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【発明の名称】 空気調和機の風向調整羽根軸支構造
【発明者】 【氏名】森實 哲也

【氏名】佐藤 義和

【氏名】田中 俊行

【要約】 【課題】風向調整羽根の熱変形に左右されることなく、風向調整羽根による風向調整が確保できるようにする。

【解決手段】空気調和機における吹出グリル5に、各風向調整羽根14の支持軸19,20を回動自在に枢支する軸受21,22を形成するとともに、前記支持軸19,20の少なくとも一方の外周に環状溝25を形成し且つ該環状溝25に、前記軸受21との間に生ずる摩擦により前記各風向調整羽根14を任意の調整角度に保持する摩擦抵抗部材26を嵌着して、冷房運転時に風向調整羽根14が熱変形により長手方向に収縮したとしても、摩擦抵抗部材26と軸受21との間の摩擦力を確保することができるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシング(1)内に送風機(2)および熱交換器(3)を備え、該ケーシング(1)には、前記熱交換器(3)を通過した後の調和空気を吹き出す吹出グリル(5)を設け且つ該吹出グリル(5)には、前記調和空気の吹出方向を調整する風向調整羽根(14),(14)・・を回動自在に枢支してなる空気調和機において、前記吹出グリル(5)には、前記各風向調整羽根(14)の支持軸(19),(20)を回動自在に枢支する軸受(21),(22)を形成するとともに、前記支持軸(19),(20)の少なくとも一方の外周には環状溝(25)を形成し且つ該環状溝(25)には、前記軸受(21)との間に生ずる摩擦により前記各風向調整羽根(14)を任意の調整角度に保持する摩擦抵抗部材(26)を嵌着したことを特徴とする空気調和機の風向調整羽根軸支構造。
【請求項2】 前記軸受(21)を、前記支持軸(19)が枢支される軸穴(23)と該軸穴(23)を囲むように内向きに一体に突設され且つ前記環状溝(25)の外周側にまで突出する軸受筒(24)とによって構成するとともに、前記摩擦抵抗部材(26)としてOリングを採用したことを特徴とする前記請求項1記載の空気調和機の風向調整羽根軸支構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機の風向調整羽根軸支構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、床置型の空気調和機の場合、縦長の直方体形状のケーシング内に送風機および熱交換器を配設し、前記ケーシングの前面に設けられた吸込グリルから吸い込まれた室内空気を前記熱交換器により冷却あるいは加熱して得られた調和空気を前記ケーシングの前面に設けられた吹出グリルから室内へ吹き出すように構成されている。
【0003】上記構成の空気調和機における吹出グリルには、調和空気の吹出方向を上向きあるいは下向きに調整するための風向調整羽根が設けられるが、該風向調整羽根は、回動自在であるとともに任意の調整角度において保持される必要があるところから、軸支構造に工夫がこらされていた。
【0004】例えば、風向調整羽根の支持軸を枢支する軸受穴にゴムブッシュを設け、該ゴムブッシュに前記支持軸を嵌挿することにより、水平羽根を回動自在となすとともに任意の調整角度で保持できるようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のような風向調整羽根軸支構造の場合、冷房運転時に風向調整羽根が調和空気との接触により長手方向に収縮するところから、ゴムブッシュと支持軸との嵌挿状態が不安定となるおそれがあり、風向調整が難しくなるという不具合が生ずる。
【0006】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、風向調整羽根の熱変形に左右されることなく、風向調整羽根による風向調整が確保できるようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明、上記課題を解決するための手段として、ケーシング1内に送風機2および熱交換器3を備え、該ケーシング1に、前記熱交換器3を通過した後の調和空気を吹き出す吹出グリル5を設け且つ該吹出グリル5に、前記調和空気の吹出方向を調整する風向調整羽根14,14・・を回動自在に枢支してなる空気調和機において、前記吹出グリル5に、前記各風向調整羽根14の支持軸19,20を回動自在に枢支する軸受21,22を形成するとともに、前記支持軸19,20の少なくとも一方の外周に環状溝25を形成し且つ該環状溝25に、前記軸受21との間に生ずる摩擦により前記各風向調整羽根14を任意の調整角度に保持する摩擦抵抗部材26を嵌着している。
【0008】上記のように構成したことにより、摩擦抵抗部材26は、支持軸19外周に形成された環状溝25に嵌着されているため、冷房運転時に風向調整羽根14が熱変形により長手方向に収縮したとしても、摩擦抵抗部材26と軸受21との間の摩擦力が確保されることとなる。従って、風向調整羽根14の熱変形に左右されることなく、風向調整羽根14による風向調整を確保することができるのである。
【0009】請求項2の発明におけるように、前記軸受21を、前記支持軸19が枢支される軸穴23と該軸穴23を囲むように内向きに一体に突設され且つ前記環状溝25の外周側にまで突出する軸受筒24とによって構成するとともに、前記摩擦抵抗部材26としてOリングを採用した場合、Oリング26の径方向の偏平抵抗により生ずる摩擦力により風向調整羽根14の風向調整が行えることとなり、低コスト且つ省スペースでの軸支構造が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について詳述する。
【0011】この空気調和機は、図1に示すように、縦長の直方体形状のケーシング1内に送風機2および熱交換器3を配設し、前記ケーシング1の前面下部に設けられた吸込グリル4から吸い込まれた室内空気Wを前記熱交換器3により冷却あるいは加熱して得られた調和空気W′を前記ケーシング1の前面上部に設けられた吹出グリル5から室内へ吹き出すように構成された床置型空気調和機とされている。
【0012】前記送風機2は、多翼羽根車8をスクロールタイプのファンケーシング9で被包してなる遠心式送風機とされており、前記吸込グリル4の内方に形成された送風機室6にその吸込口10を前向きとした姿勢で配設されている。そして、前記送風機2の吐出口11は、前記ケーシング1内を前記送風機室6と該送風機室6の上方に位置する熱交換器室7とに仕切る仕切板12を貫通して前記熱交換器室7に臨まされている。
【0013】前記熱交換器3は、前記熱交換器室7内を前後に仕切り且つ上端が後方に位置し、下端が前方に位置する傾斜姿勢となるように配設されており、該熱交換器3の下方位置には、熱交換器3からのドレンを受け止めるドレンパン13が設けられている。該ドレンパン13は、前記熱交換器3の下端部に対応するように配設されている。
【0014】前記吹出グリル5には、図2に示すように、調和空気W′の吹出方向を上下方向に調整する風向調整羽根(以下、水平羽根という)14,14・・と、調和空気W′の吹出方向を左右方向に調整する風向調整羽根(以下、垂直羽根という)15,15・・とが回動自在に枢支されている。符号16は水平羽根14,14・・の中間部が回動自在に枢支される軸部材、17は垂直羽根15,15・・を連動させるための連結部材、18は水平羽根14,14・・のうちの上下両端に位置するものを除く水平羽根14,14・・を連動させるための連結部材である。
【0015】前記吹出グリル5の両側壁5a,5bには、図3に示すように、前記各水平羽根14の両端に一体に突設された支持軸19,20をそれぞれ回動自在に枢支するための軸受21,22がそれぞれ形成されている。前記支持軸19,20は、各水平羽根14の回動中心となる。
【0016】前記吹出グリル5の一方の側壁5aに形成された軸受21は、前記支持軸19が枢支される軸穴23と該軸穴23を囲むように内向きに一体に突設された軸受筒24とによって構成されている。一方、前記吹出グリル5の他方の側壁5bに形成された軸受22は、前記支持軸20が枢支される軸穴とされている。
【0017】前記水平羽根14における一方の支持軸19の外周基部には、環状溝25が形成されており、該環状溝25には、支持軸19と軸受21における軸受筒24との間に生ずる摩擦により前記水平羽根14を任意の調整角度に保持するための摩擦抵抗部材として作用するOリング26が嵌着されている。
【0018】上記のように構成された空気調和機の風向調整羽根軸支構造においては、次のような作用効果が得られる。
【0019】摩擦抵抗部材として作用するOリング26は、支持軸19外周に形成された環状溝25に嵌着された状態で軸受21における軸受筒24によって径方向の偏平抵抗を生ずることとなる。従って、冷房運転時に水平羽根14が熱変形により長手方向に収縮したとしても、Oリング26と軸受21との間の摩擦力が確保されることとなり、水平羽根14の熱変形に左右されることなく、水平羽根14による風向調整を確保することができるのである。
【0020】しかも、摩擦抵抗部材として市販のOリング26を用いているので、低コスト且つ省スペースでの軸支構造が得られる。
【0021】なお、上記説明では、風向調整羽根の一方の支持軸19に摩擦抵抗部材であるOリング26を嵌着しているが、両方の支持軸19,20にOリング26を嵌着するようにしてもよい。
【0022】また、上記説明では、本願発明の軸支構造を水平羽根に適用したものを実施の形態としているが、本願発明の軸支構造は、垂直羽根にも適用できることは勿論である。
【0023】また、上記説明では、床置型空気調和機を例としているが、本願発明は、他のタイプの空気調和機にも適用可能なことは勿論である。
【0024】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ケーシング1内に送風機2および熱交換器3を備え、該ケーシング1に、前記熱交換器3を通過した後の調和空気を吹き出す吹出グリル5を設け且つ該吹出グリル5に、前記調和空気の吹出方向を調整する風向調整羽根14,14・・を回動自在に枢支してなる空気調和機において、前記吹出グリル5に、前記各風向調整羽根14の支持軸19,20を回動自在に枢支する軸受21,22を形成するとともに、前記支持軸19,20の少なくとも一方の外周に環状溝25を形成し且つ該環状溝25に、前記軸受21との間に生ずる摩擦により前記各風向調整羽根14を任意の調整角度に保持する摩擦抵抗部材26を嵌着して、冷房運転時に風向調整羽根14が熱変形により長手方向に収縮したとしても、摩擦抵抗部材26と軸受21との間の摩擦力を確保することができるようにしたので、風向調整羽根14の熱変形に左右されることなく、風向調整羽根14による風向調整を確保することができるという効果がある。
【0025】請求項2の発明におけるように、前記軸受21を、前記支持軸19が枢支される軸穴23と該軸穴23を囲むように内向きに一体に突設され且つ前記環状溝25の外周側にまで突出する軸受筒24とによって構成するとともに、前記摩擦抵抗部材26としてOリングを採用した場合、Oリング26の径方向の偏平抵抗により生ずる摩擦力により風向調整羽根14の風向調整が行えることとなり、低コスト且つ省スペースでの軸支構造が得られる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成10年9月18日(1998.9.18)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2000−88335(P2000−88335A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−264422