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【発明の名称】 燃焼制御装置
【発明者】 【氏名】阿川 隆一

【要約】 【課題】可燃性生成ガスの組成の変化による影響を受けることなく、安定した連続燃焼が可能で、容易に炉の出口温度を一定に保つことができる燃焼制御装置を提供する。

【解決手段】ガス化炉で生成された可燃性生成ガスをバーナ11に供給する生成ガス供給管12に、窓15を設け、ラマン分光計17に接続された光検出器16を対向させる。バーナ制御部26は、ラマン分光計からの組成分析結果に基づいて、生成ガスの燃焼に必要な空気量を求める。更に、バーナ制御部は、炉の出口温度から必要なLPG量を求めその燃焼に必要な空気量も求める。バーナ制御部は、求めたLPG量と生成ガス及びLPGの燃焼に必要な空気量が、バーナに供給されるよう、コントロールバルブ20,23a,及び23bを制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス化炉で生成された可燃性生成ガスと燃焼用空気とを混合して燃焼させるバーナの燃焼制御を行う燃焼制御装置において、前記可燃性生成ガスの組成を分析する分析手段を設け、該分析手段の分析結果に基づいて前記バーナの燃焼制御を行うようにしたことを特徴とする燃焼制御装置。
【請求項2】 前記分析手段が、ラマン分光計を含むことを特徴とする請求項1の燃焼制御装置。
【請求項3】 前記可燃性生成ガスを前記バーナに供給する生成ガス供給管に設けられ、前記可燃性生成ガスの流量及び圧力をそれぞれ検出する第1の流量検出手段及び第1の圧力検出手段と、前記燃焼用空気を前記バーナに供給する空気供給管に設けられ、前記燃焼用空気の流量を調節する第1の流量調節手段と、前記分析結果、前記第1の流量検出手段の検出結果、及び第1の圧力検出手段の検出結果に基づいて燃焼に必要な第1の空気量を求め、当該第1の空気量を前記バーナへ供給するように、前記第1の流量調節手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1または2の燃焼制御装置。
【請求項4】 前記空気供給管に設けられ、前記燃焼用空気の流量及び圧力をそれぞれ検出する第2の流量検出手段及び第2の圧力検出手段を有し、前記制御手段が、前記第2の流量検出手段の検出結果及び前記第2の圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の空気量を前記バーナへ供給するように、前記第1の流量調節手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項3の燃焼制御装置。
【請求項5】 所定の発熱量を得るために前記バーナに燃料ガスを供給する燃料ガス供給管に設けられ、前記燃料ガスの流量を調節する第2の流量調節手段と、前記バーナーによる発熱量を検出する発熱量検出手段とを有し、前記制御手段が、前記発熱量検出手段の検出結果に基づいて、前記所定の熱量を得るために必要な燃料ガスの量を求め、当該必要な燃料ガスの量を前記バーナへ供給するように、前記第2の流量調節手段を制御するとともに、当該燃料ガスの燃焼に必要な第2の空気量を求め、前記第1の空気量に前記第2の空気量を加えた量を前記バーナへ供給するように、前記第1の流量調節手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項3または4の燃焼制御装置。
【請求項6】 前記燃料ガス供給管に設けられ、前記燃料ガスの流量及び圧力をそれぞれ検出する第3の流量検出手段及び第3の圧力検出手段を有し、前記制御手段が、前記第3の流量検出手段の検出結果及び前記第3の圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記必要な燃料ガスの量を前記バーナへ供給するように、前記第2の流量調節手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項5の燃焼制御装置。
【請求項7】 前記空気供給管として可燃性生成ガス用空気供給管及び燃料ガス用空気供給管が存在する場合に、第1の流量調節手段として前記可燃性生成ガス用空気供給管に設けられた生成ガス用空気流量調節手段と、前記燃料ガス用空気供給管に設けられた燃料ガス用空気流量調節手段とを有し、前記制御手段が、前記第1の空気量を前記バーナへ供給するために、前記生成ガス用空気流量調節手段を制御し、前記第2の空気量を前記バーナへ供給するために、前記燃料ガス用空気流量調節手段を制御するようにしたことを特徴とする請求項5または6の燃焼制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼制御装置に関し、特に、ごみ焼却施設で使用されるスラグ排出型ロータリキルン溶融炉のバーナの燃焼を制御する燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却施設では、ごみ焼却の効率化と、最終残滓の体積縮小を実現するため、ガス化炉で可燃ごみを蒸し焼き状態にして、可燃性ガスを発生させ(ガス化し)、その可燃性生成ガスを燃焼させた熱を利用して、焼却灰の溶融処理を行っている。
【0003】焼却灰の溶融処理には、例えば、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉が使用される。このスラグ排出型ロータリキルン溶融炉を用いた焼却灰の溶融処理では、溶融処理に必要とされる熱量が、ガス化炉で発生させた可燃性生成ガスのみを燃焼させたのでは得られない場合、LPG等の燃料ガスを同時に燃焼させるようになっている。
【0004】従来の、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉で使用されるバーナーの燃焼を制御する燃焼制御装置は、バーナーに供給される可燃性生成ガスの流量と圧力に基づいてその燃焼に必要な第1の燃焼用空気量を決定し、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉の出口温度を検出してLPGのバーナーへの供給量を決定し、その燃焼に必要な第2の燃焼用空気量を決定し、第1の燃焼用空気量と第2の燃焼用空気量とを合計した量の空気がバーナに供給されるように燃焼制御を行っている。
【0005】なお、ガス化炉において生成される可燃性生成ガスは、ガス化される対象物(可燃性ごみ)の構成が一定でないため、生成されるガスの組成も一定ではない。従って、その燃焼に必要とされる空気の量も一定ではない。つまり、可燃性生成ガスの流量及び圧力を測定しただけでは、その燃焼に必要な空気量は正確には分からない。このため、従来は、可燃性生成ガスを安定して連続燃焼させるために、過剰な燃焼用空気を供給する結果となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の燃焼制御装置は、燃焼に必要な空気の量を正確に把握できないため、過剰な空気を供給するように燃焼制御を行っている。この場合、燃焼に関与しない空気は、燃焼により発生した熱を奪うように作用する。しかも、過剰な空気によって奪われる熱量は、可燃性生成ガスの燃焼によって発生する熱量が小さい場合に大きくなり、発生する熱量が大きい場合に小さくなる。この結果、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉の出口温度は、可燃性生成ガスの組成の変化により大きく変動し、従来の燃焼制御装置では、炉の出口温度を一定温度に保つよう制御することが困難であるという問題点がある。
【0007】本発明は、可燃性生成ガスの組成の変化による影響を受けることなく、安定した連続燃焼が可能で、容易に炉の出口温度を一定に保つことができる燃焼制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガス化炉で生成された可燃性生成ガスと燃焼用空気とを混合して燃焼させるバーナの燃焼制御を行う燃焼制御装置において、前記可燃性生成ガスの組成を分析する分析手段を設け、該分析手段の分析結果に基づいて前記バーナの燃焼制御を行うようにしたことを特徴とする燃焼制御装置が得られる。
【0009】具体的には、前記分析手段は、前記可燃性生成ガスを前記バーナに供給する生成ガス供給管に設けられたラマン分光計を含む。
【0010】また、本発明の燃焼制御装置は、前記可燃性生成ガスを前記バーナに供給する生成ガス供給管に設けられ、前記可燃性生成ガスの流量及び圧力をそれぞれ検出する第1の流量検出手段及び第1の圧力検出手段と、前記燃焼用空気を前記バーナに供給する空気供給管に設けられ、前記燃焼用空気の流量を調節する第1の流量調節手段と、前記分析結果、前記第1の流量検出手段の検出結果、及び第1の圧力検出手段の検出結果に基づいて燃焼に必要な第1の空気量を求め、当該第1の空気量を前記バーナへ供給するように、前記第1の流量調節手段を制御する制御手段とを有する。
【0011】さらに、本発明の燃焼制御装置は、前記空気供給管に設けられ、前記燃焼用空気の流量及び圧力をそれぞれ検出する第2の流量検出手段及び第2の圧力検出手段を有し、前記制御手段が、前記第2の流量検出手段の検出結果及び前記第2の圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の空気量を前記バーナへ供給するように、前記第1の流量調節手段を制御する。
【0012】さらにまた、本発明の燃焼制御装置は、所定の発熱量を得るために前記バーナに燃料ガスを供給する燃料ガス供給管に設けられ、前記燃料ガスの流量を調節する第2の流量調節手段と、前記バーナーによる発熱量を検出する発熱量検出手段とを有し、前記制御手段が、前記発熱量検出手段の検出結果に基づいて、前記所定の熱量を得るために必要な燃料ガスの量を求め、当該必要な燃料ガスの量を前記バーナへ供給するように、前記第2の流量調節手段を制御するとともに、当該燃料ガスの燃焼に必要な第2の空気量を求め、前記第1の空気量に前記第2の空気量を加えた量を前記バーナへ供給するように、前記第1の流量調節手段を制御するようにしてある。
【0013】加えて、本発明の燃焼制御装置は、前記燃料ガス供給管に設けられ、前記燃料ガスの流量及び圧力をそれぞれ検出する第3の流量検出手段及び第3の圧力検出手段を有し、前記制御手段が、前記第3の流量検出手段の検出結果及び前記第3の圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記必要な燃料ガスの量を前記バーナへ供給するように、前記第2の流量調節手段を制御するようにしてある。
【0014】なお、前記空気供給管として可燃性生成ガス用空気供給管及び燃料ガス用空気供給管が存在する場合には、第1の流量調節手段として前記可燃性生成ガス用空気供給管に生成ガス用空気流量調節手段を、前記燃料ガス用空気供給管に燃料ガス用空気流量調節手段とを設け、前記制御手段が、前記第1の空気量を前記バーナへ供給するために、前記生成ガス用空気流量調節手段を制御し、前記第2の空気量を前記バーナへ供給するために、前記燃料ガス用空気流量調節手段を制御するようにすればよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】図1に本発明の一実施の形態による燃焼制御装置を示す。この燃焼制御装置は、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉のキルン用燃焼バーナ11の燃焼制御を行う装置である。
【0017】バーナ11には、図示しないガス化炉で生成された可燃性生成ガスを供給するための生成ガス供給管12、燃焼空気を供給するための2本の空気供給管13a,13b、及び燃料ガスとしてLPGを供給するための燃料ガス供給管14aが連結されている。また、バーナ11の先端近傍には、パイロット・失火センサ15が取り付けられており、このパイロット・失火センサ15にも、燃焼空気を供給する空気供給管13cと、LPGを供給する燃料ガス供給管14bとが連結されている。なお、空気供給管13a,13b、及び13cは、空気供給管13を分岐させたものであり、燃料ガス供給管14a及び14bは、燃料ガス供給管14を分岐させたものである。
【0018】図1の燃焼制御装置は、生成ガス供給管12に設けられた窓15に対向するよう配置された光検出器16、光検出器16に接続されたラマン分光計17、生成ガス供給管12の内圧を検出する生成ガス圧力計18、生成ガス供給管12内を流れる可燃性生成ガスの流量を検出する生成ガス流量計19、燃料ガス供給管14aを流れるLPGの量を調節するLPGコントロールバルブ20、燃料ガス供給管14を流れるLPGの量を検出するLPG流量計21、燃料ガス供給管14の内圧を検出するLPG圧力計22、空気供給管13a及び13bをそれぞれ流れる燃焼用空気の量を調節する空気コントロールバルブ23a及び23b、空気供給管13a及び13bをそれぞれ流れる燃焼用空気の量を検出する空気流量計24a及び24b、空気供給管13の内圧を検出する空気圧力計25a及び25b、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉の出口温度を検出する温度検出器(図示せず)及び、これらに接続されたバーナ制御部26を有している。
【0019】次に、この燃焼制御装置の動作について説明する。
【0020】まず、燃焼用空気及びLPGが、それぞれ空気供給管13c及びLPG供給管14bを通してパイロット・失火センサ15に供給され、パイロット炎が生成される。
【0021】次に、ガス化炉において生成された可燃性生成ガスが、生成ガス供給管12を通してバーナ11に供給される。このとき、バーナ制御部11は、初期設定値に基づいて、LPGコントロールバルブ20と空気コントロールバルブ23a及び23bとを開き、バーナ11で可燃性生成ガス及びLPGを燃焼させる。ここで、LPGコントロールバルブ20の制御は、LPG流量計21とLPG圧力計22が検出したLPG流量とLPG圧力に基づいて行なわれる。同様に、空気コントロールバルブ23a及び23bの制御は、それぞれ、空気流量計24a及び24bと空気圧力計25a及び25bが検出した空気流量と空気圧力に基づいて行なわれる。
【0022】可燃性生成ガスが、生成ガス供給管12を介してバーナ11に供給されると、光検出器16は、窓15から生成供給管12内を通過する可燃性生成ガスに対してレーザ光を照射し、ラマン散乱を発生させる。そして、光検出器16は、ラマン散乱光を検出し、検出信号をラマン分光計17へ出力する。ラマン分光計17は、光検出器16の検出信号に基づいて、可燃性生成ガスの組成を分析し、分析結果をバーナ制御部26へ通知する。
【0023】バーナ制御部26は、ラマン分光計17から可燃性生成ガスの組成の通知を受けると、生成ガス圧力計18及び生成流量計19が検出した生成ガスの圧力及び流量を参照し、その燃焼に必要な生成ガス燃焼用空気の量を求める。この空気量は、例えば、所定の計算式を使用して演算により求められる。
【0024】また、バーナ制御部26は、温度検出器からの検出信号に基づいて、スラグ排出型ロータリキルン溶融炉の出口温度を所定の値にするため(即ち、所定の発熱量を得るため)に必要なLPGの量を求める。そして、求めたLPGを燃焼させるのに必要なLPG燃焼用空気量を求める。このLPGの量とLPG燃焼用空気量は、例えば、出口温度と必要とされるLPGの量及び必要とされる空気量とを相互に関連付けしたデータベースよりデータを読み出すことにより行なわれる。
【0025】次に、バーナ制御部26は、求めたLPGの量と、生成ガス燃焼用空気の量及びLPG燃焼用空気の量とが、バーナ11に供給されるように、LPGコントロールバルブ20と空気コントロールバルブ23a及び23bとを調節する。ここでも、LPGコントロールバルブ20の制御は、LPG流量計21とLPG圧力計22が検出したLPG流量とLPG圧力に基づいて行なわれる。また、空気コントロールバルブ23a及び23bの制御は、それぞれ、空気流量計24a及び24bと空気圧力計25a及び25bが検出した空気流量と空気圧力に基づいて行なわれる。なお、バーナ11に供給する燃焼用空気は、空気供給管13aを用いて生成ガス燃焼用空気を供給し、空気供給管13bを用いてLPG燃焼用空気を供給するようにしてもよいし、このような区別を行うことなく、燃焼用空気供給管13aと13bとの両方で、生成ガス燃焼用空気の量とLPG燃焼用空気の量との合計量を供給するようにしてもよい。
【0026】以降、バーナ制御部26は、可燃性生成ガスの組成の変化に合わせて、生成ガス燃焼用空気の量を調節し、かつ、炉の出口温度を一定に保つように、LPGの量及びその燃焼に必要な空気の量を調節する。
【0027】図2、図3、及び図4に、ラマン分光計17による可燃性生成ガスに対する測定結果の例(No.1乃至No.3)を示す。なお、図2はCO2、図3はCO及びN2、図4はH2をそれぞれ示す。また、図5には、図2乃至図4の測定結果から求めた、可燃性生成ガスの組成(測定値)を示す。図5には、測定に使用した生成ガスの実際の組成(分析値)も示す。
【0028】図5から明らかなように、ラマン分光計17を用いた組成分析結果は、実際の組成によく近似しており、燃焼に必要な空気量を求める上で、十分に実用に耐え得る。しかも、ラマン分光計17を用いた組成分析は、極短時間で行えるので、リアルタイムで燃焼に必要な空気量制御が可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ガス化炉で生成された可燃性生成ガスの組成を分析する分析手段を設け、その分析結果に基づいてバーナに供給する空気量を制御するようにしたことで、容易に安定した燃焼を実現できる。これにより、スラグ排出型ロータリーキルン溶融炉の出口温度を、容易に一定に保つことができ、安定した連続運転が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成11年3月12日(1999.3.12)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
【公開番号】 特開2000−266341(P2000−266341A)
【公開日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願番号】 特願平11−67194