| 【発明の名称】 |
マグネット式安全弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】武田 英一
|
| 【要約】 |
【課題】本発明のマグネット式安全弁は、ハンダ付けを廃止することを目的とすることを目的とする。
【解決手段】押圧力により開弁され、電磁力により弁体14を開弁保持するマグネット式安全弁12に、電磁石をガス流路内に配置し、ガス流路を形成するハウジング1の外側から固定する接手15を備え、ガスシール用Oリング36と樹脂製の絶縁体37とを装着して接手15に圧入されながら挿通する導体35を設け、導体35のハウジング外側端部に、接続用の圧着端子32を装着すると共に、ガス流路側から外側に電磁コイル18が挿通する中心孔35aを設け、パルスアーク溶接によって、圧着端子32と電磁コイル18のリード線端部とを導体35に溶着し、同時に、中心孔35aを閉塞して気密を確保する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス流路に開閉自在に設けられ、閉弁方向に付勢される弁体と、吸着片を介して電磁コイルへの通電により上記弁体を吸着して開弁保持する電磁石と、上記電磁石をガス流路内に配置して、ガス流路を形成するハウジングの外側から固定する接手とを備えたマグネット式安全弁において、ガスシール体および電気絶縁体を介して上記接手に挿通圧入される導体を設け、上記導体には、上記電磁コイルのリード線をガス流路外に導出する挿通孔を形成すると共に、該挿通孔外側端となる部位に、外部配線接続用端子を装着し、上記挿通孔に上記電磁コイルのリード線を挿通した状態で、パルスアーク溶接によって、上記接続用端子と上記電磁コイルのリード線端部とを上記導体に溶着すると共に、上記挿通孔を閉塞して気密を確保することを特徴とするマグネット式安全弁。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、押圧操作により開弁され、電磁力により開弁保持されるマグネット式安全弁に関する。 【0002】 【従来の技術】一般にガス器具には、燃焼中に燃焼炎が消失した場合に、燃料ガス流路を閉じるマグネット式安全弁が組込まれる。マグネット式安全弁は、燃焼炎に臨む熱電対の熱起電力や、乾電池電力によって通電されて開弁保持され、燃焼炎が消失すると熱起電力が低下したり、通電が遮断されることにより、開弁保持力が解かれて閉弁する。また、マグネット式安全弁は、それ自身では開弁動作できないため、点火時に、押動力によって吸着面に押し付けられて開弁が設定され、押動力が開放されることによって閉弁可能状態になる。例えば図2に示すように、マグネット式安全弁12Aの弁軸30の一端にはバネ13により閉止方向に付勢された弁体14が、ケーシングに設けられるシート部(図略)と接離可能に設けられる。また、弁軸30の他端には吸着片28が電磁石の鉄芯27の吸着面と向い合って設けられる。そして、マグネット式安全弁12Aには、吸着片28および電磁石を覆うと共に、弁軸30をガイドするケース29が設けられる。 【0003】また、マグネット式安全弁12Aには、外周面にケーシングに固定される固定用フランジ10とケーシング1(図3参照)とガスシールするOリング11とを備えた接手15と、接手15にカシメ固定されるU字型の鉄芯27と、鉄芯27に巻き付けられる電磁コイル18と(鉄芯27と電磁コイル18とで電磁石を構成する)が設けられる。 【0004】このマグネット式安全弁12Aをケーシング1に固定する接手15には、外気側から所定深さまで内周面にギザギザ状のセレーション加工を施したセレーション部34aと、その奥にセレーション部34aより大径のアンダーカット部34bと、更に奥に最も小径の小径部34cとからなる挿通孔(以下、挿通孔34と呼ぶ)が段状に形成される。この挿通孔34に、熱電対9とガス流路内の電磁コイル18とを電気接続する導体35が配置される。この導体35は、両端に小径円柱部35c、35dが形成され、小径円柱部35c、35dの間に大径のセレーション柱部35bが形成され、中心に電磁コイル18が挿通する中心孔35aを備える。また、ガス流路側に配置される小径円柱部35c外周面には、接手15の小径部34cに対するガスシール用Oリング36が装着され、小径円柱部35cと大径円柱部35bとの段部と大径円柱部35bの外周面には、樹脂製の絶縁体37が装着されて接手15と電気的に絶縁された状態で、大径円柱部35bは、接手15のセレーション部34aに圧入されて固定される。この際、接手15と導体35との同軸を保つため、挿通される小径円柱部35cに絶縁性の樹脂パッキン38が装着され、止め輪39を介して小径円柱部35cをカシメて固定される。また、小径円柱部35dの外周面には、熱電対8の接続線を接続する接続用圧着端子32の円筒部がはめ込まれてハンダ付けにより固定される。そして、電磁コイル18の一端は、導体35の中心孔35aに挿通されて、導体35の外気側端部にハンダ付けされ、他端が銅合金製の接手15に溶接され(図略)、電磁コイル18と熱電対9とは、導体35と接続用圧着端子32と接続線(図略)とを介して閉回路に接続される。このようなマグネット式安全弁12Aは、立消え安全装置として多くのガス器具に組み込まれている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうしたマグネット式安全弁では、各部をハンダ付けしなければならない問題があった。例えば、導体35の外気側端部と電磁コイル18の一端、小径円柱部35dと接続用圧着端子32の円筒部には、ハンダ付けが行われている。しかし、ハンダは、いわゆる「環境負荷の大きい」重金属であって、環境上の問題からその使用を控える方向にある。しかも、ハンダ付けの際には、導体35の小径円柱部35c外周に装着されるOリング36および絶縁性の樹脂パッキン38や、大径円柱部35bの外周面に装着される樹脂製の絶縁体37が、ハンダ付けの熱により破損するおそれがあって、細心の注意を払わなければならなかった。そこで、本発明のマグネット式安全弁は上記課題を解決し、ハンダ付けを廃止することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の請求項1記載のマグネット式安全弁は、ガス流路に開閉自在に設けられ、閉弁方向に付勢される弁体と、吸着片を介して電磁コイルへの通電により上記弁体を吸着して開弁保持する電磁石と、上記電磁石をガス流路内に配置して、ガス流路を形成するハウジングの外側から固定する接手とを備えたマグネット式安全弁において、ガスシール体および電気絶縁体を介して上記接手に挿通圧入される導体を設け、上記導体には、上記電磁コイルのリード線をガス流路外に導出する挿通孔を形成すると共に、該挿通孔外側端となる部位に、外部配線接続用端子を装着し、上記挿通孔に上記電磁コイルのリード線を挿通した状態で、パルスアーク溶接によって、上記接続用端子と上記電磁コイルのリード線端部とを上記導体に溶着すると共に、上記挿通孔を閉塞して気密を確保することを要旨とする。 【0007】上記構成を有する本発明の請求項1記載のマグネット式安全弁は、導体がガスシール体および電気絶縁体を介して接手に挿通圧入される。この導体には、電磁コイルのリード線をガス流路外に導出する挿通孔が形成されると共に、該挿通孔外側端となる部位に、外部配線接続用端子が装着される。そして、挿通孔に電磁コイルのリード線を挿通した状態で、パルスアーク溶接によって、接続用端子と電磁コイルのリード線端部とを導体に溶着し、同時に、挿通孔を閉塞して気密を確保する。従って、このマグネット式安全弁では、ハンダ付けを廃止することができる。また、パルスアーク溶接は、瞬間的に行われるので、作業性が向上すると共に、ガスシール体および電気絶縁体が溶ける等の悪影響を排除できる。 【0008】 【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のマグネット式安全弁の好適な実施形態について説明する。図3は一実施形態としてのマグネット式安全弁が設けられるガスこんろの概略構成図である。ガスこんろのバーナ40には、燃焼熱によって熱起電力を発生する熱電対9が炎口と向かい合って設けられる。 【0009】押圧操作により進退する点火ボタン16は、ケーシング1内にボタンバネ17を介して設けられ、点火ボタン16の側面には、点火時と消火時とで交互に点火ボタン16の進退位置を決定するプッシュプッシュ機構25が設けられる。また、点火ボタン16の進退と連動してON/OFFする点火スイッチ22が点火ボタン16の近傍に設けられる。点火スイッチ22は、点火ボタン16による点火位置でONすることによって点火器(図略)を作動させて燃料ガスに着火し、燃焼位置および消火位置で0FFして点火器を停止する【0010】点火ボタン16は、点火時の押圧操作によって進み(図の右方向)、ケーシング1側へ押圧操作を伝える。ケーシング1内部には、スピンドル2が進退可能に挿入され、復帰バネ3により図の左方へ付勢されている。スピンドル2上には、ケーシング1のメイン吐出口4を開閉するメイン弁5と、点火用パイロット吐出口6を開閉する小径弁部7とが設けられている。また、メイン吐出口4および点火用パイロット吐出口6は、燃焼部のメインノズル41および点火用パイロットノズル42にそれぞれ連通されている。ケーシング1の後部には、ガス流路の上流側の弁室に、スピンドル2と同軸となって向い合うマグネット式安全弁12が設けられる。このマグネット式安全弁12は、バーナ40に設けた熱電対9の熱起電力によって開弁保持され、熱電対9の熱起電力が所定レベル以下に低下すると、弁体14を閉じてメイン吐出口4および点火用パイロット吐出口6へのガス流路を閉じる。 【0011】マグネット式安全弁12は、図1および図3に示すように、外周面にケーシング1に固定される固定用フランジ10とケーシング1とガスシールするOリング11とを備えた接手15と、接手15にカシメ固定されるU字型の鉄芯27と、鉄芯27に巻き付けた電磁コイル18と(鉄芯27と電磁コイル18とで電磁石を構成する)、鉄芯27の吸着面と向い合う吸着片28と、ケーシング1に形成されるシート部19と接離可能に設けられる弁体14と、この弁体14と吸着片28とを各々両端に配置する弁軸30と、吸着片28および電磁石を覆うと共に、弁軸30をガイドするケース29と、一端がケース29の段部に係止し、他端が弁体14に当接して弁体14を閉止方向に付勢するバネ13とが設けられる。 【0012】このマグネット式安全弁12をケーシング1に固定する接手15には、外気側から所定深さまで内周面にギザギザ状のセレーション加工を施したセレーション部34aと、その奥にセレーション部34aより大径のアンダーカット部34bと、更に奥に最も小径の小径部34cとからなる挿通孔(以下、挿通孔34と呼ぶ)が段状に形成される。この挿通孔34に、熱電対9とガス流路内の電磁コイル18とを電気接続する導体35が配置される。この導体35は、両端に小径円柱部35c、35dが形成され、小径円柱部35c、35dの間に大径のセレーション柱部35bが形成され、中心に電磁コイル18が挿通する中心孔35aを備える。また、ガス流路側に配置される小径円柱部35c外周面には、接手15の小径部34cに対するガスシール用Oリング36が装着され、小径円柱部35cと大径円柱部35bとの段部と大径円柱部35bの外周面には、樹脂製の絶縁体37が装着されて接手15と電気的に絶縁された状態で、大径円柱部35bは、接手15のセレーション部34aに圧入されて固定される。この際、接手15と導体35との同軸を保つため、挿通される小径円柱部35cに絶縁性の樹脂パッキン38が装着され、止め輪39を介して小径円柱部35cをカシメて固定される。また、小径円柱部35dの外周面には、熱電対8の接続線を接続する圧着端子32の円筒部がはめ込まれる。そして、電磁コイル18の一端は、導体35の中心孔35aに挿通され、導体35の外気側端部に2〜3mm突き出し、他端は銅合金製の接手15にスポット溶接される(図略)。 【0013】ここで、電磁コイル18の一端は、圧着端子32の円筒部と共に、導体35の小径円柱部35dに、パルスアーク溶接器8によって溶接される。このパルスアーク溶接は、一方の電極D2を圧着端子32の円筒部外側から挟みこみ、他方の電極D1を導体35端部に突き出た電磁コイル18の一端に近付けて行い、電極D1周囲に設けたノズルからArガスを吹き付けながら、高周波のパルスアークを集中させて溶接箇所に非接触(0.5〜1mmの間隙)で溶接するものである。このパルスアーク溶接により、圧着端子32の円筒内で電磁コイル18と導体35、導体35と圧着端子32の接触面が一度に溶着される。また同時に、圧着端子32の円筒部内が局部的に溶融するため、導体35の中心孔35a端部と電磁コイル18との隙間が閉塞し、ガス流路内の気密が確保される。更に、パルスアーク溶接では、熱集中性が良く、0.2秒程度の極めて短時間で局部的な溶接ができるため、作業性が向上すると共に、導体35と接手15間に設けられるガスシール用Oリング36や、樹脂製の絶縁体37が溶けない。そして、電磁コイル18と熱電対9とは、導体35と圧着端子32と接続線(図略)とを介して閉回路に接続される。 【0014】以上、説明した実施形態によれば、マグネット式安全弁の組み立て時に、ハンダ付けを廃止することができる。しかも、パルスアーク溶接することにより、圧着端子32と電磁コイル18の一端とが一度に導体35に溶着され、同時に、導体35の中心孔35a端部が閉塞されてガス流路側の気密が確保される。 【0015】以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。 【0016】 【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の請求項1記載のマグネット式安全弁は、パルスアーク溶接によって、ハンダ付けを廃止することができるという優れた効果を奏する。しかも、パルスアーク溶接は、瞬間的に行われ、周辺部が加熱されないので、加熱によりガスシール体および電気絶縁体が溶ける等の悪影響を排除できる。また、作業性が向上し作業時間が短縮される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000112015 【氏名又は名称】パロマ工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年4月20日(1999.4.20) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2000−304256(P2000−304256A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月2日(2000.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願平11−111935 |
|