トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法




【発明の名称】 燃焼機器
【発明者】 【氏名】伊藤 英樹

【氏名】中山 浩

【氏名】柳田 信一郎

【氏名】今 雅人

【氏名】吉澤 勇一

【氏名】南 俊成

【要約】 【課題】バーナの燃焼運転をオン・オフする頻度を少なくしてバーナの負担を軽くし、燃焼機器の寿命を向上させる。

【解決手段】バーナの燃焼により温水を生成する熱交換器と、温水の温度検知器と、温度設定手段と、燃焼運転を制御する制御装置とを備えた燃焼機器を構成する。そして、機器の使用状態に対応して湯温が好適な温度幅をもって調整されるよう前記バーナの燃焼運転をオン・オフする。すなわち、一定時間内に前記温度検知器の検知温度Tが所定温度を越えた場合は燃焼オフ温度Tofおよび燃焼オン温度Tonを可変して前記温度幅を大きくすると共に、その後、別の一定時間内に前記検知温度Tが燃焼オフ温度Tofに達しない場合は前記可変後の温度幅を最初の温度幅に戻すようにする。係る制御により温度上昇勾配の急峻な軽負荷時においてもバーナ燃焼のオン・オフ頻度を少なくすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バーナの燃焼運転により温水を生成する熱交換器と、温水の温度検知器と、温度設定手段と、燃焼運転を制御する制御装置とを備え、前記温度設定手段からの設定温度に対し湯温が一定の基準温度幅をもって調整されるよう、前記バーナの燃焼運転をオン・オフ制御し、外部放熱器に所定温度の温水を供給する燃焼機器において、前記制御装置は、燃焼機器の使用条件によって前記基準温度幅を変化させる制御手段を有することを特徴とする燃焼機器。
【請求項2】 前記制御装置は、一定時間内に前記温度検知器の検知温度が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変して前記基準温度幅を大きくする制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器。
【請求項3】 前記制御装置は、一定時間内に前記温度検知器の検知温度が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変して前記温度幅を大きくすると共に、その後、別の一定時間内に前記検知温度が燃焼オフ温度に到達しない場合は、前記可変後の温度幅を最初の基準温度幅に戻す制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床暖房パネルやファンコンベクター等の外部放熱器に温水を循環・供給する燃焼機器に関し、特に温水の温度調整制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の燃焼機器では、運転が開始されるとバーナの着火により熱交換器が加熱されることにより温水が生成され、設定温度に基づいた所定温度の温水が外部放熱器へ供給される。通常、前記熱交換器からの温水循環路には温度検知器(例えば、温水サーミスタ)が取り付けてあり、この温度検知器の検知温度とリモコンパネル等からの前記設定温度との比較によりバーナの燃焼運転がオン・オフ制御されることで水温が所定の温度幅をもって設定温度に調整されている。
【0003】上記した従来の温水の温度調整制御動作を図4のフローチャートにより説明する。尚。以下の燃焼制御は機器内の制御装置に搭載されたマイクロコンピュータ(以下マイコンと呼ぶ)によって行われるものである。
【0004】図4のフローチャートによれば、運転スイッチがオンするとマイコンは前記温度検知器の検知温度を読み込み、これと設定温度とを比較する。機器の燃焼運転中、前記検知温度が設定温度より一定温度(例えば、3℃)上昇した時、バーナの燃焼運転を停止する。マイコンは燃焼停止後も検知温度を監視し、これが設定温度より一定温度(例えば、8℃)低下した時、再び燃焼運転を開始する。運転スイッチがオンされている間、上記燃焼運転のオン・オフ制御を継続して実行することにより湯温は設定温度を基準に常に略一定の温度幅をもってコントロールされる。例えば、上記従来例の場合、設定温度を70℃とすると生成される湯温は温度幅11℃をもって70℃を基準に62〜73℃の範囲でコントロールされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、係る燃焼機器を熱源機として用いた暖房システムでは、これに床暖房パネルやファンコンベクター等の様々な外部放熱器が接続され、1台の熱源機よりこれらの外部放熱器に温水が循環・供給される。従って、このような暖房システムにおいては様々の使用態様が実施されることから、熱源機の負荷変動幅も大きくなり、使用条件によってはバーナ本体が大変過酷な運転を強いられることとなる。
【0006】具体的には、運転される負荷が小さい(外部放熱器の運転数が少ない)場合、熱交換器による温水の温度上昇勾配が緩やかであるため、上記温度調整制御におけるバーナ燃焼のオン・オフ頻度は少ないが、負荷が大きくなり温度上昇勾配が急峻になるとバーナ燃焼のオン・オフ頻度が激しくなり、バーナ本体や燃焼制御のための各種駆動電気部品等の寿命を極端に短くしてしまう。
【0007】本発明は上記不都合に鑑みて成されたもので、温水の温度調整制御において、バーナの燃焼運転をオン・オフする頻度を極力少なくしてバーナの負担を軽くすることにより機器の高寿命化を図った燃焼機器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記載の本発明では、バーナの燃焼運転により温水を生成する熱交換器と、温水の温度検知器と、温度設定手段と、燃焼運転を制御する制御装置とを備え、前記温度設定手段からの設定温度に対し湯温が一定の基準温度幅をもって調整されるよう、前記バーナの燃焼運転をオン・オフ制御し、外部放熱器に所定温度の温水を供給する燃焼機器において、前記制御装置には、燃焼機器の使用条件によって前記基準温度幅を変化させる制御手段を設けた。
【0009】また、請求項2に記載の本発明では、前記制御装置には、一定時間内に前記温度検知器の検知温度が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変して前記基準温度幅を大きくする制御手段を設けた。
【0010】さらにまた、請求項3に記載の本発明では、前記制御装置は、一定時間内に前記温度検知器の検知温度が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変して前記温度幅を大きくすると共に、その後、別の一定時間内に前記検知温度が燃焼オフ温度に到達しない場合は、前記可変後の温度幅を最初の基準温度幅に戻す制御手段を設けた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は本発明が適用された燃焼機器として熱源機の内部構造を示す図、図2はコントロールされた湯温の状態を示す図である。
【0012】図1において、先端部に排気箱2が連結され、後部に燃焼室4が形成された熱交換器3と、液体燃料を気化・燃焼させて前記熱交換器3を加熱するバーナ5と、このバーナ5に燃焼用空気を供給するバーナ送風機6とが各々一体的に組み付けられて加熱ユニットが構成され、外装体1内の上部中央に固定されている。また、前記バーナ5は、中空円筒内部(気化筒)に液体燃料の霧化撹拌装置(図示せず)や着火のための点火プラグ8、炎検知のためのフレームロッド11等を一体的に収容して構成されている。
【0013】また、前記加熱ユニットに並設して熱交換器3からの温水を一時貯留しておくためのシスターンタンク10が設置されている。一方、底部の架台12上の右側部に機器外に設置の燃料タンク(図示せず)より給油される燃焼用の液体燃料を貯留しておくためのオイルレベラ13が載置・固定されており、その上部に前記オイルレベラ13内の液体燃料を吸引して前記バーナ5に供給するための電磁ポンプ14が接続されており、これに連結された送油管15を介してバーナ5内に液体燃料が供給される。さらに、この架台12上の前記シスターンタンク10の下方に当たる左側部に前記熱交換器3で熱交換された温水を往き管16および戻り管17等の循環パイプを通して床暖房パネルやファンコンベクター等の外部放熱器(図示せず)に循環・供給するための循環ポンプ7が設置されている。
【0014】また、熱交換器3の出口付近の往き管16には行き温水の温度を検出するための温度検知器としての温水サーミスタ18が取り付けられており、その出力線が機内中央部に設置された電装ボックス19の制御装置20に接続されている。
【0015】また、この制御装置20には、運転スイッチを始めとする各種スイッチや温度設定手段等を備えた外部放熱器のリモコン30が接続されている。
【0016】次に、熱源機の燃焼運転の動作概略を説明すれば、上記構成において、燃焼運転を開始すると、先ず、バーナ送風機6が動作し、機外から引き込まれた燃焼空気が一次空気としてバーナ5の気化筒内に供給される。ここで、電磁ポンプ14を動作させると、送油管15の先端部から供給された液体燃料が気化筒内で気化され、この液体燃料が一次空気と混合される。この混合ガスが点火プラグ8の放電スパークによって着火され、バーナ5は前方の燃焼室4に火炎を形成して燃焼を開始する。さらに、燃焼室4で燃焼された高温の排気ガスが熱交換器3に流入し、ここで戻り側接続口22より流入する放熱を終えた戻り温水と熱交換され、排気箱2を通って排気トップ9から外装体1の外に排出される。こうして加熱された戻り温水は行き管16を通して一旦シスターンタンク10に貯溜された後、再度前記循環ポンプ7の駆動によって行き側接続口21より外部配管を介して外部放熱器に循環・供給される。上記燃焼運転は電装ボックス19に備えた制御装置20のマイコンにより制御されるものであるが、本制御装置20は以下に示す温水の温度調整のための制御手段を備えている。
【0017】その制御動作を図2に基づいて説明する。尚、本実施形態は設定温度60℃にて燃焼運転を開始した場合である。
【0018】運転スイッチをオンすると、マイコンは前記温度サーミスタ18の検知温度Tを読み込み、これとリモコン30の温度設定手段からの設定温度とを比較する。
【0019】燃焼運転を開始した後の第1回目の燃焼オフ温度Tof1は設定温度(60℃)+3℃とし、次の燃焼オン温度Ton1は設定温度−8℃とする。これら第1回目のTof1およびTon1の設定は湯温の温度幅(Tof1〜Ton1)を従来制御の場合と同じ基準温度幅(11℃)とするものである(図2の区間■参照)。
【0020】次に、第2回目以降の燃焼オフ温度Tof2を設定温度+10℃に設定する。この設定で、検知温度Tが燃焼オンから10分以内にこの燃焼オフ温度Tof2に達した場合は次の燃焼オン温度Ton2を設定温度−10℃に再設定する(図2の区間■参照)。この場合、湯温の温度幅(Tof2〜Ton2)は20℃となり、従来の基準温度幅11℃の約2倍となる。
【0021】これに対し、検知温度Tが10分以内に燃焼オフ温度Tof2(すなわち、設定温度+10℃)まで上昇しない場合は、次の燃焼オフ温度を設定温度+3℃に再設定する。そして、この時点での検知温度Tにより次の燃焼オン温度Ton3の値を決定する。
【0022】すなわち、図2の区間■のように、10分経過後に検知温度Tが設定温度+3℃を越えていれば、その時点(Tof3)で燃焼をオフすると共に、次の燃焼オン温度Ton3を設定温度−10℃に維持する。
【0023】これに対し、図2の区間■のように、10分経過後に前記検知温度Tが設定温度+3℃に達していない場合は、そのまま燃焼を継続し、検知温度が設定温度+3℃に達した時点(Tof4)で燃焼をオフすると共に、次の燃焼オン温度Ton4を設定温度−8℃に設定する。
【0024】このように、本実施形態では、一定時間内に検知温度が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変することにより、区間■で示すように温度幅を通常より大きくすることができ、これにより、バーナの燃焼運転をオン・オフする頻度を少なくし、燃焼機器の寿命を延ばすことが可能となる。
【0025】また、一定時間内に検知温度が所定温度を越えない使用形態(重負荷の場合)の場合は、再度湯温の温度幅を小さくすることにより、効率的、且つ適格な温度調整が可能となる。
【0026】尚、上記温度調整制御は設定温度が70℃以下の場合に適用するものとし、設定温度が70℃を越える場合については、従来通りの温度調整制御を適用した。これは、通常、70℃以上が設定されるのは運転する外部放熱器の数が多い場合であり、このような重負荷使用では、温度上昇勾配は緩やかであって燃焼運転のオン・オフ頻度が少なく、バーナへの負担が軽くなるためである。
【0027】尚、上記温度調整制御の一実施形態を示すフローチャートを図3に示す。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、バーナの燃焼運転をオン・オフして行う燃焼機器の温度調整制御で、機器の使用条件によって制御する湯温の基準温度幅を変化させるようにしたので、負荷の大きさ(運転される外部放熱器の数)によっては燃焼機器にとって過酷な運転を強いられ、バーナに過大な負担がかかるといった従来制御の不都合を極力無くすことができる。
【0029】また、特に、請求項2に記載の本発明によれば、前記温度調整制御で、一定時間内に湯温が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変して前記基準温度幅を大きくするようにしたので、従来制御でバーナ燃焼のオン・オフを多くする温度上昇勾配が急峻な軽負荷時においてもオン・オフ頻度を少なくできるためバーナの負担を軽くでき、燃焼機器の寿命を向上させることができる。
【0030】さらにまた、請求項3に記載の本発明では、一定時間内に湯温が所定温度を越えた場合は、燃焼オフ温度および燃焼オン温度を可変して前記温度幅を大きくすると共に、その後、別の一定時間内に湯温が燃焼オフ温度に到達しない場合は、温度幅を最初の基準温度幅に戻すようにしたので、前記同様、軽負荷時におけるバーナ燃焼のオン・オフ頻度を減少させることができると共に、燃焼運転中に発生する負荷変動に影響されない効率的な温度調整が行える。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年7月29日(1998.7.29)
【代理人】 【識別番号】100067046
【弁理士】
【氏名又は名称】尾股 行雄
【公開番号】 特開2000−46327(P2000−46327A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−213674