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【発明の名称】 燃料タンク装置
【発明者】 【氏名】塚田 一郎

【氏名】佐藤 忠幸

【氏名】皆川 亮

【氏名】熊谷 知也

【要約】 【課題】石油ストーブの着脱自在のカートリッジタンクにおいて、給油に際して手間がかからないとともに、手を汚さずに済むようにする。

【解決手段】給油に際しては、開閉手段40を利用して、支軸22を中心に可動基板21を回動させてタンク本体2に対し開く。そして、可動基板21をタンク本体2の口金4から離してこの口金4を開き、口金4からタンク本体2内に燃料を供給する。その後、可動基板21を回動させてタンク本体2に対し閉じ、可動基板21により口金4を閉じる。この状態で、口金4と可動基板21との間のパッキン47が口金4に液密に接し、この間からの燃料の漏洩が防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タンク本体の給油口部を開閉するように、支軸を中心に軸回動する可動基板を設け、前記給油口部と可動基板との間に液密性を有するパッキンを設けるとともに、前記給油口部に対して前記支軸の反対側の前記可動基板に開閉手段を設けたことを特徴とする燃料タンク装置。
【請求項2】 前記パッキンを前記可動基板に設けられた受け金に取付けたことを特徴とする請求項1記載の燃料タンク装置。
【請求項3】 前記可動基板を開く際に操作する操作部の操作力を、通常の使用中に作動しない程度から、手動操作により円滑に操作できる範囲内に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の燃料タンク装置。
【請求項4】 前記可動基板を前記タンク本体に対して閉じた状態に保持する係止手段を備え、この係止手段の係止部と接触する係止溝は、前記係止部が入り込む導入部より奥に行くに従って、上向きの傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項5】 前記可動基板の厚み寸法を略10mmにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項6】 前記給油口部に対向して前記可動基板に受け金を設け、前記受け金を前記給油口部に付勢する受け金付勢手段を設けるとともに、前記タンク本体の内部に加わる圧力が0.5Kg/cm2以上に耐え、かつ、可動基板を閉操作する際の操作力が5Kg以下になるように、前記受け金付勢手段の反発力を設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項7】 前記可動基板を前記タンク本体に対して閉じた状態に保持する係止手段と、前記係止手段の係止を解除して前記可動基板を開操作する操作部と、前記係止手段が係止するように前記操作部を付勢する操作部付勢手段とを備え、前記操作部付勢手段の端部をループ状に形成して、前記操作部に挿通させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項8】 前記可動基板を開操作する操作部を備え、前記操作部に沿った前記可動基板の適所にビードを設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項9】 前記可動基板を開操作する操作部と、この操作部の近傍にあって、前記可動基板の前記開閉手段側の側面部に設けた指掛け部とを備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項10】 前記給油口部の周辺に油受け部を形成した固定基板を設け、前記可動基板が開放した状態で、該可動基板の投影面積を前記固定基板の投影面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項11】 前記給油口部の周辺に固定基板を設け、この固定基板を前記タンク本体に固定したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項12】 前記パッキンを前記給油口部に固定したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【請求項13】 前記給油口部の周辺に固定基板を設け、前記可動基板を閉じた状態で、前記固定基板と前記可動基板からなるユニットの投影面積を、前記タンク本体の投影面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料タンク装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油ストーブなどに用いられる燃料タンク装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば、灯油を燃料とする燃焼器具である石油ストーブには、着脱自在のカートリッジタンクが燃料タンク装置として備えられている。このカートリッジタンクには、石油ストーブ本体への装着時に下側となる位置に給油口部をなす口金が設けられており、この口金には、これを塞ぐ給油キャップが着脱自在に取り付けられている。この給油キャップには、石油ストーブ本体への装着時に開くバルブが設けられている。そして、カートリッジタンク内に給油するときには、このカートリッジタンクを石油ストーブ本体から外し、カートリッジタンクを上下反転させた後、タンク本体の口金から給油キャップを外して口金を開き、この口金からタンク本体内に給油する。つぎに、再び給油キャップを口金に装着してこの口金を閉じた後、カートリッジタンクを上下反転させて石油ストーブ本体に装着する。
【0003】そして、従来のカートリッジタンクでは、給油キャップは螺合によりタンク本体の口金に着脱自在に取り付ける構造になっていた。そのため、給油キャップを開閉するときには、給油キャップを手で何回も回さなければならず、手間がかかる問題がある。また、給油キャップは、カートリッジタンクから石油ストーブ本体側への灯油の出口をなすものであり、石油ストーブの運転使用中には石油ストーブ本体側の油受け皿に貯えられる灯油に接するものである。そのため、給油キャップの開閉に際してこの給油キャップを直接つかまなくてはならないので、灯油が手につき、手が汚れるとともに臭くなる問題がある。また、螺合による取り付けで、口金に対する給油キャップの締め付けが不足している場合、口金と給油キャップとの間の隙間から灯油が漏れ出るおそれがある。さらに、給油時、給油キャップはタンク本体から完全に外れるので、灯油の付いた給油キャップをどこかに置かなければならないが、この置き場所には困るものである。
【0004】本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、給油に際して手間を省くことができるとともに手を汚さずに済む燃料タンク装置を供給することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の燃料タンク装置は、前記目的を達成するために、タンク本体の給油口部を開閉するように、支軸を中心に軸回動する可動基板を設け、前記給油口部と可動基板との間に液密性を有するパッキンを設けるとともに、前記給油口部に対して前記支軸の反対側に開閉手段を設けたものである。
【0006】給油に際しては、開閉手段を利用して、支軸を中心に可動基板を回動させてタンク本体に対し開くことにより、可動基板をタンク本体の給油口部から離してこの給油口部を開き、給油口部からタンク本体内に燃料を供給する。その後、可動基板を回動させてタンク本体に対し閉じ、可動基板により給油口部を閉じる。この状態で、給油口部と可動基板との間のパッキンが給油口部に液密に接し、この間からの燃料の漏洩が防止される。したがって、灯油のついた給油口部に手を触れずに給油作業ができるとともに、給油口部を開閉する可動基板がタンク本体から離れないので、従来のように口金を開けたときに給油キャップの置き場所を探すような必要はない。これとともに、給油口部の開閉は、基本的に開閉手段を利用して、可動基板を所定角度回して開閉するだけの簡単な操作で行えるので、給油作業の手間が省ける。
【0007】また、可動基板の開閉手段がタンク本体側ではなく可動基板側に設けられているので、可動基板を開ける操作時において、開閉手段の開操作から可動基板を全開するまでの全操作にわたって、可動基板に対し指を添えながら操作を行なうことができる。よって、可動基板の給油口部に対向する例えば受け金に付着した燃料が、可動基板の開動作による勢いで周辺に飛び散ることがなく、清潔性を保つことが可能になる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の燃料タンク装置において、前記パッキンを前記可動基板に設けられた受け金に取付けたものである。
【0009】パッキンは、タンク本体内の燃料の液密性を保持するための機能部品であるが、これが受け金の底部分に位置して取付けられているので、給油の際にパッキンが接触したり衝突することなく、外部の影響を受けない。よって、パッキンはキズ付きや変形などが起こりにくく、長期間の使用に渡り良好な液密性を確保できる。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2の発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を開く際に操作する操作部の操作力を、通常の使用中に作動しない程度から、手動操作により円滑に操作できる範囲内に設定したものである。
【0011】操作部の操作力が、通常の使用時に作動する例えば0.5Kg以下の低い力しかない場合は、タンクの運搬時などにおいて、周囲との軽い接触で簡単に可動基板が開いてしまうため、油が飛散して周囲を汚したりする。逆に、操作部の操作力が、手動操作により円滑に操作できない例えば5Kg以上の力となった場合には、操作部を手動で円滑に操作することが困難になり、商品性に欠ける。したがって、操作部の操作力が上記の範囲内にあれば、使用時に周囲が油で汚れたり、操作部が円滑に操作できない不具合を一掃できる。
【0012】請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を前記タンク本体に対して閉じた状態に保持する係止手段と、この係止手段の係止部と接触する係止溝とを備え、前記係止溝は、前記係止部が入り込む導入部より奥に行くに従って、上向きの傾斜面を形成したものである。
【0013】可動基板を閉じる操作時において、係止手段を構成する係止部が導入部を過ぎると、係止溝に形成した傾斜面によって係止部は直ちに係止溝の奥側に入り込み、係止手段の係止ロック性を確実なものとすることができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板の厚み寸法を略10mmにしたものである。
【0015】タンク本体の給油口部を開閉するように設けた可動基板は、タンク本体の全高に対し略10mmと比較的薄く形成されている。したがって、燃料タンク装置全体の高さを必要以上に大きくすることがなく、燃料タンク装置を収納する製品側の高さ寸法の大型化を抑制できる。
【0016】請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部に対向して前記可動基板に受け金を設け、前記受け金を前記給油口部に付勢する受け金付勢手段を設けるとともに、前記タンク本体の内部に加わる圧力が0.5Kg/cm2以上に耐え、かつ、可動基板を閉操作する際の操作力が5Kg以下になるように、前記受け金付勢手段の反発力を設定したものである。
【0017】タンク本体を上下逆にした実際の使用では、タンク本体の内部に加わる圧力は0.2Kg/cm2以下程度である。したがって、安全率を考慮して、受け金付勢手段の反発力を0.5Kg/cm2以上に設定すれば、パッキンの液密性に関し、実際の使用に十分耐えることが可能である。また、可動基板を閉操作する際の操作力が5Kg以下に設定されていれば、この可動基板の閉操作を円滑に行なうことができる。
【0018】請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を前記タンク本体に対して閉じた状態に保持する係止手段と、前記係止手段の係止を解除して前記可動基板を開操作する操作部と、前記係止手段が係止するように前記操作部を付勢する操作部付勢手段とを備え、前記操作部付勢手段の端部をループ状に形成して、前記操作部に挿通させたものである。
【0019】操作部付勢手段の付勢に抗して、操作部により可動基板を開操作すると、可動基板を閉状態に保持する係止手段の係止が解除され、支軸を中心に可動基板を回動することができる。この際に、操作部付勢手段のループ状の端部が、操作部に挿通されているので、操作部を多少乱暴に操作しても、操作部付勢手段が外れることはなく、その機能を長期間にわたり維持することが可能である。
【0020】請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を開操作する操作部を備え、前記操作部に沿った前記可動基板の適所にビードを設けたものである。
【0021】操作部は可動基板に対し設けられているが、可動基板の操作部に沿った部位は、操作部との接触面積がビードにより極力少なくなっている。よって、可動基板がわずかに変形した場合に、操作部の接触部が可動基板に広く接触して、操作部の動作が不具合になることを防止できる。
【0022】請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を開操作する操作部と、この操作部の近傍にあって、前記可動基板の前記開閉手段側の側面部に設けた指掛け部とを備えたものである。
【0023】可動基板を開操作する際には、操作部とこの操作部の近傍にある指掛け部とを摘むことにより、操作部の操作性をより円滑なものとすることができる。
【0024】請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部の周辺に油受け部を形成した固定基板を設け、前記可動基板が開放した状態で、該可動基板の投影面積を前記固定基板の投影面積よりも小さくしたものである。
【0025】可動基板が開放した状態では、給油口部から給油を行なうことができる。このとき、可動基板の投影面積が固定基板の投影面積よりも小さくなっているため、給油を行なう際に、可動基板の給油口部に対向する部分などに付着した油が、固定基板の油受け部のみならず、固定基板の周辺のタンク本体や周囲を汚すことを防止できる。
【0026】請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部の周辺に固定基板を設け、この固定基板を前記タンク本体に固定したものである。
【0027】例えば、複数箇所のねじ止めやスポット溶接などにより、固定基板をタンク本体に対し直接固定すれば、固定基板を比較的広い任意の位置に固定できる。これにより、固定基板を固定するに当たり高い固定強度が得られ、信頼性が向上する。
【0028】請求項12の発明は、請求項1から11のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記パッキンを前記給油口部に固定したものである。
【0029】パッキンは、タンク本体内の燃料の液密性を保持するための機能部品であり、わずかな不具合でも燃料漏れにつながるが、可動基板を開いたときにすぐに視認できる給油口部にパッキンを固定しているので、パッキンの劣化状況を即座に確認できるとともに、サービスメンテナンスも容易になる。
【0030】請求項13の発明は、請求項1から12のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部の周辺に固定基板を設け、前記可動基板を閉じた状態で、前記固定基板と前記可動基板からなるユニットの投影面積を、前記タンク本体の投影面積よりも小さくしたものである。
【0031】可動基板を閉じた状態では、固定基板と可動基板からなるユニットの投影面積が、タンク本体の投影面積よりも小さくなっている。したがって、給油操作後の運搬時などにおいて、外部との接触や衝突があっても、上記ユニットに直接衝撃が加わらない。よって固定基板や可動基板の変形に起因する燃料漏れなどを一掃できる。
【0032】
【発明の実施形態】以下、本発明の燃料タンク装置の一実施例について、図面を参照しながら説明する。本実施例の燃料タンク装置は、灯油を燃料とする燃焼器具である石油ストーブ用のカートリッジタンク1であり、このカートリッジタンク1は、図示していない石油ストーブ本体に着脱自在に装着されるものである。そして、カートリッジタンク1は、その板金などからなるタンク本体2の上面部(石油ストーブ本体への装着時は下面部)に開口3が形成されており、この開口に上方へ突出した給油口部をなす金属製の筒状の口金4が加締めにより固定されている。5はその加締め部である。
【0033】また、タンク本体2の上面には、口金4を囲んで板金などからなるほぼ矩形状の固定基板11が固定されている。すなわち、この固定基板11のほぼ中心部に形成された通孔12に口金4の上部が圧入されて加締められている。13はその加締め部である。また、固定基板11の周囲には、立壁部14が上方へ屈曲させて形成されており、これにより、固定基板11は、皿状に形成されて立壁部14の内側が油受け部15をなしている。なお、立壁部14の大部分は断面ほぼコ字形状に形成されている。また、固定基板11の平行な2辺部の立壁部14には係止受け部をなす係止溝16がそれぞれ形成されている。これらの係止溝16は、立壁部14の内側すなわち油受け部15側の側面部に形成されているが、係止溝16の一端側に通じる導入部17が立壁部14の上面部に開口形成されている。なお、2つの係止溝16は、口金4の中心を挟んで対称な位置にある。
【0034】さらに、前記固定基板11には、板金などからなる可動基板21が支軸22により所定角度回動開閉自在に支持されている。可動基板21の回動軸をなすこの支軸22は、固定基板11の係止溝16のある2辺部と直交する1辺部に沿っており、2つの係止溝16の並び方向と平行である。固定基板11と可動基板21とは、支軸22により結合されて一体化されている。また、支軸22にはねじりコイルばねからなる可動基板付勢ばね23が巻装されているが、この可動基板付勢ばね23の一端は固定基板11に係合され、他端は可動基板21に係合されている。これにより、可動基板21は、固定基板11に対して開く方向へ常時付勢されている。
【0035】また、可動基板21には、ほぼコ字形状の操作部たる操作ハンドル26が前記支軸22と直交する方向へ所定範囲摺動自在に支持されている。すなわち、可動基板21の両側には内側へ屈曲した断面ほぼコ字形状のハンドル支持部27がそれぞれ折り曲げ加工により形成され、これらハンドル支持部27内に操作ハンドル26の両側部がそれぞれ収納されていることにより、この操作ハンドル26が摺動自在に支持されている。また、操作ハンドル26の両先端部は、それぞれ外側へ屈曲した係止部29になっている。一方、ハンドル支持部27の側面部には長孔30がそれぞれ形成され、これら長孔30に操作ハンドル26の両係止部29がそれぞれ挿通されていることにより、操作ハンドル26の摺動範囲が規制されている。また、操作ハンドル26の両係止部29は、前記固定基板11の両係止溝16にそれぞれ係合するものである。そして、これら係止部29および係止溝16によって、固定基板11ひいてはタンク本体1に対して可動基板21を閉じた状態に保持する係止手段31が、固定基板11および可動基板21の両側にそれぞれ構成されている。
【0036】前記可動基板21の上面部で、口金4に対して支軸22の反対側の位置には、少なくとも1本の指が挿入可能な指挿入孔32が開口形成されているとともに、この指挿入孔32の支軸22から離れた一側には、ばね受け片33が下方へ切り起こし形成されている。そして、図6に示すように、ばね受け片33にコイルばねからなる操作ハンドル付勢ばね34の巻上げ部35を挿入し、巻上げ部35から放射状に延びる両端部36の先端側をループ状に巻回して、このループ部37を前記操作ハンドル26の支軸22と平行な指操作部38に遊嵌状態でくぐらせている。これにより、操作ハンドル26は、支軸22の方へ、すなわち係止部29が係止溝16に係合する方向へ常時付勢されている。なお、前記巻上げ部35がばね受け片33から抜け出すのを防止するために、ばね受け片33の下端部と可動基板21とは殆ど隙間なく近接している。
【0037】操作ハンドル26の指操作部38は、操作ハンドル26の摺動位置に拘らず、その中央部が指挿入孔32に臨んで配置される。また、指操作部38の近傍にある可動基板21の側面部には、他の部分よりも垂下した指掛け部39が形成される。そして、図11に示すように、指掛け部39を親指に添えながら、指挿入孔32から人差し指を挿入して、操作ハンドル付勢ばね34の付勢に抗して指操作部38を指掛け部39側に摺動させると、係止手段31の両係止部29と両係止溝16との係合が解除され、可動基板21を開ける操作が可能になる。つまり、指操作部38と指掛け部39が、可動基板21を開く際の開手段となる。一方、指掛け部39周辺の可動基板21を押せば、操作ハンドル付勢ばね34の付勢に抗して両係止部29が後述する両爪部62を乗り越えて係合し、可動基板21が係止手段31により閉じた状態に保持される。よって、指掛け部39周辺の可動基板21が可動基板21を閉じる際の閉手段となる。この開手段および閉手段を併せた開閉手段40が、口金4に対して支軸22の反対側の可動基板21に設けられ、前記指掛け部39が、可動基板21の開閉手段40側の側面部に設けらていることになる。
【0038】前記可動基板21の上面部中央には筒状部41が上方へ突出させて形成されており、この筒状部41に下面を開口したキャップ体としての金属製の受け金42が軸方向すなわち前記タンク本体2の口金4に接近および離反する方向へ所定範囲摺動自在に組み付けられている。この受け金42を筒状部41に対して抜け止めするために、筒状部41の上端部に内向き鍔部43が形成され、受け金42の下端部に外向き鍔部44が形成されているとともに、受け金42の外側面上部に突部45が形成されている。そして、受け金42は、その外向き鍔部44と筒状部41の内向き鍔部43との間に装着されたコイルばねからなるキャップ体付勢ばねとしての受け金付勢ばね46により下方へ付勢されている。また、受け金42内の上面周辺部にはゴムなどの弾性体からなる液密性を有する環状のパッキン47が固定して組み付けてある。そして、固定基板11に対して可動基板21を閉じた状態では、受け金42がタンク本体2の口金4に被さって、この口金4の開口がパッキン47により液密に閉止され、かつ、受け金付勢ばね46による受け金42の付勢によってパッキン47が口金4の開口端周縁4aに常時押圧されるようになっている。
【0039】さらに、前記受け金42にはバルブ装置51が組み付けてある。このバルブ装置51は、受け金42の上面中央部に形成された通孔52を弁体53により開閉するものである。この弁体53は、通孔52を囲んで受け金42内に固定された格子状で筒状のスプリング押さえ54内に収納してあり、同じスプリング押さえ54内に収納されたコイルばねからなる弁体付勢ばね55により通孔52を閉じる方向に付勢されている。なお、バルブ装置51は、受け金42と共通の組立体をなし、ユニット化されている。
【0040】係止手段31の構成を、図5に基づきさらに詳述すると、係止手段31を構成する係止溝16は、立壁部14の上面部に開口形成された導入部17に対し水平方向に形成されており、係止溝16の上辺側には、係止部29が入り込む導入部17から、係止部29が当接して停止する奥に行くに従って、上向きの傾斜面61を有する爪部62が形成されている。この爪部62は、係止部29と係止溝16の嵌合性の安定性を増すために形成したものである。また、図10に示すように、操作ハンドル26の両側部と対向する可動基板21の内側面適所には、1乃至複数のビード部63が突出して形成される。これにより、可動基板21の内側に設けられた操作ハンドル26と可動基板21との接触面積を極力減らすように構成している。
【0041】図1に示すように、前記可動基板21は口金4を覆った状態で、固定基板11の大部分と組み合った位置にあるが、このときの固定基板11を含めた可動基板21の厚み寸法すなわち立壁部14の寸法t1(前記指掛け部39や爪部62などの突出部を除く)は、10mm前後に設定されている。そして、固定基板11のタンク本体2への固定方法は、固定基板11とタンク本体2を直接ねじ止めするか、あるいはスポット溶接などで行なわれている。また、可動基板21を閉じた状態では、タンク本体2の内部に加わる圧力が0.5Kg/cm2以上に耐え、かつ、可動基板21を閉める操作時には、下方の口金4側に押しつける力が5Kg以下になるように、前記受け金付勢ばね46の口金4に対する反発力を設定する。
【0042】固定基板11に対し可動基板21が閉じた状態にあって、パッキン47によりタンク本体2の口金の液密性を保持している場合には、図2に示すように、固定基板11および可動基板21からなるユニットの平面上の投影面積(タンク本体2を真上から見た時の面積)が、タンク本体2の平面上の投影面積内にあって、このタンク本体2の平面上の投影面積よりも小さく形成される。また、図8に示す可動基板21が開放した状態では、この可動基板21の平面上の投影面積よりも、固定基板11の平面上の投影面積が大きく、かつ、可動基板21の平面上の投影面積が、支軸22の周辺部を除いて、固定基板11の平面上の投影面積よりも外方に位置するように、可動基板21の開放角度を設定している。
【0043】なお、液密性を有する前記パッキン47は、図9に示すように、可動基板21に設けられた受け金42側ではなく、口金4の開口端周縁4aに固定してもよい。この場合、可動基板21を開ける毎にパッキン47が視認できる状態となり、パッキン47の劣化状況を常時確認できる。また、パッキン47を口金4と受け金42の両方に固定してもよい。
【0044】つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。給油に際しては、石油ストーブ本体からカートリッジタンク1を外し、このカートリッジタンク1を上下反転させる。なお、このようにカートリッジタンク1を石油ストーブ本体から外した状態では、弁体付勢ばね55によって受け金42のバルブ装置51が閉じる。したがって、タンク本体2内の灯油が通孔52から漏れることはない。
【0045】そして、図11に示すように、固定基板11に対して閉じている可動基板21にある指掛け部39を親指に添えながら、指挿入孔32から人差し指を挿入して操作ハンドル26の指操作部38を把持した後、この指操作部38を操作ハンドル付勢ばね34の付勢に抗して手前すなわち支軸22と反対側へ引き、操作ハンドル26の係止部29を固定基板11の係止溝16の導入部17に一致した状態にする。そして、そのまま支軸22を回転中心として、可動基板21を回せば、導入部17を通って係止部29が係止溝16から外れ、固定基板11に対する可動基板21の係止が解除される。後は、可動基板付勢ばね23の反力により、図7および図8に示すように、可動基板21が全開位置すなわちその上面が固定基板11の立壁部14に当接する位置まで開く。この状態で、可動基板21に設けられた受け金42がタンク本体2の口金4から離れて、この口金4が開放される。そして、口金4からホースポンプなどによりタンク本体2内に灯油を供給する。なお、その際にホースポンプなどから漏れた灯油は固定基板11内に滴下するが、固定基板11は外周部に盛り上がった立壁部14があって受け皿状になっているので、灯油は固定基板11の油受け部15に溜まり、その周囲に零れることはない。したがって、固定基板11の外側まで灯油で汚れることはない。
【0046】この一連の動作においては、可動基板21に指を添えながら可動基板21を全開させることができるので、受け金42などに付着した燃料が、可動基板21の開き動作の勢いで、周囲に飛び散ることを防止できる。また、操作ハンドル26の指操作部38を手前に引く操作力は2〜3Kg程度に設定されており、円滑すなわちスムースな操作を実現できる。この操作力は、操作ハンドル付勢ばね34の反発力や、係止部29が係止溝16を離脱する際の負荷となる爪部62の傾斜面61の寸法により設定できる。
【0047】さらに、可動基板21に設けた指掛け部39により、操作ハンドル26を操作する際に、親指と人差し指の2本の指で摘む操作が可能になり、操作ハンドル26の操作性をさらに円滑なものとすることができる。なお、可動基板21が閉じた状態では、指掛け部39の下端とタンク本体2との隙間は、指が入らない寸法に設定してある。したがって、指掛け部39だけを摘んでタンク本体2を持ち上げることができないようになっており、固定基板11とタンク本体2の結合部に過度な荷重が加わらず、信頼性が向上する。
【0048】その後、受け金42に対して支軸22と反対側にある可動基板21の周辺部に手を掛けながら、可動基板21を下方すなわち固定基板11の方へ引いて回し、図1に示すように、この固定基板11に対して閉じる。このとき、操作ハンドル26の係止部29が固定基板11の爪部62に当接すると、操作ハンドル付勢ばね34の付勢に抗して係止部29が爪部62の上面に沿って移動するのに伴ない、操作ハンドル26は支軸22と反対側に摺動する。さらに、タンク本体2側へ可動基板21を押し付けると、操作ハンドル26の係止部29が固定基板11に形成した係止溝16の導入部17を通って、操作ハンドル付勢ばね34の付勢により爪部62の下方にある係止溝16内に入る。このとき、操作ハンドル26の係止部29が導入部17を過ぎると、爪部62の傾斜面61によって係止部29は直ちに係止溝16の奥側に入り込み、係止手段31の係止ロック性を確実なものとすることができる。また、この係止部29と係止溝16との係合状態は、操作ハンドル付勢ばね33が操作ハンドル26を支軸22の方へ引いていることにより確実に保持される。係止部29が係止溝16の深部に位置していることにより、可動基板付勢ばね23の付勢に抗して可動基板21が固定基板11に対し閉じた状態に確実に保持される。このように可動基板21が閉じた状態では、この可動基板21の受け金42がタンク本体2の口金4に被さり、受け金42のパッキン47が口金4の開口端周縁4aに接し、口金4が閉じられる。しかも、受け金42が受け金付勢ばね46により押されて、パッキン47が口金4の開口端周縁4aに押圧される。
【0049】さらに、カートリッジタンク1を上下反転させて、再び石油ストーブ本体に装着する。この状態で、石油ストーブ本体側の油受け皿に設けられた突起が受け金42の弁体53を弁体付勢ばね55に抗して押すことにより、弁体53が受け金42の通孔52から離れてこの通孔52が開放され、この通孔52を通してタンク本体2内の灯油が石油ストーブ本体側の油受け皿に供給されるようになる。そして、通孔52を有する受け金42は、石油ストーブの運転使用中には石油ストーブ本体側の油受け皿に貯えられる灯油に浸ることになる。しかし、操作ハンドル26を含めて可動基板21は灯油には浸らない。
【0050】以上のように、前記実施例によれば、タンク本体2の給油口部たる口金4を開閉するように、支軸22を中心に軸回動する可動基板21を設け、口金4と可動基板21との間に液密性を有するパッキン47を設けるとともに、口金4に対して支軸22の反対側に開閉手段40を設けた構成を有している。
【0051】この場合、給油に際しては、開閉手段40を利用して、支軸22を中心に可動基板21を回動させてタンク本体2に対し開くことにより、可動基板21をタンク本体2の口金4から離してこの口金4を開き、口金4からタンク本体2内に燃料を供給する。その後、可動基板21を回動させてタンク本体2に対し閉じ、可動基板21により口金4を閉じる。この状態で、口金4と可動基板21との間のパッキン47が口金4に液密に接し、この間からの燃料の漏洩が防止される。
【0052】したがって、灯油のついた口金4に手を触れずに給油作業ができるとともに、口金4を開閉する可動基板がタンク本体2から離れないので、従来のように口金を開けたときに給油キャップの置き場所を探すような必要はない。これとともに、口金4の開閉は、基本的に開閉手段40を利用して、可動基板21を所定角度回して開閉するだけの簡単な操作で行えるので、給油作業の手間が省ける。
【0053】また、可動基板21の開閉手段40がタンク本体2側ではなく可動基板21側に設けられているので、可動基板21を開ける操作時において、開閉手段40の開操作から可動基板21を全開するまでの全操作にわたって、可動基板21に対し指を添えながら操作を行なうことができる。よって、口金4に対向する可動基板21の例えば受け金42に付着した燃料が、可動基板21の開動作による勢いで周辺に飛び散ることがなく、清潔性を保つことが可能になる。
【0054】また、上記の構成において、本実施例では、可動基板21に設けられた凹状の受け金42にパッキン47を取付けている。パッキン47は、タンク本体2内の燃料の液密性を保持するための機能部品であるが、これが受け金42の底部分に位置して取付けられているので、給油の際にパッキン47が接触したり衝突することなく、外部の影響を受けない。よって、パッキン47はキズ付きや変形などが起こりにくく、長期間の使用に渡り良好な液密性を確保できる。
【0055】また、上記の各構成において、本実施例では、可動基板21を開く際に操作する操作部たる操作ハンドル26の操作力を、通常の使用中に作動しない程度から、手動操作により円滑に操作できる範囲内に設定している。この場合、操作ハンドル26の操作力が、通常の使用時に作動する例えば0.5Kg以下の低い力しかない場合は、タンクの運搬時などにおいて、周囲との軽い接触で簡単に可動基板21が開いてしまうため、油が飛散して周囲を汚したりする。逆に、操作ハンドル26の操作力が、手動操作により円滑に操作できない例えば5Kg以上の力となった場合には、操作ハンドル26を手動で円滑に操作することが困難になり、商品性に欠ける。したがって、操作ハンドル26の操作力が上記の範囲内にあれば、使用時に周囲が油で汚れたり、操作ハンドル26が円滑に操作できない不具合を一掃できる。
【0056】また、上記各構成において、本実施例では、可動基板21をタンク本体2に対して閉じた状態に保持する係止手段31と、この係止手段31の係止部29と接触する係止溝26とを備え、この係止溝16は、係止部29が入り込む導入部17より奥に行くに従って、上向きの傾斜面61を形成している。したがって、可動基板21を閉じる操作時において、係止手段31を構成する係止部29が導入部17を過ぎると、係止溝16に形成した傾斜面61によって係止部29は直ちに係止溝16の奥側に入り込み、係止手段31の係止ロック性を確実なものとすることができる。
【0057】また、上記各構成において、本実施例では可動基板21の厚み寸法を略10mmに形成している。この場合、タンク本体2の口金4を開閉するように設けた可動基板21は、タンク本体2の全高に対し略10mmと比較的薄く形成されている。したがって、カートリッジタンク1の高さを必要以上に大きくすることがなく、カートリッジタンク1を収納する製品側の高さ寸法の大型化を抑制できる。
【0058】また、上記各構成において、本実施例では、前記口金4に対向して前記可動基板21に受け金42を設け、受け金42を口金4に付勢する受け金付勢手段たる受け金付勢ばね46を設けるとともに、タンク本体2の内部に加わる圧力が0.5Kg/cm2以上に耐え、かつ、可動基板21を閉操作する際の操作力が5Kg以下になるように、前記受け金付勢ばね46の反発力を設定している。
【0059】この場合、タンク本体2を上下逆にした実際の使用では、タンク本体2の内部に加わる圧力は0.2Kg/cm2以下程度である。したがって、安全率を考慮して、受け金付勢ばね46の反発力を0.5Kg/cm2以上に設定すれば、実際の使用に十分耐えることが可能である。また、可動基板21を閉操作する際の操作力が5Kg以下に設定されていれば、この可動基板21の閉操作を円滑に行なうことができる。
【0060】また、上記各構成において、本実施例では、可動基板21をタンク本体2に対して閉じた状態に保持する係止手段31と、係止手段31の係止を解除して可動基板21を開操作する操作ハンドル26と、係止手段31が係止するように操作ハンドル26を付勢する操作部付勢手段たる操作ハンドル付勢ばね34とを備え、この操作ハンドル付勢ばね34の端部をループ状に形成して、操作ハンドル26に挿通させている。
【0061】この場合、操作ハンドル付勢ばね34の付勢に抗して、操作ハンドル26により可動基板を開操作すると、可動基板21を閉状態に保持する係止手段31の係止が解除され、支軸22を中心に可動基板21を回動することができる。この際に、操作ハンドル付勢ばね34のループ状の端部が、操作ハンドル26に挿通されているので、操作ハンドル26を多少乱暴に操作しても、操作ハンドル付勢ばね34が外れることはなく、その機能を長期間にわたり維持することが可能である。
【0062】また、上記各構成において、本実施例では、可動基板21を開操作する操作ハンドル26を備え、操作ハンドル26に沿った可動基板21の適所にビード63を設けている。
【0063】操作ハンドル26は可動基板21に対し設けられているが、可動基板21の操作ハンドル26に沿った部位すなわち内側面は、操作ハンドル26との接触面積がビード63により極力少なくなっている。よって、可動基板21がわずかに変形した場合に、操作ハンドル26の接触部が可動基板21に広く接触して、操作ハンドル26の動作が不具合になることを防止できる。なお、本実施例では、操作ハンドル26が可動基板21に対し摺動可能に設けられているが、操作ハンドル26が可動基板21に接触し得るものであれば、ビード63による効果を得ることができる。
【0064】また、上記各構成において、本実施例では、可動基板21を開操作する操作ハンドル26と、この操作ハンドル26の近傍にあって、可動基板21の開閉手段40側の側面部に設けた指掛け部39とを備えたものである。
【0065】可動基板21を開操作する際には、操作ハンドル26とこの操作ハンドル26の近傍にある指掛け部39を、例えば人差し指と親指で摘むことにより、操作ハンドル26の操作性をより円滑なものとすることができる。
【0066】また、上記各構成において、本実施例では、口金4の周辺に油受け部15を形成した固定基板11を設け、可動基板21が開放した状態で、この可動基板21の平面上の投影面積を、固定基板11の平面上の投影面積よりも小さくしている。
【0067】可動基板21が開放した状態では、口金4から給油を行なうことができる。このとき、可動基板21の投影面積が固定基板11の投影面積よりも小さくなっているため、給油を行なう際に、可動基板21の口金4に対向する部分(受け金42)などに付着した油が、固定基板11の油受け部15のみならず、固定基板11の周辺のタンク本体1や周囲を汚すことを防止できる。
【0068】また、上記各構成において、本実施例では、前記口金4の周辺に固定基板11を設け、この固定基板11をタンク本体2に固定している。この場合、例えば、複数箇所のねじ止めやスポット溶接などにより、固定基板11をタンク本体2に対し直接固定すれば、固定基板11を比較的広い任意の位置に固定できる。これにより、固定基板11を固定するに当たり高い固定強度が得られ、信頼性が向上する。
【0069】また、上記各構成において、本実施例の特に図9では、パッキン47を口金4に固定している。パッキン47は、タンク本体1内の燃料の液密性を保持するための機能部品であり、わずかな不具合でも燃料漏れにつながるが、可動基板21を開いたときにすぐに視認できる口金4にパッキン47を固定しているので、パッキン47の劣化状況を確認できるとともに、サービスメンテナンスも容易になる。
【0070】また、上記各構成において、本実施例では、口金4の周辺に固定基板11を設け、可動基板21を閉じた状態で、固定基板11と可動基板21からなるユニットの投影面積を、タンク本体2の投影面積よりも小さくしている。
【0071】可動基板21を閉じた状態では、固定基板11と可動基板21からなるユニットの投影面積が、タンク本体2の投影面積よりも小さくなっている。したがって、給油操作後の運搬時などにおいて、外部との接触や衝突があっても、上記ユニットに直接衝撃が加わらない。よって固定基板11や可動基板21の変形に起因する燃料漏れなどを一掃できる。
【0072】なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の燃料タンク装置は、石油ストーブ以外のものにも適用できる。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明の燃料タンク装置は、タンク本体の給油口部を開閉するように、支軸を中心に軸回動する可動基板を設け、前記給油口部と可動基板との間に液密性を有するパッキンを設けるとともに、前記給油口部に対して前記支軸の反対側に開閉手段を設けたものであり、給油に際して手間を省くことができるとともに手を汚さずに済む燃料タンク装置を供給できる。また、可動基板に付着した燃料が、可動基板の開動作による勢いで周辺に飛び散ることがなく、清潔性を保つことが可能になる。
【0074】請求項2の発明は、請求項1の発明の燃料タンク装置において、前記パッキンを前記可動基板に設けられた受け金に取付けたものであり、この場合はさらに、パッキンはキズ付きや変形などが起こりにくく、長期間の使用に渡り良好な液密性を確保できる。
【0075】請求項3の発明は、請求項1または2の発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を開く際に操作する操作部の操作力を、通常の使用中に作動しない程度から、手動操作により円滑に操作できる範囲内に設定したものであり、この場合はさらに、使用時に周囲が油で汚れたり、操作部が円滑に操作できない不具合を一掃できる。
【0076】請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を前記タンク本体に対して閉じた状態に保持する係止手段と、この係止手段の係止部と接触する係止溝とを備え、前記係止溝は、前記係止部が入り込む導入部より奥に行くに従って、上向きの傾斜面を形成したものであり、この場合はさらに、係止手段の係止ロック性を確実なものとすることができる。
【0077】請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板の厚み寸法を略10mmにしたものであり、この場合はさらに、燃料タンク装置全体の高さを必要以上に大きくすることがなく、燃料タンク装置を収納する製品側の高さ寸法の大型化を抑制できる。
【0078】請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部に対向して前記可動基板に受け金を設け、前記受け金を前記給油口部に付勢する受け金付勢手段を設けるとともに、前記タンク本体の内部に加わる圧力が0.5Kg/cm2以上に耐え、かつ、可動基板を閉操作する際の操作力が5Kg以下になるように、前記受け金付勢手段の反発力を設定したものであり、この場合はさらに、パッキンの液密性に関し、実際の使用に十分耐えることが可能になるとともに、可動基板の閉操作を円滑に行なうことができる。
【0079】請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を前記タンク本体に対して閉じた状態に保持する係止手段と、前記係止手段の係止を解除して前記可動基板を開操作する操作部と、前記係止手段が係止するように前記操作部を付勢する操作部付勢手段とを備え、前記操作部付勢手段の端部をループ状に形成して、前記操作部に挿通させたものであり、この場合はさらに、操作部を多少乱暴に操作しても、操作部付勢手段が外れることはなく、その機能を長期間にわたり維持することが可能である。
【0080】請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を開操作する操作部を備え、前記操作部に沿った前記可動基板の適所にビードを設けたものであり、この場合はさらに、可動基板がわずかに変形した場合でも、操作部の動作が不具合になることを防止できる。
【0081】請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記可動基板を開操作する操作部と、この操作部の近傍にあって、前記可動基板の前記開閉手段側の側面部に設けた指掛け部とを備えたものであり、この場合はさらに、可動基板を開操作する際には、操作部とこの操作部の近傍にある指掛け部とを摘むことにより、操作部の操作性をより円滑なものとすることができる。
【0082】請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部の周辺に油受け部を形成した固定基板を設け、前記可動基板が開放した状態で、該可動基板の投影面積を前記固定基板の投影面積よりも小さくしたものであり、この場合はさらに、給油を行なう際に、可動基板の給油口部に対向する部分などに付着した油が、固定基板の油受け部のみならず、固定基板の周辺のタンク本体や周囲を汚すことを防止できる。
【0083】請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部の周辺に固定基板を設け、この固定基板を前記タンク本体に固定したものであり、この場合はさらに、固定基板を固定するに当たり高い固定強度が得られ、信頼性が向上する。
【0084】請求項12の発明は、請求項1から11のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記パッキンを前記給油口部に固定したものであり、この場合はさらに、パッキンの劣化状況を即座に確認できるとともに、サービスメンテナンスも容易になる。
【0085】請求項13の発明は、請求項1から12のいずれかの発明の燃料タンク装置において、前記給油口部の周辺に固定基板を設け、前記可動基板を閉じた状態で、前記固定基板と前記可動基板からなるユニットの投影面積を、前記タンク本体の投影面積よりも小さくしたものであり、固定基板や可動基板の変形に起因する燃料漏れなどを一掃できる。
【出願人】 【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
【出願日】 平成10年10月19日(1998.10.19)
【代理人】 【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
【公開番号】 特開2000−121038(P2000−121038A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−297341