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【発明の名称】 卓上ガスコンロの安全装置
【発明者】 【氏名】後藤 基

【氏名】石井 邦彦

【要約】 【課題】バルブ機構が開放された状態のままではガスボンベの交換操作を不能としてガス漏れの発生を防止する。

【解決手段】ガス流路79を開閉するバルブ機構47を有しガスボンベ5のステム106が直接嵌合されるボンベ嵌合部84が設けられたバルブ本体61と、バルブ機構47をガス流路79の開閉状態に切換駆動する操作部材48と、ボンベ嵌合部84に対応して配置され操作部材48によってガスボンベ5の装着を可能とする第1の位置と不能とする第2の位置とに回動される安全レバー92と、安全レバー92が第1の位置に設定された状態において弾性力が畜勢されて安全レバー92にボンベ嵌合部84の閉塞習性を付与する弾性手段93とを備える。バルブ機構47が開放された状態では、安全レバー92がボンベ嵌合部84を閉塞することによりガスボンベ5の装着を不能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス流路を開閉するバルブ機構が内蔵されるとともにガスボンベのステムが直接嵌合されるボンベ嵌合部が設けられてなるバルブ本体と、上記バルブ機構を、上記ガス流路の閉塞状態と上記ガス流路の開放状態とに切換駆動する操作部材と、上記ボンベ嵌合部に対応して配置されるとともに、上記操作部材によってボンベ嵌合部に対するガスボンベの装着を可能とする第1の位置とガスボンベの装着を不能とする第2の位置とに回動される安全部材と、この安全部材が上記第1の位置に設定された状態において弾性力が畜勢されることにより上記安全部材に対して上記ボンベ嵌合部の閉塞習性を付与する弾性手段とを備え、上記安全部材は、上記バルブ機構がガス流路を開放した状態のまま上記ガスボンベが上記バルブ本体から取り外されると、上記弾性手段の弾性力によって上記ボンベ嵌合部を閉塞する第2の位置へと回動動作して、上記バルブ本体に対する上記ガスボンベの再装着操作を不能とすることを特徴とする卓上ガスコンロの安全装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスボンベを用いる卓上ガスコンロ装置等に備えられる安全装置に関し、さらに詳しくはバルブ機構が内蔵されたバルブ本体に対してガスボンベを直接接続するように構成した卓上ガスコンロ装置等に備えて好適な安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスボンベを用いる卓上ガスコンロ装置は、ガスの配管設備等を不要として適宜の場所に手軽に持ち運びすることができるとともに比較的強い火力を得ることができるため、手軽な加熱調理装置として一般家庭ばかりでなく飲食店やアウトドア用等にと幅広く使用されている。卓上ガスコンロ装置は、一般に燃焼部と、この燃焼部に隣接して配置されるボンベ装填部とからなる全体箱型に構成されている。
【0003】卓上ガスコンロ装置は、燃焼部にバーナ機構が配設されるとともに複数個の五徳が設けられた汁受けプレートが装着されてなる。卓上ガスコンロ装置は、ボンベ装填部に装填されたガスボンベを保持する保持機構やバルブ機構を有するガバナ機構が備えられている。卓上ガスコンロ装置は、保持機構によって保持されたガスボンベのステム部がバルブ機構に連結され、器具栓ダイヤル等の操作部材を介してこのバルブ機構を操作するとステム部から噴出した燃料ガスがガバナ機構によって流量制御されて燃焼部のバーナへと供給されて燃焼されるように構成されている。
【0004】ところで、卓上ガスコンロ装置においては、器具栓ダイヤルが「開」位置に設定されてバルブ機構が開放された状態のままでガスボンベの交換操作を行った場合、ガス漏れが発生してしまうといった問題が生じる。このため、例えば特開平3−233211号「ガス器具用安全装置」には、器具栓ダイヤルが「消火」位置に設定された状態においてのみガスボンベをバルブ機構に装着可能とした安全装置が開示されている。
【0005】すなわち、この安全装置は、装填されたガスボンベによって押圧される出没部材と、この出没部材を初期位置に付勢するコイルスプリングと、出没部材の通過を許可する切欠きが設けられた安全レバー等によって構成される。安全装置は、器具栓ダイヤルが「消火」位置に設定された状態においてのみ出没部材が安全レバーの切欠きを通過可能な状態となり、バルブ機構に対してガスボンベの装着が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】旅館や料理屋等においては、予め下拵えをした食材を小鍋等の容器に入れ、これを加熱器具により加熱する料理も提供される。加熱器具には、一般に陶器等で成形され内部に固形燃料が装填された略サイコロ形の火鉢が用いられている。しかしながら、かかる固形燃料を用いた加熱器具は、火力が弱い、使用中に悪臭が発生する、使用後にこびりついた固形燃料の燃えかすの除去に手間がかかる等の種々の問題があった。
【0007】このため、旅館や料理屋等においては、取り扱いが簡易であるとともに比較的強い火力で鍋物等を加熱して料理の味を充分に引き出すことが可能な卓上ガスコンロ装置の要求が極めて高い。卓上ガスコンロ装置は、使用中に悪臭を発生させないことから料理の味覚や宴会の雰囲気を損ねることが無く、バルブ機構を閉じることによって直ちに消火されることから転倒等の突発事故が発生した際の素早い対応が可能であり、火力調整或いは再加熱等も可能であるといった種々の特徴を有している。
【0008】しかしながら、従来の標準的な卓上ガスコンロ装置は、一般に缶本体の直径が約66mm、ステムを含む全長が約185mmの外形仕様のガスボンベを用いるためにやや大型であり、またその形状も単純な箱形を基本形状としている。したがって、かかる卓上ガスコンロ装置は、旅館や料理屋等の宴会の席で個々のお客毎に配膳される一部の料理の加熱器具として食膳に載せて使用することは、その設置スペースを確保したり料理に併せて選択された器類との調和を図ることが困難であるために使用されていなかった。
【0009】また、一般家庭等においても、核家族化或いは少子化等に伴って、比較的小さなテーブル等が使用されるようになっており、テーブル上に従来の標準的な卓上ガスコンロ装置を設置するスペースを確保することが困難となっている。
【0010】卓上ガスコンロ装置については、上述した事情からその小型化の要求が極めて大きくなっている。小型化された卓上ガスコンロ装置は、例えばガスボンベも小型で使い切りものが用いられ、火力調整機構を省略したりバルブ機構に対してステム部を直結する構成等を採用することによりその構造の簡易化が図られる。また、小型化された卓上ガスコンロ装置は、例えば旅館等の宴会で大量に使用されることになるが、バルブ機構の閉鎖状態をそれぞれ確認しなければならない構造では取り扱いが極めて面倒となる。
【0011】勿論、小型化された卓上ガスコンロ装置は、構造が簡易であるとともに取り扱いが簡便であり、しかもより安全性が確保されなければならない。このため、小型化された卓上ガスコンロ装置にも、上述した先願公報に記載されたような安全装置等を付設することが好ましい。しかしながら、上述した先願公報の安全装置においては、装填されたガスボンベによってスライド動作する出没部材を備えることからその動作領域に対応したスペースを必要とし、小型化が困難となる。また、先願公報の安全装置は、出没部材と、コイルスプリングと、安全レバーとを必要とし、構造が複雑である。したがって、かかる先願公報の安全装置は、小型化を図った卓上ガスコンロ装置に付設することが極めて困難である。
【0012】したがって、本発明は、バルブ機構が開放された状態のままではガスボンベの交換操作を不能とすることによりガス漏れの発生を防止するとともに構造簡易でかつ取扱いが簡便な小型の卓上ガスコンロ装置を構成することを可能とする卓上ガスコンロの安全装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発明にかかる卓上ガスコンロの安全装置は、ガス流路を開閉するバルブ機構が内蔵されるとともにガスボンベのステム部が直接嵌合されるボンベ嵌合部が設けられてなるバルブ本体と、バルブ機構をガス流路の閉塞状態と開放状態とに切換駆動する操作部材と、ボンベ嵌合部に対応して配置されるとともに操作部材によってボンベ嵌合部に対するガスボンベの装着を可能とする第1の位置とガスボンベの装着を不能とする第2の位置とに回動される安全部材と、この安全部材が第1の位置に設定された状態において弾性力が畜勢されて安全部材に対してボンベ嵌合部の閉塞習性を付与する弾性手段とを備えて構成される。
【0014】以上のように構成された本発明にかかる卓上ガスコンロの安全装置によれば、バルブ機構がガス流路を開放した状態のままでガスボンベがバルブ本体から取り外されると、安全部材が畜勢された弾性手段の弾性力によって第1の位置からボンベ嵌合部を閉塞する第2の位置へと回動動作する。したがって、卓上ガスコンロの安全装置においては、この状態でガスボンベをバルブ本体に装着しようとしても、ボンベ嵌合部を閉塞した安全部材によってガスボンベの装着操作が阻止され開放されたバルブ機構から燃料ガスが漏れることが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示す卓上ガスコンロ装置1は、コンロ本体部2と、ガスボンベ装填部3と、汁受け部4とから構成され、いわゆる使い切りの小型ガスボンベ5が装填して用いられる。卓上ガスコンロ装置1は、例えば旅館や料理屋等において個々の顧客の食膳にそれぞれ提供される、予め下拵えをした食材を入れた小鍋や汁物或いは焼き物等の料理の加熱用器具として好適に用いられる。卓上ガスコンロ装置1は、食膳にそれぞれ置かれ、図1に示すように汁受け部4上に載せられ料理の入った器(小鍋)6を加熱する。
【0016】先ず、小型ガスボンベ5について説明する。小型ガスボンベ5は、図10に示すように、缶本体100と、底板部材101及び缶本体100に組み付けられたバルブ機構102等から構成される。小型ガスボンベ5は、その内部空間103に液化燃料ガス104、例えば比較的活性の低い液化ブタンが加圧状態で充填されている。小型ガスボンベ5は、缶本体100の内部空間103で液化燃料ガス104の一部が気化することによって内部圧力が外気圧よりも高い状態となっている。小型ガスボンベ5は、内部空間103の内径が約35mm、高さが約38mmと極めて小型であり、缶本体100に最大約25ccの液化燃料ガス104を充填可能とする。
【0017】バルブ機構102は、従来周知のバルブ機構と同様に構成されており、詳細を省略するがバルブ本体105と、ガス噴射孔を有するステム106と、バルブ本体105とステム106との間を密閉するステムラバー107と、ステム106を押し上げるコイルスプリング108と、このコイルスプリング108の下端部を支えるスプリング受け109等の部材によって構成されている。バルブ機構102は、コイルスプリング108の弾性力に抗してステム106が押し込まれることによって、内部空間103から気化した燃料ガス104がガス噴射孔に流れ込んで外部へと噴出する。
【0018】小型ガスボンベ5は、上述したように缶本体100に最大約25ccの液化燃料ガス104が充填されるが、料理の加熱時間に応じてこの液化燃料ガス104の充填量を適宜変えたものが用いられる。小型ガスボンベ5は、例えば液化燃料ガス104の充填量が25cc、20cc、15cc或いは10ccとされた複数種が用意される。勿論、小型ガスボンベ5は、液化燃料ガス104の充填量をさらに適宜変えるようにしてもよい。小型ガスボンベ5は、液化燃料ガス104の充填量に応じて缶本体100に異なる色調の塗装が施されることによって表示部110が構成されている。
【0019】小型ガスボンベ5は、図10に示すように、表示部110を缶本体100の全体に所定の色調の塗料を塗布することによって構成してもよく、また帯状に色分けして構成してもよい。また、小型ガスボンベ5は、予め所定の色調とされた金属板材料を用いて形成してもよい。勿論、小型ガスボンベ5は、缶本体100に液化燃料ガス104の充填量を表示するようにしてもよいが、いずれにしろ小型であることから大きな表示が困難であり色別表示を行うことが好ましい。
【0020】また、小型ガスボンベ5は、例えば卓上ガスコンロ装置1を有する独身者等がレトルト食品等を加熱して食する場合にも好適に使用される。独身者等にとっては、従来の卓上ガスコンロ装置では大型で取り扱いが煩わしく、また箱形の単純な形状からも味気ない気分となるとともに一人で使用する場合には標準型ガスボンベの容量では多すぎてしばしば無駄にしてしまう。小型ガスボンベ5は、このような独身者等にとって最適な液化燃料ガス104の充填量を有しており、例えば液化燃料ガス104の充填量に応じて対象とする標準的な料理のメニュー等を添付して提供することによりさらに使い勝手の向上が図られる。
【0021】上述した小型ガスボンベ5を用いる卓上ガスコンロ装置1は、上述したようにコンロ本体部2とガスボンベ装填部3と汁受け部4とから構成される。卓上ガスコンロ装置1は、図1に示すように、略円筒形のコンロ本体部2の側面にガスボンベ装填部3が付設されるとともに、コンロ本体部2に対して逆円錐台状を呈する汁受け部4が着脱自在に組み合わされることによって全体がいわゆる七輪型を呈して構成されている。
【0022】卓上ガスコンロ装置1は、外径が約110mmのコンロ本体部2に対してガスボンベ装填部3を組み合わせた状態で最大外形寸法が約160mm、コンロ本体部2に対して汁受け部4を組み合わせた状態で最大高さ寸法が約95mmの寸法仕様を以って構成される。したがって、卓上ガスコンロ装置1は、従来一般に用いられている陶器製の火鉢よりもやや大きめの外形仕様であるため、食膳上のスペースを大きく占有することも無く、またその独特な外観仕様から小鍋6を載せた状態でも他の料理の器との調和が図られて不自然を感じさせることも無い。
【0023】コンロ本体部2は、図1乃至図3に示すように、ダイキャスト製のケース本体10と、このケース本体10に組み付けられたバーナ機構11及び点火機構12と、底蓋部材13等によって構成される。ケース本体10は、やや肉厚とされた外周壁部14と、この外周壁部14の上端部に位置して一体に形成された天井壁部15と、外周壁部14の上端部の全周に亘って一体に立ち上り形成されて後述する汁受け部4を保持するフランジ部16と、天井壁部15の略中央部に位置して一体に形成された筒状のバーナ取付部17等の各部位から構成される。
【0024】外周壁部14には、詳細を省略するが、その下端部の適宜の位置に底蓋部材13を取り付ける複数の取付部が形成されている。また、外周壁部14には、図2に示すように、その側面から底面に亘って後述するガスボンベ装填部3を組み付ける取付部18が形成されている。外周壁部14には、この取付部18に対応してガスボンベ装填部3から引き出された燃料パイプ39やコード43を引き込む開口部19が形成されている。
【0025】天井壁部15には、図3に示すように、バーナ取付部17を中心とした対称位置に汁受け部4を装着するための一対の取付孔20(20a、20b)が形成されている。これら取付孔20は、大径の孔とやや小径の孔とが円周方向に連続して形成された略鍵穴状とされてなる。天井壁部15には、バーナ取付部17に隣接して点火機構12を上方へと露呈させる開口部21と、点火機構12の取付部22とが形成されている。
【0026】底蓋部材13は、ケース本体10の開放された底面部を閉塞するに足る外径寸法を有する略円盤状に形成されてなり、底面側に複数個の設置脚部23が取り付けられている。底蓋部材13には、ケース本体10のバーナ取付部17に対応して、バーナ機構11を取り付ける取付凸部24がその中央部に位置して形成されている。底蓋部材13は、図2に示すように、ケース本体10の底面部を閉塞して取り付けられる。
【0027】汁受け部4は、汁受けプレート25と、3個の五徳26(26a乃至26c)とから構成される。汁受けプレート25は、底面部27と、この底面部27の外周縁に全周に亘って一体に立ち上がり形成された外周部28とからなり全体略盆状を呈して形成されてなる。外周部28は、その外径寸法がケース本体10の外周壁部14の内径寸法とほぼ等しい。汁受けプレート25は、その底面部27の略中央部に位置して、中心が一方側にやや偏位されて楕円形の開口部29が形成されている。開口部29は、後述するように汁受けプレート25がケース本体10に取り付けられた状態において、バーナ機構11及び点火機構12を上方へと突出露呈させるに足る開口寸法を有している。
【0028】汁受けプレート25には、図2及び図4に示すように、開口部29を囲むようにして外周部28よりもやや低い立壁部30が一体に立ち上り形成されている。立壁部30は、小鍋6からふきこぼれた汁等が開口部29からケース本体10の内部に流れ込むことを阻止する。
【0029】汁受けプレート25には、詳細を図4及び図5に示すように、底面部27の底面側に、先端部32(32a、32b)が大径とされた段付き凸部からなる一対の係合凸部31(31a、31b)が設けられている。これら係合凸部31は、互いに開口部29を中心とした対称位置に設けられており、ケース本体10の取付孔20とそれぞれ対応している。係合凸部31は、先端部32と汁受けプレート25の底面部27との間隔がケース本体10の天井壁部15の厚みとほぼ等しく、先端部32が取付孔20の大径部位よりも小径で小径部位よりも大径とされている。
【0030】以上のように構成された汁受けプレート25は、図5矢印で示すように、係合凸部31を相対する取付孔20の大径部位にそれぞれ嵌合して、図3において時計方向へと回動操作される。汁受けプレート25は、これによって係合凸部31が取付孔20の大径部位から小径部位へと移動し、図4に示すように、先端部32が天井壁部15によって係止されることによりケース本体10の外周壁部14に囲まれた空間部内に位置して取り付けられる。汁受けプレート25は、このようにしてケース本体10に取り付けられた状態において、開口部29からバーナ機構11及び点火機構12をそれぞれ上方へと突出露呈させる。
【0031】五徳26は、図1及び図3に示すように、それぞれ円弧状に形成された板状部材によって構成され、下端部を汁受けプレート25の外周部28の内面にしっかりと固定されている。五徳26は、汁受けプレート25に対して円周方向にそれぞれ等間隔に固定されており、図2及び図3に示すように逆円錐体の外周面の一部を構成する。五徳26は、それぞれの上端部によって約120mmの内径を有する円形開口を構成する。したがって、五徳26は、一般に宴会等に用いられる小鍋6を安定した状態で支え得ることを可能とする。
【0032】なお、上述した汁受け部4は、汁受けプレート25と五徳26とを別部材によって構成したが、例えばダイキャスト成形することによって一体に構成してもよいことは勿論である。また、汁受け部4は、汁受けプレート25に形成した係合凸部31とケース本体10に形成した取付孔20とによって結合構造を構成したが、かかる構成に限定されないことは勿論である。結合構造は、例えばL字状の取付孔と逆L字状の係合凸部とによって構成してもよい。結合構造は、ケース本体10側に係合凸部を設けるとともに汁受けプレート25側に取付孔を設けるようにしてもよい。さらに、結合構造は、3個以上の取付孔20と係合凸部31とによって構成してもよい。
【0033】汁受け部4は、上述した結合構造によって、コンロ本体部2に対して着脱自在に構成されている。したがって、汁受け部4は、使用時に小鍋6から汁等が汁受けプレート25にふきこぼれて汚れてしまった場合でも、これをコンロ本体部2から取り外して簡単に洗浄することが可能とされる。
【0034】バーナ機構11は、ノズル部材33と、ノズル受け座34と、上バーナ35及び下バーナ36と、バーナ押え部材37と、メッシュフィルタ38等の各部材によって構成されている。バーナ機構11は、有底筒状のノズル受け座34がその下端部を底蓋部材13の取付凸部24上に位置決め固定されるとともに、上端の外周部がバーナ取付部17の取付孔に嵌合されることによりケース本体10と底蓋部材13とによって支持される。
【0035】ノズル部材33は、先端部が絞られた噴射孔を有する筒状の部材であり、その下端部がノズル受け座34に嵌合されている。ノズル受け座34には、その側面を貫通して後述するガスボンベ装着部3から引き込まれた燃料パイプ39の先端が内部に連通されている。ノズル受け座34には、燃料ガスに含まれた不純物を除去するメッシュフィルタ38が組み込まれている。
【0036】上バーナ35及び下バーナ36は、図2に示すように、バーナ取付部17の上端部にバーナ押え部材37を介して取り付けられている。上バーナ35は、バーナ取付部17の外径寸法とほぼ等しい外径寸法を有する断面円弧状に形成された部材であり、多数個のバーナ孔が形成されている。下バーナ36は、バーナ取付部17の外径寸法とほぼ等しい外径寸法を有する円盤状の部材であり、同一円周上に位置して多数個のバーナ孔が形成されている。バーナ機構11は、これら上バーナ35と下バーナ36とによって燃焼部を構成することから、五徳26上に載せられた小鍋6の底部を集中的に加熱するようにして燃焼効率の向上が図られている。
【0037】点火機構12は、従来の卓上ガスコンロ装置に用いられる点火機構と同等品が用いられ、逆L字状に折曲された電極40と、この電極40を保持する筒状のホルダ41等の部材によって構成される。点火機構12は、天井壁部15に形成した取付部22に取り付けられた取付ブラケット部材42を介してケース本体10に取り付けられる。点火機構12は、図2に示すように、ケース本体10に取り付けられた状態において開口部21を介してホルダ41の上方部が天井壁部15から上方へと突出露呈される。点火機構12は、この状態で、図3に示すように水平に折曲された電極40の先端部がバーナ機構11の上バーナ35の上方に近接して延在される。
【0038】以上のように構成された点火機構12は、コード43によって後述するガスボンベ装填部3側に配設した圧電点火器44と電気的に接続されている。点火機構12は、後述するように圧電点火器44が動作されることによって、電極41から火花を放出し、上バーナ35から放出された燃料ガスを燃焼させる。
【0039】ガスボンベ装填部3は、圧電点火器44と、上述した小型ガスボンベ5が装填されるボンベケース部材45と、装填された小型ガスボンベ5を駆動するボンベ押上機構46と、ボンベケース部材45に取り付けられたバルブ機構47と、このバルブ機構47を駆動するダイヤル操作部材48と、安全機構49等を備えて構成される。卓上ガスコンロ装置1は、上述したように比較的少量の液化燃料ガス54を充填した使い切りの小型ガスボンベ5を用いることから、バーナ機構11に対して供給する燃料ガスの量を調整するガバナ機構を特に備えておらず構造の簡易化が図られている。
【0040】ボンベケース部材45は、ケース本体10と反対側の側面が高さ方向に切り欠かれてボンベ装填口50を構成することによって略半円筒形を呈して形成されている。勿論、ボンベ装填口50は、図1に示すようにして小型ガスボンベ5をボンベケース部材45内に装填するに足る開口寸法を以って形成されている。ボンベケース部材45には、図3に示すように、ボンベ装填口50と対向する側面の下端部から水平方向の取付ブラケット板51が一体に突設形成されている。ボンベケース部材45は、この取付ブラケット板51を介してコンロ本体部2のケース本体10に形成した取付部18にしっかりとねじ止め固定されている。
【0041】ボンベケース部材45は、図6及び図7に示すように、下端部から所定の高さ位置までその内径寸法が小型ガスボンベ5の外径よりもやや大径とされるとともに、その上方部位が小型ガスボンベ5の外径よりもやや小径とされる。
【0042】ボンベ押上機構46は、図6及び図7に示すように、ボンベケース部材45の底部に一体に形成された左右一対の軸受部53(53a、53b)と、これら軸受部53に支軸54(54a、54b)が軸受けされることによりボンベケース部材45内に回動自在に支持されたボンベ押上げカム部材55と、このボンベ押上げカム部材55を回動させる操作レバー56等の部材によって構成される。軸受部53には、小型ガスボンベ5の未装填状態においてボンベ押上げカム部材55を収納する凹溝57が形成されている。
【0043】ボンベ押上機構46は、図7に示すように、ボンベケース部材45の側面を貫通されたボンベ押上げカム部材55の一方の支軸54bに操作レバー56を取り付けてなる。操作レバー56は、小型ガスボンベ5の未装填状態において、図2に示すように略水平位置にあって第1のストッパ58に係止されている。操作レバー56は、小型ガスボンベ5がボンベケース部材45内に装填されると図4鎖線で示す位置から同図矢印で示すように反時計方向へと回動操作される。操作レバー56は、第2のストッパ59に当接するまで回動操作される。
【0044】ボンベ押上げカム部材55は、図2及び図6に示すように、支軸54を介して一端側をボンベケース部材45の内部に回動自在に支持されている。ボンベ押上げカム部材55は、ボンベ装填口50からボンベケース部材45内に小型ガスボンベ5が装填されると、図2に示すようにその底板部材101を支える。ボンベ押上げカム部材55は、上述したように操作レバー56が回動操作されることによって、図6に示すように小型ガスボンベ5をボンベケース部材45内で上方へと押し上げる。ボンベ押上げカム部材55は、詳細を後述するが、これによって小型ガスボンベ5のステム106をバルブ機構47に装着させる。
【0045】バルブ機構47は、ボンベケース部材45の天井壁部60に取り付けられており、ダイヤル部材48と、バルブ本体61と、ニードルシャフト62と、後述するように装着された小型ガスボンベ5のステム106をシーリングするOリング63、64とOリングカラー65及びリング押え部材66と、バルブ本体61とニードルシャフト62との間をシーリングする複数のOリング67乃至69等の部材によって構成される。なお、ボンベケース部材45の天井壁部60は、詳細を省略するがバルブ本体61や後述する安全機構49を取り付ける取付部が外周部から一体に形成された庇状の部位であり、装填された小型ガスボンベ5を上方へと貫通させる切欠きが形成されている。
【0046】ダイヤル操作部材48は、圧電点火器44及びバルブ機構47を駆動するとともに後述する小型ガスボンベ5の誤装着を防止する安全機構49を駆動する操作部材である。ダイヤル操作部材48は、全体が小型の部材によって構成される卓上ガスコンロ装置1において、直径寸法が約30mmとやや大径とされることによって操作性の向上が図られている。ダイヤル操作部材48には、図2及び図6に示すように、内面の中央部に一体に形成したボス部70の軸孔に内周セレーション71が形成されている。
【0047】ダイヤル操作部材48には、図7に示すように、その内面にボス部70と同心に圧電点火器44を駆動する平面カム72が一体に形成されている。平面カム72は、少なくとも後述する圧電点火器44のアークチュエータ77を駆動する部位として120°の領域を以って形成されている。平面カム72は、同図において左端側の突出量が小さく、時計方向に向かって突出量が次第に大きくなるように形成されている。平面カム72は、初期状態においてはアークチュエータ77と離間しており、ダイヤル操作部材48が反時計方向に回動操作されることによってアークチュエータ77に当接してこれを駆動する。
【0048】ダイヤル操作部材48には、平面カム72と対称位置に作動カムレバー73が外周より突出して一体に設けられている。作動カムレバー73は、ダイヤル操作部材48が図7において反時計方向に回動操作されることによって反時計方向に回動し、詳細を後述するように安全機構49を駆動する。ダイヤル操作部材48には、図6に示すように中心に位置して取付孔74が設けられている。ダイヤル操作部材48は、後述するようにニードルシャフト62に対して位置合わせされて組み合わされた状態で、取付孔74から止めねじ75がねじ込まれることによりこのニードルシャフト62の先端に一体化される。
【0049】ダイヤル操作部材48は、詳細を後述するが、バルブ機構47を閉塞した状態とする「閉」位置と、バルブ機構47を開放した「開」位置と、圧電点火器44を動作する「着火」位置とに亘って回動操作される。ダイヤル操作部材48には、図1に示すように指標76が設けられており、この指標76を各位置に合わせるように回動操作される。
【0050】圧電点火器44は、周知のようにホルダー78内にアークチュエータ77が摺動自在に収納されるとともに、このアークチュエータ77によって駆動される図示しない圧電素子が内蔵されている。圧電点火器44は、図7に示すように、ホルダー78がケース本体10に取り付けられるとともに、アークチュエータ77が操作ダイヤル部材48の平面カム72と対向されている。ホルダー78には、点火機構12と電気的接続を行うコード43が引き出されている。
【0051】圧電点火器44は、上述したようにダイヤル操作部材48が回動操作されることによってアークチュエータ77が平面カム72により押圧動作される。圧電点火器44は、アークチュエータ77がホルダー78内を摺動して圧電素子を駆動することで点火機構12の電極40から火花を発生させる。
【0052】バルブ機構47を構成するバルブ本体61は、内部に軸方向のガス流路79が形成された全体略筒状に形成されてなる。ガス流路79は、図6に示すように、先端側が大径とされるとともにこの大径部の開口部位に内周ねじ80が形成されてなる。ガス流路79は、基端部側が細径とされており、この細径部にOリング81及びパイプカラー82によってシーリングされた状態でパイプ39が接続されている。ガス流路79は、大径部の後端側においてノズル孔83と連通されている。ガス流路79は、大径部と細径部との連結部位、換言すればバルブ開口79aが略すり鉢状となっており、後述するようにバルブ機構47のニードルシャフト62によって開閉される。
【0053】バルブ本体61には、ボンベケース部材45内に装填された小型ガスボンベ5の中心軸を同軸として全体略筒状のボンベ嵌合部84が一体に膨出形成されている。ボンベ嵌合部84には、後述するように小型ガスボンベ5のステム106が嵌合するボンベ嵌合凹部85が形成されている。ボンベ嵌合凹部85は、図6に示すように小型ガスボンベ5のバルブ機構部位を嵌合するに足る外径を有する開口部側の大径部位と、この大径部位に連続してステム106を嵌合するに足る外径を有しかつノズル孔83の一端が連通する小径部位とからなる段付き凹部として構成される。
【0054】ボンベ嵌合凹部85には、ボンベケース部材45内に装填されてボンベ押上機構46によって押し上げられた小型ガスボンベ5のステム106をシーリングするOリング63がその小径部位に嵌合されている。ボンベ嵌合凹部85には、その大径部位にOリング64やOリングカラー65がはめ込まれている。上述した各Oリング63、64及びOリングカラー65は、ボンベ嵌合部84に取り付けられたカップ状のリング押え部材66によってボンベ嵌合凹部85内に保持される。
【0055】バルブ機構47は、上述したようにボンベケース部材45の内部に装填されるとともにボンベ押上機構46によって押し上げられてボンベ嵌合凹部85に嵌合する小型ガスボンベ5に対して、図6に示すようにステム106部分を第1のOリング63によってシーリングする。バルブ機構47は、小型ガスボンベ5に対して、そのバルブ機構102部分をOリングカラー65によって保持された第2のOリング64によってシーリングする。したがって、バルブ機構47は、ボンベ嵌合凹部85におけるガス漏れを確実に防止する。
【0056】ニードルシャフト62は、図6に示すように、軸方向の略中央部位にバルブ本体61のガス流路79に形成した内周ねじ80とねじ合わされる外周ねじ86が形成されるとともに、基端側の外周部に軸方向に並んで3本のリング取付溝87乃至89が設けられている。ニードルシャフト62は、これらリング取付溝87乃至89にOリング67乃至69がそれぞれはめ込まれることによって、ガス流路79に対するシーリングが保持される。
【0057】ニードルシャフト62は、後述するようにダイヤル操作部材48を回動操作することによって、バルブ本体61のガス流路79内を図6において左右方向に移動する。ニードルシャフト62は、基端部62aの外径がガス流路79の大径部の外径よりもやや小径とされるとともに細径部の外径よりもやや大径とされている。ニードルシャフト62には、基端部62aに第3のOリング69がはめ込まれており、同図において左側へと移動された状態においてガス流路79のバルブ開口79aを閉塞する。
【0058】一般にニードルバルブ機構においては、ニードルシャフトの先端が精密な円錐形に形成されており、円錐形のバルブ開口に係合することによってこれを閉鎖するように構成されている。したがって、ニードルバルブ機構は、ニードルシャフトやバルブ開口を精密に形成するとともに、ニードルシャフトを精密に駆動しなければならない。バルブ機構47は、上述したようにニードルシャフト62の先端部に第3のOリング69をはめ込んでガス流路79のバルブ開口79aを開閉するように構成したことから、各部材の精度やニードルシャフト62の位置精度が簡易化される。
【0059】ニードルシャフト62は、未使用時には図6に示すようにノズル孔83を閉塞している。ニードルシャフト62は、後述するようにダイヤル操作部材48を回動操作することによって、内周ねじ80と外周ねじ86とのねじ合わせにより図6において右側へと移動してノズル孔83の閉塞状態を解除する。したがって、ガス流路79は、ノズル孔83を介してボンベ嵌合凹部85と連通する。
【0060】ニードルシャフト62には、先端部の外周に、ダイヤル操作部材48のボス部70に形成した内周セレーション71と噛合わされる外周セレーション90が形成されている。ニードルシャフト62には、先端側の端面にダイヤル操作部材48に形成した取付穴71に対応して取付孔91が形成されている。ニードルシャフト62は、ガス流路79に対するねじ込み量を調整されてバルブ本体61に組み合わされるとともに、この状態で外周セレーション90に内周セレーション71を噛み合わせてダイヤル操作部材48が組み付けられる。かかる構成により、ニードルシャフト62には、指標77が所定の位置に合わされて、回転方向に対してダイヤル操作部材48が位置決めされて組み付けられる。ニードルシャフト62には、位置決めされたダイヤル操作部材48が、取付孔74、91にねじ込んだ止めねじ75によって固定される。
【0061】安全機構49は、ダイヤル操作部材48が回動操作されてバルブ機構47が開放された状態においてボンベケース部材45内に小型ガスボンベ5を装着しようとした場合に、この小型ガスボンベ5の誤装着を阻止してガス漏れを防止する機構である。安全機構49は、図7乃至図9に示すように、安全レバー92と、この安全レバー92を押圧するコイルスプリング93と、安全レバー92を回動自在に支持する支点ねじ94とから構成される。
【0062】安全レバー92は、図8及び図9に示すように円形部位98と扇形部位99とが一体化された全体略涙形を呈しており、扇形部位99の要部位がボンベケース部材45の天井壁部60に設けた支点ねじ94によって回動自在に片持ち支持されている。安全レバー92は、使用状態においては円形部位98がボンベケース部材45の天井壁部60に沿って、小型ガスボンベ5が装填される内部空間のほぼ中央部に延在される。換言すれば、安全レバー92は、その円形部位98がバルブ機構47のバルブ本体61に形成されたボンベ嵌合凹部85と対応位置している。また、安全レバー92は、バルブ機構47が閉塞されてダイヤル操作部材48が「閉」位置に設定された状態においても、同様にその円形部位98がバルブ機構47のバルブ本体61に形成されたボンベ嵌合凹部85と対応位置している。
【0063】安全レバー92には、その円形部位98の中央部に位置してガイド孔95が設けられている。ガイド孔95は、小型ガスボンベ5のステム106を含むバルブ機構102を貫通させるに足りかつ缶本体100の外径よりも小径とされた内径を有している。安全レバー92には、支点部と対称位置の円形部位98の外周部に作動カム片96が一体に突設されている。作動カム片96は、図7に示すように先端が上方へと折曲されている。カム片96は、上述したダイヤル操作部材48に形成した作動レバー73の回動領域内に延在している。作動カム片96は、後述するようにダイヤル操作部材48が回動操作されると、その作動レバー73と衝合することによって安全レバー92を図8に示した位置から図9に示した位置へと回動させるように作用する。
【0064】安全レバー92には、支点部と作動カム片96とから等間隔の位置の円形部位98の外周部にスプリング掛止め凸部97が一体に突設されている。スプリング掛止め凸部97には、図8及び図9に示すようにボンベケース部材45の内周壁に形成したスプリング掛止め凸部45aとの間にコイルスプリング93が圧縮状態で装着されている。したがって、安全レバー92は、このコイルスプリング93の弾性力によって、図8に示すようにボンベケース部材45の一方側に偏位した状態に保持される。
【0065】以上のように構成された安全機構49は、ダイヤル操作部材48が「閉」位置に設定された状態、換言すればバルブ機構47が閉鎖された状態では、このダイヤル操作部材48の作動レバー73によって作動カム片96が動作されて安全レバー92がコイルスプリング93の弾性力に抗して図8の位置から反時計方向に回動された図9に示す位置にある。安全機構49は、この状態においてに安全レバー92がその円形部位98をボンベケース部材45の中心と一致されている。したがって、安全機構49は、ボンベ押上機構46が操作されて小型ガスボンベ5の押上げ動作が行われた場合に、安全レバー92の円形部位98を介して小型ガスボンベ5のバルブ機構12を通過させる。小型ガスボンベ5は、これによりバルブ機構47に対する装着が可能となる。
【0066】安全機構49は、ダイヤル操作部材48が「開」位置に設定された状態、換言すればバルブ機構47が開放された状態では、このダイヤル操作部材48の作動レバー73と作動カム片96とが非衝合状態にあり安全レバー92がコイルスプリング93によって押されて図8に示すようにボンベケース部材45の中心から一方側に偏位している。したがって、安全機構49は、同図に示すように安全レバー92のガイド孔95の中心がボンベケース部材45内に装着された小型ガスボンベ5の中心軸とずれた状態となる。安全機構49は、ボンベ押上機構46が操作されて小型ガスボンベ5の押上げ動作が行われた場合に、安全レバー92がその円形部位98によって小型ガスボンベ5を係止する。小型ガスボンベ5は、これによりバルブ機構47に対する装着が不能となる。
【0067】なお、図8は、ボンベケース部材45内に小型ガスボンベ5が装着されていない状態である。安全機構49は、ボンベケース部材45内に小型ガスボンベ5が装着された状態でダイヤル操作部材48が「閉」位置から「開」位置へと回動操作された場合に、作動レバー73による作動カム片96の押圧状態が解除されて安全レバー92がコイルスプリング93の弾性力によって初期位置へと復帰しようとする。安全レバー92は、そのガイド孔95に小型ガスボンベ5のバルブ機構102が貫通していることによって復帰動作を行わない。
【0068】安全機構49は、ダイヤル操作部材48が「開」位置の状態のままボンベ押上機構46が操作されて小型ガスボンベ5がボンベケース部材45内を降下した場合には、安全レバー92がコイルスプリング93の弾性力によって初期位置へと復帰する。安全機構49は、この安全レバー92の復帰動作によって上述したように小型ガスボンベ5の装着を不能とする状態とする。
【0069】なお、上述した安全機構49においては、安全レバー92を一方側へ偏位させる付勢手段としてコイルスプリング93を用いたが、かかる構成に限定されるものでは無く、例えば支軸ねじ94に装着したトーションスプリングによって付勢手段を構成してもよい。なお、安全機構49は、安全レバー92やその他の部材の形状或いは動作形態について上述した構成に限定されるものでは無いことは勿論である。
【0070】以上のように構成された卓上ガスコンロ装置1の使用形態について以下説明する。卓上ガスコンロ装置1には、コンロ本体部2を構成するケース本体10上に汁受け部4を構成する汁受けプレート25が装着される。卓上ガスコンロ装置1には、ガスボンベ装填部3を構成するボンベケース部材45のボンベ装填口50から小型ガスボンベ5がその内部に装填される。卓上ガスコンロ装置1は、この状態で、例えば宴会場等の客席の各食膳にそれぞれ置かれる。卓上ガスコンロ装置1には、五徳26上に予め下ごしらえした食材が入れられた小鍋6が載せられる。
【0071】卓上ガスコンロ装置1は、ダイヤル操作部材48をその指標77が「開」位置となるまで回動操作されることによりバルブ機構47の開放動作が行われる。バルブ機構47は、上述したようにダイヤル操作部材48と一体化されたニードルシャフト62がバルブ本体61内を回転動作し、ガス流路79のバルブ開口79aを閉塞した位置から開放する位置へと移動するとともにガス流路79とノズル孔83とが連通状態となる。
【0072】卓上ガスコンロ装置1は、上述した状態でボンベ押上機構46を操作することにより、ボンベケース部材45内に装填された小型ガスボンベ5の押上げ動作を行ってバルブ機構47に装着させる。ボンベ押上機構46、操作レバー56が回動操作されることにより、この操作レバー56と一体にボンベ押上げカム部材55も回動動作する。小型ガスボンベ5は、ボンベ押上げカム部材55によってその底面を押し上げられることにより、ステム106を含むバルブ機構102が安全レバー92のガイド孔95を貫通してバルブ機構47に装着される。
【0073】小型ガスボンベ5は、バルブ機構102がボンベ嵌合凹部85に押し込まれることによってステム106が内部へと押し込まれ、缶本体100の内部から気化した燃料ガスを噴射する。燃料ガスは、ステム106からバルブ本体61のノズル孔83を介してガス流路79内に達し、開放されたバルブ開口79aからパイプ39へと流れる。燃料ガスは、パイプ39によってバーナ機構11へと導かれる。
【0074】卓上ガスコンロ装置1は、導かれた燃料ガスがバーナ機構11の上バーナ35と下バーナ36から噴出する。卓上ガスコンロ装置1は、この状態でダイヤル操作部材48が「点火」位置まで回動操作されることによって圧電点火器44が駆動されて点火機構12により燃料ガスの燃焼が行われる。圧電点火器44は、ダイヤル操作部材48の平面カム72によってアークチュエータ77が押圧されて圧電素子が駆動される。圧電点火器44は、これによってコンロ本体部2に配置した点火機構12の電極40から火花を放出して燃料ガスに着火する。
【0075】卓上ガスコンロ装置1は、上バーナ35及び下バーナ36によって五徳26上に載せた小鍋6の底面を集中して加熱する。卓上ガスコンロ装置1は、大きな熱量の燃料ガスによって小鍋6の底面を効率的に加熱することで、料理を素早く加熱する。卓上ガスコンロ装置1は、このように小鍋6を短時間で素早く加熱することで、料理の味を充分に引き出すようにする。卓上ガスコンロ装置1は、小鍋6を所定の時間加熱するに足る量の液化燃料ガス104を充填した小型ガスボンベ5を用いることから、所定時間の経過後に自動的に消火する。
【0076】勿論、卓上ガスコンロ装置1は、ダイヤル操作部材48を「閉」位置まで回動操作することによってバルブ機構47が閉じられ消火が行われる。卓上ガスコンロ装置1は、この消火状態からダイヤル操作部材48を再操作することにより、小型ガスボンベ5に燃料ガスが残っている間再燃焼を行うことができる。
【0077】なお、上述した実施の形態においては、安全機構49を備える略七輪形の仕様を以って構成された卓上ガスコンロ装置1について説明したが、本発明はかかる卓上ガスコンロ装置1に限定されるものでは無いことは勿論である。安全機構49は、従来の標準形のガスコンロ装置にも適用可能であり、さらにアウトドア用に用いられるガスボンベをバーナ機構に直結するようにしたガスコンロ装置にも適用されることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にかかる卓上ガスコンロの安全装置によれば、バルブ機構がガス流路を開放した状態のままでガスボンベがバルブ本体から取り外されると弾性手段の弾性力によって安全部材がボンベ嵌合部を閉塞するように構成したことから、バルブ機構の状態をその都度確認してガスボンベを装着することが不要となり取り扱いが簡便となるとともにガスボンベの誤装着が防止されてガス漏れや無駄な消費が確実に防止されるようになる。また、卓上ガスコンロの安全装置は、構成部材も少なくかつ安全部材の動作量も小さいために、卓上ガスコンロ装置の小型化を達成する。
【出願人】 【識別番号】591156009
【氏名又は名称】東邦金属工業株式会社
【出願日】 平成10年7月31日(1998.7.31)
【代理人】 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【公開番号】 特開2000−46342(P2000−46342A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−217946