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【発明の名称】 被処理物の加熱処理装置と被処理物の前処理方法
【発明者】 【氏名】柏木 佳行

【氏名】吉岡 信行

【要約】 【課題】家庭、企業から廃棄される廃棄物は、分別廃棄、分別回収が行われている。これらを乾留処理する場合、分別された廃棄物は資質が異なるので、例えば分別収集された木材の処理、一般ゴミの処理を別々に処理しようとすると、その都度処理条件を変えて別々の日に行うことになり安定した処理運転を保証する上で障害となっている。

【解決手段】分別回収した被処理物を別々に破砕手段1で破砕して別々の貯留手段2,3に貯留し、これを混合手段5で所定の割合で混合し、資質を安定なものとして貯留手段8に一旦貯留し、搬送手段9で加熱処理装置に供給する。処理剤は混合手段5の前か、加熱処理装置の供給口に添加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被処理物を被処理物供給手段を介して加熱処理炉内に供給し、該加熱処理炉内にて外部加熱手段により加熱処理して被処理物を減容化するとともに、加熱処理炉内で発生した分解ガスを排ガス燃焼手段により燃焼処理して排出するようにした被処理物の加熱処理装置において、前記被処理物供給手段は、被処理物を破砕する破砕手段と、該破砕手段により資質により分別破砕された被処理物を分別貯留する複数の貯留手段と、これら貯留手段から被処理物を所定の割合で取り出すとともに混合する混合手段と、混合した被処理物を前記加熱処理炉に導入する搬送手段を備えたことを特徴とする被処理物の加熱処理装置。
【請求項2】 混合手段は回転円筒体からなり、内部に被処理物を入口側から出口側に撹拌しながら移動させる送り羽根を備えたことを特徴とする請求項1記載の被処理物の加熱処理装置。
【請求項3】 混合手段の入口側に脱塩素剤を供給する処理剤供給手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の被処理物の加熱処理装置。
【請求項4】 混合手段で混合した被処理物を貯留する混合物貯留手段を設け、該混合物貯留手段から搬送手段で加熱処理炉に被処理物を供給するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3のいずれか1項に記載の被処理物の加熱処理装置。
【請求項5】 加熱処理炉の供給口側に、混合した被処理物に脱塩素剤を混合させる処理剤供給手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の被処理物の加熱処理装置。
【請求項6】 被処理物を前処理をした後、加熱処理炉内に供給し、該加熱処理炉内にて外部加熱手段により加熱処理して被処理物を減容化するとともに、加熱処理炉内で発生した分解ガスを排ガス燃焼手段により燃焼処理して排出するようにした被処理物の加熱処理における前処理方法であって、該前処理は、被処理物を分別された被処理物別に破砕する工程と、分別され破砕された被処理物を各別の貯留手段に貯留する工程と、これら各貯留手段から被処理物を所定の割合で導出して混合する工程と、混合した被処理物を前記の加熱処理炉に投入する工程とからなることを特徴とする被処理物の前処理方法。
【請求項7】 各貯留手段から被処理物を導出して混合する工程中に、脱塩素剤を混合する工程を付加したことを特徴とする請求項6記載の被処理物の前処理方法。
【請求項8】 各貯留手段から被処理物を導出して混合する工程で混合した被処理物を、一旦貯留する混合物貯留工程を有することを特徴とする請求項6又は7記載の被処理物の前処理方法。
【請求項9】 混合した被処理物を加熱処理炉に投入する工程中に脱塩素剤を混合する工程を付加したことを特徴とする請求項6又は8記載の被処理物の前処理方法。
【請求項10】 脱塩素剤は、アルカリ物質であることを特徴とする請求項6,7,8,9のいずれか1項に記載の被処理物の前処理方法。
【請求項11】 アルカリ物質は、アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合物であることを特徴とする請求項10記載の被処理物の前処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の廃棄物等の被処理物を加熱処理して減容化処理する被処理物の加熱処理装置と、加熱処理する前処理工程としての被処理物の前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭とかオフィスから排出される一般廃棄物およびいろいろな種類の産業廃棄物は年々増加し、その処理対策が問題となっている。
【0003】これらの廃棄物中の可燃性のものは焼却炉で焼却処理するか、又は加熱処理して減容化する方法等により処理されている。
【0004】被処理物を加熱処理する場合には、回転ドラム(ロータリーキルン)内に被処理物を挿入して、回転ドラム内を加熱しながら移動して加熱処理することが一般的に行われている。
【0005】しかし、産業廃棄物や一般廃棄物等の各種廃棄物は多量の有機性物質(ハロゲン物質)を含有しており、これを被処理物として加熱処理すると、各種の有害物質(例えば、塩化水素,ダイオキシン類)が析出して排ガス中に含まれていることは広く知られており、この排ガスを大気中にそのまま排出することはできないので、大気中に排出する前段階で排ガスの浄化処理を行うこと(排出の抑制)が一般に行われる。
【0006】この排ガスの浄化装置として一般的な装置として、特開平8−108026号などに示されているバグフィルタ装置がある。この装置は、排ガスの浄化剤として消石灰を使用して排ガス中の塩化水素,ダイオキシン類を除去するようにしている。
【0007】また、加熱処理により多量に発生した塩化水素は、苛性ソーダなどで中和するか、塩酸にして回収することも一般に行われている。
【0008】しかし、排ガス処理のための、バグフィルタで使用した消石灰粉末、排ガス中の飛灰,焼却残渣(焼却灰等)などの、排ガス以外の物にも塩素系ガス成分は付着・吸着されて、猛毒のダイオキシン類を生成してしまうことが知られている。
【0009】一方、本願の出願人は、ハロゲン物質である有機塩素化合物(塩化水素)が、従来の「排出の抑制」でなく「発生の抑制」を行うことで、塩化水素などの有害物質の発生を抑制し、排ガスの無害化と残渣の無害化、塩素による処理装置の損傷の低減を行うことを提案している。
【0010】即ち、被処理物にアルカリ物質の脱塩素剤を添加混合して所定の温度で加熱することで塩化水素を分解析出させると同じに、添加混合している脱塩素剤と接触反応させて無害な塩化物に置換生成する技術を見出し、既に、特開平9−155326号,特開平10−43713号,特開平10−235186号,特開平10−235187号などで提案し、更に、脱塩素剤を多孔質化して接触反応する面積を増加させて反応効果を高めた脱塩素剤も提案している(特開平10−193844号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の本願の出願人に係る発明は、廃棄物の被処理物から塩素系ガス等の有害成分を分解析出し、この析出した有害成分とアルカリ物質の脱塩素剤とを接触反応させて無害な塩化物を形成し、発生する分解ガスと残渣の減容化までの一連の過程における各工程を有益的に結合し、熱源の有効利用をはかることなどによって処理装置全体として高効率で安全な施設が得られるなどの優れた効果を奏するが、脱塩素剤を添加して加熱処理によって無害化処理する場合、被処理物は有機性物質を多量に含むもの、また少量きり含まないもの等まちまちで資質が一定していないため、反応環境(脱塩素剤との混合状態、反応時間)を特定することができず、処理中に一時的に反応不足を生ずる場合がある。反応不足を生ずると、有害成分の完全な除去ができなくなる。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、被処理物の資質を一定なものとして未反応現象を防止し有害成分の完全な除去を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】近年、各家庭および各企業で廃棄物を廃棄する場合、木材、一般ゴミ(燃えるゴミ)又はプラスチック類等に分別して廃棄し、これを分別回収するシステムが定着している。
【0014】この分別された廃棄物(被処理物)を処理する場合、焼却炉で燃焼する場合は、分別回収された被処理物を分別した状態、又は混合して焼却することが可能であるが、焼却炉での焼却では不完全燃焼が生ずるとダイオキシン類が発生することが知られており問題視されている。
【0015】また乾留等の加熱処理を行って、発生したガスと処理剤とを反応させて無害化処理する場合は、分別回収した趣旨を生かすには、分別した被処理物を夫々別々の加熱処理炉で処理するか、または、処理日を分けて夫々別の日に処理する必要がある。この場合は処理条件(温度、時間、処理剤の添加量等)を変える必要があり、条件設定を誤ると、有害成分を多量に発生する危険がある。
【0016】本願の発明者らは、このように現況を踏まえ、被処理物の分別廃棄、分別回収システムにおける被処理物の加熱処理に適合し、且つ被処理物の加熱処理を効果的に行う前処理方法を実現した。
【0017】具体的手段は、被処理物を被処理物供給手段を介して加熱処理炉内に供給し、該加熱処理炉内にて外部加熱手段により加熱処理して被処理物を減容化するとともに、加熱処理炉内で発生した分解ガスを排ガス燃焼手段により燃焼処理して排出するようにした被処理物の加熱処理装置において、前記被処理物供給手段は、被処理物を破砕する破砕手段と、該破砕手段により資質により分別破砕された被処理物を分別貯留する複数の貯留手段と、これら貯留手段から被処理物を所定の割合で取り出すとともに混合する混合手段と、混合した被処理物を前記加熱処理炉に導入する搬送手段を備えたことを特徴とする。
【0018】前記の混合手段は、回転円筒体からなり、内部に被処理物を入口側から出口側に撹拌しながら移動させる送り羽根を備え、また混合手段の入口側に脱塩素剤を供給する処理剤供給手段を設けるを好適とする。但し、この処理剤供給手段は加熱処理炉の供給口側に設ける場合には必要としない。
【0019】また、前記の混合手段で混合した被処理物を貯留する混合物貯留手段を設け、該混合物貯留手段から搬送手段で加熱処理炉に被処理物を供給するようにしてもよい。
【0020】また、前記の加熱処理炉の供給口側に混合した被処理物に脱塩素剤を混合させる処理剤供給手段を設ける。この処理剤供給手段は、混合手段の入口側に設けてあるときは必要としない。
【0021】前記の加熱処理炉に被処理物を供給する前処理方法は、被処理物を分別された被処理物別に破砕する工程と、分別され破砕された被処理物を各別の貯留手段に貯留する工程と、これら各貯留手段から被処理物を所定の割合で導出して混合する工程と、混合した被処理物を前記の加熱処理炉の投入する工程とからなることを特徴とする。
【0022】また、前記の各貯留手段から被処理物を導出して混合する工程中に脱塩素剤を混合する工程を付加すると脱塩素剤が被処理物に均等に混合される。但し、脱塩素剤を加熱処理炉の供給口側で混合させる場合は、付加する必要がない。
【0023】また、前記の各貯留手段から被処理物を導出して混合する工程で混合した被処理物を、一旦貯留する混合物貯留工程を付加することが好ましい。
【0024】また、前記の混合した被処理物を加熱処理炉に投入する工程中に脱塩素剤を混合する工程を付加することが好ましい。前記の脱塩素剤は、アルカリ物質からなり、該アルカリ物質は、アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合物を含む。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0026】本発明は、例えば、木材類と一般ゴミ類又はプラスチック類に分別回収された廃棄物等の被処理物を、分別された被処理物別に破砕処理して貯留し、これら分別された被処理物を一定の割合で混合して加熱処理炉に供給し、加熱処理炉で加熱処理する被処理物の混合物性を安定なものとすることにより、加熱処理条件(温度、時間、脱塩素剤の添加量等)を設定しやすくし、しかも、加熱処理を安定に行うことができるようにして、ダイオキシン類などの発生・排出を効果的に抑制できるようにするものである。
【0027】図1は加熱処理装置に被処理物を供給するための被処理物供給手段の概念図で、被処理物の前処理を行う。同図において、1は被処理物を破砕する破砕手段で、分別した被処理物別に破砕する。この破砕手段1は、1台の破砕機でも、また分別被処理物別に破砕する複数台の破砕機で構成してもよい。
【0028】2および3は、破砕手段1で分別破砕された被処理物を搬送手段1aおよび1bによって導入され分別被処理物別に貯留する複数の貯留手段である。
【0029】4は合流部で、貯留手段2および3で貯留された被処理物を搬送手段2aおよび3aで搬送されてきたものを合流させ、次の混合手段5の入口5aに送入する。
【0030】この混合手段5は、支持ローラ51で回転自在に支持された円筒体50からなり、内壁に軸線方向に傾斜して径方向および軸線方向に複数枚取り付けられた送り羽根52を有し、入口5a側から供給された被処理物を撹拌・混合しながら出口5b側に進行させる。53は回転駆動手段で、駆動源としてもモータ53aと、駆動歯車53bと円筒体50の外周に設けられた従動歯車53cからなる。
【0031】6は混合手段5で混合された被処理物を一旦貯留して混合物搬送手段7に送出する送出手段、8は混合物貯留手段で、混合手段5で混合され、出口5bから排出された被処理物を送出手段6から混合物搬送手段7で搬入して貯留する。該混合物貯留手段8に貯留された被処理物は搬送手段9を介して図2の加熱処理炉10に導入される。
【0032】なお、上記の搬送手段1a,1b,2a,3a,7および9は、既知のスクリューコンベア、バケットエレベータのいずれか又はこれらの組み合わせにより構成される。
【0033】図2は、被処理物を加熱処理して有害成分を除去する第1の加熱処理炉10と、第1の加熱処理炉10で脱塩素処理をした被処理物を減容化する第2の加熱処理炉20とからなる加熱処理装置の概念図で、第1の加熱処理炉10は、内部に被処理物を撹拌しながら移動させる羽根11a(図3を参照)を有する回転自在の円筒体11と、該円筒体11の外周にガスダクトを形成し、熱ガスを導入して円筒体11を加熱する加熱筒12と、円筒体11の一方の端部に設けられ、被処理物を円筒体11内に供給する供給口13と、円筒体11の他方の端部に設けられた排出口14とで構成され、この円筒体11は回転駆動手段15によって回転駆動される。回転駆動手段15は駆動用モータ15a、駆動歯車15b、円筒体11に設けられた従動歯車15cから成る。
【0034】16は供給口13側を包囲する供給側ダクト、17は排出口14側を包囲する排出側ダクト、18は動的シール(メカニカルシール)で、円筒体10の外周に接するダクト16,17(図示省略)および加熱筒12との接触部をシールしている。
【0035】19は円筒体11を両端側で回転自在に支持する支持ローラである。
【0036】第2の加熱処理炉20は、前記の第1の加熱処理炉10とは基本的構成は同じである。よって、同一又は相当部分には20の一桁を同じ数字とし(例えば、21は円筒体、22は加熱筒、29は支持ローラ)説明を省略する。
【0037】30はホッパで、図1の搬送手段9から、破砕混合された被処理物が供給され、同時に処理剤供給手段46からアルカリ物質からなる脱塩素剤(以下、処理剤と略称する)も供給され、これらを混合して第1の加熱処理炉10の供給口13から円筒体11内に供給する。この処理剤供給手段46は、図1の一点鎖線で示すように、合流部4に設けてもよい。この合流部4か若しくは、ホッパ30のいずれか一方に設ければ足りる。
【0038】第1の加熱処理炉10の円筒体11と、第2の加熱処理炉20の円筒体21とは上下方向に配設され、円筒体11の排出側ダクト17と供給側ダクト26とは、ロータリーバルブ32を介して連通され、また、第2の加熱処理炉20の円筒体21の排出側ダクト27はロータリーバルブ33を介して溶解槽34に、加熱処理後の炭化物又は処理灰を排出する。
【0039】35はガス燃焼炉で、LNG又はLPGの燃料を燃焼して熱ガスを発生させる。この熱ガスは円筒体21の外周に設けた加熱筒22内に供給され円筒体21を加熱した後、連絡管37を介して円筒体11の加熱筒12内に送入し、この円筒体11を加熱した後、排出管38から乾燥手段39の加熱に利用した後、排ガス冷却部40に送り込まれる。
【0040】41は排ガス燃焼炉で、第1の加熱処理炉10および第2の加熱処理炉20内で加熱処理中に発生する排ガスを排ガス管e1およびe2を介して導入し、燃焼処理する。
【0041】この排ガス燃焼炉41でガスを燃焼してタール分等の可燃成分を除去した後、排ガス冷却部40でバグフィルタ42の使用適温まで冷却してバグフィルタ42に送り込み、ここで清浄化して煙突43より排出する。この冷却には熱交換器を使用して廃熱を利用しながら冷却するようにするとよい。
【0042】44は脱水手段で、溶解槽34内で減容化された被処理物と反応した後の処理剤等を水に溶解したものを、この脱水手段44で固体物と液体とを分離し、固体物は乾燥手段39で乾燥した後、炭化物などを取り出す。一方、液体は排水処理手段45で、処理済みの処理剤を回収し、中和剤等を注入して処理した後排水する。
【0043】次に、一連の処理工程について説明すると、廃棄物等の被処理物は、現存、例えば、木材類、一般ゴミ(燃えるゴミ)又地区によってはプラスチック類等に分別されて廃棄され、分別収集が行われている。
【0044】これらの被処理物を加熱処理する場合、木材を資質A、一般ゴミを資質Bとすると、まず、破砕手段1で、資質AとBとを個別に破砕し、資質Aの場合は搬送手段1aを介して、又資質Bの場合は、搬送手段1bを介して、夫々の貯留手段2および3に貯留する。
【0045】次に、貯留された資質AとBとを一定の割合で混合手段5に供給して混合し、混合物貯留手段8に貯留する。そして、加熱処理する場合に、搬送手段9を運転し、破砕した混合被処理物を加熱処理装置のホッパ30に供給する。このホッパ30には処理剤供給手段46により所定の量の処理剤が供給され、混合被処理物と混合させる。
【0046】一方、加熱処理装置内では、ガス燃焼炉35でLNGを燃焼して熱ガスを発生させ、加熱筒22および12に供給して円筒体21及び11を加熱する。次に(同時に)混合被処理物と処理剤とを混合したもの、又は混合しながらホッパ30から第1の加熱処理炉10の円筒体11内に供給する。
【0047】この第1の加熱処理炉10での加熱処理は、本例では乾燥・脱塩素処理を行わせるもので、混合した被処理物の混合割合から、有害成分が析出する温度、時間、析出量および有害成分と反応して十分除去できる処理剤の添加量等の処理条件を事前に調査しておき、これをカバーできる温度(200℃〜350℃)と時間で処理する。
【0048】また、第1の加熱処理炉での加熱は、「燃焼、焼却」ではなく、「蒸し焼き、熱分解」での処理とし、塩素系ガス等を被処理物から分解析出して処理剤と反応させ、無害な塩類を生成させる。
【0049】被処理物と混合又は添加する処理剤は、少なくともHCl(塩化水素)と接触反応して無害な塩化物を生成するアルカリ物質を使用する。例えば、本願の出願人が先に出願した特開平9−155326号,特開平10−43731号,特開平10−235186号,特開平10−235187号に示すように、アルカリ土類金属,アルカリ土類金属化合物,アルカリ金属,アルカリ金属化合物で、具体的には、カルシウム、石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ドロマイト、珪酸塩(珪酸カルシウムなど)、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムの中から1種類選択するか、数種類混合して使用する。使用量としては、被処理物に対して5〜30重量%を混合または添加する。
【0050】例えば、上記の炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を使用した場合、第1の加熱処理炉である脱塩炉内においてHCl成分の分解ガスが発生するが、直ちに炭酸水素ナトリウムと反応して(NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O)となり、無害な塩化ナトリウム(NaCl)を生成し、分解ガスから有害なHClが無くなる。このことによって、分解ガス中のHCl成分の無害化と残渣の無害化が同時に行われる。
【0051】この有害成分を析出した後の被処理物はダクト17,ロータリーバルブ32を介して第2の加熱処理炉20の円筒体21の供給口23に送り込まれ、ここで被処理物が炭化する温度(紙類は350℃程度で炭化が始まる。)350℃〜700℃に加熱して炭化処理、又は800℃以上に加熱して灰化処理して減容化する。この減容化工程の第2の加熱処理炉20内には、HCl等の有害成分,ダイオキシン類を含む分解ガスは存在しないので、炭化又は灰化した被処理物にはこれを吸収することはない。
【0052】この減容化した被処理物と、反応後の処理剤はダクト27,ロータリーバルブ33を介して溶解槽34内に排出される。この溶解槽34内で、減容化された被処理物,反応した後の処理剤等を水に溶解し、これを脱水手段44で固体物と液体とを分離して、固体物は乾燥手段39で乾燥した後取り出し、一方、液体は水処理手段45で中和剤等を注入して処理した後排水する。
【0053】第1および第2の加熱処理炉の温度制御手段は、次のように行われる。第1の加熱処理炉10においては、第2の加熱処理炉20の加熱筒22との連絡管37に温度調整空気36を送り込み、この送入空気の量によって行うことができ、また、第2の加熱処理炉20の温度制御は、ガス燃焼炉35による燃料供給量の制御によって行うことができる。
【0054】一方、第1および第2の加熱処理炉10および20で発生した排ガスは、ガス排出管e1およびe2から排ガス燃焼炉41に導入され、ここでタール分等の可燃成分を燃焼して除去した後、排ガス冷却部40でバグフィルタ42の使用適温にまで冷却し、バグフィルタ42を介して煙突43から排出される。
【0055】一般に加熱処理炉で被処理物に処理剤を添加、混合して脱塩素処理する場合、被処理物の資質によって分解ガス中に含まれる有害成分の量が異なるため、処理剤の供給量や加熱処理炉の加熱処理条件(温度又は移送速度等)等を実験などにより検証し種々のデータを蓄積する必要がある。特に、従来は、あらゆる可燃性の物質を混ぜ込んで一緒に加熱処理するので、その検証は困難であり、有害成分と処理剤との不完全反応を生じ、排ガス中に塩素成分が残った状態で排出される可能性があった。
【0056】本発明では、資質によって分別され被処理物を一定の割合で混合しているので、加熱処理炉に供給される被処理物の物性は安定されているため、これに見合った処理剤を供給することで不完全反応を防ぐことができる。
【0057】なお、図1においては貯留手段2および3は上下方向に配置した場合であるが、平面的に並列に配置しても良いことは勿論である。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上のように分別収集された廃棄物等を夫々別々に破砕して別々の貯留手段で貯留保管し、次に、これらを一定の割合で混合手段で混合し、この混合した状態で貯留して処理剤と混合して加熱処理炉に供給するか、又は混合手段で混合する際、ここに処理剤を添加混合して加熱処理炉に直接投入するようにし、加熱処理炉で、脱塩素処理をして減容化処理を行うようにしたので、ほぼ一定した性質の被処理物を加熱処理することができるため、処理温度、時間、処理剤の添加量等の処理条件(運転条件)も一定にでき、変化させる必要がない。
【0059】よって、安定した加熱処理ができ、ダイオキシン類などの有害物質の発生を効果的に抑制できる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
【出願日】 平成11年6月8日(1999.6.8)
【代理人】 【識別番号】100062199
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外1名)
【公開番号】 特開2000−346321(P2000−346321A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−160437