵するように設定した後、貯蔵された汚水を第1蓄熱槽および第2蓄熱槽に供給してその汚水を凍結するように構成した氷蓄熱方法において、汚水凍結後に残された水を冷熱と中水利用が始まる直前に排出する排出工程と、この排出工程で水を排出した後、蓄熱槽内に、凍結された汚水から清浄な氷だけを得た後、兼用槽から中水を両蓄熱槽に導入する工程と、この工程で導入された第2蓄熱槽の中水を熱交換器に供給して中水の冷熱が冷房負荷に利用されるようにした中水の利用工程と、この利用工程で第2蓄熱槽の中水が使い切られると第1蓄熱槽の中水に切り替えられて冷熱の供給が行われる冷熱利用工程と、この冷熱利用工程が終了した後、兼用槽から第2蓄熱槽に汚水が送水され、その送水で空になった兼用槽を洗浄した後、第1蓄熱槽より兼用槽に中水が送水されるとともに、排水槽より第1蓄熱槽には汚水が送水されて汚水と中水との入れ替えが行われる工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態である処理プロセスを示すブロック構成図で、図1において、11はビル等から出る洗面・手洗い、湯沸かし等(厨房や飲食店舗からの汚水を除く)の排水からなる第1排水送出手段で、この第1排水送出手段11から送出された排水(図中実線で示す)は、排水槽12および排水中水兼用槽13に汚水として貯蔵される。特に、排水中水兼用槽13は、時間帯によって排水以外に中水(図中破線で示す)が流入貯蔵されるような構成になっている。
【0014】排水槽12に貯蔵された汚水は、第1蓄熱槽14に供給され、また、兼用槽13に貯蔵された汚水は第2蓄熱槽15に、中水は第1蓄熱槽14と第2蓄熱槽15に供給される。この第1、第2蓄熱槽14、15は、一方の槽を優先的に使用し、中水と冷熱を使い切った後、他方の槽を使用するように制御装置21により制御される。この制御装置21からは上記のような制御指令の他に、排水槽12の排水や兼用槽13の汚水貯蔵か中水貯蔵かの制御も行う。
【0015】なお、第1、第2蓄熱槽14、15では、夜間に汚水が凍結されるように制御され、凍結残水は汚濁成分が濃縮された状態となって槽内に貯留される。また、両蓄熱槽14、15では、清浄な氷を得るために、種氷供給装置と撹拌装置および氷洗浄装置を備えている。
【0016】16、17は第1、第2熱交換器で、第1熱交換器16には、兼用槽13からの中水と第1、第2蓄熱槽14、15からの残水が供給され、残水の冷熱は兼用槽13からの中水と熱交換される。その後、残水は下水道に排出される。第2熱交換器17には、第2蓄熱槽15から中水が供給され、中水の冷熱が冷房負荷に供給される。この熱交換により温度が上昇した中水は、中水の使用量に応じて中水槽18に供給され、これ以外の中水量は再び第2蓄熱槽15に戻される。と同時に兼用槽13には中水の原水となる雑排水が貯留される。
【0017】第2蓄熱槽15の中水を使い切ると、第1蓄熱槽14に切り替えられ、第2熱交換器17には冷熱の供給が継続される。この後の中水の需要に対しては中水槽18で貯留された量で対応し、不足がある場合は上水が供給される。従って、第1蓄熱槽14の中水はこの水量が保持される。雑排水も兼用槽13が満水となると、排水槽12に切り替えて貯留される。なお、中水槽18の中水は再利用された後、下水道に放流される。19は厨房・飲食店舗等の排水からなる第2排水送出手段で、この第2排水送出手段19から送出された排水は、除害施設手段20に供給される。この除害施設手段20は、自然沈殿法、凝集沈殿法、ろ過法や浮上分離法等からなる浮遊物質を物理化学的処理法で処理するもので、ここで、処理した処理水の一部は排水槽12に供給され、その他は下水道に放流される。
【0018】次に上記実施の形態の作用を述べる。図2は、濃縮汚水の排出工程を述べるために、図1に示す実施の形態から主要部を抽出したブロック構成図で、図2において、夜間に第1、第2蓄熱槽14、15で汚水が凍結され、凍結残水は汚濁成分が濃縮された状態となる。冷熱と中水利用が始まる直前に、これらの残水が下水道に排出される。このとき残水の冷熱は、兼用槽13の中水と第1熱交換器16で熱交換される。なお、最初の中水は、上水道よりホース等による手動操作で注入する。
【0019】図3は、兼用槽13の中水の第1、第2蓄熱槽14、15への導入工程を述べるためのブロック構成図で、図3において、残水の排出後、第1、第2蓄熱槽14、15で氷の表面に付着していた濃縮汚水は、洗浄手段により取り去られて、清浄な氷だけの状態になる。この第1、第2蓄熱槽14、15に兼用槽13より中水が導入され、第1、第2蓄熱槽14、15は満水となる。
【0020】図4は、冷熱と中水の利用工程を述べるためのブロック構成図で、図4において、冷熱と中水の需要が始まると、第2蓄熱槽15より中水が第2熱交換器17に送られ、中水の冷熱が冷房負荷に供給される。この供給により温度が上がった中水は、中水の使用量に応じて中水槽18に送られ、これ以外の量は再び第2蓄熱槽15に戻される。同時に兼用槽13には、中水の原水となる雑排水が貯留される。
【0021】図5は、冷熱の利用工程を述べるためのブロック構成図で、図5において、第2蓄熱槽15の中水を使い切ると第1蓄熱槽14に切り替えられ、冷熱の供給が行われる。この後の中水の需要に対しては、中水槽18で貯留された量で対応し、不足が有る場合は、上水が供給される。従って、第1蓄熱槽14の中水は、この水量が保持される。雑排水も兼用槽13が満水となると、排水槽12に切り替えて貯留される。
【0022】図6、図7、図8は、汚水と中水の入れ替え工程を述べるためのブロック構成図で、図6、図7、図8において、昼間の冷熱と中水の需要が終了すると、汚水と中水の入れ替え作業が行われる。始めに兼用槽13より第2蓄熱槽15に雑排水が送水される。次に、空になった兼用槽13の槽内を洗浄した後、第1蓄熱槽14より中水が送水される。最後に排水槽12より第1蓄熱槽14に雑排水が送水されて、この作業が終了する。この状態で夜間電力を利用して第1、第2蓄熱槽14、15で製氷による蓄熱が行われる。また兼用槽13には、次の日の第1、第2蓄熱槽14、15に供給する中水が貯留される。
【0023】最後に、スタティック方式による雑排水の凍結処理工程が行われる。この工程では、第1、第2蓄熱槽14、15では、図示しない冷凍機により製氷が行われる。このとき水温が、氷点より少し高い段階で種氷を投入することにより、過冷却を防止して氷点付近で製氷を開始させる。この処理を行うことにより、凍結部分は純氷に近い状態となり、汚濁成分は未凍結水に濃縮される。この現象は、撹拌により促進される。従って、これら第1、第2蓄熱槽14、15は、スタティック型の製氷装置と種氷供給手段および撹拌手段を備えている。
【0024】図9はこの発明の実施の形態における排水中水兼用槽13の概略的な構成図で、図9において、13aは排水と中水が交互に貯留される兼用槽本体である。この兼用槽本体13aは排水と中水が交互に貯留されるため、中水が貯留される前に槽本体内を洗浄する必要がある。このため、上水による散水装置13bが兼用槽本体13aの上部に設けられる。また、中水が流入して来たときに消毒剤を注入する設備として、薬品貯留槽13c、薬品注入ポンプ13dも設けられる。13eは汚水排水弁、13fは撹拌装置である。
【0025】図10A,Bは排水中水兼用槽13の別の例を示す概略的な構成図である。上記図9の兼用槽本体13aでは、散水装置13bを必要としたが、槽本体13a内の汚れ状況によっては、洗浄に大量の用水を必要とする可能性がある。このような場合“排水再利用機能付き”と言う利点がなくなる可能性もある。そこで、図10A,Bに示すように、槽本体13a内に形状が自在になる袋状の防水性セパレータ13gを設置する。
【0026】そして、中水貯留時は図10Aに示すように袋状の防水性セパレータ13g(袋が開いた状態)の中に貯留され、図示しない送水装置による送水と共に防水性セパレータ13gが閉じて行く。このとき、撹拌装置13fの撹拌部は上方に引き上げられる。また、雑排水貯留時は図10Bに示すように袋状の防水性セパレータ13gの外に貯留され、袋状の防水性セパレータ13gの中には流入できない構造にする。従って、中水と雑排水の入れ替えの度に、図9に示すように兼用槽本体13gを洗浄する必要が無くなり、洗浄水の節約が可能となる。なお、中水注入と排水は逆回転可能な送排水ポンプ13hにより行う。また、雑排水注入用の散水装置は図示省略してある。
【0027】図11はこの発明の実施の形態における第1、第2蓄熱槽14、15の具体的な構成を示す再利用機能付きスタティック型氷蓄熱装置の構成図で、図11において、排水再利用機能付きスタティック型氷蓄熱装置は、氷蓄熱槽本体31内に伝熱管33が設置されており、その伝熱管33には本体31の外部に設けられた冷凍機32が連結され、かつその伝熱管33内に低温の図示矢印で示すブラインを流すことにより、その周りに純氷34を作る方式である。
【0028】冷凍機32には、種氷供給装置35が設けられ、この種氷供給装置35で作られた種氷36が氷蓄熱装置本体31に供給される。氷蓄熱槽本体31には、さらに撹拌装置37及び洗浄用散水装置38を設置することで、雑排水から作られる氷の汚濁成分を再利用可能な濃度まで下げることを可能にする。種氷36の原水は上水であり、氷は特に限定しないが体積当たりの表面積が大きくなるような形状が好ましい。また、種氷36は槽内の水温を計測して氷点よりわずかに高い温度で投入する。製氷が終了し、濃縮排水を排水した後、氷表面に付着した濃縮排水を除くため洗浄を行う。洗浄は、上水または中水を使用して槽内の底部より散水装置38により散水して行われる。底部から槽内の天井部分まで散水することにより、天井から落下する水により氷の表面の洗浄も可能となる。39は汚水排水弁である。
【0029】図12は、排水再利用機能付きスタティック型氷蓄熱槽の異なる例で、上記図11では、洗浄のため上水または中水が使用されるが、洗浄効果が小さいと大量の用水を使用することになる。このため、図12に示す例では、氷蓄熱槽本体31の下部に設置された散気装置41から送風される温風で氷自らの融解により表面の濃縮排水を脱着させようとする方式である。この散気装置41は、製氷時には散気による撹拌装置となり、送風の取り入れ口は温風の場合とは別系統になり、蓄熱槽本体31の上部から冷風を取り入れる。このような構造にすることで洗浄水の節約と撹拌装置を別に設ける必要がなくなるという利点がある。なお、42はブロアーである。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、装置構造が容易なスタティック型氷蓄熱装置で排水再利用機能を付加することができるとともに、排水中水兼用槽を導入することで装置の容積を減らすことができ、しかも洗浄水の節約が可能となるなどの利点がある。また、この発明の方法を使用すれば、安定した処理水質を確保することができるようになる。
【出願人】 【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100062199
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193276(P2000−193276A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−368379