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【発明の名称】 排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置
【発明者】 【氏名】藤井 聡

【氏名】黒田 学

【要約】 【課題】

【解決手段】ごみ焼却炉1と、ごみ焼却炉1から排出した排ガスの熱交換を行うボイラ2と、ボイラ2から排出した排ガスを処理する排ガス処理部Aと、ごみ焼却炉1の燃焼部Bと、燃焼部Bを制御する燃焼制御部9と、排ガス処理部Aと燃焼部Bを制御する制御部11とを備え、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及びボイラ中の排ガス温度の両者又はいずれか一方に基づいて、排ガス処理部A及び燃焼部Bの両者又はいずれか一方を操作、調整するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ごみ焼却炉と、該ごみ焼却炉から排出した排ガスの熱交換を行うボイラと、該ボイラから排出した排ガスを処理する排ガス処理部と、前記ごみ焼却炉の燃焼部と、該燃焼部を制御する燃焼制御部と、前記排ガス処理部と燃焼部を制御する制御部とを備え、前記ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ内における排ガス温度の両者又はいずれか一方に基づいて、前記排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにしたことを特徴とする排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置。
【請求項2】 ごみ焼却炉と、該ごみ焼却炉から排出した排ガスの熱交換を行うボイラと、該ボイラから排出した排ガスを処理する排ガス処理部と、前記ごみ焼却炉の燃焼部と、該燃焼部を制御する燃焼制御部と、前記排ガス処理部と燃焼部を制御する制御部とを備え、前記ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ入口の排ガス温度とボイラ内の排ガス温度との差の両者又はいずれか一方に基づいて、前記排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにしたことを特徴とする排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置。
【請求項3】 排ガス処理部における操作が、排ガスを低温状態にする低温バグフィルタ操作及び排ガス中に活性炭を添加する活性炭吸着操作の両者又はいずれか一方からなることを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置。
【請求項4】 燃焼部における調整が、給塵速度、火格子速度及び燃焼空気量の少なくとも一つを変更することによる焼却量の調整であることを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置。
【請求項5】 ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ内の排ガス温度若しくはボイラ入口の排ガス温度とボイラ内の排ガス温度との差の両者又はいずれか一方を基にしてダイオキシン除去装置運転指数を定め、この指数に応じて排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中のダイオキシン類を抑制することができるごみ焼却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排ガス中のダイオキシン類を除去する技術として、例えば排ガス中に活性炭を添加して吸着する方法があった。この方法では、大きな表面積を持つ活性炭が排ガス中のダイオキシン類を吸着して、排ガス中からダイオキシン類を除去する。他のダイオキシン類の除去方法としては、バグフィルタの運転温度を低くして、ダイオキシン類の状態を気体から液体又は固体の状態する方法があった。この方法では、排ガス中のダイオキシン類をバグフィルタを通過させずに飛灰とともにバグフィルタで補足する。
【0003】また、排ガス中のダイオキシン類の発生を抑制する方法として、例えば、特開平10−148319号公報に開示するように、水噴霧量と二次燃焼空気量を操作してピーク状のCO濃度を抑えることで、ダイオキシンの発生を低減する燃焼制御方法がある。さらに、他の燃焼制御方法として、例えば、特開平10−220727号公報に開示するように、排ガス中のクロロベンゼン類もしくはクロロフェノール類を計測し、その計測値に基づいて、ゴミの供給量、燃焼空気量、水噴霧量を操作して、ダイオキシン類を低減する燃焼制御方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の排ガス中のダイオキシン類の除去方法では、排ガス中のダイオキシン類の濃度をオンラインで直接測定できないために、ダイオキシン類の濃度に応じて活性炭の供給量やバグフィルタの運転温度を調整することができなかった。ところで、焼却炉の立ち上げ後における定常運転では、通常、自動燃焼制御によって安定な燃焼が実現されており、CO濃度が低く抑えられている。このため、排ガス中のCO濃度は一般にダイオキシン類と相関が高いといわれているが、排ガス中のCO濃度が低い領域では、図4に示すように、必ずしもダイオキシンとの相関が高いとは限らない。
【0005】通常、焼却炉の立ち上げ作業終了後から定常運転に移行すると、CO濃度が低い運転がなされる。しかしながら、焼却炉の構造とボイラチューブの配置に依存して、ボイラ内の排ガスの流れが遅くなり、800℃〜900℃にある排ガスが200℃〜300℃程度の蒸気温度まで低下するときに、ダイオキシンの再合成温度領域(200℃〜500℃)を通過し、ボイラ内でダイオキシン類が増加する。ただし、定常運転が継続され、時間の経過と共に、流速が遅い部分に飛灰などのダストが堆積すると、排ガスが再合成される温度領域を早く通過するために、ダイオキシンの再合成量が減少する。このため、焼却炉出口でのダイオキシンの発生量を燃焼制御で抑えることはできるが、ボイラ内でのダイオキシンの再合成量を抑制することができない。
【0006】本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、排ガス中のダイオキシン類を抑制することができるごみ焼却装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ごみ焼却炉と、ごみ焼却炉から排出した排ガスの熱交換を行うボイラと、ボイラから排出した排ガスを処理する排ガス処理部と、ごみ焼却炉の燃焼部と、燃焼部を制御する燃焼制御部と、排ガス処理部と燃焼部を制御する制御部とを備え、ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ内の排ガス温度の両者又はいずれか一方に基づいて、排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにした排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置である。
【0008】また、ごみ焼却炉と、ごみ焼却炉から排出した排ガスの熱交換を行うボイラと、ボイラから排出した排ガスを処理する排ガス処理部と、ごみ焼却炉の燃焼部と、燃焼部を制御する燃焼制御部と、排ガス処理部と燃焼部を制御する制御部とを備え、ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ入口の排ガス温度とボイラ内の排ガス温度との差の両者又はいずれか一方に基づいて、排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにした排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置である。
【0009】さらに、排ガス処理部における操作が、排ガスを低温状態にする低温バグフィルタ操作及び排ガス中に活性炭を添加する活性炭吸着操作の両者又はいずれか一方からなる排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置である。また、燃焼部における調整が、給塵速度、火格子速度及び燃焼空気量の少なくとも一つを変更することによる焼却量の調整である排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置である。
【0010】さらに、ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ内の排ガス温度若しくはボイラ入口の排ガス温度とボイラ内の排ガス温度との差の両者又はいずれか一方を基にしてダイオキシン除去装置運転指数を定め、この指数に応じて排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにした排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形態1の構成図で、排ガス中のダイオキシン類を抑制することができる全連型のごみ焼却装置を示す。1はごみ焼却炉、2はごみ焼却炉1に接続されて排ガスの熱交換を行うボイラである。3はボイラ2に接続され、ボイラ2を通過した排ガスに水を噴霧して減温するバグフィルタ温度調整装置、4はバグフィルタ温度調整装置3に接続され、バグフィルタ温度調整装置3で減温された排ガス中に活性炭を供給してダイオキシンを吸着させる活性炭供給装置、5は活性炭供給装置4に接続され、活性炭供給装置4において活性炭に吸着されたダイオキシンを飛灰とともに回収するバグフィルタであり、これらによって排ガス処理部Aが構成されている。なお、バグフィルタ5の運転温度を低くすると、ダイオキシンが気体状態から液体状態又は固体状態となるため、同様に飛灰とともにダイオキシンを回収することができる。
【0012】6はごみ焼却炉1に対して所定の給塵速度を付与する給塵装置、7は所定の火格子速度を付与する火格子装置、8は所定の燃焼空気量を付与する燃焼空気装置で、これらによって燃焼部Bが構成されている。9は給塵装置6、火格子装置7及び燃焼空気装置8からなる燃焼部Bに指令を与えて燃焼を制御する燃焼制御部である。なお、10は排ガスの温度を検出する排ガス温度計である。11は制御部で、排ガス温度計10から情報を得ると共に、バグフィルタ温度調整装置3、活性炭供給装置4及び燃焼制御部9に指令を与える。
【0013】本実施の形態は、上記の様に構成したごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度に基づいて排ガス処理部Aを操作して運転し、ごみ焼却炉1の排ガス中のダイオキシン類を抑制するものである。この場合、排ガス処理は、排ガス処理部Aにおいて、排ガス中に活性炭を添加する活性炭吸着及び/又は低温バグフィルタによって行われるものであり、これによってごみ焼却炉1の排ガス中のダイオキシン類を抑制する。
【0014】図2はごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数に対する、ボイラ2出口のダイオキシン濃度とボイラ2内の排ガス温度の関係を示した線図で、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の日数が経過すると、ボイラ2出口のダイオキシン濃度が減少するとともに、ボイラ2内の排ガス温度が上昇することを示している。すなわち、定常運転が継続され、時間の経過とともに、排ガスの流速が遅い部分には飛灰などのダストが堆積すると、排ガスの滞留する箇所が減るため、ボイラ2内の排ガスが再合成の温度領域を早く通過する。これにより、ダイオキシンの再合成量が減少するとともに、熱回収の効率が落ちるために、排ガス温度が上昇してくる。
【0015】このため、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度を参考にすれば、ダイオキシンの発生量が予想されることから、これらの情報を用いてダイオキシン濃度を低減する排ガス処理部Aを操作すれば、ダイオキシン濃度を直接に測定することなく、抑制することができる。したがって、これらの情報を用いて、排ガス中への活性炭の添加量やバグフィルタの運転温度を調整することができ、これによって、排ガス中のダイオキシン類を抑制することができる。
【0016】上記のように構成した実施の形態1の作用を説明する。ごみ焼却炉1からダイオキシンを含んだ排ガスが排出され、ボイラ2で熱交換した後に、バグフィルタ温度調整装置3で水噴霧され、さらに減温される。こうして減温された排ガス中に、活性炭供給装置4から活性炭が供給される。活性炭が添加された排ガスはバグフィルタ5に至り、ここで活性炭に吸着したダイオキシンが飛灰とともに回収される。このとき、バグフィルタ5の運転温度を低くすることで、ダイオキシンが気体状から液体状又は固体状となり、同様に飛灰とともにダイオキシンを回収することができる。
【0017】ところで、図2に示すように、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の日数が経過すると、ボイラ2出口のダイオキシン濃度が減少するとともに、ボイラ2内の排ガス温度が上昇してくる。したがって、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の日数の経過が短い場合、又はボイラ2内の排ガス温度が低い場合は、通常のダイオキシン類除去装置の運転状態よりも高い除去率で運転する。また、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の日数が十分経過した後、又はボイラ2内の排ガス温度が安定した場合には、通常のダイオキシン類除去装置の運転状態にする。
【0018】実施の形態1によれば、全連型のごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度に基づいて排ガス処理部Aを操作するようにしたので、ごみ焼却炉1の排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。これにより、活性炭の運転コストを削減することができる。また、飛灰中の活性炭も減るため、飛灰処理の負荷を軽減できる。さらに、ダイオキシンの多いときのみ排ガスの温度を下げるため、排ガスの温度低下による設備の腐食を防ぐことができる。
【0019】[実施の形態2]実施の形態2は、排ガス処理部Aを操作して排ガス中のダイオキシン類を抑制する全連型のごみ焼却装置に関するものであって、ごみ焼却装置の構成図は実施の形態1に示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。本実施の形態は、図1に示すごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内における排ガス温度に基づいて、排ガス処理部Aを操作して運転し、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしたものである。
【0020】この場合、焼却量や活性炭の種類、供給位置、又は、バグフィルタの仕様等によって、ダイオキシンの除去特性が異なるため、通常運転における活性炭の供給量やバグフィルタの運転温度を基準にしたダイオキシン除去装置運転指数を用いて、活性炭の供給量やバグフィルタの運転温度を操作するようにしたものである。ここで、ダイオキシン除去装置運転指数が1のときを通常の運転状態の値とし、この値が高いほどダイオキシンの除去率が高くなるものとする。図3はごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内における排ガス温度に対するダイオキシン除去装置運転指数を示した線図で、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を変更するようにしたものである。
【0021】まず、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を操作する場合を説明する。制御部11に立ち上げの日付の情報が入力され、制御部11内の時計を基にして、経過日数からダイオキシン除去装置運転指数を求める。この指数に応じて、活性炭の供給量、バグフィルタの運転温度が決定され、それぞれの情報が活性炭供給装置4、バグフィルタ温度調整装置3に送られる。
【0022】次に、ボイラ2内の排ガス温度を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を操作する場合を説明する。制御部11に排ガス温度計10から温度情報が入力され、排ガス温度の経過からダイオキシン除去装置運転指数kxを、kx=k1×(td−tf)+k0、で示される式(以下、第1式という)によって求める。なお、tdは、ボイラ2内の排ガス温度の一日の平均値、tfは立ち上げから十分時間が経ったときのボイラ2内の排ガス温度、k1,k0,tkは制御パラメーターであり、abs(td−tf)<tkとなったときは、それ以後、kx=1とする。
【0023】ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数とボイラ2内における排ガス温度を組み合わせたときは、第1式において、経過日数が所定の日数以上となったときに、計算を打ち切り、kx=1とする。こうして、第1式で示される指数に応じて、活性炭の供給量やバグフィルタの運転温度が決定され、それぞれの情報が、活性炭供給装置4やバグフィルタ温度調整装置3に送られる。その他の構成、作用は、実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
【0024】実施の形態2によれば、全連型のごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後における経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度に基づいて、ダイオキシン除去装置運転指数を変更し、排ガス処理部Aを操作するようにしたので、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。これにより、活性炭の運転コストを削減することができ、また、飛灰中の活性炭も減るため、飛灰処理の負荷を軽減できる。さらに、ダイオキシンの多いときのみに排ガスの温度を下げるため、排ガスの温度低下による設備の腐食を防ぐことができる。
【0025】[実施の形態3]実施の形態3は、燃焼部Bを操作して排ガス中のダイオキシン類を抑制する全連型のごみ焼却装置に関するものであって、ごみ焼却装置の構成図は実施の形態1に示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。本実施の形態は、図1に示すごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ内における排ガス温度に基づいて、燃焼部Bを調整して運転し、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしたものである。
【0026】図2はごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数に対する、ボイラ2出口のダイオキシン濃度とボイラ2内の排ガス温度の関係を示した線図で、ごみ焼却炉1における立ち上げ後の日数が経過すると、ボイラ2出口におけるダイオキシン濃度が減少するとともに、ボイラ2内における排ガス温度が上昇することを示している。すなわち、定常運転が継続され、時間の経過とともに、排ガスの流速が遅い部分には飛灰などのダストが堆積すると、排ガスの滞留する箇所が減るため、ボイラ2内の排ガスが再合成の温度領域を早く通過する。これにより、ダイオキシンの再合成量が減少するとともに、熱回収の効率が落ちるために、排ガス温度が上昇してくる。
【0027】このため、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の数日間だけ、焼却量を通常運転より多くすることによって、ごみ焼却炉1出口の排ガス温度を上げ、排ガス量を増やすことで、ボイラ2内に排ガスが入るときの排ガス温度が上がり、ガス量が増える。こうして、ボイラ2内の排ガスの通過時間を短くして、滞留時間を減らすことにより、ボイラ2内での再合成量を少なくすることができる。この場合、ダイオキシン除去装置運転指数を用いて運転することができ、通常の焼却量で、立ち上げ後、十分日数が経過した場合のダイオキシン除去装置運転指数を1とする。この値が高いほど、ダイオキシンの再合成量が高くなるものとする。
【0028】図3はごみ焼却炉1における立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度に対するダイオキシン除去装置運転指数を示した線図で、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2内の排ガス温度を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を変更するようにしたものである。
【0029】まず、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を操作する場合を説明する。制御部11に立ち上げの日付の情報が入力され、制御部11内の時計を基にして、経過日数からダイオキシン除去装置運転指数を求める。この指数に応じて、燃焼制御部9において処理する燃焼量の設定値を変更し、その設定値に応じた信号が、給塵装置6、火格子装置7、燃焼空気装置8からなる燃焼部Bに送られる。こうして、給塵装置6から所定の給塵速度、火格子装置7から所定の火格子速度、燃焼空気装置8から所定の燃焼空気量が付与される。
【0030】次に、ボイラ2内の排ガス温度を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を操作する場合を説明する。制御部11に排ガス温度計10から温度情報が入力され、排ガス温度の経過から、ダイオキシン除去装置運転指数kxを、kx=k2×(td−tf)+k3、で示される式(以下、第2式という)から求める。なお、tdは、ボイラ2内の排ガス温度の一日の平均値、tfは立ち上げから十分時間が経ったときのボイラ2内の排ガス温度、k2,k3,tkは制御パラメーターである。abs(td−tf)<tkとなったときは、それ以降kx=1とする。ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数とボイラ2内における排ガス温度とを組み合わせたときは、第2式において、経過日数が所定の日数以上となったときに計算を打ち切り、kx=1とする。
【0031】こうして、第2式で示される指数に応じ、燃焼制御部9において処理する焼却量の設定値を変更し、その設定値に応じた信号が給塵装置6、火格子装置7、燃焼空気装置8に送られ、これにより、給塵装置6から所定の給塵速度、火格子装置7から所定の火格子速度、燃焼空気装置8から所定の燃焼空気量が付与される。その他の構成、作用は、実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
【0032】実施の形態3によれば、全連型のごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ内の排ガス温度に基づいて、ダイオキシン除去装置運転指数を変更し、焼却量を調整したので、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。これにより、活性炭の運転コストを削減することができ、また、飛灰中の活性炭も減るため、飛灰処理の負荷を軽減できる。さらに、ダイオキシンの多いときのみに排ガスの温度を下げるため、排ガス温度の低下による設備の腐食を防ぐことができる。
【0033】[実施の形態4]実施の形態1は排ガス処理部Aを操作して排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置に関し、実施の形態2はダイオキシン除去装置運転指数を用いて排ガス処理部Aを操作し排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置に関し、また、実施の形態3はダイオキシン除去装置運転指数を用いて燃焼部Bを調整し排ガス中のダイオキシン類を抑制するごみ焼却装置に関するものであるが、実施の形態4は、排ガス処理部A及び燃焼部Bの両者を操作、調整し、排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしたごみ焼却装置に関するものである。この場合、排ガス処理部A及び燃焼部Bの両者の操作、調整に際して、ダイオキシン除去装置運転指数を用いて排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしてもよい。その他の、構成、作用、効果は、実施の形態1〜3に示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
【0034】[実施の形態5]図5は本発明の実施の形態5の構成図で、排ガス中のダイオキシン類を抑制することができる全連型のごみ焼却装置を示す。なお、図1と同一部分には同じ符号を付し、説明を省略する。10a,10bは排ガスの温度を検出する第1、第2の排ガス温度計で、第1の排ガス温度計10aはボイラ2の入口に、第2の排ガス温度計10bはボイラ2内に設けてある。
【0035】本実施の形態は、図5に示すごみ焼却装置において、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差に基づいて、排ガス処理部Aを操作、調整して運転し、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしたものである。
【0036】ボイラ2内の排ガス温度は、ごみ焼却炉1の立ち上げ経過日数とともに上昇するが、ボイラ2の入口の排ガス温度は上流側の炉内ごみの燃焼状態や焼却量によって異なり、例えば焼却量が多い場合には、ボイラ2の入口の排ガス温度は高くなる。このとき、ごみ焼却炉1の立ち上げ経過日数だけでなく、上流側の燃焼状態に依存して、下流側のボイラ2内の排ガス温度も高くなる場合がある。このため、ボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差を利用することで、上流側の燃焼状態の変動分を相殺することができる。図6はごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2の入口の排ガス温度と、ボイラ2内の排ガス温度との差に対するダイオキシン除去装置運転指数を示した線図で、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を変更するようにしたものである。
【0037】ボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差を基にして、ダイオキシン除去装置運転指数を操作する場合を説明する。制御装置11に第1の排ガス温度計10aと第2の排ガス温度計10bからの温度情報が入力され、その温度差の経過から、ダイオキシン除去装置運転指数Kxを、kx=k5×(tdef −trdef )+k4、で示される式(以下、第3式という)から求める。なお、tdef は、ボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度のそれぞれ1日の平均値の差、trdef は立ち上げから十分時間が経過したときのボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差、k5,k4,tkdef は制御パラメータであり、abs(tdef−trdef )<tkdefとなったときは、それ以降、kx=1とする。
【0038】ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数と、ボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差を組み合わせたときは、第3式において、経過日数が所定の日数以上となったときに、計算を打ち切り、kx=1とする。この指数に応じて、活性炭の供給量又はバグフィルタ5の運転温度が決定され、それぞれの情報が活性炭供給装置4又はバグフィルタ温度調整装置3に送られる。その他の構成、作用は、実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
【0039】上記の説明では、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差に基づいて、排ガス処理部Aを操作、調整して運転し、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしたものであるが、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差に基づいて、燃焼部Bを操作、調整して運転し、又は排ガス処理部A及び燃焼部Bの両者を操作、調整して運転し、ごみ焼却炉1における排ガス中のダイオキシン類を抑制するようにしたものであってもよい。
【0040】実施の形態5によれば、ごみ焼却炉1の立ち上げ後の経過日数及び/又はボイラ2の入口の排ガス温度とボイラ2内の排ガス温度との差に基づいて、ダイオキシン除去装置運転指数を変更し、排ガス処理部A及び/又は燃焼部Bを操作、調整するようにしたので、排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかるごみ焼却装置は、ごみ焼却炉と、ごみ焼却炉から排出した排ガスの熱交換を行うボイラと、ボイラから排出した排ガスを処理する排ガス処理部と、ごみ焼却炉の燃焼部と、燃焼部を制御する燃焼制御部と、排ガス処理部と燃焼部を制御する制御部とを備え、ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ内の排ガス温度の両者又はいずれか一方に基づいて、排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにしたので、排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。
【0042】また、ごみ焼却炉と、ごみ焼却炉から排出した排ガスの熱交換を行うボイラと、ボイラから排出した排ガスを処理する排ガス処理部と、ごみ焼却炉の燃焼部と、燃焼部を制御する燃焼制御部と、排ガス処理部と燃焼部を制御する制御部とを備え、ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ入口の排ガス温度とボイラ内の排ガス温度との差の両者又はいずれか一方に基づいて、排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにしたので、排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。
【0043】さらに、排ガス処理部における操作が、排ガスを低温状態にする低温バグフィルタ操作及び排ガス中に活性炭を添加する活性炭吸着操作の両者又はいずれか一方からなるようにしたので、排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。また、活性炭の運転コストを削減することができ、そのうえ飛灰中の活性炭も減るため、飛灰処理の負荷を軽減できる。さらに、ダイオキシンの多いときのみに排ガスの温度を下げるため、排ガス温度低下による設備の腐食を防ぐことができる。
【0044】また、燃焼部における調整が、給塵速度、火格子速度及び燃焼空気量の少なくとも一つを変更することによる焼却量の調整であるようにしたので、排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。また、活性炭の運転コストを削減することができ、そのうえ、飛灰中の活性炭も減るため、飛灰処理の負荷を軽減できる。さらに、ダイオキシンの多いときのみに排ガスの温度を下げるため、排ガス温度低下による設備の腐食を防ぐことができる。
【0045】さらに、ごみ焼却炉の立ち上げ後の経過日数及びボイラ内の排ガス温度若しくはボイラ入口の排ガス温度とボイラ内の排ガス温度との差の両者又はいずれか一方を基にしてダイオキシン除去装置運転指数を定め、この指数に応じて排ガス処理部及び燃焼部の両者又はいずれか一方を操作、調整するようにしたので、排ガス中のダイオキシン類を効率的に抑制することができる。また、活性炭の運転コストを削減することができ、そのうえ、飛灰中の活性炭も減るため、飛灰処理の負荷を軽減できる。さらに、ダイオキシンの多いときのみに排ガスの温度を下げるため、排ガス温度低下による設備の腐食を防ぐことができる。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2000−304236(P2000−304236A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願2000−24893(P2000−24893)