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【発明の名称】 給油タンク装置
【発明者】 【氏名】松田 章夫

【氏名】星 重則

【氏名】荒井 達志

【要約】 【課題】給油キャップの外周壁面に付着した灯油の滴り落ちを防止し、給油作業時に床面等の汚染が起こらないようにする。

【解決手段】カートリッジタンク1の給油口キャップ3が上になるように立てかけたときに、その先端の吐出口4部外表面に付着している灯油が、周壁を伝って流下し、その後段部3aに至ったあとも、その段部に留まることなく、昇降ガイド筒13と給油口キャップ3との間のクリアランス21に滲み込んでそこで留まるようにした。そしてそれにより、給油作業が完了して給油口キャップ3を再び給油口2へ装着し、カートリッジタンク1を上下入れ替えて、逆さ吊りにして燃焼器本体に装填するときに、油溜りが発生していない分、滴となって給油口キャップ3の上端から落下しにくくなった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給油タンクの本体(1)と、この本体に設けられた給油口(2)と、この給油口の上端部に突き当たる段部(3a)を形成して油漏れ防止用のパッキン(10)を保持するとともにその段部の形成に伴って上端側に細径部(3b)が形成されてこの給油口にねじ込まれて取り付けられる給油口キャップ(3)と、この給油口キャップの一端の裾部につば状に張り出して形成されたスプリング受座(17)と、この給油口キャップの他端に開設された吐出口(4)と、この吐出口を開閉するために前記給油口キャップの内側に設けられた可動中子弁(6)と、前記給油口キャップの外周囲の前記スプリング受座部分からこの吐出口部分にかけて前記給油口キャップの外周壁面との間に油滲み込み用のクリアランス(21)を隔てて円筒状に設けられた昇降ガイド筒(13)と、この昇降ガイド筒の前記吐出口側に対応する端部が外側に向けて張り出して形成されたフランジ(14)と、前記昇降ガイド筒の壁面の一部の外側に前記昇降ガイド筒の軸方向に沿って直線状に連続膨出して形成されたガイドリブ(15)と、前記昇降ガイド筒の前記スプリング受座と前記フランジとの間に嵌め込まれた摘みハンドル(12)と、この摘みハンドルの前記昇降ガイド筒との嵌合部において前記ガイドリブに係合してこの摘みハンドルの前記昇降ガイド筒の軸方向の移動を許す反面前記昇降ガイド筒に対するすべり回転を許さないために形成された切欠き(16)と、前記摘みハンドルと前記スプリング受座との間に設置されて前記摘みハンドルを常時前記昇降ガイド筒の前記フランジ側へ押し付けるコイルスプリング(18)とで構成されていることを特徴とする給油タンク装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体燃料燃焼器へ給油するための給油タンク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の給油タンク装置を図2を用いて説明することにする。
【0003】その図2は、ファンヒーター用の給油タンクすなわちカートリッジタンクを、給油のために給油口を上にして立てかけたものの要部断面図である。
【0004】なお、以下の説明において、上端、上端部と記した部分は、カートリッジタンクおよび給油口キャップをこの図2のようにして見た場合の部分を指すものであり、カートリッジタンクをファンヒーターに取り付けるために、図2の状態から上下の入れ替わった状態にした場合であっても、図2において上端、上端部と呼んだ部分をそのまま上端、上端部と記している。したがって、油滴が生成されて落下する場面では、例えば「油滴が給油口キャップの上端の吐出口部から床面に落下する云々」という説明を行なっている。
【0005】さてこの図2において、1はそのカートリッジタンク、2はこのカートリッジタンク1の給油口、3はこの給油口2に着脱自在にねじ込まれる給油口キャップである。
【0006】この給油口キャップ3は、図示のように給油口2にねじ込んで取り付けられるとともに、給油口2の上端に対応する部位には、段部3aが形成されていて、給油口2の上端との突き当たり部をなし、後述する給油口パッキンの保持部をなしている。また、段部3aの形成に伴って、上端側は下端側に比べて細径となっている。4はその給油口キャップ3の上端に開口した吐出口である。
【0007】5は給油口キャップ3の内側に取り付けられた中子ハウスで、6はこの中子ハウス5内に設けられて吐出口4を開閉する可動中子弁、7はこの可動中子弁6と吐出口4との間に設けられて吐出口4の密閉を確実にするためのオーリングパッキン、8は可動中子弁6を吐出口4側へ圧着する中子コイルスプリングである。
【0008】9、9は中子ハウス5の吐出口4側に開設されている中子ハウス流出口で、カートリッジタンク1内の灯油が流出する開口であり、10はカートリッジタンク1の給油口2と給油口キャップ3との間に設置されて両者間の密閉を確実にして油漏れを防止するための給油口パッキンである。
【0009】11は給油口キャップ3の脱着補助具であり、カートリッジタンク1の給油口2への給油口キャップ3の着脱が、手指を直接給油口キャップ3に触れることなく行なえるように設けられたものである。
【0010】この脱着補助具11について詳しく説明すると、12は手指を掛けるためのつば状の摘みハンドルであり、13はこの摘みハンドル12を給油口キャップ3の外側に取り付けるために設けられた円筒状の昇降ガイド筒、14はこの昇降ガイド筒13の上端部に形成されて摘みハンドル12の抜け落ちを防止するフランジである。15はこの昇降ガイド筒13の壁面の一部の外側に上下方向にしかも直線状に連続膨出し形成されたガイドリブで、給油口キャップ3に対して摘みハンドル12を、図2の上下方向に移動可能としながら、すべり回転が生じないようにするためのものである。16は摘みハンドル12に設けられた切欠きで、そのガイドリブ15と係合することにより、上述の上下移動が可能となり、ただしすべり回転が不可能となるようにしたものである。
【0011】17は給油口キャップ3の裾部につば状に張り出して形成されたスプリング受座であり、18はこのスプリング受座17と前述摘みハンドル12間に設けられて摘みハンドル12を給油口キャップ3の上端吐出口4側へ押し付けるコイルスプリングである。
【0012】そして19は給油口キャップ3の外側を伝い落ちる流下灯油であり、20は給油口キャップ3の段部3aに溜った滞留灯油である。
【0013】このように構成されたものにおいて、キャップ3の上端吐出口4付近に灯油が付着していても、摘みハンドル12を掴んで操作することにより、手指に灯油が直接触れることはなく、安心して給油口キャップ3の取り付け、取り外しが行なえるようになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】その従来例において、カートリッジタンク1をファンヒーターから取り外し、図2のように給油口キャップ3が上になるように立てかけると、給油口キャップ3の上端の吐出口4部の外表面に付着している灯油は、給油口キャップ3の周壁を伝って流下する。符号19で示したものが、やや誇張してあるが、その流下灯油であり、20が給油キャップ3の段部3aに集まった、これも誇張して示してあるが、滞留灯油である。
【0015】この状態において、脱着補助具11の摘みハンドル12に手指を掛けて回転させ、給油口2から給油口キャップ3を取り外して、その姿勢のままでカートリッジタンク1等の脇へ置き、カートリッジタンク1内へ給油を行なう。
【0016】カートリッジタンク1に灯油を満タンに補ったあとは、再び給油口キャップ3の脱着補助具11へ手指を掛けて給油口キャップ3を給油口2に嵌め込み、次はカートリッジタンク1を図2の状態から天地を入れ替えて給油口2の側が下になるようにし、ファンヒーターに取り付けることになる。
【0017】その際、滞留灯油20が給油キャップ3の細径部3bや昇降ガイド筒13の内側壁面を伝ってそれらの上端部の吐出口4部やフランジ14部へ流れ至り、その量によっては、吐出口4部やフランジ14部を離れて滴下してしまい、不用意に床面等を汚してしまうことがあった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、給油タンクの本体と、この本体に設けられた給油口と、この給油口の上端部に突き当たる段部を形成して油漏れ防止用のパッキンを保持するとともにその段部の形成に伴って上端側に細径部が形成されてこの給油口にねじ込まれて取り付けられる給油口キャップと、この給油口キャップの一端の裾部につば状に張り出して形成されたスプリング受座と、この給油口キャップの他端に開設された吐出口と、この吐出口を開閉するために給油口キャップの内側に設けられた可動中子弁と、給油口キャップの外周囲のスプリング受座部分からこの吐出口部分にかけて給油口キャップの外周壁面との間に油滲み込み用のクリアランスを隔てて円筒状に設けられた昇降ガイド筒と、この昇降ガイド筒の吐出口側に対応する端部が外側に向けて張り出して形成されたフランジと、昇降ガイド筒の壁面の一部の外側に昇降ガイド筒の軸方向に沿って直線状に連続膨出して形成されたガイドリブと、昇降ガイド筒のスプリング受座とフランジとの間に嵌め込まれた摘みハンドルと、この摘みハンドルの昇降ガイド筒との嵌合部においてガイドリブに係合してこの摘みハンドルの昇降ガイド筒の軸方向の移動を許す反面昇降ガイド筒に対するすべり回転を許さないために形成された切欠きと、摘みハンドルとスプリング受座との間に設置されて摘みハンドルを常時昇降ガイド筒のフランジ側へ押し付けるコイルスプリングとで給油タンク装置を構成した。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は上述の構成であり、燃焼器本体から給油タンク本体を取り外し、給油口キャップが上になるように立てかけたときに、給油口キャップ先端の吐出口部外表面に付着している灯油が、給油口キャップの外周壁を伝って流下し、その後段部に至ったあとも、その段部に留まることなく、給油口キャップと昇降ガイド筒にはさまれて形成されたクリアランスに滲み込んでその部分に留まってそれ以外への流出が起きないようにした。
【0020】そしてそれにより、給油作業が完了して給油口キャップを再び給油口へ装着し、給油タンク本体を上下入れ替えて、つまり逆さにして燃焼器本体に装填するときに、油溜りが発生していない分、滴となって給油口キャップや昇降ガイド筒の上端部から落下しにくいようにした。
【0021】ところで、給油作業を実施する場合、給油口への給油口キャップの着脱を行なうために、摘みハンドルに手指を掛けて回転させるわけだが、摘みハンドルの切欠きを昇降ガイドのガイドリブに係合させてあるので、すべり回転を起こすことなく、しかも手指が給油口キャップに触れる心配もなく、確実に回転操作することができるようにしてあるのは従来と同様である。
【0022】
【実施例】以下、図1を用いて本発明の一実施例を説明する。なお、カートリッジタンクとそれに形成されている給油口は図2で説明したものと同じであるので、この図1においてはそれらの図示を省略し、本発明によって改良された給油口キャップ側の構造だけを示した。
【0023】その図1において、21は給油口キャップ3の外周壁面と昇降ガイド筒13の内周壁面との間に形成された、灯油滲み込み用のクリアランスで、給油口キャップ3の外周壁を伝い下って段部3aに達した流下灯油19を、そこに滞留させることなく受け入れてそれ以外への流出を押し留めるためのものである。そして符号22はそのクリアランス21に流れ込んだ滲み込み灯油である。
【0024】このように構成された一実施例において、ファンヒーターからカートリッジタンク1を取り外し、図1のように給油口キャップ3に吐出口4が上になるように立てかけると、給油口キャップ3上端の吐出口4部の外表面に付着している灯油は、給油口キャップ3の周壁を伝って流下する。符号19で示したものが、誇張されてはいるが、その流下灯油である。
【0025】そしてその流下灯油19は、量が多い場合には、給油口キャップ3の段部に到達したあと、さらに流下してクリアランス21に到達し、そこで留められる。つまり、流下灯油が給油口キャップ3のスプリング受座17に達するような事態にはならないで済む。
【0026】このため、給油作業が完了して給油口キャップ3を再び給油口2へ装着し、カートリッジタンク1を上下入れ替えてファンヒーターに装填するときに、油溜りが発生していない分、滴となって給油口キャップ3や昇降ガイド筒13の上端部から一気に落下する現象が起きない。
【0027】このように、給油口キャップ3と昇降ガイド筒13との間に流出灯油の滲み込み用クリアランス21を設けたことによって、流下する灯油を比較的広い範囲に拡散させ、給油口キャップ3の上端部や昇降ガイド筒13の上端部から、容易に灯油の滴下が起きないようにすることができた。
【0028】ところで、給油作業を実施する場合、給油口2への給油口キャップ3の着脱を行なうために、摘みハンドル12に手指を掛けて回転させるわけだが、摘みハンドル12の切欠き16が昇降ガイド筒13のガイドリブ15に係合しているので、すべり回転を起こすことなく、しかも手指が給油口キャップ3に触れる心配もなく、確実に操作することができる点は、従来例の場合とまったく同様である。
【0029】
【発明の効果】以上本発明によれば、給油のために給油口キャップの脱着を行なう際に、素手で給油口キャップを操作しないで済むようになった。
【0030】また、給油の終わった給油タンク本体を上下入れ替えて、逆さ吊りにして燃焼器本体に装填するときに、油溜りが発生していない分、滴となって給油口キャップの上端部から一気に落下する現象が起きにくくなり、油滴による不用意な汚染を起こさないで作業を行なうことができるようになった。
【出願人】 【識別番号】000005131
【氏名又は名称】株式会社日立ホームテック
【出願日】 平成11年6月3日(1999.6.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−346341(P2000−346341A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−155877