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【発明の名称】 空気調和機
【発明者】 【氏名】中山 進

【氏名】安田 弘

【氏名】小国 研作

【要約】 【課題】空調機稼働中でも蓄熱できる空気調和機を提供することと、蓄熱槽の数を減少し省スペースを図ることにある。

【解決手段】室外機1と室内機3が液管とガス管とで結合され、蓄熱槽40及び蓄熱用熱交換器35を有する空気調和機において、液管7に取りつけられた熱交換器21と、室外機1から熱交換器21に至る間で分岐された液管7’と、分岐された液管7’の分岐された側に対して他端となる側に接続された制御弁51と、制御弁51に接続された蓄熱用熱交換器35と、蓄熱槽40の蓄熱媒体を熱交換器21へ送り出すポンプ41とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】室外機と室内機が液管とガス管とで結合され、蓄熱槽及び蓄熱用熱交換器を有する空気調和機において、前記液管に取りつけられた熱交換器と、前記室外機から前記熱交換器に至る間で分岐された前記液管と、分岐された前記液管の分岐された側に対して他端となる側に接続された制御弁と、前記制御弁に接続された蓄熱用熱交換器と、前記蓄熱槽の蓄熱媒体を前記熱交換器へ送り出すポンプとを備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】圧縮機、室外熱交換器を備えた室外機と、該室外機と室内機を接続する液管に設けられた熱交換器と、蓄熱用熱交換器及び蓄熱媒体を備えた蓄熱槽を有する空気調和機において、前記室外機から前記熱交換器に至る間で分岐され、分岐された前記液管に接続された前記蓄熱用熱交換器と、前記熱交換器へ前記蓄熱媒体を送り出すポンプと、を備え、前記圧縮機から吐出された高圧ガス冷媒は前記室外熱交換器で液冷媒となり、前記熱交換器で前記ポンプにより送られた前記蓄熱槽の前記蓄熱媒体と熱交換し過冷却され、過冷却された冷媒は前記室内機へ送られ室内空気と熱交換し前記圧縮機へ戻ることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】冷凍サイクルを利用した空気調和機の能力向上に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機の能力向上や夏期の電力ピークカットの方法として、液冷媒を冷却する方法がある。
【0003】例えば、特開平1−174866 号公報では空気調和機に蓄熱槽を設け、蓄熱槽内の蓄熱媒体に冷熱を付与する冷凍サイクル回路と、液冷媒を冷却するための熱交換器を設け、空調していない時に、蓄熱槽の蓄熱媒体に蓄冷しておき、空調するときに液冷媒を蓄熱槽を通して冷却し、能力向上や電力ピークカットしている。また、他の例は、特開昭63−204076号公報では、ある室外機から冷却回路を分岐し、その冷却回路を他の室外機の液冷媒側に設けて熱交換器に導き、他の室外機の液冷媒を冷却できるようにし、最大能力以上の能力を要求されている室外機の液冷媒を供給能力が余っている他の室外機で冷却し、能力補償できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、ある室外機の能力を他の室外機で補償する場合、他の室外機の供給能力が余っていないときは補償できない欠点がある。
【0005】本発明の目的は、複数の空調機の一部だけが最大能力以上の能力が要求されている場合でも、また、全ての空調機が最大能力以上の能力が要求されている場合でも能力補償できる空気調和機を提供することにある。
【0006】また、空調機に蓄熱槽を備えたものでは、蓄熱を空調機が稼働していないときに行うため、その蓄熱がなくなったとき能力向上の効果が得られなくなる。さらに、室外機の数が多い場合、蓄熱槽の数も多くなり広いスペースが必要となる。
【0007】本発明の他の目的は空調機稼働中でも蓄熱できる空気調和機を提供することと、蓄熱槽の数を減少し省スペースを図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、室外機と室内機が液管とガス管とで結合され、蓄熱槽及び蓄熱用熱交換器を有する空気調和機において、液管に取りつけられた熱交換器と、室外機から熱交換器に至る間で分岐された液管と、分岐された前記液管の分岐された側に対して他端となる側に接続された制御弁と、制御弁に接続された蓄熱用熱交換器と、蓄熱槽の蓄熱媒体を熱交換器へ送り出すポンプとを備えたものである。
【0009】また、本発明は、圧縮機、室外熱交換器を備えた室外機と、該室外機と室内機を接続する液管に設けられた熱交換器と、蓄熱用熱交換器及び蓄熱媒体を備えた蓄熱槽を有する空気調和機において、室外機から熱交換器に至る間で分岐され、分岐された液管に接続された蓄熱用熱交換器と、熱交換器へ蓄熱媒体を送り出すポンプと、を備え、圧縮機から吐出された高圧ガス冷媒は室外熱交換器で液冷媒となり、熱交換器でポンプにより送られた蓄熱槽の蓄熱媒体と熱交換し過冷却され、過冷却された冷媒は室内機へ送られ室内空気と熱交換し圧縮機へ戻るものである。
【0010】空調機の液配管内の液冷媒と冷熱源装置からの冷熱源とを液配管に設置した熱交換器で熱交換することにより、次のような働きをする。空調機が冷房運転のとき、冷熱源装置から液冷媒を冷却するような冷熱源を供給することにより、液冷媒の過冷却度が増え、冷媒の膨張弁前の比エンタルピが小さくなり、冷媒の蒸発潜熱が増え、空調機の冷房能力が増す。また、暖房運転のときは、冷熱源装置から液冷媒を加熱するような冷熱源を供給することにより、液冷媒の過冷却度が減少、又は、かわき度が増加し冷媒の膨張弁前の比エンタルピが大きくなり、蒸発器出口の冷媒過熱度が増加する。ここで、膨張弁は蒸発器出口の冷媒過熱度が所定値となるように開くため蒸発圧力が増加する。これによって、圧縮機吸入冷媒の比容積が小さくなり、冷媒循環量が増加する。さらに、吸入圧力が上昇することによって、吐出圧力,凝縮圧力も上昇し、暖房能力が増加する。
【0011】蓄熱槽を冷熱源装置に備え、蓄冷又は蓄熱した蓄熱媒体を各空調機の液配管に設けた熱交換器に供給することによって、上記に示した空調機の能力の向上が実現できるとともに、各空調機に蓄熱槽を備えなくてよいので、蓄熱槽の数が減り省スペースとなる。また、蓄熱槽の蓄冷熱を冷熱源装置内の冷却加熱手段、又は、空調機から分岐した冷凍サイクルによって行え、空調機が稼働中でも蓄冷熱が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1ないし図3に示す。図1では、室外機1と室内機3とが液管7とガス管9で結合された空調機と、室外機2と三台の室内機4,5,6とが液管8とガス管10で結合された空調機の二つの空調機が示されている。室外機1は圧縮機11,四方弁12,室外熱交換器13,制御弁14,室外ファン15で構成されている。室内機3は制御弁16,室内熱交換器17,室内ファン18で構成されている。室外機2及び室内機4,5,6は前記室外機1及び室内機3と同様の構成である。二つの空調機のそれぞれの液管には熱交換器21,22が取りつけられている。熱交換器21,22には、液管7,9の他にそれぞれ制御弁23,24を介した配管26と配管25が接続されている。配管25と配管26は冷熱源装置20に接続されている。
【0013】次に、動作について説明する。空調機の冷房運転時、冷媒は実線矢印の向きに流れる。圧縮機11から吐出された高圧ガス冷媒は四方弁12を通って室外熱交換器13へ流れ、室外ファン15によって室外空気と熱交換され凝縮し液冷媒となる。液冷媒は開度を大きくした制御弁14を通って液管7を流れ室内機3へ送られる。室内機3では、液冷媒は開度を小さくした制御弁16で減圧され、室内熱交換器17に入り、室内ファン18によって室内空気と熱交換される。このとき、室内空気は冷却され、冷媒は蒸発し低圧ガス冷媒となってガス管9を通って室外機1へ戻る。室外機1へ戻った低圧ガス冷媒は四方弁12を通って圧縮機11へ吸入される。この冷媒状態をモリエル線図上に示すと図2の実線のようになる。なお、室外機2と3台の室内機4,5,6の空調機の冷房運転の動作も前記と同様である。このような冷房運転のとき、冷熱源装置20から空調機の液冷媒を冷却するような冷熱源を熱交換21,22へ供給すると、冷熱源と液冷媒が熱交換し、液冷媒の過冷却度が増加し、図2のモリエル線図上の破線のようになる。すなわち、空調機の液冷媒の過冷却度が増加することによって、液冷媒の比エンタルピが小さくなり、冷媒蒸発潜熱が増加し、冷房能力も増加する。暖房運転時、冷媒は破線矢印のように流れる。圧縮機11から吐出された高圧ガス冷媒は四方弁12を通ってガス管9へ流れ室内機3へ入る。室内機3では室内熱交換器17で室内ファン18によって室内空気と熱交換され、室内空気は暖められ、冷媒は凝縮して液冷媒となる。液冷媒は開度を大きくした制御弁16を通って、液管7へ流れ室外機1へ送られる。室外機1では、液冷媒は開度を小さくした制御弁14で減圧され、室外熱交換器13へ入り、室外ファン15によって、室外空気と熱交換され、冷媒は蒸発して低圧ガス冷媒となって、四方弁12を通って圧縮機11へ吸入される。室外機2と三台の室内機4,5,6の空調機の暖房運転の動作も前述同様である。暖房運転時の冷媒状態をモリエル線図上に示すと図3の実線のようになる。このような暖房運転のとき、冷熱源装置20から空調機の液冷媒を加熱するような冷熱源を熱交換器21,22へ供給すると、冷熱源と液冷媒が熱交換し、液冷媒の過冷却度が減少、又は、かわき度が増加し、図3のモリエル線図上の破線のようになる。すなわち、空調機の液冷媒の過冷却度が減少、又は、かわき度が増加することによって、液冷媒の比エンタルピが小さくなり、冷媒蒸発潜熱が減少し、室外熱交換器13出口の過熱度、又は、圧縮機吐出ガス過熱度が大きくなるため、制御弁14の開度を大きくして過熱度が元の値になるようにする。これによって、蒸発圧力が上昇し、圧縮機吸入冷媒の比容積が小さくなり、冷媒循環量が増加する。これに伴って、吐出圧力が上昇する。これによって、暖房能力が増加する。
【0014】次に、冷熱源装置20の一実施例を図4に示す。図4において、冷熱源装置20は圧縮機30,四方弁31,熱交換器32,制御弁33,ファン34で構成されている。空調機の液冷媒を冷却する場合は、四方弁31を実線のようにしておく。圧縮機30から吐出された高圧ガス冷媒は四方弁31を通って、熱交換器32へ入り、ファン34によって室外空気と熱交換され、冷媒は凝縮して液冷媒となり、開度を大きくした制御弁33を通って配管26へ流れる。液冷媒は配管26から開度を小さくした制御弁23,24を通って減圧され、熱交換器21,22へ入り、空調機の液冷媒と熱交換される。このとき、空調機の液冷媒は冷却され過冷却度が大きくなる。冷熱源装置20から送られた冷媒は蒸発して低圧ガス冷媒となり、配管25を通って冷熱源装置20へ戻り、四方弁31を通って圧縮機30へ吸入される。空調機の液冷媒を過熱する場合は四方弁31を破線のように切換えておく。圧縮機30から吐出された高圧ガス冷媒は四方弁31を通って配管25へ流れ、熱交換器21,22へ入り空調機の液冷媒と熱交換される。このとき空調機の液冷媒は加熱され過冷却度が小さくなる。又は、かわき度が大きくなる。冷熱源装置20から送られた冷媒は凝縮し液冷媒となる。液冷媒は開度を大きくした制御弁23,24を通って配管26へ流れ冷熱源装置20へ戻る。冷熱源装置20へ入った液冷媒は開度を小さくした制御弁33で減圧されて、熱交換器32へ入り、ファン34によって室外空気と熱交換され、蒸発して低圧ガス冷媒となり四方弁31を通って圧縮機30へ吸入される。ここで、制御弁23,24の開度を調整することによって、熱交換器21,22へ流れる冷熱源の流量を調整することができる。
【0015】冷熱源装置20の他の実施例を図5に示す。図5において、冷熱源装置20は圧縮機30,四方弁31,熱交換器32,制御弁33,ファン34,蓄熱用熱交換器35,蓄熱槽40,ポンプ41で構成されている。空調機の液冷媒を冷却、又は、過熱する場合は、蓄熱槽40内の蓄熱媒体を冷却、又は、過熱しておく。蓄熱媒体はポンプ41で配管26へ送り出され、制御弁23を通って熱交換器21で空調機の液冷媒と熱交換されてから、配管25を通って蓄熱槽へ戻る。次に、蓄熱媒体の冷却過熱手段について説明する。蓄熱媒体を冷却する場合は四方弁31を実線のように切換えておく。圧縮機30から吐出された高圧ガス冷媒は四方弁31を通って熱交換器32で室外空気と熱交換され凝縮して液冷媒となる。液冷媒は開度を小さくした制御弁33で減圧されて、蓄熱用熱交換器35へ入り、蓄熱媒体と熱交換される。このとき、蓄熱媒体は冷却され、冷媒は蒸発して低圧ガス冷媒となり、四方弁31を通って圧縮機30へ吸入される。蓄熱媒体を過熱する場合は四方弁31を破線のように切換えておく。圧縮機30から吐出された高圧ガス冷媒は四方弁31を通って、蓄熱用熱交換器35へ入り、蓄熱媒体を熱交換される。このとき、蓄熱媒体は加熱され、冷媒は凝縮して液冷媒となる。液冷媒は開度を小さくした制御弁33で減圧されて熱交換器32へ入り、室外空気と熱交換され低圧ガス冷媒となって、四方弁31を通って圧縮機30へ吸入される。本実施例によれば、空調負荷が最大容量以下の場合、空調機の能力向上分だけ空調機の圧縮機の容量を減少することができるので、蓄熱媒体への蓄冷熱を夜間などの空調機が稼働していないときに行うことにより、夏期の電力ピークカットの効果が得られる。
【0016】なお、図4及び図5の実施例の冷熱源装置20の冷媒は空調機の冷媒と同一のものであっても、異なる種類のものでも良い。
【0017】次に、本発明のさらに他の実施例を図6に示す。図6では、蓄熱媒体の冷却過熱手段を空調機の冷媒回路を分岐し、利用している。すなわち、空調機のガス管9,液管7は分岐され、開閉弁52,53を介してガス管9′,液管7′へ接続され、また、空調機のガス管10,液管8も分岐され、開閉弁54,55を介してガス管9′,液管7′へ接続される。液管7′の他端は制御弁51を介して蓄熱用熱交換器35へ接続される。ガス管9′の他端は蓄熱用熱交換器35の他端に接続される。室外機1を利用して蓄熱媒体を冷却、又は、加熱する場合、開閉弁52,53を開き、開閉弁54,55を閉じておく。蓄熱媒体を冷却する場合は、室外機1を冷房運転状態にすることによって、液冷媒が液管7,開閉弁53,液管7′を通って制御弁51へ送られる。制御弁51の開度は小さくなっており、液冷媒は減圧され、蓄熱用熱交換器35へ入り、蓄熱媒体と熱交換される。このとき、蓄熱媒体は冷却され、冷媒は低圧ガス冷媒となって、ガス管9′、開閉弁52を通ってガス管9へ入り室外機1へ戻る。蓄熱媒体を加熱する場合は、室外機2を暖房運転状態にすることによって、高圧ガス冷媒がガス管9,開閉弁52,ガス管9′を通って蓄熱用熱交換器35へ入り、蓄熱媒体と熱交換される。このとき、蓄熱媒体は加熱され、冷媒は凝縮し液冷媒となる。液冷媒は開度を大きくした制御弁51を通り、さらに、液管7′,開閉弁53,液配管7を通って室外機1へ戻る。室外機2を利用して、蓄熱媒体を冷却、又は、加熱する場合は、開閉弁52,53を閉じ、開閉弁54,55を開き、室外機1と同様の動作をすれば良い。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、空調機の液冷媒と冷熱源装置から供給される冷熱源で冷却、又は、加熱することによって、能力を増加させることができる。また、冷熱源装置は空調機とは別に設けられているので、空調機の稼働状況に影響されることなく能力向上が図れる。
【0019】また、冷熱源装置に蓄熱槽を備えた場合は、蓄冷熱を冷熱源装置で行うため、空調機が稼働中でも蓄冷熱ができ、蓄冷熱量が減少して、能力向上効果が低下することがない。また、蓄熱槽を各室内機毎に設置する必要がないので省スペースの効果もある。
【0020】さらに、蓄熱槽の蓄冷熱を空調機の冷媒回路を利用することによって、冷熱源装置内の冷凍サイクルを省略できコストの効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成3年11月1日(1991.11.1)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2000−121108(P2000−121108A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平11−310640