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【発明の名称】 バーナ装置
【発明者】 【氏名】若林 努

【氏名】守家 浩二

【氏名】中村 裕司

【要約】 【課題】第1の流路45を規定する第1のノズル手段10と、それを外囲する第2の流路47を規定する第2のノズル手段12と、第1,2の流路45,47に燃焼用ガスを供給する為の第1,2のガス供給手段28,30と、第1,2の流路45,47に空気を供給する為の空気流路8とを備え、第2のノズル手段12の外側から第2の流路47内を貫通し第1の流路45に至る構造を有し、第1のノズル手段10の混合ガスを点火する点火手段56を備えたバーナ装置において、燃焼の偏りを防止し、NOxの発生を抑制することを目的とする。

【解決手段】第2の流路47内に第1のノズル手段10の外周壁から第2のノズル手段12の外周壁に架設された複数の第2の流路内配設部材59を、第2の流路47内において周方向で均等に配設して備え、点火手段56が、第2の流路47内において第2の流路内配設部材59の内部に包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の流路を規定する第1のノズル手段と、前記第1のノズル手段を外囲する第2の流路を規定する第2のノズル手段と、前記第1の流路に燃焼用ガスを供給する為の第1のガス供給手段と、前記第2の流路に燃焼用ガスを供給する為の第2のガス供給手段と、前記第1および前記第2の流路に空気を供給する為の空気流路とを備え、前記第2のノズル手段の外側から前記第2の流路内を貫通し前記第1の流路に至る構造を有し、前記第1のノズル手段の混合ガスを点火する点火手段を備えたバーナ装置であって、前記第2の流路内に前記第1のノズル手段の外周壁から前記第2のノズル手段の外周壁に架設された複数の第2の流路内配設部材を、前記第2の流路内において周方向で均等に配設して備え、前記点火手段が、第2の流路内において前記第2の流路内配設部材の内部に包含されるバーナ装置。
【請求項2】 前記第2の流路の径方向の断面積に対して、前記第2の流路内配設部材の合計の断面積の割合が10〜50%である請求項1に記載のバーナ装置。
【請求項3】 前記第2の流路内に、前記第2の流路を径方向に仕切る少なくとも1つの筒体を備えた請求項1又は2に記載のバーナ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼用ガスを燃焼する為のバーナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地域発電、地域暖房などを行う為に、種々のコージェネレーションシステムが提案されている。このようなコージェネレーションシステムの代表的な1つのシステムは、燃焼ガスを燃焼する為のバーナ装置と、バーナ装置によって燃焼された燃焼ガスによって回転駆動されるガスタービンとを備え、ガスタービンの回転を利用して発電が行われる。
【0003】このようなガスタービンに用いられるバーナ装置は、第1のガス供給手段からの燃焼用ガスが供給され、第1の流路を規定する第1のノズル手段と、第2のガス供給手段からの燃焼用ガスが供給され、第1のノズル手段を外囲する第2の流路を規定する第2のノズル手段とを備えている。第1のノズル手段は第1の流路を規定し、第1の流路を流れる空気流に第1のガス供給手段からの燃焼用ガスが噴出され、これによって希薄混合ガスが生成される。又、第2の流路を流れる空気流に第2のガス供給手段からの燃焼用ガスが噴出され、これによって第1のノズル手段の希薄混合ガスよりもガス濃度の低い希薄混合ガスが生成される。このようなバーナ装置では、第1のノズル手段の混合ガスのガス濃度が第2のノズル手段の混合ガスのガス濃度よりも高いので、第1のノズル手段の混合ガスが燃焼され、そしてこの第1のノズル手段の燃焼ガスを利用して第2のノズル手段の混合ガスが燃焼される。燃焼ガスをこのように燃焼することができ、これによって窒素酸化物(NOx)の発生を抑えた燃焼が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したバーナ装置では、次の通り解決すべき問題が存在する。このようなバーナ装置を起動させる為に、第1のノズル手段を流れる燃焼用ガスに火花等で着火する点火部材を第1の流路内に突出させる必要がある。第1のノズル手段は、第2のノズル手段の内側にある為、点火部材の一部は、第2の流路内を通る必要があり、第2のノズル手段の混合ガスの流れはこの点火部材によって偏りを生じる。この偏りによって、第2のノズル手段の下流側の燃焼ガスの温度に偏りを生じ、燃焼ガスの最高温度と最低温度の差が大きくなる。一般に、バーナ装置からの燃焼ガスをガスタービンに送給する場合、送給される燃焼ガスの最高温度がガスタービンの耐熱温度を超えないようにする必要がある。それゆえに、上述したバーナ装置においては、燃焼ガスの最高温度をガスタービンの耐熱温度、例えば1200℃以下に設定する必要があり、このようにしたとき、中心付近から離れた部位の燃焼ガスの燃焼温度が低くなる。その結果、ガスタービンに送給される燃焼ガスの平均温度が低くなり、バーナ装置を含むシステムの熱効率が悪くなり、高温部分が生じることで、NOxの発生の原因となっていた。
【0005】本発明の目的は、バーナ装置における燃焼の偏りを防止し、これによって燃焼ガスの平均温度を高め、更にはNOxの発生を抑制することができるバーナ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するための本発明に係るバーナ装置は、請求項1に記載されているように、第1の流路を規定する第1のノズル手段と、前記第1のノズル手段を外囲する第2の流路を規定する第2のノズル手段と、前記第1の流路に燃焼用ガスを供給する為の第1のガス供給手段と、前記第2の流路に燃焼用ガスを供給する為の第2のガス供給手段と、前記第1および前記第2の流路に空気を供給する為の空気流路とを備え、前記第2のノズル手段の外側から前記第2の流路内を貫通し前記第1の流路に至る構造を有し、前記第1のノズル手段の混合ガスを点火する点火手段を備えたバーナ装置であって、前記第2の流路内に前記第1のノズル手段の外周壁から前記第2のノズル手段の外周壁に架設された複数の第2の流路内配設部材を、前記第2の流路内において周方向で均等に配設して備え、前記点火手段が、第2の流路内において前記第2の流路内配設部材の内部に包含される。即ち、第2の流路内における複数の第2の流路内配設部材は、同形状であり、第1のノズル手段の外周壁に周方向等間隔に配設されており、この第2の流路内配設部材の1つの内部に点火手段を包含するように構成することによって、第2の流路内を流れる混合ガスの流れの偏りが無くなり、その混合ガスが燃焼した燃焼ガスは、第2のノズル手段の流れ方向に直角な断面においての温度分布の偏差が少なくなる。 よって、燃焼ガスの平均温度を高める燃焼ができ、更に最高温度によるNOxの発生を抑制することができる。
【0007】又、上記のようなバーナ装置において、請求項2に記載されているように、前記第2の流路の径方向の断面積に対して、前記第2の流路内配設部材の合計の断面積の割合が10〜50%であることが好ましい。即ち、第2の流路内配設部材の合計の断面積を第2の流路の断面積の10%以上にすることで、点火手段を適当な大きさ(例えば市販品の大きさ)の範囲で構成することができ、50%以下にすることによって、燃焼ガスの圧損も小さく構成することができる。又、好ましくは、上記割合を10〜30%程度にすることが好ましく、第2の流路内配設部材の合計数量は4個程度が好ましい。
【0008】更に、上記のようなバーナ装置において、請求項3に記載されているように、前記第2の流路内に、前記第2の流路を径方向に仕切る少なくとも1つの筒体を備えることが好ましい。この構成によると、第2の流路において、筒体によって、径方向に複数の流路を形成している。更に、上記の複数の流路は、内側ほど断面積が小さくなっており、結果、内側の流路ほど空気の流入量が少なくなっている。そして、第2のガス供給手段からの燃焼用ガスの噴出量が少ないとき、即ち、燃焼用ガス噴出速度が低いとき、第2のガス供給手段からの燃焼用ガスは空気流路を流れる空気流の作用を受けて空気流とともにガスの流れ方向下流側の上記複数の流路の内側の流路に流れ、第2のガス供給手段からの燃焼用ガスの噴出量が多いとき、即ち、燃焼用ガス噴出速度が高いとき、空気流路を流れる空気流に打ち勝って、燃焼用ガスが空気流とともに、上記の複数の流路の外側の流路に主として流れる。このように、第2のガス供給手段からの燃焼用ガスの噴出量が少ないときに、燃焼用ガスは空気流入量が少ない内側の流路に主に流入するので、空気と燃焼用ガスの混合ガスの当量比(空気比の逆数)が燃焼可能範囲よりも過小になることが防止され、燃焼火炎は消炎することなく安定的に燃焼を続けることができる。又、第2の流路に噴出する燃焼用ガスの流入量の増減に連れて、燃焼用ガスの主として流入する流路が切り換わるので、各流路の断面積を燃焼用ガスの流入量に見合った空気供給量が選られるように設定すれば、混合ガスの当量比が適正に保たれる。これによって、上記の複数の流路の外側の流路に流入する燃焼用ガスの流量が少ないときでも、当量比は燃焼可能範囲よりも過小になることが防止されるので、この場合においても燃焼火炎の消炎が防止される。従って、燃焼用ガスの供給量に関わらず安定した燃焼状態で燃焼することができ、燃焼用ガスの不完全燃焼を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に従うバーナ装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明に従うバーナ装置の一実施形態を簡略的に示す断面図であり、図2は、図1に示すバーナ装置の一部を拡大して示す断面図であり、図3は、図2におけるIII−III線による断面図である。
【0010】図1を参照して、図示のバーナ装置は、バーナテスト用ケースのディフューザ部2を備え、このディフューザ部2に円筒状のテストケース4が装着され、テストケース4は図1において右方に延びている。テストケース4内には燃焼ケース6が配設されている。燃焼ケース6は円筒状で、テストケース4に同心状に配設されている。燃焼ケース6の一端部(図1において左端部)はディフューザ部2に装着され、その他端部は図1において右方に延びている。ディフューザ部2には、また、空気流路8が形成され、この空気流路8を通して燃焼用空気が燃焼ケース6の一端部に供給される。この燃焼用空気は、例えば、コンプレッサ(図示せず)によって圧縮された状態にて送給される。
【0011】この実施形態では、燃焼ケース6の一端部内に第1のノズル手段10、第2のノズル手段12および燃焼筒14が配設されている。図2をも参照して、ディフューザ部2の一部には取付支持ブロック16が装着され、この取付支持ブロック16に外ガス送給管18の一端部が装着され、この外ガス送給管18の他端部に噴射ノズル体20が装着されている。噴射ノズル体20は内部に空間22が形成され、この内部空間22を軸線方向に貫通して仕切スリーブ24が装着され、この仕切スリーブ24によって上記内部空間22が内側の第1空間22aとこの第1空間22aの外側の第2空間22bとに仕切られている。外ガス送給管18の他端部は、噴射ノズル体20の第2空間22bに連通されている。又、外ガス送給管18の内側には内ガス送給管26が同心状に配設され、その一端部が取付支持ブロック16に装着され、その他端部が噴射ノズル体20に装着されている。この内ガス送給管26は、噴射ノズル体20の第1空間22aに連通されている。
【0012】内ガス送給管26には、これに燃焼用ガスを供給する為の第1のガス供給手段が接続されている。第1のガス供給手段は、燃焼用ガスが蓄えられたガス供給源(図示せず)、ガス供給源から燃焼用ガスを導くガス送給管28およびガス送給管28を通して送給されるガスの流量を制御する流量制御手段、例えば流量制御弁(図示せず)を含み、ガス送給管28が内ガス送給管26に連通されている。又、外ガス供給管18には、これに燃焼用ガスを供給する為の第2のガス供給手段が接続されている。第2のガス供給手段は、燃焼用ガスが蓄えられたガス供給源(図示せず)、ガス供給源から燃焼用ガスを導くガス送給管30およびガス送給管30を通して送給されるガスの流量を制御する流量制御手段、例えば流量制御弁(図示せず)を含み、ガス送給管30が外ガス送給管18に連通されている。なお、燃焼用ガスとしては、例えば、都市ガスを好都合に用いることができる。
【0013】第1のノズル手段10は、噴射ノズル体20の外側に装着されている。図示の第1のノズル手段10は第1の円筒状部材32から構成され、この第1の円筒状部材32の一端部には周方向に間隔を置いて半径方向内方に突出する内突起34が一体的に設けられ、複数個の内突起34を介して第1の円筒状部材32が噴射ノズル体20に同心状に支持されている。このように構成されているので、第1の円筒状部材32と噴射ノズル体20との間には、周方向のほぼ全域に渡って環状の隙間が存在し、空気流路8からの空気はかかる隙間を通して第1の円筒状部材32内に導かれる。
【0014】噴射ノズル体20の先端部と第1の円筒状部材32の一端部との間には、第1のスワラ36が配設されている。第1のスワラ36は、周方向に間隔を置いて配設された複数個のフィンから構成され、噴射ノズル体20と第1の円筒状部材32との隙間を通して流れる空気は、かかる第1のスワラ36によって旋回流となり、旋回流の状態で第1の円筒状部材32内を図1および図2において右方に流れる。第1のスワラ36は第1の円筒状部材32と一体的に形成してもよく、また別体に形成して両者の間に介在させてもよい。
【0015】第2のノズル手段12は、第1のノズル手段10の外側に装着されている。図示の第2のノズル手段12は第2の円筒状部材38から構成され、この第2の円筒状部材38の一端部が第2のスワラ40を介して第1の円筒状部材32の外側にこれに同心状に装着されている。第2のスワラ40は、周方向に間隔を置いて配設された複数個のフィンから構成され、第1の円筒状部材32と第2の円筒状部材38との間に導かれる空気は、かかる第2のスワラ40の作用によって旋回流となり、旋回流の状態で第2の円筒状部材38内を図1および図2において右方に流れる。この第2のスワラ40は、第2の円筒状部材38と一体的に形成してもよく、また別体に形成して第1および第2の円筒状部材32,38の間に介在させてもよい。
【0016】第2の円筒状部材38の一端部には半径方向外方に突出する環状フランジ42が一体的に設けられ、この環状フランジ42の先端部に燃焼筒14の一端部が取付ねじ44によって取付けられている。燃焼筒14は円筒状部材から構成され、第1および第2の円筒状部材32,38に同心状に配設され、この燃焼筒14と燃焼ケース6との間にも環状の外空間が存在する。
【0017】この実施形態では、噴射ノズル体20先端部には周方向に間隔を置いて複数個の第1噴出孔46が形成され、これら第1噴射孔46が噴射ノズル体20の第1空間22aに連通している。又、噴射ノズル体20の中間部には半径方向に延びる第2噴出孔48が周方向に間隔を置いて形成され、これら第2噴出孔48が噴射ノズル体20の第2空間22bに連通している。更に、第1円筒状部材32の内突起34には貫通孔50が形成され、かかる貫通孔50が対応する第2噴出孔48に接続されている。
【0018】このように構成されているので、ガス送給管28を通して供給される燃焼用ガスは、内ガス送給管26を通して噴射ノズル体20の第1空間22aに送給され、第1噴出孔46を通して噴出される。第1のノズル手段10は、図1および図2に示すとおり、第1の円筒状部材32によって第1の流路45を規定し、空気流路8を流れる空気の一部は噴射ノズル体20と第1の円筒状部材32との間を通して第1の流路45に導かれ、第1噴出孔46から噴出される燃焼用ガスは、第1のスワラ36によって旋回流となって流れる空気流に向けて噴出され、旋回流の作用によって実質上均一に混合されて混合ガス(燃焼用ガスと空気との希薄混合ガス)となる。この第1の流路45の混合ガスの空気比は、例えば1.4〜1.9程度に設定される。なお、第1のガス供給手段の流量制御手段(図示せず)を操作することによって、第1噴出孔46から噴出される燃焼用ガスの噴出量を制御することができる。又、ガス送給管30を通して供給される燃焼用ガスは、外ガス送給管18を通して噴射ノズル体20の第2空間22bに送給され、第2噴出孔48および第1の円筒状部材32の貫通孔50を通して第1の円筒状部材32の外側に噴出される。第2のノズル手段12は、図1および図2に示すとおり、第1の円筒状部材32の外側に第2の円筒状部材38によって環状の第2の流路47を規定し、第2の流路47内に、第2の流路を径方向に仕切る筒体53を設けており、第2の流路47における筒体の外側の流路54と内側の流路55を形成している。空気流路8を流れる空気の残りの一部は第1の円筒状部材32と第2の円筒状部材38との間を通して第2の流路47に導かれ、第2の流路47の外側の流路54と内側の流路55に分かれて流れる。第2噴出孔48から貫通孔50を通して噴出される燃焼用ガスは、第2のスワラ40によって旋回流となって流れる空気流に向けて噴出され、旋回流の作用によって実質上均一に混合されて混合ガス(燃焼用ガスと空気との希薄混合ガス)となる。外側の流路54は内側の流路55よりも径方向の断面積が大きいことより、外側の流路54を流れる空気量は内側の流路55を流れる空気量よりも多く、更に、貫通孔50から噴出される燃焼用ガスの噴出量が少ないときは、燃焼用ガスは噴出速度が低いので主として内側の流路55に混合ガスとなって流れ、貫通孔50から噴出される燃焼用ガスの噴出量が多いときは、燃焼用ガスは噴出速度が高いので主として外側の流路54に混合ガスとなって流れることで、燃料用ガスの供給量に関わらず、混合ガスの空気比はある程度一定に保たれることとなる。この第2の流路47の混合ガスの空気比は、例えば2.0程度に設定される。
【0019】空気流路8を通して流れる空気の残部は燃焼筒14と燃焼ケース6との間の空間51を通して流れる。この実施形態では、燃焼筒14には周方向および軸線方向に間隔を置いて複数個の空気孔52が形成されており、空間51を通して流れる空気はこれら空気孔52を通して燃焼筒14内に導入される。空気孔52を通して導入される空気は燃焼筒14の内周面に沿って流れる空気層を生成し、かかる空気層によって燃焼筒14が冷却される。又、後述する如くして燃焼して燃焼筒14内を流れる燃焼ガスの温度が異常に上昇しないように、必要に応じて、燃焼筒14に稀釈孔(図示せず)を設けることができ、このように稀釈孔を設けた場合、空間51を流れる空気が稀釈孔を通して燃焼筒14内に導入され、導入した空気によって燃焼ガスの温度が低下される。
【0020】この実施形態では、図1に示すとおり、第1のノズル手段10の先端部、即ち第1の円筒状部材32の他端部と、第2のノズル手段12の先端部、即ち第2の円筒状部材38の他端部とは、実質上同じ位置又はほぼ同じ位置まで延びており、また燃焼筒14の先端部は第1および第2のノズル手段10,12を越えてさらに図1において右方に延びている。従って、第1の流路45の混合ガスによる燃焼火炎は第1の円筒状部材32の内部もしくは先端部から図1において右方に生成され、また第2の流路47の混合ガスによる燃焼火炎は第2の円筒状部材38の先端部から図1において右方に発生し、これら燃焼火炎は燃焼筒14内にて所要のとおりに燃焼される。
【0021】又、噴射ノズル体20と第1の円筒状部材32との隙間は、第1の円筒状部材32と第2の円筒状部材38との隙間よりも小さく設定されており、従って第1の流路45に流入する空気は、第1の流路45の入口部において絞られ、その後下流側において第1の流路の断面積が大きく増大するので、この第1の流路45を流れる空気流の流速は比較的遅く、これに対して、第2の流路47を流れる空気流の流速は比較的早くなる。
【0022】燃焼筒14の先端部には、さらに筒状の導出筒60が設けられている。導出筒60は、図1において右方に延び、その先端部は先細に形成されており、燃焼筒14から導出筒60の一端部に導かれた燃焼ガスはこの導出筒60内を流れてその先細先端部に集められて下流側に流れる。導出筒60の先端側にはガスタービン62が配設され、燃焼筒14内で燃焼された燃焼ガスは導出筒60を通してガスタービン62に送給され、ガスタービン62はバーナ装置からの燃焼ガスによって回転駆動される。なお、導出筒60の先端部は、燃焼ケース6の先端部に装着された支持プレート64によって支持されている。
【0023】この実施形態では、第2の流路47の希薄混合ガスの一部が第1の流路45の希薄混合ガスに混合されるように構成されている。図1および図2ともに図3を参照してさらに説明すると、この実施形態では、第1のノズル手段10の第1の円筒状部材32に混合ガス導入手段が設けられている。図示の第1の円筒状部材32は、円筒状のノズル本体72とこのノズル本体72の先端部に装着される先端ノズル74から構成され、ノズル本体72の一端部(図1および図2において左端部)が噴射ノズル体20に装着されている。ノズル体72は一端部近傍から他端部まで実質上同じ内径であり、その一端部は半径方向外方に幾分湾曲されており、これによって空気流路8を流れる空気は、かかる湾曲一端部に案内されて噴射ノズル体20とノズル本体72との隙間に導かれる。先端ノズル74は、内径が大きい大径部76と内径が小さい小径部78と、大径部76および小径部78を接続するテーパ部80から構成され、テーパ部80は半径方向内方に向けてテーパ状に延びている。この形態では、小径部78の内径はノズル本体72の内径と実質上等しく、大径部76の内径は小径部78およびノズル本体72の内径よりも大きく設定されている。
【0024】この実施形態では、ノズル本体72の他端部に先端ノズル74の大径部76が装着され、周方向に実質上等間隔の4個所を、4個のネジ82によって固定されている。このように先端ノズル74が装着されているので、ノズル本体72の他端部外周面と先端ノズル74の大径部76の内周面との間に環状の導入開口84が形成され、この導入開口34が混合ガス導入手段として機能する。このように導入開口84が設けられているので、第2の流路47を流れる希薄混合ガスはこの導入開口84を通して第1の流路45に導入され、第1の流路45を流れる希薄混合ガスに混合される。従って、第2の流路47からの混合ガスによって第1の流路45の混合ガスのガス濃度が薄められ、これによって第1の流路45の混合ガスと第2の流路47の混合ガスとのガス濃度の均一化が図られる。
【0025】更に、この形態では、第1の流路45を流れる希薄混合ガスのガス濃度は第2の流路47を流れる希薄混合ガスのガス濃度よりも濃くなるように設定されている。そして、このことに関連して、混合ガスを点火する為の点火手段56は細長い点火部材58を有し、その基部がテストケース4に装着され、その先端部が燃焼ケース6、燃焼筒14、第2のノズル手段12の外周壁である第2の円筒状部材38および第1のノズル手段10の外周壁である第1の円筒状部材32を貫通して、第1の流路45の外周面上に達している。点火部材58の先端点火部は、第1の流路45を流れる混合ガスに向けて火花を発生し、かかる火花によって第1の流路45の混合ガスが点火燃焼される。そして、第1の流路45にて発生した燃焼ガスの火炎が第2の流路45を流れる混合ガスに伝播され、かかる火炎の伝播によって第2の流路47の混合ガスが燃焼される。
【0026】又、図2をも参照し、第2の流路47内において、第1の円筒状部材32(第1のノズル手段 10の外周壁)から円筒状部材38(第2のノズル手段12の外周壁)に架けて設けられ、且つ第2の流路47内の周面上の断面において翼形状の4つの第2の流路内配設部材59を、第2の流路47内において周方向で均等に装着し、それらの第2の流路内配設部材59の1つの内部に点火部材58(点火手段56)を貫通させるように構成している。このようなバーナ装置では、図3に示すように、III−III線における断面において、第2の流路47の半径方向の断面積に対して、第2の流路内配設部材59の合計の断面積が20%程度に設定し、第2の流路内を流れる希薄混合ガスに対する圧損を小さくしている。このように、第2の流路内配設部材59を全て同一形状にして、均等に配置し、その1つの内部に点火部材58を貫通させることにより、第2の流路47内において、混合ガスの流れに対して影響を与えるのは、この均等に備えられた第2の流路内配設部材のみとなり、第2の流路47内を流れる混合ガスの流れの偏りが抑制され、第2の円筒状部材38の先端部からの第2の流路47の混合ガスによる燃焼火炎が偏ることを防ぎ、火炎の温度分布の偏りを抑制することができる。このことによって、燃焼ガスの平均温度を高め、更にはNOxの発生を抑制することができるバーナ装置を実現することができる。
【0027】この実施形態では、また、点火手段56の点火部材58は、第1のノズル手段10のノズル本体72の他端部近傍、具体的には混合ガスの流れ方向に見て導入開口84の上流側に配設される。このように構成することによって、第1の流路45を流れる混合ガス、即ち第2の流路47からの混合ガスが導入される前の比較的濃いガス濃度の混合ガスが点火部材58の先端部に送給されるようになり、点火手段56による点火性能が低下することが回避できる。
【0028】このようなバーナ装置では、第1の流路45を流れる混合ガスに第2の流路47を流れる混合ガスの一部が送給され、これによって点火手段56の下流側にて第1の流路45の混合ガスが第2の流路47からの混合ガスによって薄められ、かくして第1の流路45と第2の流路47の混合ガスのガス濃度をほぼ均一化し、更に、第2の流路内に第2の流路内配設部材59を周方向に均等に配置することで、燃焼ガスの燃焼温度を燃焼筒14の半径方向断面のほぼ全域において実質上均一にすることができる。このように燃焼ガスの燃焼温度を平均化することによって、燃焼ガスをガスタービン62に送給する場合、燃焼温度の平均値を増加することができ、バーナ装置を含むガスタービンシステムの効率の向上を図ることができる。
【0029】本発明のバーナ装置の効果を確認する為に、実施例として、図1〜図3に示す実施形態のバーナ装置を用いて燃焼ガスの燃焼実験を行った。又、比較例として、本発明の特徴構成である第2の流路内配設部材59を取り除いた状態においても燃焼実験を行った。燃焼火炎の下流側における温度分布の偏差については、本発明に係るバーナ装置においては15℃となり、温度分布の偏りが抑制されているのに比べ、第2の流路内配設部材を取り除いた比較例においては35℃と温度分布が偏っていることが判る。又、排出NOx値においては、本発明に係るバーナ装置においては、11ppm(酸素0%換算)であったのに比べ、比較例においては、21ppm(酸素0%換算)となり、NOxの排出を抑制していることが判る。
【0030】〔別実施の形態〕更に、上記の実施の形態において、第2の流路内配設部材59を4つ備え、点火部材を包含しているものとともに、周方向に90°間隔になるように配置したが、図4に示すように、第2の流路内配設部材の数を3つにすることもでき、この場合は、それぞれの間隔を120°にすることで可能である。更に、第2の流路内配設部材の数は、第2流路における圧損を抑える為には、2〜6個程度が好適であり、それぞれ、周方向に均等に配置することで本願の目的は達成される。
【0031】
【発明の効果】以上のことから、本発明に係るバーナ装置においては、燃焼火炎下流の温度分布の偏りを抑制することで、最高温度を低減することができ、更に、排出NOx値も低減することができた。
【出願人】 【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年3月18日(1999.3.18)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎 (外1名)
【公開番号】 特開2000−274687(P2000−274687A)
【公開日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【出願番号】 特願平11−73771