| 【発明の名称】 |
可燃性廃棄物の溶融処理方法及び溶融処理炉 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 聰
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| 【要約】 |
【課題】可燃性廃棄物17を含む廃棄物を被処理物15として溶融炉1に供給し、供給された被処理物15を溶融処理する主室9に導き、被処理物15を主室9における弱酸化性雰囲気内で加熱して、被処理物15の表面Fを溶融させて溶融スラグを形成する可燃性廃棄物の溶融処理方法並びに溶融処理炉において、可燃性廃棄物17の燃焼を促進し、溶融炉の小型化を可能とする。
【解決手段】被処理物15を主室9に供給する被処理物供給部10に、被処理物15に水分を供給する水供給機構14を設けて、可燃性廃棄物17に、予め水分を保有させ、主室9内で可燃性廃棄物17中の炭素と保有させた水分との間の水性ガス化反応を誘発し、水性ガス化反応に伴い生成した可燃性ガスを被処理物15の表面F及びその近傍で燃焼させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可燃性廃棄物(17)を含む廃棄物を被処理物(15)として溶融炉(1)に供給する第一工程と、前記供給された被処理物(15)を溶融処理する主室(9)に導く第二工程と、前記被処理物(15)を弱酸化性雰囲気内で加熱して、前記被処理物(15)の表面(F)を溶融させて溶融スラグを形成する第三工程とからなる可燃性廃棄物の溶融処理方法であって、前記第二工程に先立ち、少なくとも前記可燃性廃棄物(17)に、予め水分を保有させる加湿工程と、前記第三工程において、前記主室(9)内で前記可燃性廃棄物(17)中の炭素と前記保有させた水分との間の水性ガス化反応を誘発する水性ガス化工程とを含み、前記水性ガス化反応に伴い生成した可燃性ガスを前記被処理物(15)の表面(F)及びその近傍で燃焼させる可燃性廃棄物の溶融処理方法。 【請求項2】 前記第一工程の後、前記加湿工程として、前記被処理物(15)の全体に対して水を噴霧供給し、前記被処理物(15)に前記水分を保有させる請求項1記載の可燃性廃棄物の溶融処理方法。 【請求項3】 可燃性廃棄物(17)を含む被処理物(15)を蓄積する堆積部(S)と、前記堆積部(S)から供給される被処理物(15)を弱酸化性雰囲気下で加熱溶融する主室(9)と、前記主室(9)の底部(8)に、前記被処理物(15)の表面(F)が溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ排出部(8a)とを設けてある可燃性廃棄物の溶融処理炉であって、前記被処理物(15)を前記主室(9)に供給する被処理物供給部(10)に、前記被処理物(15)に水分を供給する水供給機構(14)を設けてある可燃性廃棄物の溶融処理炉。 【請求項4】 前記被処理物供給部(10)を、前記堆積部(S)に前記被処理物(15)を投入する投入部(11)と前記堆積部(S)とで構成し、前記投入部(11)に前記水供給機構(14)を設けてある請求項3記載の可燃性廃棄物の溶融処理炉。 【請求項5】 前記溶融炉(1)を、固定された内筒(2)と、前記内筒(2)と同軸心回りに回転駆動自在で、前記底部(8)を備える外筒(7)とで構成し、前記内筒(2)に備える炉天井部(3)と前記外筒(7)に備える前記底部(8)との間に前記主室(9)を形成して、前記内筒(2)と前記外筒(7)との間の環状空間の環状天井部(6)に前記投入部(11)を設け、前記堆積部(S)に水を噴霧供給する水噴霧機構(14A)を前記環状天井部(6)に設けて、前記水供給機構(14)を構成してある請求項3記載の可燃性廃棄物の溶融処理炉。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、可燃性廃棄物の溶融処理方法及び溶融処理炉に関し、詳しくは、可燃性廃棄物を含む廃棄物を被処理物として溶融炉に供給する第一工程と、前記供給された被処理物を溶融処理する主室に導く第二工程と、前記被処理物を弱酸化性雰囲気内で加熱して、前記被処理物の表面を溶融させて溶融スラグを形成する第三工程とからなる可燃性廃棄物の溶融処理方法、及び可燃性廃棄物を含む被処理物を蓄積する堆積部と、前記堆積部から供給される被処理物を弱酸化性雰囲気下で加熱溶融する主室と、前記主室の底部に、前記被処理物の表面が溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ排出部とを設けてある可燃性廃棄物の溶融処理炉に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、可燃性廃棄物の溶融処理装置においては、例えば図6に示すように、溶融炉1は、固定された内筒2と、前記内筒2と同軸心回りに回転駆動自在で、底部8を備える外筒7とで構成してあり、前記内筒2に備える炉天井部3と前記底部8との間に、堆積部Sから供給される被処理物15を弱酸化性雰囲気下で加熱溶融する主室9を形成して、前記主室9の底部8に、前記被処理物15の擂り鉢型に形成される表面Fが溶融して生成した溶融スラグ24を排出するスラグ排出部8aとを設けてあった。前記炉天井部3には、前記主室9内に一次空気を供給する空気ノズル5と、前記主室9内に燃料を供給して、供給した燃料を燃焼させるバーナ4とが設けられており、燃料供給路18を前記バーナ4に接続し、空気供給路19を、前記バーナ4と前記空気ノズル5とに夫々接続してあって、供給された燃料の燃焼熱により前記主室9内の空間が加熱され、その熱により前記表面Fにおける被処理物15を溶融させるように構成されている。このために、前記燃料供給路18に備える燃料調節弁21と、前記バーナ4への空気供給路19に備えるバーナ空気調節弁22と、前記空気ノズル5への空気供給路19に備える主室空気調節弁23とが、夫々炉内温度調節手段20によって調節されるように構成してある。尚、前記被処理物15中の可燃性廃棄物17も炉内の熱と、一次空気とにより燃焼するが、その熱により炉内の温度を維持するには、前記可燃性廃棄物17の燃焼速度が低く、十分な熱量を発生しない。前記堆積部Sは、前記内筒2と前記外筒7との間の環状空間を経て供給される可燃性廃棄物17を含む前記被処理物15を前記底部8上に蓄積するように構成され、前記環状空間の上を封じる環状天井部6に前記被処理物15を前記環状空間内に投入する投入部11を設け、前記主室9に対する表面Fに前記被処理物15を供給する堆積部Sと、前記投入部11とで被処理物供給部10を形成してあった。前記堆積部Sからは、前記内筒2の下端部2aに設けられた切出羽根13によって、前記堆積部S内の被処理物15が前記主室9に向けて掻き出される。 【0003】上述のように、前記被処理物供給部10からは、可燃性廃棄物17も投入されるのであるが、通常は、予め熱分解処理が施された前記可燃性廃棄物17の熱分解残さであるチャーが投入される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の廃棄物の溶融処理炉においては、前記可燃性廃棄物17を溶融処理するに際しての事前の熱分解処理によって得られたチャーを、被処理物15として炉内に投入するもので、前記チャーは炉内で固体燃焼するから、燃焼速度が低く、炉内温度を前記被処理物15中の不燃物を溶融させるに十分な温度に維持できるものではなく、また、前記可燃性廃棄物17の炉内滞留時間が足りなければ、前記チャーが未燃分として前記スラグ排出部8aから排出されることもあるという問題を有している。さらに、ダイオキシン排出防止の観点から、未燃分を排出させないために前記被処理物15の炉内滞留時間を十分に確保しようとすれば、溶融処理炉のサイズが大きくなるという問題も有している。この対策として、前記主室9における前記被処理物15の表面Fで水性ガス化反応を誘発せしめるべく、前記主室9内に水蒸気を投入することを先に提案した(特願平8−232166号)。つまり、図7に示すように、溶融炉1に水蒸気供給機構25を設けて、その水蒸気ノズル26を、前記炉天井部3に配置したものである。これによって前記可燃性廃棄物17の燃焼速度は改善されたが、前記主室9内の高温ガス中に水蒸気を吹き込むから、前記可燃性廃棄物17中の炭素分と接触するには、前記水蒸気の炉内雰囲気中での拡散を必要とし、前記可燃性廃棄物17の燃焼速度が、満足できる水準にまで高まるには至らなかった。 【0005】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解決し、可燃性廃棄物の燃焼を促進し、溶融炉の小型化を可能とする手段を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】〔各特徴手段〕上記の目的のための本発明の廃棄物の溶融処理方法の第1特徴手段は、請求項1に記載の如く、可燃性廃棄物を含む廃棄物を被処理物として溶融炉に供給する第一工程と、前記供給された被処理物を溶融処理する主室に導く第二工程と、前記被処理物を弱酸化性雰囲気内で加熱して、前記被処理物の表面を溶融させて溶融スラグを形成する第三工程とからなる可燃性廃棄物の溶融処理方法において、前記第二工程に先立ち、少なくとも前記可燃性廃棄物に、予め水分を保有させる加湿工程と、前記第三工程において、前記主室内で前記可燃性廃棄物中の炭素と前記保有させた水分との間の水性ガス化反応を誘発する水性ガス化工程とを含み、前記水性ガス化反応に伴い生成した可燃性ガスを前記被処理物の表面及びその近傍で燃焼させる点にある。つまり、前記第一工程に先立ち、或いは前記第一工程と共に、又は、前記第一工程の後に前記第二工程に先立ち、前記加湿工程を実施して、前記第三工程に先だって、水分を、少なくとも前記可燃性廃棄物に保有させておくのである。上記の目的のための本発明の廃棄物の溶融処理方法の第2特徴手段は、請求項2に記載の如く、前記第1特徴手段において、加湿工程を、第一工程の後に、被処理物の全体に対して水を噴霧供給し、前記被処理物に水分を保有させるようにしてある点にある。つまり、前記被処理物に水分を保有させることで、前記可燃性廃棄物に水分を保持させることを可能にするのである。 【0007】〔各特徴手段の作用効果〕上記第1特徴手段によれば、可燃性廃棄物の燃焼速度を高めることができ、溶融炉の小型化が可能となる。つまり、高温度に維持した弱酸化性雰囲気内で、廃棄物中の炭素分と保有水分との間で水性ガス化反応を誘起すれば、生成する可燃性ガスの燃焼速度は速く、その可燃性ガスが直ちに燃焼を開始するから、その可燃性ガスの燃焼火炎に包囲される前記炭素分は急速に燃焼するようになる。従って、可燃性廃棄物の燃焼速度を高めることができ、前記可燃性廃棄物の炉内滞留時間を短くできる。その結果、前記可燃性廃棄物が、燃焼速度が低い、乾留残さであるチャーのみであっても、急速に燃焼させることが可能であり、前記被処理物の炉内滞留時間を大きくする必要がなく、前記堆積部の反応表面積も大きくする必要がないのである。尚、上記第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果を奏する中で、加湿工程の作業か簡単になる。つまり、可燃性廃棄物を選別して加湿する必要がないのである。また、溶融炉内において加湿されるから、被処理物全体が雰囲気温度により加熱され、不燃性の被処理物の保有する水分も蒸発し、前記可燃性廃棄物の保有する水分と共に蒸気として前記可燃性廃棄物を包囲するようになる。さらに、炉内の閉鎖された空間内で加湿されるから、前記被処理物は、加湿された状態を良好に維持できるのである。その結果、前記水分が前記可燃性廃棄物中の炭素分と容易に接触して、水性ガス化反応が誘発されるのである。 【0008】〔各特徴構成〕上記の目的のための本発明の廃棄物の溶融処理炉の第1特徴構成は、請求項3に記載の如く、可燃性廃棄物を含む被処理物を蓄積する堆積部と、前記堆積部から供給される被処理物を弱酸化性雰囲気下で加熱溶融する主室と、前記主室の底部に、前記被処理物の表面が溶融して生成した溶融スラグを排出するスラグ排出部とを設けてある可燃性廃棄物の溶融処理炉において、前記被処理物を前記主室に供給する被処理物供給部に、前記被処理物に水分を供給する水供給機構を設けてある点にある。つまり、前記水供給機構から前記被処理物に水分を供給することで、前記被処理物中の前記可燃性廃棄物に対して水分を供給可能に構成してある。尚、前記被処理物を区分けして前記可燃性廃棄物のみに前記水分を供給するように前記水供給機構を構成することもできる。尚、廃棄物の溶融処理炉の第2特徴構成として、請求項4に記載の如く、前記第1特徴構成における被処理物供給部を、堆積部に被処理物を投入する投入部と前記堆積部とで構成し、前記投入部に水供給機構を設けてあることが好ましい。また、溶融処理炉の第3特徴構成として、請求項5に記載の如く、前記第1特徴構成における溶融炉を、固定された内筒と、前記内筒と同軸心回りに回転駆動自在で、底部を備える外筒とで構成し、前記内筒に備える炉天井部と前記外筒に備える前記底部との間に主室を形成して、前記内筒と前記外筒との間の環状空間の天井部に前記投入部を設けると共に、前記天井部に堆積部に向けて水を噴霧して被処理物に水分を供給する水噴霧機構を設けて、前記水供給機構を構成してあればさらによい。 【0009】〔各特徴構成の作用効果〕上記第1特徴構成によれば、上記第1特徴手段のもたらす作用効果を実現できる。つまり、被処理物供給部に水供給機構を設けてあるから、主室内で可燃性廃棄物中の炭素と、前記水供給機構から供給して少なくとも前記可燃性廃棄物に保有させた水分との間の水性ガス化反応を誘発する水性ガス化工程を前記主室内で実施できるのである。当然、前記可燃性廃棄物以外の前記被処理物の保有する水分も炉内で蒸発して水蒸気となり、この水蒸気が前記水性ガス化反応にあずかり得るのである。従って、前記主室における高温度に維持した弱酸化性雰囲気内で、廃棄物中の炭素分と前記被処理物の保有水分との間で水性ガス化反応を誘起すれば、生成する可燃性ガスの燃焼速度は速く、その可燃性ガスが直ちに燃焼を開始するから、その可燃性ガスの燃焼火炎に包囲される前記炭素分は急速に燃焼するのである。その結果、可燃性廃棄物の燃焼速度を高めることができ、前記可燃性廃棄物の炉内滞留時間を短くでき、前記被処理物の堆積部における前記主室における反応表面積を大きくする必要がなく、溶融炉の小型化が可能となるのである。尚、上記第2特徴構成によれば、上記第1特徴手段のもたらす作用効果を奏する中で、第一工程に先立って加湿工程を実施することが可能となる。つまり、投入部に水供給機構を設けることで、堆積部への被処理物の投入に先立って前記被処理物に水分を供給することができ、加湿した前記被処理物を炉内に投入して、予め水分を保有させた前記被処理物からなる前記堆積部を形成できる。従って、投入前の被処理物の性状に適合した含水量に調整でき、上記第1特徴手段における水性ガス化工程を円滑に進行させることが可能になる。さらに、上記第3特徴構成によれば、前記第2特徴手段の奏する作用効果を実現できる。つまり、堆積部上方の、前記堆積部に対して相対回転する天井部に水供給機構としての水噴霧機構を設けてあるから、前記堆積部に対して満遍なく水分を噴霧供給でき、前記堆積部の全周にわたって、被処理物が良好に加湿された状態を維持できる。前記水噴霧機構は、前記天井部の一カ所に設けられてあってもよいが、複数箇所に設けてあれば、前記堆積部の全周にわたって、均一な加湿状態とすることができる。従って、上記第2特徴手段における作用効果を発揮させ得るのである。 【0010】 【発明の実施の形態】上記本発明の廃棄物の溶融処理方法及び溶融処理装置の実施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る溶融炉の一例を示す要部の縦断面図であり、図2はその炉操業の一例を示す工程説明図である。尚、前記従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関しては、先の図6及び図7に付したと同一の符号を付し、詳細の説明の一部は省略する。 【0011】廃棄物の溶融処理炉においては、図1に示すように、溶融炉1を、固定された内筒2と、前記内筒2と同軸心回りに回転駆動自在で、前記底部8を備える外筒7とで構成し、前記内筒2に備える炉天井部3と前記外筒7に備える前記底部8との間に前記主室9を形成する。前記内筒2と前記外筒7との間の環状空間の、前記主室9の底部8上に、可燃性廃棄物17を含む被処理物15を蓄積する堆積部Sと、前記内筒2と前記外筒7との間の環状空間の環状天井部6に、前記被処理物15を前記堆積部Sに供給する投入部11を設けて、前記投入部11と前記堆積部Sとで、前記被処理物15を前記主室9に供給する被処理物供給部10を形成する。前記底部8には、前記被処理物15が溶融して生成した溶融スラグ24を排出するスラグ排出部8aとを設ける。前記主室9では、前記堆積部Sから供給される被処理物15の擂り鉢形に形成される表面Fを、弱酸化性雰囲気下で加熱溶融する。前記表面Fが溶融して生成した溶融スラグ24は、前記スラグ排出部8aから下方に設けられたスラグピット(図示省略)に向けて滴下する。 【0012】前記被処理物供給部10には水供給機構14を設けるが、これは、前記被処理物15中の前記可燃性廃棄物17に水分を保有させるためのもので、前記水供給機構14は、前記堆積部Sに水を噴霧供給する水噴霧機構14Aを前記環状天井部6に設けて構成してあることが好ましい。これは、本発明に係る溶融炉1においては、前記内筒2が固定してあり、前記外筒7が前記内筒の2の軸心回りに回転駆動されるから、前記環状天井部6が前記堆積部S上を相対回転するので、前記水噴霧機構14Aを前記環状天井部6に固定して配置してあることで、前記堆積部Sの投入部11側の環状に形成される受入側表面16に満遍なく水分が供給されるのである。しかも、前記堆積部Sが閉鎖された空間内に保持されているから、供給された水分による保湿条件を維持できるのである。尚、前記水供給機構14からの水供給量は、前記投入部11に設けた被処理物供給装置12に付設した計量機構12aによって前記被処理物15の投入量を検量し、その投入量に適合する水供給量を設定する水供給量調節手段14aを設けておくことが好ましい。前記水供給量は、前記可燃性廃棄物17としてチャー即ち固定炭素を供給する場合には、そのチャーに対して、5〜10%とすることが望ましい。これより少ない水を供給した場合には、前記チャーが完全に水性ガス化反応にあずからず、未燃炭素分を残存させる場合があり、また、前記水分量が多すぎれば、その過剰な水分の蒸発潜熱を奪われて炉内温度の低下を招き、水性ガス化反応が安定して起こらなくなる場合がある。因みに、5乃至10%の水分を含有するチャーは、団塊化しにくく、且つ、さらさらとした小さな固まりの集まりとなって取り扱いやすい状態になる。 【0013】以上のように構成される廃棄物の溶融処理炉においては、例えば図2に示すように、被処理物供給部10の投入部11に設けた被処理物供給装置12によって可燃性廃棄物17を含む廃棄物を被処理物15として溶融炉1の堆積部Sに供給する第一工程と、前記供給された被処理物15を、前記堆積部Sから溶融処理する主室9に導く第二工程と、前記主室9内において前記被処理物15を弱酸化性雰囲気内で加熱して、前記被処理物15の表面Fを溶融させて溶融スラグを形成する第三工程とが、順次連続的に実施される。 【0014】ここで、水供給機構14として水噴霧機構14Aを前記堆積部S上方の環状天井部6に設けてあるから、前記第一工程の後、前記被処理物15の全体に対して、前記第二工程に先立ち水を噴霧供給し、前記被処理物15に前記水分を保有させることで、少なくとも可燃性廃棄物17に、予め水分を保有させる加湿工程が実施されるようになる。また、前記堆積部Sの前記主室9内の表面Fに、こうして前記可燃性廃棄物17が水分を保有した状態で供給されることで、前記第三工程において、前記主室9内で前記可燃性廃棄物17中の炭素と前記保有させた水分との間の水性ガス化反応を誘発する水性ガス化工程が実施され、前記水性ガス化反応に伴い生成した可燃性ガスを前記被処理物15の表面F及びその近傍で燃焼させることができる。尚、前記可燃性廃棄物17が揮発成分を含有する場合には、前記加湿工程において、前記被処理物15に保有させる水分量は、前記可燃性廃棄物17中の乾留後の炭素分に対して5〜10%の水分に相当する量であればよい。 【0015】以上の構成により、前記可燃性廃棄物17が熱分解されて生成する固形炭素分を取り巻いて、前記可燃性ガスが燃焼するから、前記固形炭素分の燃焼が促進され、溶融処理速度がきわめて高くなる。従って、前記堆積部Sにおける前記被処理物13の反応表面である前記表面Fの面積を小さくでき、その結果、前記溶融処理速度が高いことと相俟って、前記溶融炉1は小型に形成できるのである。 【0016】次に、本発明の他の実施の形態について説明する。 〈1〉上記実施の形態に於いては、溶融炉1を、固定された内筒2と、前記内筒2と同軸心回りに回転駆動自在で、前記底部8を備える外筒7とで構成し、前記内筒2に備える炉天井部3と前記外筒7に備える前記底部8との間に前記主室9を形成する例について説明したが、前記外筒7も前記内筒2に対して固定されたものであってもよい。但しこの場合には、水供給機構14は、堆積部Sに満遍なく水を供給できるように構成するか、被処理物供給部10の投入部11の前に設けることが好ましい。 〈2〉上記実施の形態に於いては、投入部11に被処理物供給装置12を設ける例について図示説明したが、前記被処理物供給装置12に代えて、単にシールダンパのみを備える受入ホッパを設けてあるだけでもよい。 〈3〉上記実施の形態に於いては、堆積部Sに水を噴霧供給する水噴霧機構14Aを環状天井部6に設けて、水供給機構14を構成する例について説明したが、前記水供給機構14は、堆積部Sに水を滴下供給するように構成してあってもよい。また、例えば図3に示すように、前記水供給機構14を被処理物供給部10の投入部11に備える被処理物供給装置12に設けて、投入される被処理物15の全体に水分を供給して、可燃性廃棄物17のみならず不燃性の被処理物にも水分を保有させるようにしてもよい。さらに、前記被処理物供給装置12に至るまでに前記被処理物15に水分を添加しておいてもよい。このようにすれば、前記不燃性の被処理物15の保有する水分が炉内の熱により蒸発し、水蒸気となって前記可燃性廃棄物17を包囲することになり、水性ガス化反応を促進できる場合がある。さらに、前記可燃性廃棄物17をバッチ投入する場合には、上記第一工程に先立ち、前記被処理物供給部10の前段に前記水供給機構14を配置して、前記可燃性廃棄物17を湿潤させておいて、前記投入部11に供給することも可能である。このように構成すれば、前記可燃性廃棄物17を区分して、前記可燃性廃棄物17のみに水分を添加することも可能であり、前記可燃性廃棄物17に保有させる水分の調整が容易になる。 〈4〉つまり、上記実施の形態に於いては、第一工程と第二工程との間に加湿工程を実施する例について説明したが、前記加湿工程は、前記第二工程の前であればよいのであって、例えば図3に示した溶融炉を用いて、図4に示すように、前記第一工程の中で前記加湿工程を実施してもよく、また、例えば図5に示すように、前記第一工程に先立って前記加湿工程を実施してもよいのである。 【0017】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年5月28日(1999.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−337616(P2000−337616A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月8日(2000.12.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−149312 |
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