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【発明の名称】 スートブロワ
【発明者】 【氏名】衡田 正吉

【要約】 【課題】スートブロワのランスチューブから噴射された流体のフィンに対する入射角が大きくならないようにして、フィンの変形による熱交換効率の低下や、フィンと伝熱管との溶接部における摩耗量の増加を未然に防止する。

【解決手段】フィン12付きの伝熱管13を配置した煙道11内にランスチューブ16を挿入し且つ該ランスチューブ16の先端部から軸心方向と直角な向きに流体17を噴射して前記伝熱管13に付着した煤塵を除去するようにしたスートブロワ18を、前記伝熱管13のフィン12に対しランスチューブ16の抜き差し方向が略直角を成し且つその抜き差し方向に沿う軸心回りにランスチューブ16を旋回し得るよう構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フィン付きの伝熱管を配置した煙道内にランスチューブを挿入し且つ該ランスチューブの先端部から軸心方向と直角な向きに流体を噴射して前記伝熱管に付着した煤塵を除去するようにしたスートブロワにおいて、前記伝熱管のフィンに対しランスチューブの抜き差し方向が略直角を成し且つその抜き差し方向に沿う軸心回りにランスチューブを旋回し得るよう構成したことを特徴とするスートブロワ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スートブロワに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は石炭焚ボイラの排煙処理設備の一例を表わすものであって、図中1は燃料を燃焼させ蒸気を発生させるボイラ本体、2はボイラ本体1から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去するための脱硝装置、3は脱硝装置2を通過した排ガスとボイラ本体1へ供給される燃焼用空気などの空気とを熱交換させるための空気予熱器、4は空気予熱器3を通過した排ガスから熱を回収するための熱回収器、5は熱回収器4を通過して温度降下した排ガス中に含まれる煤塵を捕集するための電気集塵機、6は誘引通風機、7は排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去するための脱硫装置、8は脱硫装置7を通過した排ガスを熱回収器4で回収した熱によって再加熱するための再加熱器、9は再加熱器8で再加熱された排ガスを大気中へ放出するための煙突である。
【0003】而して、ここに図示される排煙処理設備においては、ボイラ本体1で燃料の燃焼が行われて蒸気が発生され、その際にボイラ本体1から排出される排ガスは、脱硝装置2で窒素酸化物を除去され、空気予熱器3でボイラ本体1へ供給される燃焼用空気などの空気と熱交換され、更に熱回収器4で熱を回収されて温度降下した後、電気集塵機5で煤塵を捕集され、脱硫装置7で硫黄酸化物を除去され、再加熱器8において前記熱回収器4で回収した熱によって再加熱され、煙突9から大気中へ放出されるようになっている。
【0004】尚、前記脱硫装置7で硫黄酸化物が除去されて排出される排ガスは、通常、およそ50[℃]前後まで温度降下して略飽和状態となっており、この脱硫後の排ガスをそのまま煙突9から大気中へ放出すると白煙が発生してしまうため、再加熱器8を用いて脱硫装置7から排出される排ガスを再加熱するようにしているのである。
【0005】前述した如き排煙処理設備に関し、従来における熱回収器4では、主として再生回転式のガスガスヒータが用いられていたが、近年においては、脱硫などの処理を施す前の排ガスがリークして脱硫後の排ガスに混入してしまわないようにフィン付き伝熱管を用いたノンリーク方式のガスガスヒータで熱回収器4を構成するようになってきている。
【0006】図3はノンリーク方式のガスガスヒータとした熱回収器4の一例を示すもので、ケーシング10により図面に対し直角な方向へ延びる煙道11が形成され、この煙道11内に複数本のフィン12付き伝熱管13が配置されて排ガスの流れに晒されるようになっている。
【0007】ここで、前記各伝熱管13は、排ガスの流れを横切るように延び且つ煙道11内を折り返し部分13aを介在しつつ複数回往復するようになっており、しかも、前記排ガスの流れ方向に複数列並んで共通の入口ヘッダ14及び出口ヘッダ15に連通するようにしてあり、更には、これと同じ構成の伝熱管13列が上下方向にも多段に配置されて熱交換部を成すようになっている。
【0008】そして、斯かる熱回収器4は、先に図2で示したように、煤塵を捕集する電気集塵機5の前段に配置されるため、煙道11内にランスチューブ16を挿入し且つ該ランスチューブ16の先端部から軸心方向と直角な向きに流体17を噴射して前記伝熱管13に付着した煤塵を除去するようにしたスートブロワ18を備える必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来における石炭焚ボイラなどへの一般的なスートブロワ18の適用事例としては、スートブロワ18のランスチューブ16の抜き差し方向を伝熱管13の並び方向に向けて極力少ない台数のスートブロワ18で熱交換部全域を網羅し得るように配置したものしかなく、例えば、そのような従来方式を踏襲して図3の熱回収器4に適用した場合に、以下に詳述する如きフィン12の変形や該フィン12と伝熱管13との溶接部の摩耗に関する問題が発生するという不具合が考えられる。
【0010】即ち、スートブロワ18のランスチューブ16の抜き差し方向を伝熱管13の並び方向に向けて配置すると、伝熱管13の長手方向に対しランスチューブ16が略直角な向きに抜き差しされることになり、ランスチューブ16を軸心回りに旋回して該ランスチューブ16の進退動軌道から離れたフィン12へ流体17を噴射した際に(図3中の最も左側に図示したランスチューブ16を参照)、その噴射された流体17のフィン12に対する入射角が大きくなり(90゜に近づき)、流体17を吹き付けられたフィン12に作用する衝撃力が大きくなって該フィン12に変形が生じ、この変形によりフィン12の相互間に煤塵が付着し易くなり且つその除去が困難となって、排ガスと伝熱管13内を流れる媒体との熱交換効率が低下するという問題が起こり、更には、ランスチューブ16から噴射された流体17のフィン12に対する入射角が大きくなるにつれ、該フィン12と伝熱管13との溶接部に対し流体17の噴射流がより直接的に当たるようになる結果、前記フィン12と伝熱管13との溶接部における摩耗量が増加するという問題も起こり得る。
【0011】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、スートブロワのランスチューブから噴射された流体のフィンに対する入射角が大きくならないようにして、フィンの変形による熱交換効率の低下や、フィンと伝熱管との溶接部における摩耗量の増加を未然に防止することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィン付きの伝熱管を配置した煙道内にランスチューブを挿入し且つ該ランスチューブの先端部から軸心方向と直角な向きに流体を噴射して前記伝熱管に付着した煤塵を除去するようにしたスートブロワにおいて、前記伝熱管のフィンに対しランスチューブの抜き差し方向が略直角を成し且つその抜き差し方向に沿う軸心回りにランスチューブを旋回し得るよう構成したことを特徴とするものである。
【0013】このようにすれば、ランスチューブの抜き差し方向を伝熱管のフィンに対し略直角を成すようにしているので、伝熱管の長手方向に対しスートブロワのランスチューブが沿うように抜き差しされることになり、その抜き差し方向に沿う軸心回りにランスチューブを旋回した場合に、その旋回軌道はフィンと略平行な面内に描かれることになる。
【0014】そして、ランスチューブの旋回位置に拘らず、該ランスチューブから噴射される流体のフィンに対する入射角が小さく維持されるので、流体を吹き付けられたフィンに作用する衝撃力が小さく抑えられて該フィンに変形が生じなくなり、フィンと伝熱管との溶接部における摩耗も抑制されることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】図1は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0017】本形態例においては、伝熱管13のフィン12に対しランスチューブ16の抜き差し方向が略直角を成し且つその抜き差し方向に沿う軸心回りにランスチューブ16を旋回し得るようスートブロワ18を構成してある。
【0018】即ち、図示する例におけるスートブロワ18は、先端部に自身の軸心方向と直角な向きに流体17の噴射口19を開口したランスチューブ16を伝熱管13の長手方向に沿う方向へ進退動し得るよう装備して煙道11外に配置されており、熱回収器4のケーシング10に開口した挿通孔10aを通して前記ランスチューブ16を煙道11内へ抜き差しするようにしてある。
【0019】ここで、前記ランスチューブ16は、支持架台20上に設置されたボックス型のビーム21内に収容され、ポペットバルブ22を介し蒸気や空気などの流体17を後端に供給されるようにした固定のフィードチューブ23に対し摺動自在に外嵌されており、このフィードチューブ23とビーム21前端のフロントサポート24とにより支持されるようになっている。
【0020】また、前記ランスチューブ16の後端には、前記フィードチューブ23を気密に且つ摺動自在に貫通せしめるようにしたキャリッジ25が装着されており、該キャリッジ25に一体的に組み付けられたモータ26により、前記ビーム21内天井面のラック27と噛合した駆動ピニオン28が前記キャリッジ25内部のギヤ機構を介し回転駆動されて前記キャリッジ25がランスチューブ16と共に進退動するようにしてあり、しかも、その進退動に際しギヤ機構を介して前記ランスチューブ16が軸心回りに旋回されるようになっている。
【0021】而して、このようにすれば、ランスチューブ16の抜き差し方向を伝熱管13のフィン12に対し略直角を成すようにしているので、伝熱管13の長手方向に対しスートブロワ18のランスチューブ16が沿うように抜き差しされることになり、その抜き差し方向に沿う軸心回りにランスチューブ16を旋回した場合に、その旋回軌道はフィン12と略平行な面内に描かれることになる。
【0022】そして、ランスチューブ16の旋回位置に拘らず、該ランスチューブ16から噴射される流体17のフィン12に対する入射角が小さく維持されるので、流体17を吹き付けられたフィン12に作用する衝撃力が小さく抑えられて該フィン12に変形が生じなくなり、フィン12と伝熱管13との溶接部における摩耗も抑制されることになる。
【0023】従って、上記形態例によれば、ランスチューブ16から噴射された流体17のフィン12に対する入射角を小さく維持することができるので、フィン12の変形によりフィン12相互間に煤塵が付着して熱交換効率が低下することを回避でき、しかも、フィン12と伝熱管13との溶接部における摩耗量を減少させることもできる。
【0024】尚、本発明のスートブロワは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、熱回収器以外にも再加熱器などの各種の熱交換器に適用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】上記した本発明のスートブロワによれば、ランスチューブから噴射された流体のフィンに対する入射角を小さく維持することができるので、フィンの変形によりフィン相互間に煤塵が付着して熱交換効率が低下することを回避でき、しかも、フィンと伝熱管との溶接部における摩耗量を減少させることもできるという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年4月16日(1999.4.16)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2000−304238(P2000−304238A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−109409