| 【発明の名称】 |
燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 誠
【氏名】板谷 真積
【氏名】原田 裕昭
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| 【要約】 |
【課題】脱塩残渣中のダイオキシン類を分解・除去し、処理系内に濃縮したり系外への放出を防止ぎ、自然環境に悪影響を与えないように脱塩残渣を処理する。
【解決手段】燃焼排ガスGaを排ガス処理手段13で脱塩処理すると、ダストや有害重金属を含む脱塩残渣22が排出され、400〜600℃で加熱してダイオキシン類を分解除去した後、水を加え、非水溶性成分は固液分離後、溶融炉1で有害重金属の殆ど溶出しないスラグ6にする。残りの水溶性成分を含む脱塩残渣22aの水溶液26にPH調整剤27を投入し、PH調整後の重金属等の固形物30は溶融炉1で溶融スラグ6にする。沈殿槽28の上水液29は無害な塩化ナトリウム水溶液となり放流される。脱塩残渣中のダイオキシン類を加熱分解し、水溶液中の非水溶性成分や固形物はスラグ化し、非水溶性成分を分離した水溶液はPH調整後に放流するので自然環境も保護する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 焼却炉または溶融炉から排出される燃焼排ガスを除塵後、該燃焼排ガス中に脱塩剤を投入し、該脱塩剤を前記燃焼排ガス中の塩化水素と反応させて生成した脱塩残渣を排出するようにした燃焼排ガス処理方法において、前記脱塩残渣をダイオキシン類が分解し得る温度に加熱し、ダイオキシン類を分解した脱塩残渣を水に溶かして、溶解性成分を溶出させて水溶液となし、該水溶液中の非水溶性成分を分離し、該非水溶性成分を溶融することを特徴とする燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。 【請求項2】 前記脱塩残渣を、400〜600℃の範囲から選ばれた温度に加熱して、ダイオキシン類を分解するようにした請求項1に記載の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。 【請求項3】 前記脱塩残渣の加熱を行う加熱装置の出口排ガスの酸素濃度が、5〜20vol%になるように、前記加熱装置に導入する空気量を制御するようにした請求項1または2に記載の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。 【請求項4】 前記非水溶性成分を、焼却炉に付帯して設置された溶融炉に供給し、溶融して溶融スラグとして排出するようにした請求項1に記載の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。 【請求項5】 前記非水溶性成分が分離された水溶液をPH調整後、系外へ放出するようにした請求項1に記載の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。 【請求項6】 前記水溶液をPH調整後、該水溶液から分離された非水溶性成分を溶融させるようにした請求項1記載の燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、焼却や溶融により発生する燃焼排ガスを脱塩処理することにより生成する脱塩残渣中のダイオキシン類や重金属等の有害成分を効果的に除去する脱塩残渣の処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】廃棄物(家庭やオフィスなどから出される都市ごみなどの一般廃棄物、廃プラスチック、カーシュレッダーダスト、廃オフィス機器、電子機器、化成品等の産業廃棄物など、可燃物を含むもの)を焼却炉(ストーカー炉、流動床焼却炉など)や溶融炉(溶融または燃焼溶融を行う、溶融炉、燃焼溶融炉、ガス化溶融炉)により、焼却または溶融(燃焼溶融)させることにより発生する燃焼排ガス中には、有害な塩化水素を多量に含んでいるため、この燃焼排ガスを脱塩処理し塩化水素を除去した後、大気中へ放出している。 【0003】前記脱塩処理では、一般に、消石灰(水酸化カルシウム:Ca(OH)2)、生石灰(酸化カルシウム:CaO)等のカルシウム系脱塩剤を使用する方法と、重曹(重炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム:NaHCO3)、ソーダ灰(無水炭酸ナトリウム:Na2CO3)等のナトリウム系脱塩剤を使用する方法のいずれかが行われている。 【0004】特開平2−214525号公報には、カルシウム系脱塩剤を燃焼排ガスと反応させ、生成された反応生成物(脱塩残渣)を溶解させ、この溶解液にキレート剤等の重金属封鎖剤を投入し、溶解液中の重金属を分離し系外へ排出するとともに、重金属が分離された溶解液から更に塩化カルシウムを晶析させる方法が開示されている。 【0005】一方、特開平7−504880号公報には、ナトリウム系脱塩剤を燃焼排ガスと反応させ、これにより生成した脱塩残渣(反応生成物)に含まれる重金属成分を除去する方法が開示されている。この発明は、脱塩残渣を水と混濁させて水溶液となし、この水溶液から非水溶性成分を分離した後、水溶性成分をキレート樹脂と反応させ、重金属成分を除去した水溶液を系外へ放流する方法に関するものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記2つの発明では、脱塩残渣中に含まれる重金属の分離除去はなされているが、脱塩残渣中に含まれるダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、コプラナPCB等)の分解除去対策は講じられていない。 【0007】脱塩残渣の水溶液のうち、非水溶性成分(固形分)は、通常、埋立処分等の処理がなされ、脱塩残渣中に含まれるダイオキシン類は土中に蓄積されることになり、一方、前記非水溶性成分を分離(もしくは、前記非水溶性成分を分離した後、さらに重金属等の固形物を除去)した水溶液は、ダイオキシン類が含有したまま系外へ放流され、河川、湖沼または海洋等にダイオキシン類が蓄積されることになる。 【0008】近年、廃棄物焼却処理施設や廃棄物溶融プラント等で生成するダイオキシン類の系外排出による環境汚染が問題となり、これら施設におけるダイオキシン類の排出規制が一段と厳しくなっている。 【0009】本発明の課題は、脱塩残渣に含まれるダイオキシン類を分解・除去する方法を確立し、廃棄物処理系内にダイオキシンが濃縮したり、系外へ放出されたりすることがなく、自然環境に悪影響を与えないように脱塩残渣を処理することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記したような従来の問題点を解決するためになされたものであって、焼却炉または溶融炉から排出される燃焼排ガスを除塵後、該燃焼排ガス中に脱塩剤を投入し、該脱塩剤を前記燃焼排ガス中の塩化水素と反応させ、生成した脱塩残渣を排出するようにした燃焼排ガス処理方法において、前記脱塩残渣をダイオキシン類が分解し得る温度に加熱し、該ダイオキシン類を分解後の脱塩残渣を水に溶かし溶解性成分を溶出させて水溶液となし、該水溶液中の非水溶性成分を分離し、該非水溶性成分を溶融するようにした燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法を提供する。 【0011】かかる燃焼排ガス処理における脱塩残渣の処理方法によれば、燃焼排ガス中に投入された脱塩剤は燃焼排ガス中の塩化水素と反応し、脱塩残渣が生成され、この脱塩残渣を加熱してダイオキシン類を分解除去した後、水に溶かし水溶液とする。 【0012】そして、この水溶液のうち、非水溶性成分を溶融(燃焼溶融)し、溶融スラグとして排出し建材や舗装材として再利用することができ、埋立処分する必要がなくなる。加えて、非水溶性成分を分離した水溶液はダイオキシン類が分解除去されているため、これを放流しても、公害を起こす恐れがなくなる。 【0013】脱塩残渣は、400〜600℃に加熱して分解するのがよい。また、脱塩残渣の加熱は加熱装置で行い、この加熱装置の出口排ガスの酸素濃度が、5〜20vol%になるように加熱装置に導入する空気量を制御するのがよい。 【0014】水溶液から分離された非水溶性成分は、焼却炉(もしくは燃焼炉)に付帯して設置された溶融炉か、または燃焼溶融炉に供給され、高温域で溶融され溶融スラグとされ、一方、この非水溶性成分が分離された水溶液はPH調整された後、放流される。また、PH調整された後の水溶液から非水溶性成分を分離し、この非水溶性成分を溶融し溶融スラグとして排出する。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態を説明するための構成図である。図1に示すように、溶融または燃焼溶融を行う溶融炉1で発生した燃焼排ガスGaは、廃熱ボイラ3により熱回収された後、排ガス流路10を通って第1の排ガス処理手段(例えば、バグフィルター、電気集塵器、サイクロン、セラミックフィルターなど)11で、飛灰等のダストDが除去される。 【0016】その後、さらに排ガス流路12を通って、第2の排ガス処理手段(例えば、バグフィルター、電気集塵器、サイクロン、セラミックフィルター、反応装置、脱塩処理装置など)13で脱塩処理が行われ、浄化された後、排ガスGbは誘引送風機18により誘引され、必要に応じて空気19および灯油20の燃焼ガスにより排ガス温度を上昇させ、クリーンな煙道ガスとなって煙突21から排出される。 【0017】なお、前記ダストDは溶融炉へ戻され、溶融される。また、廃熱ボイラ3で発生させた蒸気は、発電機8の蒸気タービンに送られて発電し、廃棄物処理施設内で利用するか、もしくは電力会社等へ売電する。 【0018】このとき、排ガス流路12には、第2の排ガス処理手段13で脱塩処理するために、例えばナトリウム系脱塩剤単独、あるいはSi系固結防止剤と混合した重曹(ナトリウム系脱塩剤)15が、供給路17を介して排ガス流路12に供給される。なお、本実施形態では、乾式脱塩処理、すなわち粒状の脱塩剤を排ガス流路12に供給した場合について説明している。 【0019】前記脱塩処理により、第2の排ガス処理手段13からは、燃焼排ガス中の塩化水素(HCl)と反応して生成した塩化ナトリウム(NaCl)、飛灰等のダスト、未反応の重曹(脱塩剤)、ならびに鉛、カドミウム等の有害な重金属などからなる脱塩残渣22として排出される。 【0020】そして、この脱塩残渣22を加熱装置23に導入して加熱する。加熱装置23では、脱塩残渣22中のダイオキシン類を分解し得る温度である400℃〜600℃、好ましくは430℃〜500℃で加熱する。加熱装置による脱塩残渣の加熱温度が600℃を超えると、Cl分等による加熱装置の腐食対策が必要になり、加熱温度が400℃未満になると、ダイオキシン類の除去率が低下する等の問題がある。 【0021】また、加熱装置22は、実装置においては、脱塩残渣を1〜30分、好ましくは5〜15分間、加熱する。1分未満ではダイオキシン類の除去が十分行われず、また、30分を越えてもダイオキシン類の除去率に変化はない。 【0022】図3は、加熱装置23の概略図であり、加熱装置23は、電気加熱方式または燃料加熱方式による加熱部23aと複数の内筒23bとから成る多筒型のロータリーキルンであり、定量供給装置23cによって、第2の排ガス処理手段13から供給される脱塩残渣22を導入し400℃以上に加熱し、出口フード23gから排出される。このダイオキシン類分解後の脱塩残渣22aに水が加えられて水溶液が生成され、濾過手段24へ送られる。 【0023】図4に示すように、各内筒23bは、脱塩残渣22を短時間で均一に加熱するため、内壁面に複数の攪拌翼23dを備えている。 【0024】また、図3に示すように、空気加熱器23eによって20〜200℃に加熱された加熱空気が、定量供給機23cに供給されるようになっている。空気加熱器としては、例えば、ヒーターを内蔵した空気加熱器、熱交換器もしくは油、ガス等の燃料燃焼方式が好ましい。また、空気を導入するため、ブロワー23fが用いられている。 【0025】加熱装置23の出口部に設けた出口フード23gの後方には、吸引ブロワー23hが設けられ、加熱装置23内のガス(脱塩残渣22中の水分が加熱により蒸発した水蒸気など)は溶融炉1に強制的に排出している。 【0026】また、出口フード23gと吸引ブロワー23hとの間の排ガス管23jに設けた酸素濃度検出器23kによって、加熱空気供給管23mのバルブ23pをコントロールし、加熱装置23出口排ガスの酸素濃度が5〜20vol%になるように、加熱装置23に導入する空気量を制御するようになっている。 【0027】図1に示すように、ダイオキシン類分解後の脱塩残渣22aに水が加えられ、水溶液が生成されると、脱塩残渣22a中の水溶性成分は水に溶けるが、非水溶性成分は水溶液中で懸濁物として存在している。懸濁物は、燃焼排ガス中の塩化水素(HCl)と反応して生成した塩化ナトリウム(NaCl)、飛灰等のダスト、未反応の脱塩剤、重金属などからなる。このとき、前記水溶液にキレート樹脂等の重金属除去剤を投入し、鉛、カドミウム、鉄等の重金属を分離するのが好ましい。 【0028】この水溶液を固液分離装置、例えば、遠心分離器、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機、真空脱水機、膜分離器等の分離手段24に導入することにより、非水溶性成分である懸濁物25が水溶液から分離される。 【0029】分離手段24で分離された懸濁物25は、溶融炉1に戻され、溶融炉1内で1,200℃〜1,500℃、好ましくは1,250〜1,400℃、本実施形態では1,300℃前後の高温で溶融(もしくは燃焼溶融)が行われ、懸濁物25は溶融スラグとなる。 【0030】溶融炉1下部のスラグ排出口5から排出されたスラグ6は、水槽、水噴霧装置(図示せず)等のスラグ冷却手段7に落下し、急速に冷却し固形化され水砕スラグとなる。水砕スラグは、粒状に形成されるか、図示しない装置により所定の形状にブロック化され、建材、舗装材等として再利用することができる。 【0031】スラグは、酸化珪素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、アルミナ(Al2O3)等から成る非晶質物質であり、そのため、スラグ中に含まれる有害な重金属(鉛、カドミウム等)は溶出する恐れがほとんどなく、長期に安定した状態を保つことができる。したがって、水砕されたスラグを建材、舗装材等として再利用しても、自然環境に与える悪影響はない。 【0032】分離手段24で懸濁物25が取り除かれた水溶液26中には、脱塩残渣22aの水溶性成分が含まれており、この水溶液26にPH調整剤(例えば、塩酸、硫酸等)27を投入し、水溶液26中に含まれる脱塩残渣22aの水溶性成分に含まれる微量の重金属をPH調整し、沈殿槽28で攪拌混合させる。 【0033】このとき、水溶液26中の重金属等の固形物は水溶液26から沈降分離させる。沈殿槽28中の上水液29は、固形物30と分離され無害な塩化ナトリウム水溶液となって放流するので、環境汚染等の問題が生じる恐れがない。なお、上水液(塩化ナトリウム水溶液)を回収して、系外の塩化ナトリウム再生処理施設で、塩化ナトリウムとして再生利用してもよい。 【0034】一方、PH調整により水溶液から分離された重金属等の固形物30は、沈殿槽28下部から抜き出し燃焼溶融炉1に供給され、溶融され溶融スラグ6となり、燃焼溶融炉1下部のスラグ排出口5から排出され、スラグ冷却手段7に落下し、急速に冷却し固形化され水砕スラグとなる。 【0035】このように、本実施形態では、脱塩残渣に含まれるダイオキシン類を加熱装置で分解し、水を加え水溶液とした後、この水溶液のうち、非水溶性成分や固形物は燃焼溶融炉でスラグ化され、無害な物質として再利用されるとともに、非水溶性成分が分離された水溶液は、含有する塩化ナトリウムをPH調整した後、放流されるので自然保護の観点からも役立つ。 【0036】なお、前記実施形態では、ナトリウム系脱塩剤の場合について説明したが、カルシウム系脱塩剤を使用しても、前記実施形態と同様の作用効果が得られるのは言うまでもない。 【0037】次に、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図2は、例えば、ストーカー炉、流動床ごみ焼却炉などの既設または新設の焼却炉100を備えた廃棄物処理施設に、溶融もしくは燃焼溶融を行う溶融炉101を付設して設置した構成図である。なお、図2において、図1と同符号のものは、図1と同様の装置から成り、図1と同様の機能および作用効果を有する。 【0038】焼却炉100から排出された燃焼排ガスGkは、排ガス流路102を通って第1の排ガス処理手段11でダストDAが除去された後、第2の排ガス処理手段13で脱塩処理が行われ、浄化された排ガスGmは煙突21から排出される。 【0039】前記ダストDAは溶融炉101に戻され、溶融される。そして、溶融スラグ106となって溶融炉101底部のスラグ排出口105より排出され、スラグ冷却手段107に落下し水砕スラグとなる。また、前記第1の実施形態と同様に、懸濁物25、固形物30も、溶融炉101に送られ、溶融される。 【0040】これにより、ストーカー炉、流動床焼却炉、多段汚泥焼却炉などの既設の焼却炉を備えた廃棄物処理施設においても、脱塩残渣中に含まれるダイオキシン類を加熱装置により分解除去することができる。さらに、脱塩残渣を水に溶かした水溶液中の非水溶性成分は、溶融炉に戻されスラグとなり、建材や舗装材として利用でき、非水溶性成分を分離した水溶液は無害化され放流されるので、環境に対する悪影響を及ぼす恐れがない。 【0041】次に、本発明の第3の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図5は、廃棄物処理装置50の系統図である。廃棄物処理装置50において、破砕機52は受入れヤードに配置された、例えば二軸剪断式、三軸剪断式等の破砕機で、都市ごみ等の廃棄物aは第1のコンベア51により破砕機52に供給され、ここで例えば150mm角以下に破砕される。 【0042】この破砕された廃棄物aは第2のコンベア53により投入され、スクリューフィーダ54を経て熱分解反応器55に供給される。この熱分解反応器55は例えば横型回転ドラムが用いられ、図示しないシール機構によりその内部は低酸素雰囲気に保持されると共に、燃焼溶融炉63の後流側に配置された熱交換器68により加熱された加熱空気がラインL1から供給される。 【0043】この加熱空気により熱分解反応器55内に供給された廃棄物aは、300〜600℃、好ましくは400〜550℃に、本実施例では450℃程度に加熱される。これによって、この廃棄物aは熱分解され、乾留ガスG1と、主として不揮発性の熱分解残留物bとを生成する。そして、この熱分解反応器55内で生成された乾留ガスG1と熱分解残留物bとは排出装置56により分離され、乾留ガスG1は熱分解ガス配管であるラインL2を経て燃焼溶融炉63のバーナ62に供給される。 【0044】熱分解残留物bは、おおむね可燃分、灰分、金属、ガレキ等から構成されているが、450℃程度の比較的高温で排出されるため、冷却装置57により80℃程度に冷却された後、熱分解残留物分離装置58に導かれ、ここで燃焼性成分Cと不燃焼性成分Dとに分離される。分離装置58は、例えば磁選式、遠心式または風力選別式の公知の分別機が使用される。分離装置58により不燃焼性成dが分離、除去された燃焼性成分cは、粉砕機60に供給される。粉砕機60はロール式、チューブミル式、ロッドミル式、ボールミル式等が適当であり、被処理廃棄物の性状により適宜選択される。 【0045】そして、この粉砕機60において燃焼性成分cは、好ましくは全て1mm以下に粉砕され、この粉砕された燃焼性成分cは、ラインL3を経て燃焼溶融炉63のバーナ62に供給される。一方、送風機61によりラインL4から供給された燃焼用空気、ならびに熱分解ガスG1と燃焼性成分cとは燃焼溶融炉63内で1300℃程度の高温域で燃焼され、この燃焼により燃焼性成分cより発生した灰は溶融し溶融スラグfを生成する。 【0046】不燃焼性成分dは一旦、コンテナ等のホッパ59に貯留された後、粉砕機64で1mm程度に破砕され加熱器65を経て燃焼溶融炉63の下部へ供給してもよい。また、燃焼溶融炉63内で溶融された被処理物は、溶融(燃焼溶融)され溶融スラグfとなりスラグ排出口66から水槽67中に落下し水砕スラグとなる。 【0047】このような廃棄物処理装置の燃焼溶融炉63で発生した燃焼排ガスG2は、熱交換器68で熱回収され、さらに、必要に応じ、ラインL6から廃熱ボイラ69により熱回収された後、第1の排ガス処理器71によりダスト72を集塵した後、第2の排ガス処理器73で脱塩処理され、脱塩残渣74を排出した後、低温のクリーンな排ガスG3となり、誘引送風機75を経て煙突76から大気へ放出される。なお、廃熱ボイラ69で発生させた蒸気は、発電器70の蒸気タービンへ送られて発電し、廃棄物処理装置50内で利用されるか、または売電される。 【0048】本実施の形態では、第2の排ガス処理器73の前段で、排ガス中の塩化水素を除去する脱塩剤として、粉砕したナトリウム系脱塩剤78が投入され、燃焼排ガスG2中の塩化水素と反応し脱塩残渣74として第2の排ガス処理器73から排出される。この脱塩残渣74は加熱装置80に導入され、ここで加熱されてダイオキシンが分解される。 【0049】次に、ダイオキシンが分解された脱塩残渣74に水が加えられ、その水溶液は、例えば、遠心分離器、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機、真空脱水機、膜分離器等の固液分離装置81に導入される。これによって、脱塩残渣74中の非水溶性成分が水溶液から分離され、その分離された非水溶性成分はラインL10を介して溶融炉63のバーナ62に戻され、溶融炉63内で燃焼・溶融されてスラグ化する。固液分離装置81で非水溶性成分が取り除かれた水溶液は、PH調整した後、放流される。 【0050】<実験例1>脱塩残渣中のダイオキシン類の分解の反応機構を把握するため、溶融炉の脱塩残渣の試料を質量分析検出器付流通固定床小型反応器(1〜3cc)に充填し、ダイオキシン類の分解を模擬する物質として、O−クロロフェノール(以下、CPと称する)をパルス注入し、その分解挙動により評価を行った。 【0051】酸素濃度の影響把握のため、反応温度を450℃、加熱時間1分間、酸素濃度を、0vol%、3vol%、5vol%、8vol%、12vol%、15vol%、20vol%、25vol%の8段階に変化させ、有機塩素化合物分解反応中の酸化分解の割合を求めた。 【0052】その結果を「表1」に示す。この「表1」から酸素濃度が8〜15vol%になると、有機塩素化合物分解反応中の酸化分解が90%以上になることが分かった。また、酸素濃度が3vol%以下では酸化分解率が低下し、20vol%を超えても酸化分解率に大きな変化はなかった。なお、酸化分解による比率は、CPを指数物質として、未反応のCP量およびCO2、H2O量の収支により求めた。 【0053】 【表1】
【0054】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、脱塩残渣をダイオキシンが分解し得る温度に加熱し、ダイオキシンを分解した後、水を加えた水溶液とし、この水溶液のうち非水溶性成分は、溶融炉に戻して燃焼溶融しスラグ化され再利用できるので、脱塩残渣を埋立処分する必要がなくなる。 【0055】また、ダイオキシンを分解しているので廃棄物処理装置の系内にダイオキシンが濃縮する恐れがなく、さらに、系外へ放出される恐れもない。しかも、非水溶性成分を取り除いた水溶液は、ダイオキシンを分解した後の脱塩残渣中の水溶性成分であり、この水溶液に含まれる塩化ナトリウムはPH調整された後、放流するので、自然環境に与える悪影響もない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005902 【氏名又は名称】三井造船株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月28日(1999.9.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098017 【弁理士】 【氏名又は名称】吉岡 宏嗣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−171025(P2000−171025A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−274682 |
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