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【発明の名称】 空気調和装置の送風ユニット
【発明者】 【氏名】宮内 広司

【要約】 【課題】送風ユニット全体の重量を軽減し、且つ、ユニットの外形を小さくできる空気調和装置の送風ユニットを提供する。

【解決手段】送風ファンの回転軸および該送風ファン回転駆動源のモータ回転軸を、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成し、これらの回転軸を中空あるいは中実とした空気調和装置の送風ユニットである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送風ファンの回転軸または該送風ファン回転駆動源のモータ回転軸を、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成し、これらの回転軸を中空あるいは中実にしたことを特徴とする空気調和装置の送風ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気調和装置に係わり、特に、空気調和装置の送風ユニットにおける送風ファンの回転軸および該送風ファン回転駆動源のモータ回転軸の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、室内の空気条件を快適に保持する空調装置は、送風ファンおよび送風ファン駆動モータの性能に大きく依存し、送風ファンおよび送風ファン駆動モータが装置全体に占めるスペースも大きい。また、従来の空調装置の送風ファンの駆動モータの回転軸は、通常、鋼鉄製であって重量も大きい。
【0003】一方炭素繊維および炭素繊維強化複合材料で製造される部品は、非常に軽く重さが鉄の1/5であるが、強さは鉄の10倍以上もある。したがって、鉄よりも強くアルミより軽いが、従来、加工が難しく、かつ、高価であった為に戦闘機の機体等の特殊用途に使用されていた。近時、炭素繊維の製造技術が向上し、製作費が安価となり、種々の技術分野で炭素繊維の応用が開発されている。これらの例としては、ゴルフクラブ用のシャフトとしてカーボン繊維を用いる場合で、特開平5-69492号公報に示されるように良く知られているが、他にも、特開平10-54418号公報に示されるように、駆動軸の芯であるプラスチック管の周りを炭素繊維で強化して、高速回転の駆動シャフトとしたものが知られており、また、特開昭59-150997号公報に示されるように、駆動シャフトとして炭素繊維が使用されている遠心圧縮機が知られており、さらに、特開平4-80113号公報に示されるように、搬送用のフレキシブルシャフトのロットに巻き付けるコードにグラスファイバーを巻き付けて剛性と可撓性にすぐれたフレキシブルシャフトを得ることが知られている。また、特開平5-87115号公報に示されるように、動力伝達軸にカーボン繊維を巻き付けて所望の強度を得ることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の空調装置において、送風ファンおよび送風ファン駆動モータが装置全体に占めるスペースも大きいから、送風ファンおよび駆動モータをコンパクトにすることが求められており、特に、高層ビルにおいては、ベランダに吊り下げる場合も多く、軽量化・小型化が求められていた。そして、上述した従来の空調装置の送風ファンの駆動モータの回転軸は、ふつう鋼鉄製であって重量があり、それに伴い軸受け等の部品も大型となって、風量ユニットの全体の重量が大きくなるとともに、装置全体も大型となるという問題点があった。
【0005】なお、上述した特開平10-54418号公報、特開昭59-150997号公報、特開平4-80113号公報、特開平5-87115号公報に示される炭素繊維の用途は単に炭素繊維で強化された駆動軸が開示されているだけで、空調機器の重量やスペースの利点のために用いることについては知られていない。また、回転軸自体を、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料だけで形成することは、これらの素材だけでは多少柔軟性を有し不向きであったためと、高価であったために未だに為されていなかった。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、空気調和装置の送風ユニットにおいて、送風ユニット全体の重量を軽減し、且つ、送風ユニットのコンパクトにできる空気調和装置の送風ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、送風ファンの回転軸および該送風ファン回転駆動源のモータ回転軸を、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成し、これらの回転軸を中空あるいは中実にした空気調和装置の送風ユニットである。その作用は、送風ユニット全体の重量が軽くなり、且つ、送風ユニット全体が小型になる。
【0008】
【発明の実施の形態】ここで、本発明者は、上述したような従来の空調装置の送風ユニットにおいて、送風ファンの駆動モータの回転軸を、いかに軽量でコンパクトにするかを鋭意検討した。上述したように、従来の空調装置の送風ユニットにおける、送風ファンの駆動モータの回転軸は、通常は鋼鉄製であって重量があり、それに伴い軸受け等の部品も大型となっていたが、近時、軽くて強度も大きい炭素繊維材料や炭素繊維強化複合材料で成形する製造技術および加工法が改良され、炭素繊維の加工品が安価に入手可能となり、本発明者らは上記の課題の解決のために、この炭素繊維材料および炭素繊維強化プラスチックに着目した。
【0009】以下に、本発明に好適な空気調和装置の送風ユニットの1実施例を図面に従って説明する。まず、図1は可変風量空気調和装置に適用した中央空調機の概略を示した断面図であり、その図1の(a)は給気ファン2側からの部分断面図であり、図1の(b)は中央空調機の正面からの断面図であり、図2はその送風ファンと送風ファン回転駆動源のモータとが組み込まれた送風ユニットの斜視図である。図1の(b)において、中央空調機1の外壁パネル11内の右室には、フィルター12、冷却コイル13、加熱コイル14、加湿器15が組み込まれ、中央空調機1の外壁パネル11内の左室には、図1の(a)および図2に示すように、送風ファンたる給気ファン2とモータ3が配置されて、外気Aおよび還気Bを取り入れ所定の温度と湿度にされた給気Cは、給気ファン2によって給気ダクト16を通じて各室に搬送される。上記の給気Cは、各室の変風量ユニット(図示せず)に搬送され、変風量ユニットの吹出し口より新たな空気として各室に給気されることになる。そして、還気ファン(図示せず)によって、各室に配置された吸込み口から各室の室内空気が吸込まれ、中央空調機1の環気ダクト17から還気Bされ、一部は還気ダクト(図示せず)を通じて外部に排気される。
【0010】次に、本実施例の送風ユニットを説明すると、送風ファンたる給気ファン2と送風ファン回転駆動源たるモータ3が組み込まれており、給気ファン2のロータ21(図3〜5)とモータ3との間には回転を円滑に伝動すべくカップリング18が設けられ、給気ファン2における全ブレード25が給気ファンハウジング28に囲まれており、この給気ファンハウジング28の給気口28-1に連結された給気ダクト16に所定の温度と湿度にされた給気Cを搬送する。ここで、給気ファン2におけるロータ21の回転軸22とモータ3の回転軸31とは、炭素繊維をポリアミド樹脂で固めた炭素繊維強化複合材を用いて中空軸とした。この炭素繊維強化複合材は比較的安価であるが、これに限らず炭素繊維をフェノール樹脂で固めて炭化・焼成を繰り返したカーボン/カーボン材の炭素繊維材でもよい。上記の回転軸を中空としたのは、炭素繊維強化複合材での鉄に比べて非常に軽量であるが、更に一層軽量にするためと、ねじり剛性の強化を図ったものである。
【0011】図3乃至図5は、炭素繊維をポリアミド樹脂で固めた炭素繊維強化複合材を用いて成形した中空軸を、給気(送風)ファン2のロータ21を回転軸として用いた実施例で、上記の給気ファン2の炭素繊維強化複合材からなる中空回転軸22の先端のロータ21取付部分には、合成樹脂の充填補強材23が回転軸22の中空部分に充填されており、この充填補強材23が充填されている箇所に給気ファン2が取り付けられることになるが、ロータ21の回転軸22への取付部分はハブ24であり、ハブ24はセットビス24-1を締めることによってファン2を回転軸22に固定する。この充填補強材23は、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成した回転軸が多少柔軟性を有して、回転軸に給気ファンあるいはモータ回転子を取り付けるために強度が不足するのを補うためであるが、ロータ21の重量や回転軸の強度によっては必要はない。
【0012】上記の給気ファン2におけるロータ21の形状は、円筒状の外周部分に平行のブレード25が、角度を以て両端の円筒のローター外枠26に固定され、全ブレード25のほぼ中間部分に上記ハブ24を固着した円盤27が固定されている。この円盤27は同心円状に強度を向上させるための円状凸部27-1を設けるとともに、中心部はハブ24のカシメ部24-2でハブ24に固着されている。また、ブレード25にはロータ21の回転を滑らかにするために、適宜にバランサー25-1が取り付けられている。給気ファン2は上述したような構成であるから、回転軸22が図5における矢印aの方向に回転すると、図4において、給気ファン2におけるロータ21の側面から矢印b方向に空気が吸い込まれ、給気ファンハウジング28の図2,図4の給気口28-1から矢印C方向に空気が送られる。
【0013】上記実施例では、回転軸を中空とした中空回転軸としたが、勿論、中空でなくとも、中実の軸としてもよく、この場合には充填補強材23は必要ない。また、充填補強材を合成樹脂としたが金属でもよい。また、従来の鋼の回転軸に比べて、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成した回転軸は多少柔軟性を有するが、空気調和機の送風ファンの回転軸および該送風ファン回転駆動源のモータ回転軸は、多少柔軟性を有していても空調機の送風ユニットとしての性能は十分である。
【0014】なお、本発明の特徴を損うものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、上記の実施例では給気ファン2のロータ21とモータ3との間にはカップリング18が設られているが、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成した回転軸を共通としてもよく、また、必要に応じてカップリングに変えて変速機を介在させてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、送風ファンの回転軸や該送風ファン回転駆動源のモータ回転軸を、炭素繊維材料あるいは炭素繊維強化複合材料で形成し、これらの回転軸は中空あるいは中実である空気調和装置の送風ユニットとしたから、送風ユニット全体の重量を軽減し、且つ、送風ユニットの外形を小さくでき、空気調和装置自体も軽量でコンパクトにすることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】390003333
【氏名又は名称】新晃工業株式会社
【出願日】 平成10年10月20日(1998.10.20)
【代理人】 【識別番号】100111442
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 英一
【公開番号】 特開2000−121090(P2000−121090A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−297918