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【発明の名称】 室内ユニット及び空気調和機
【発明者】 【氏名】伊藤 喜啓

【氏名】鈴木 一弘

【氏名】松田 圭

【氏名】神原 裕志

【要約】 【課題】換気ホースの有無等により異なる複数の開口部形状に対応できるようにし、室内ユニットの部品を共通化する。

【解決手段】吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えてなる室内機ユニットのケーシング11に、冷媒配管や換気ホース等外部との接続部材を通す通路となる開口部形状を複数の中から選択可能な打抜部76を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備え、前記ケーシングに、外部との接続部材を通す通路となる開口部形状を複数の中から選択可能な打抜部を設けたことを特徴とする室内ユニット。
【請求項2】 室外熱交換器と、熱交換器に高温高圧の気体冷媒を送出する圧縮機と、各種電気回路素子よりなる室外ユニット制御部とを具備してなる室外ユニットと、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを具備してなる室内ユニットとを備え、前記ケーシングに、外部との接続部材を通す通路となる開口部形状を複数の中から選択可能な打抜部を設けたことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】 吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、室内気を吸引して室外へ排気する換気装置と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部とを備え、前記換気装置の換気吸込口を前記吹出口に並べて設けられる吹出口ダミー部に配置したことを特徴とする室内ユニット。
【請求項4】 室外熱交換器と、熱交換器に高温高圧の気体冷媒を送出する圧縮機と、各種電気回路素子よりなる室外ユニット制御部とを具備してなる室外ユニットと、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、換気ファンと該換気ファンに連結される換気ホースとを具備し室内気を吸引して室外へ排気する換気装置と、各種電気回路素子よりなり前記換気装置を間欠運転する室内ユニット制御部とを具備し、前記換気ファン及び前記アダプタがそれぞれ共通の支持部材に固定された室内ユニットとを備え、前記換気装置の換気吸込口を前記吹出口に並べて設けられる吹出口ダミー部に配置したことを特徴とする空気調和機。
【請求項5】 前記換気吸込口と前記吹出口との間を仕切る回折防止リブを設けたことを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暖房又は冷房により快適な室内環境を提供する室内ユニット及び空気調和機に係り、特に、室内の空気を換気することができるようにした室内ユニット及び空気調和機に用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機は、室内ユニット及び室外ユニットの二つの大きな構成要素からなっている。これらの各ユニットには、冷媒と室内気との間及び冷媒と室外気との間における熱交換を行う室内熱交換器及び室外熱交換器が備えられている。
【0003】これら室内熱交換器及び室外熱交換器は、他に圧縮機、膨張弁等の要素を加えて冷媒回路を構成する要素になっている。冷媒はこの回路を物理的に循環することで、熱的にも高温高圧気体、低温低圧気体、高温高圧液体、低温低圧液体という状態変化の循環プロセスを辿り、室内の冷暖房を実現することになる。なお、この室内の冷暖房は、直接的には前記室内熱交換器内の冷媒と室内気との熱交換により実現されることになる。
【0004】ちなみに、暖房運転時は、圧縮機で高温高圧の気体とされた気体冷媒を室内熱交換器に送出して、当該冷媒と室内気との間で熱交換を行うことにより冷媒は凝縮し高温高圧の液冷媒化が実現される。また、冷房運転時は、高温高圧の気体冷媒を室外熱交換器に送出して室外気と熱交換させて高温高圧の液冷媒とし、これをさらに膨張弁に通すことで減圧し、低温低圧の液冷媒として室内熱交換器に送出し、この冷媒と室内気との間で熱交換を行うことにより蒸発し低温低圧の気体化が実現される。
【0005】このような空気調和機には、空調する室内の換気を目的として、室内の空気を室外に排出する換気装置を備えたものがある。この換気装置は、図8に示す如く、室内ユニット10に設置された換気専用の換気ファン18と換気ホース9とを具備して構成される。なお、図8において、符号の1は室内・室外に分離させる壁、2はスリーブ、Pは室内ユニット10から室外へと続く冷媒配管、配線及びドレンホースを一体的に示したもの、3は出口カバーである。そして、上述した換気装置により換気運転を実施すると、換気ファン18が作動して室内ユニット10に設けられた換気専用の吸込口から室内の空気が吸引され、換気ホース9を通って室外に排出される。なお、換気装置により換気可能な空気量は、室内ユニットから吹き出される空調空気量と比較すればかなり小さなものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したような換気装置を備えている室内ユニット及び空気調和機においては、特に換気ホースが存在することから、室内ユニットを設置する際の換気ホースレイアウトの自由度を増すと共に、設置の工事性を向上させることが望まれている。以下、本発明の課題を具体的に説明する。
【0007】最初に、本発明の第1の課題を説明する。上述したような室内ユニットにおいては、図9に示すように、符号Pで一体的に表される冷媒配管、電気配線、ドレンホース及び換気ホース9を室内ユニット10から引き出す方向を現場で自由に選択できるようにするため、図10に示すように、予め上下左右の方向に向けた開口部形成用の打抜部7aを設けたリッド7がケーシング(一般的にはベース11)の角部に使用されている。しかし、従来の打抜部7aは、それぞれの方向が1種類の開口部形状だけに対応したものであり、従って、換気装置を備え換気ホース9の通過スペースも必要な場合の開口部と換気装置を持たないため換気ホース9を必要としない場合の開口部とはその形状及び大きさが異なるため、これらにリッド7を共用することはできなかった。このため、換気装置の有無等に応じた複数の仕様のリッド7を用意する必要が生じ、部品点数が増加するという問題があった。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、複数の開口部形状に対応できるようにして、部品の共通化を可能にすることにある。
【0009】次に、本発明の第2の課題を説明する。上述した換気装置を備えた室内ユニット10においては、室内の空気を吸引するための換気吸込口を必要とするが、このような吸込口を設けるにあたっては、室内ユニット10の形状が大きくなるのを防止することが望まれる。また、室内に設置する都合上、室内ユニット10をデザイン面でも優れたものにする必要がある。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その第2の目的は、室内ユニットが大型化することなく、しかも優れた外観デザインを可能にして、室内ユニットに換気用の吸込口を設けることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の室内ユニットは、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備え、前記ケーシングに、外部との接続部材を通す通路となる開口部形状を複数の中から選択可能な打抜部を設けたことを特徴とするものであえる。
【0012】このような室内ユニットによれば、開口部形状を複数の中から選択できるようにしたので、換気装置を備え換気ホースの通路が必要になるものと、換気ホースの通路が不要のものとで、ケーシングの共用が可能となる。また、引き出し方向に応じて適宜開口部形状を選択し、冷媒配管やホース類の曲げを容易にすることができる。
【0013】請求項2に記載の空気調和機は、室外熱交換器と、熱交換器に高温高圧の気体冷媒を送出する圧縮機と、各種電気回路素子よりなる室外ユニット制御部とを具備してなる室外ユニットと、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを具備してなる室内ユニットとを備え、前記ケーシングに、外部との接続部材を通す通路となる開口部形状を複数の中から選択可能な打抜部を設けたことを特徴とするものである。
【0014】このような空気調和機によれば、その室内ユニットにおいて、開口部形状を複数の中から選択できるようにしたので、換気装置を備え換気ホースの通路が必要になるものと、換気ホースの通路が不要のものとで、ケーシングの共用が可能となる。また、引き出し方向に応じて適宜開口部形状を選択し、冷媒配管やホース類の曲げを容易にすることができる。
【0015】請求項3に記載の室内ユニットは、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、室内気を吸引して室外へ排気する換気装置と、各種電気回路素子よりなる室内ユニット制御部とを備え、前記換気装置の換気吸込口を前記吹出口に並べて設けられる吹出口ダミー部に配置したことを特徴とするものである。
【0016】このような室内ユニットによれば、吹出口に並べて設けられていた吹出口ダミー部を有効利用できるので、ユニット全体のサイズを大きくすることなく換気装置を設置できる。また、室内ユニットに、左右シンメトリーデザインを採用することができる。
【0017】請求項4に記載の空気調和機は、室外熱交換器と、熱交換器に高温高圧の気体冷媒を送出する圧縮機と、各種電気回路素子よりなる室外ユニット制御部とを具備してなる室外ユニットと、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのファンと、前記室内気と室外ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、換気ファンと該換気ファンに連結される換気ホースとを具備し室内気を吸引して室外へ排気する換気装置と、各種電気回路素子よりなり前記換気装置を間欠運転する室内ユニット制御部とを具備し、前記換気ファン及び前記アダプタがそれぞれ共通の支持部材に固定された室内ユニットとを備え、前記換気装置の換気吸込口を前記吹出口に並べて設けられる吹出口ダミー部に配置したことを特徴とするものである。
【0018】このような空気調和機によれば、室内ユニットの吹出口ダミー部を有効利用して換気吸込口を設けたので、ユニット全体のサイズを大きくすることなく換気装置を設置できる。また、室内ユニットを、左右シンメトリーにデザインすることが可能となる。
【0019】請求項5に記載の空気調和機は、前記換気吸込口と前記吹出口との間を仕切る回折防止リブを設けたことを特徴とするものである。
【0020】このような空気調和機によれば、空調された吹出風と換気装置が吸い込む室内の空気との干渉を最小限に抑えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る室内ユニット及び空気調和機の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は空気調和機の全体構成を示す説明図である。空気調和機は、室内ユニット10及び室外ユニット20から構成されている。これら室内ユニット10及び室外ユニット20は、冷媒が導通する冷媒配管21や図示しない電気配線等により接続されている。冷媒配管21は2本備えられており、冷媒は、その一方において室内ユニット10から室外ユニット20へ、また他方において室外ユニット20から室内ユニット10へと流れることになる。
【0022】室内ユニット10は、ベース11と前面パネル12とが一体化されることにより、後述する各種の機器を収納するケーシングが形成されている。一方のベース11には、プレートフィンチューブ型の室内熱交換器13、略円筒形状のクロスフローファン(ファン)14等の各種機器が備えられている。さらに、ベース11には、この他にも室内ユニット10に関する種々の動作制御等を行うため、各種電気回路素子から構成された室内ユニット制御部15が備えられている。室内ユニット制御部15には、運転状況やエラーモードを表示するための適当なインジケータ15aが備えられている。このインジケータ15aは、たとえば前面パネル12に設けられた透視部12aにより、外部からの確認(視認)が可能となっている。なお、ベース11の後方には、据え付け板16が備えられ、これにより室内ユニット10を室内の壁等に設置することが可能となっている。
【0023】前面パネル12には、吸込グリル(吸込口)12bが前面及び上面のそれぞれに形成されている。室内の空気(室内気)は、これら吸込グリル12bにより多方向から室内ユニット10内に吸い込まれるようになっている。ちなみに、吸込グリル12bの背後にはエアフィルタ17が備えられており、吸い込まれた空気等の粉塵を除く働きをしている。また、前面パネル12には、その下方に吹出口12cが形成されており、ここから暖められた空気あるいは冷やされた空気が吹き出されるようになっている。なお、この空気吸込及び空気吹出は、前記クロスフローファン14が回転することによって行われる。
【0024】また、この室内ユニット10は、室内の空気を吸引して室外へ排出する換気装置を備えている。この換気装置は、換気専用の換気ファン18と、前面パネル12に開口する換気専用の換気吸込口12dと、換気ホース19とにより構成されており、換気ファン18の吸い込み側に換気吸込口12dが連通し、換気ファン18の吐出側に換気ホース19の一端が連結されている。換気運転時は、換気ファン18が作動することによって換気吸込口12dから室内の空気を吸引するので、吸引された室内気は換気ファン18及び換気ホース19を通って室外へと排出される。なお、換気ホース19の他端は、冷媒配管21及び図示省略の電気配線などと共に、壁1を貫通して設けられたスリーブ2(図8参照)を通って室外に開口している。
【0025】上述した室内ユニット10は、各種の運転操作を行う操作部として、リモートコントローラ22を備えている。このリモートコントローラ22には各種スイッチ等が設けられており、空気調和機の運転操作信号を室内ユニット制御部15の受信部(図示省略)へ向けて送信することができる。なお、空気調和機の運転操作は、室内ユニットの適所に設けられた図示省略のスイッチ類でも一部実施可能である。
【0026】室外ユニット20には、筐体20a内に室外熱交換器20b、プロペラファン20c、圧縮機20f、室外ユニット制御部20g等が備えられている。室外熱交換器20bは、周囲に多数のプレート状フィンを備えた冷媒配管により構成されており、冷媒と室外気との熱交換を実現するためのものである。プロペラファン20cは、筐体20a内に背面から前面へと抜ける空気流を生じさせることにより新たな空気を常に筐体20a内に取り込んで、室外熱交換器20bにおける熱交換効率の向上を図るために設けられている。
【0027】なお、前記室外熱交換器20b及びプロペラファン20cが外部と向き合う筐体20aの面には、それぞれフィンガード20d及びファンガード20eが設けられている。フィンガード20dは、前記プレート状フィンが外部からの不意の衝撃により破損することなどがないように設けられているものである。ファンガード20eも、これと同様にプロペラファン20cを外部衝撃から保護することを目的として備えられているものである。
【0028】圧縮機20fは、低温低圧の気体冷媒を、高温高圧の気体冷媒に変換して吐出するものであり、冷媒回路を構成する部品の中では最も中心的な働きを担うものである。ちなみに冷媒回路とは、この圧縮機20fに加えて、上記した室内熱交換器13、室外熱交換器20b、冷媒配管21、膨張弁、及び冷媒の流れ方向を規定する四方弁(膨張弁及び四方弁は共に不図示)等から概略構成され、冷媒を室内ユニット10と室外ユニット20との間で循環させる回路である。
【0029】室外ユニット制御部20gは、前記プロペラファン20c、圧縮機20f、その他室外ユニット20に備えられた各種機器に関する動作制御等を行うもので、各種電気回路素子から構成されているものである。
【0030】室外ユニット20には、上記の他、筐体20aを支持するとともに外部振動等の影響を回避するため、台座20hが備えられている。また、前記圧縮機20fに近い筐体20aの壁は、前記圧縮機20fのメンテナンス等を実施するため取り外し可能なパネル20iを備えたものとなっている。
【0031】以下では、これらの構成よりなる空気調和機の作用について、暖房運転時及び冷房運転時のそれぞれの場合に分けて説明する。まず、暖房運転時には、圧縮機20fで高温高圧の気体とされた冷媒は、冷媒配管21を通り室内ユニット10の室内熱交換器13に送られる。室内ユニット10内では、クロスフローファン14により吸込グリル12bから取り込まれた室内気に対して、室内熱交換器13を通過する高温高圧の気体冷媒から熱が与えられる。このことにより、前面パネル12下方の吹出口12cから温風が吹き出されることになる。また同時に、高温高圧の気体冷媒は、前記室内熱交換器13において凝縮液化し、高温高圧の液冷媒となる。
【0032】この高温高圧の液冷媒は、再び冷媒配管21を通って室外ユニット20における室外熱交換器20bに送られる。室外ユニット20では、図示しない膨脹弁を通過し減圧された低温低圧の液冷媒となり、プロペラファン20cにより筐体20a内に取り込まれた新しい室外気から、室外熱交換器20bを通過する低温低圧の液冷媒が熱を奪うことになる。低温低圧の液冷媒は、このことにより蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。これが再び圧縮機20fに送出され、上記過程を繰り返すことになる。
【0033】次に、冷房運転時には、冷媒は上記とは逆方向に冷媒回路中を流れる。すなわち、圧縮機20fで高温高圧の気体とされた冷媒が、冷媒配管21を通過して室外熱交換器20bに送られ、室外気に熱を与えて凝縮液化し高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、図示しない膨張弁を通過して低温低圧の液冷媒となり、再び冷媒配管21を通り室内熱交換器13に送られる。低温低圧の液冷媒は、ここで室内気から熱を奪って当該室内気を冷却するとともに、冷媒自身は蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。これが再び圧縮機20fに送出され、上記過程を繰り返すことになる。
【0034】これらの運転は、室内ユニット10内に収められた室内ユニット制御部15及び室外ユニット20内に収められた室外ユニット制御部20gが協調することによって制御される。
【0035】以下では、本発明の第1の特徴的部分(第1の実施形態)について説明する。上述したように、換気ホース19、冷媒配管21、電気配線及びドレンホースは、スリーブ2との位置関係に応じて室内ユニット10から引き出す方向が変わってくる。このため、図2ないし図4に示すように、室内ユニット10のケーシングを構成するベース11の下側角部には、打抜部76を設けたリッド75が着脱可能に取り付けられている。図3は上述したリッド75の拡大斜視図であり、リッド75は、L字状の板状部材両端部に一対の係止爪77が設けられ、垂直面及び水平面のそれぞれに打抜部76を設けてある。この第1の実施形態に係る第1実施例では、それぞれの打抜部76が予め設けられた2種類の開口部形状からひとつを選択できるようになっており、換気ホース19の有無に応じて適切な開口部形状を形成できるようになっている。なお、図3及び図4において、符号の78は2種類の開口部形状に沿って予め部分的に穿設された貫通孔、5は電気配線、6はドレンホース、19は換気ホース、21は断熱材4に被覆された冷媒配管である。
【0036】すなわち、換気装置がなく、従って換気ホース19の通過スペースが不要となる場合には、図4(a)に示すように、破線で示した切断部及びこれに連なる各貫通孔78により形成される形状に打ち抜き、斜線を施した小さな打抜開口部76aを形成する。また、換気装置を備え、従って換気ホース19の通過スペースが必要となる場合には、図4(b)に示すように、破線で示した切断部及びこれに連なる各貫通孔78により形成される形状に打ち抜き、斜線を施した大きな打抜開口部76bを形成する。
【0037】図5は、リッド75に形成可能な開口部形状を4種類から選択可能な第1の実施形態に係る第2実施例を示したものであり、最も小さい打抜開口部76a、この打抜開口部76aに斜線部S1を加えて横長にした打抜開口部76b、同じく打抜開口部76aに斜線部S2を加えて縦長にした打抜開口部76c、そして打抜開口部76aに斜線部S1,S2を加えて最も大きくなった打抜開口部76dのうち、仕様や配管類の引き出し方向に最適な開口部形状を選択できる。
【0038】このように、複数の開口部形状から最適のものを選択できるようにしたので、ケーシングを構成するベース11のリッド75を共通部品として扱うことが可能になる。従って、室内ユニット10の仕様に応じて異なるリッド75を製造する必要がなくなり、部品点数の削減を実現できる。
【0039】以下では、本発明の第2の特徴的部分(第2の実施形態)について説明する。上述したように、本発明の室内ユニット10には換気装置が設けられているので、換気装置に室内の空気を吸い込む換気吸込口12dを適所に設ける必要がある。この換気吸込口12dは、図2及び図6に示すように、室内ユニット10から空調された空気を吹き出す吹出口12cの横に並べて設けられている。このように換気吸込口12dが設けられた部分は、従来の吹出口ダミー部に相当する部分である。このダミー部は、実際には空調空気の吹き出しがないにもかかわらず、デザイン上の理由からあたかも吹出口12cが連続しているように見える部分である。すなわち、従来より吹出口12cにはフラップ24が設けられており、このフラップ24が閉じた状態では左右対称のデザインとなっている。しかし、フラップ24が開いた状態では、吹出口12cがフラップ幅と同じになっていないため、吹出口12cを大きく見せる目的もあって、不足分をダミー部で補っているのである。
【0040】本発明では、このダミー部に換気吸込口12dを配設し、室内ユニット10の外径寸法が換気装置を設けることで大きくなるのを防止または抑制している。このダミー部は、換気ファン18の略前方に位置しているので、室内ユニット10内部のレイアウトを考える上でも好都合である。
【0041】すなわち、換気吸込口12dは、換気ファン18の吸気口とダクト等で連結され、吹出口12cから空調空気を吹き出すのと隣接する位置で室内気を吸引している。このため、空調空気の吹出圧力に影響されるのを防止するため、図6に示すように、回折防止リブ25を設置して吹出口12cと換気吸込口12dとの間を仕切っている。
【0042】このように、従来のダミー部を利用して換気吸込口12dを設置すれば、室内ユニット10が大きくなるのを防止できるだけでなく、室内ユニット10の左右対称デザインも可能になる。この場合、図7に示すように、換気吸込口12d及び吹出口12cが連続して設けられており、換気吸込口12dには換気口グリルが形成されている。このような吸込口12dの配置にすれば、フラップ24が閉じている時だけでなく、フラップ24が開いた運転時においても、開口部の連続的なイメージが損なわれることはなく、従って、左右のシンメトリー性を維持したデザインが可能となる。
【0043】
【発明の効果】上述した本発明の室内ユニット及び空気調和機によれば、下記のような効果を奏する。
(1) ベースの構成部品であるリッドに打ち抜きにより設けることができる開口部の形状を複数から選択できるようにしたので、たとえば換気ホースが通る場合と通らない場合とのように、必要となる開口部の大きさや形状が異なる室内ユニットにもひとつのリッドで対応できるようになる。このため、部品の共通化が可能となって、部品点数を削減できるという効果を奏する。
(2) 吹出口ダミー部に換気吸込口を設けたので、換気装置を設けたことに伴う室内ユニットの大型化を防止又は抑制できる。また、室内ユニットの左右シンメトリーデザイン化を可能とし、デザイン面でも優れた室内ユニットを提供できるようになる。なお、吹出口と換気吸込口とを連続させて一体化することは、左右のシンメトリーデザイン化がフラップ開時にも及ぶという効果を奏する。
(3) 回折防止リブを設けたことにより、空調空気の吹き出しと換気装置の室内気吸い込みとが分離されるので、換気装置による室内気の吸い込みを効率よく実施できるようになる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成10年12月2日(1998.12.2)
【代理人】 【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴 (外3名)
【公開番号】 特開2000−171053(P2000−171053A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願2000−16317(P2000−16317)