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【発明の名称】 蓄熱型排ガス処理装置
【発明者】 【氏名】村 知 幹 夫

【氏名】高 治 和 彦

【氏名】佐 野 善 博

【要約】 【課題】極めて簡単な構成で、蓄熱室の給気領域から排ガス処理室に導入された低温の未処理排ガスが蓄熱室の排気領域へショートパスすることを防止し、必ず所定の処理温度まで加熱できるようにする。

【解決手段】蓄熱室(4)にハニカム構造の蓄熱体(7)を配設し、排ガス流路(8…)となる蓄熱体(7)のハニカム流路を排ガス処理室(3)側に延長する延長流路(10…)を、前記蓄熱体(7)よりも目の粗いハニカム構造体(9)のハニカム流路により形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】未処理排ガスを燃焼浄化させる排ガス処理室(3)に面して蓄熱室(4)が形成され、排ガス処理室(3)から排出された高温の処理済排ガスが通過する前記蓄熱室(4)の排気領域(4out )と、排ガス処理室(3)に導入される低温の未処理排ガスが通過する前記蓄熱室(4)の給気領域(4in)を切り換えて、処理済排ガスと未処理排ガスとの間で熱交換を行いながら排ガス処理を行う蓄熱型排ガス処理装置において、前記蓄熱室(4)にハニカム構造の蓄熱体(7)が配設され、その排ガス流路(8…)となる蓄熱体(7)のハニカム流路を排ガス処理室(3)側に延長する延長流路(10…)が、前記蓄熱体(7)よりも目の粗いハニカム構造体(9)のハニカム流路により形成されたことを特徴とする蓄熱型排ガス処理装置。
【請求項2】前記延長流路(10…)の内部温度が、未処理排ガスに含まれる可燃性有害成分を燃焼処理する排ガス処理温度に設定されて成る請求項1記載の蓄熱型排ガス処理装置。
【請求項3】前記延長流路(10…)が排ガス処理室(3)内に延長されて成る請求項1又は2記載の蓄熱型排ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装ブースや塗装用乾燥炉、その他の工業用プラント等から排出される排ガスに含まれる可燃性有害成分を直接燃焼又は触媒燃焼させて浄化すると共に、その高温の処理済排ガスの熱を回収して再利用する蓄熱型排ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の蓄熱型排ガス処理装置は、処理塔の上段に、排ガス中に含まれる悪臭又は無臭の可燃性有害成分を燃焼させて浄化する排ガス処理室が形成され、その中段に蓄熱体を配設した蓄熱室が形成され、その下段に蓄熱室を通る排ガスの給排気方向を順次切り換えるロータリーバルブが形成されている。
【0003】蓄熱室は、放射状に例えば八つの部屋に仕切られて、夫々に蓄熱体が配設されており、そのうち三つの部屋が未処理排ガスを導入する給気領域となり、四つの部屋が排ガス処理室で浄化された処理済排ガスを排出する排気領域となり、残る一つの部屋が処理済排ガスの一部を還流して蓄熱体の内部に残存する未処理排ガスをパージするパージ領域となる。
【0004】そして、これらの各部屋を、ロータリーバルブにより、排気領域→給気領域→パージ領域→排気領域の順で一定時間おきに切り換える。これにより、排ガス処理室から排出される高温の処理済排ガスが排気領域の蓄熱体を通過するときにその熱が蓄熱され、排ガス処理室へ導入される低温の未処理排ガスが給気領域を通過するときに蓄熱体の熱により予熱されるので、処理済排ガスと未処理排ガスとの間で熱交換を行いながら連続的に排ガスを浄化処理して無害無臭の処理済排ガスが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように排ガス処理を行ったときに、可燃性有害成分が完全燃焼されず、未処理状態のまま処理済排ガスに混入されて排気領域から排出されることがあるという問題を生じた。
【0006】本発明者が、その原因を究明すべく研究した結果、排ガスが、蓄熱室の給気領域を通り排ガス処理室に導入されてから蓄熱室の排気領域へ排出されるまでの通過時間が短かいと、その排ガスに含まれる可燃性有害成分を直接燃焼できる程度の高温に加熱されないことがあり、このような場合に、排ガスが未処理状態のまま排出されるということが判明した。
【0007】排ガス処理室の通過時間が短くなるのは、例えば、給気領域やパージ領域の蓄熱体を通って排ガス処理室に導入された未処理排ガスが、そのまま蓄熱体の開口面に沿って流れ、排気領域へショートパスしたときに生ずるものと考えられる。
【0008】また、本出願人は、蓄熱室を複数の部屋に分割することなく、未処理排ガスを蓄熱室に導入する給気用開口部と、処理済排ガスを排出する排気用開口部を蓄熱室の底面に対向して形成したロータを連続回転させるロータリーバルブにより、給気領域と排気領域を蓄熱室内で回転移動させながら連続的に切り換えて排ガス処理を行う蓄熱型排ガス処理装置を提案した(特願平10−264774号)。
【0009】この排ガス処理装置で、給気領域から排気領域への未処理排ガスのショートパスを防止するためには、蓄熱室の排ガス処理室側の開口面に、給気領域と排気領域を仕切る仕切板をロータに同期させて回転可能に配設しなければならず、その構成が複雑になり、設備費が嵩むという問題があった。
【0010】そこで本発明は、極めて簡単な構成で、排ガス処理室に導入された低温の未処理排ガスが給気領域から排気領域へショートパスすることを防止し、必ず所定の処理温度まで加熱できるようにすることを技術的課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、本発明は、未処理排ガスを燃焼浄化させる排ガス処理室に面して蓄熱室が形成され、排ガス処理室から排出された高温の処理済排ガスが通過する前記蓄熱室の排気領域と、排ガス処理室に導入される低温の未処理排ガスが通過する前記蓄熱室の給気領域を切り換えて、処理済排ガスと未処理排ガスとの間で熱交換を行いながら排ガス処理を行う蓄熱型排ガス処理装置において、前記蓄熱室にハニカム構造の蓄熱体が配設され、その排ガス流路となる蓄熱体のハニカム流路を排ガス処理室側に延長する延長流路が、前記蓄熱体よりも目の粗いハニカム構造体のハニカム流路により形成されたことを特徴とする。
【0012】本発明によれば、蓄熱体の排ガス流路を排ガス処理室側に延長する延長流路が形成されているので、給気領域の蓄熱体を通過して導入された排ガスは、延長流路を通って排ガス処理室内に送り込まれた後、再び、延長流路を通り排気領域の蓄熱体に流入する。したがって、給気領域を通過した排ガスが、蓄熱体の開口面に沿って排気領域へショートパスすることがない。
【0013】この延長流路は、蓄熱体よりも目の粗いハニカム構造体のハニカム流路で形成されており、蓄熱体の排ガス流路となるハニカム流路に比して太いので、蓄熱体に比して蓄熱効果が少なく、また、排ガスの通過抵抗も少ない。このため、延長流路内は排ガス処理温度に達しやすく、また、その熱が蓄熱体に伝わりやすい。
【0014】したがって、蓄熱体を通過した未処理排ガスは、延長流路に導入されると高温に加熱されて燃焼反応が開始され、排ガス処理室内に送り込まれた後、再び、延長流路を通過するまで、所定時間を要し、その間、高温に維持されて燃焼反応し続けるので確実に燃焼浄化され、未処理状態のまま外部に排出されることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係る蓄熱型排ガス処理装置の要部を示す断面斜視図、図2はその内部構造を示す概略説明図である。
【0016】本例に係る蓄熱型排ガス処理装置1は、円筒型の処理塔2の上段に排ガスを燃焼浄化する排ガス処理室3が形成され、中段に排ガス処理室3から排出される処理済排ガスと排ガス処理室3に導入される未処理排ガスの間で熱交換を行う蓄熱室4が形成され、下段に蓄熱室4を通る排ガスの給排気方向を切り換えるロータリーバルブ5が形成されて構成されている。
【0017】排ガス処理室3は、バーナ6等の加熱装置で未処理排ガスを所定の処理温度(750〜850℃)まで加熱することにより、当該排ガス中に含まれる可燃性有害成分を直接燃焼させて浄化するようになされている。
【0018】蓄熱室4は、ハニカム構造のセラミック製又は金属製の蓄熱体7が配設され、その上端開口面が前記排ガス処理室3に面している。この蓄熱体7は、排ガス流路8…となるハニカム流路が80セル(1平方インチ当たり)以上の比較的目の細かいものが用いられ、本例では、100セルのものが用いられている。
【0019】また、排ガス処理室3には、前記蓄熱体7の上端開口面に対向して、その蓄熱体7よりも目の粗いハニカム構造体9が配設され、前記蓄熱体7の排ガス流路8…を排ガス処理室3内に延長する延長流路10…が、当該ハニカム構造体9のハニカム流路により形成されている。このハニカム構造体9は、排ガス処理室3内の処理温度に耐える耐熱性を有したセラミック又は金属等で形成されている。また、延長流路10…は、その内部にバーナ6の熱が伝わって、内部温度が、未処理排ガスに含まれる可燃性有害成分を燃焼する排ガス処理温度に達するように、延長流路10…となるハニカム流路が50セル(1平方インチ当たり)以下の目の粗いものが用いられ、本例では、13セルのものが用いられている。
【0020】ロータリーバルブ5は、未処理排ガスを蓄熱室4に導入させる給気用開口部11inと、処理済排ガスを蓄熱室4から排出させる排気用開口部11out と、パージ用開口部11p,11pを蓄熱室4の底面と対向させて形成したロータ12が、バルブケーシング13内に回転可能に配設されて成る。
【0021】このロータ12には、その回転軸12aの軸方向に沿って、バルブケーシング13内を、給気用開口部11inに連通した給気室14inと、パージ用開口部11p,11pに連通したパージ室14pと、排気用開口部11out に連通した排気室14out に仕切る回転円板15a,15bが所定間隔で取り付られている。
【0022】また、給気室14inには塗装用乾燥炉などの排ガス発生源から未処理排ガスを送給する給気ダクト16inが接続され、排気室14out には処理済排ガスを外部へ排出する排気ダクト16out が接続され、当該排気ダクト16outから分岐されたパージダクト16pがパージ室14pに接続されている。
【0023】なお、ロータ12は、モータなどを駆動源とする駆動装置17により1〜2rpmで連続的に回転駆動され、これにより、給気領域4inと排気領域4out とパージ領域4pが、蓄熱室4内で回転移動されて連続的に切り換えられる。
【0024】以上が本発明の一例構成であって、次にその作用を説明する。まず、排ガス処理室3を750〜850℃の所定温度に加熱した後、ロータ12を1rpmで回転させながら、給気ダクト16inを介して塗装用乾燥炉などの排ガス発生源から未処理排ガスを送給する。
【0025】未処理排ガスは、給気ダクト16in−給気室14in−給気用開口部11in−蓄熱室4の給気領域4inを通り、排ガス処理室3に導入され、排ガス処理室3で750〜850℃に加熱される。そして、可燃性有害成分が直接燃焼された処理済排ガスは、蓄熱室4の排気領域4out −排気用開口部11out −排気室14out −排気ダクト16out を通り、外部に排出される。
【0026】排ガス処理をしている間、ロータ12の回転に伴い給気領域4inと排気領域4out が蓄熱室4内で回転移動するので、高温の処理済排ガスが排気領域4out となった蓄熱体7を通過する際にその熱が蓄熱され、低温の未処理排ガスが給気領域4inとなった蓄熱体7…を通過する際に蓄熱体7の熱により予熱される。これにより、処理済排ガスと未処理排ガスの間で効率良く熱交換が行われ、95%の熱効率で連続的に排ガス処理を行うことができる。
【0027】排ガス処理室3では、給気領域4inとなる蓄熱体7を通過してきた未処理排ガスが、その排ガス流路8…に連通する延長流路10…に案内され、延長流路10…を通過した後に反転され、排気領域4out に連通する延長流路10…に案内されて蓄熱体7まで流下される逆U字状の流線Fに沿って流れる。
【0028】これにより、給気領域4inを通過した排ガスが、蓄熱体7の開口面に沿って排気領域4out へショートパスすることがなく、排ガス処理室3を通過するまでに所定時間を要し、その間に、確実に所定の処理温度まで加熱されて燃焼浄化されるので、未処理状態のまま外部に排出されることがない。
【0029】また、延長流路10…は、蓄熱体7よりも目の粗いハニカム構造体9のハニカム流路で形成されており、蓄熱体7の排ガス流路8となるハニカム流路に比して太いので、蓄熱体7に比して蓄熱効果が少なく、また、排ガスの通過抵抗も少ない。このため、延長流路10…内は排ガス処理温度に達しやすく、また、その熱が蓄熱体7に伝わりやすい。したがって、蓄熱体7を通過した未処理排ガスは、延長流路10…に導入されると高温に加熱されて燃焼反応が開始され、排ガス処理室3内に送り込まれた後、再び、延長流路10…を通過するまで、所定時間を要し、その間、高温に維持されて燃焼反応し続けるので確実に浄化処理される。
【0030】なお、処理済排ガスの一部は、排気ダクト16out からパージダクト16pを通りパージ室14pに供給され、パージ用開口部11p,11pに対向する蓄熱室4のパージ領域4pを通って排ガス処理室3に導入される。給気領域4inであった蓄熱体7内に残存する未処理排ガスは、ロータ12の回転に伴い当該蓄熱体7がパージ領域4pとなったときに排ガス処理室3に圧し込まれる。
【0031】そして、給気領域4inを通過した未処理排ガスと同様に、延長流路10…を通過した後に反転され、再び延長流路10に案内されて蓄熱体7まで流下される逆U字状の流線Fに沿って流れる。したがって、排ガス処理室3を通過するまでに所定時間を要し、その間に、確実に所定の処理温度まで加熱されて燃焼浄化されるので、未処理状態のまま外部に排出されることがない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、蓄熱体よりも目の粗いハニカム構造体を用いて蓄熱体の排ガス流路を排ガス処理室内に延長する延長流路を形成するという極めて簡単な構成で、給気領域から排気領域へのショートパスを確実に防止することができるという大変優れた効果を有する。
【0033】また、延長流路は、蓄熱体よりも目の粗いハニカム構造体のハニカム流路で形成され、蓄熱体の排ガス流路となるハニカム流路に比して太いので、延長流路内は排ガス処理温度に達しやすく、また、その熱が蓄熱体に伝わりやすい。したがって、蓄熱体を通過した未処理排ガスは、延長流路に導入されると高温に加熱されて燃焼反応が開始され、排ガス処理室内に送り込まれた後、再び、延長流路を通過するまで、所定時間を要し、その間、高温に維持されて燃焼反応し続け、確実に浄化処理されるという大変優れた効果も有する。
【出願人】 【識別番号】000110343
【氏名又は名称】トリニティ工業株式会社
【出願日】 平成11年3月29日(1999.3.29)
【代理人】 【識別番号】100084984
【弁理士】
【氏名又は名称】澤野 勝文 (外1名)
【公開番号】 特開2000−283445(P2000−283445A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−85417