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【発明の名称】 廃棄物処理方法及び廃棄物処理システム
【発明者】 【氏名】松澤 克明

【氏名】上野 俊一朗

【氏名】西野 順也

【氏名】石野森 禎

【氏名】綾部 統夫

【要約】 【課題】廃棄物の熱分解ガスから塩素分を除去して事業用ボイラで燃焼させることにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることを目的とする。

【解決手段】廃棄物Hを炭化してチャー(炭化物)Tを石炭Cと混合しこれを火力発電装置Xの事業用ボイラ1で燃焼することにより廃棄物Hを処理する方法であって、廃棄物Hを熱分解炉6で加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスSと炭化物Tとに熱分解させる熱分解工程と、塩素除去装置10で熱分解ガスS中から少なくとも塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスDを生成する塩素除去工程と、脱塩素化熱分解ガスDを熱源装置13で燃焼して事業用ボイラ1の熱源とする燃焼工程とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を炭化してその炭化物を石炭と混合しこれを火力発電装置の石炭焚き事業用ボイラで燃焼することにより前記廃棄物を処理する方法であって、前記廃棄物を熱分解炉で加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスと炭化物とに熱分解させる熱分解工程と、該熱分解ガス中から少なくとも塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスを生成する塩素除去工程と、該脱塩素化熱分解ガスを燃焼して前記事業用ボイラの熱源とする燃焼工程とを備えることを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項2】 前記塩素除去工程に先だって、前記熱分解ガス中に混入している炭化物を取り除くことを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法。
【請求項3】 前記熱分解ガス中から取り除かれた炭化物を石炭と混合することを特徴とする請求項2記載の廃棄物処理方法。
【請求項4】 前記熱分解ガス及び前記脱塩素化熱分解ガスのうち少なくとも一方の一部を燃焼してその燃焼ガスを前記熱分解炉の熱源とすることを特徴とする請求項1、2または3記載の廃棄物処理方法。
【請求項5】 前記燃焼ガスを、前記火力発電装置に備える排ガス処理装置で処理することを特徴とする請求項4記載の廃棄物処理方法。
【請求項6】 前記塩素除去工程では、前記熱分解ガス中に消石灰を加えて塩素分を除去することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の廃棄物処理方法。
【請求項7】 廃棄物を炭化してその炭化物を石炭と混合しこれを火力発電装置の事業用ボイラで燃焼することにより前記廃棄物を処理するシステムであって、前記廃棄物を加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスと炭化物とに熱分解させる熱分解炉と、該熱分解ガス中から少なくとも塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスを生成する塩素除去装置と、該脱塩素化熱分解ガスを燃焼して前記事業用ボイラの熱源とする熱源装置とを備えることを特徴とする廃棄物処理システム。
【請求項8】 前記熱分解ガスが前記塩素除去装置に送られる前に、該熱分解ガス中に混入している炭化物を取り除くガス処理装置を備えることを特徴とする請求項7記載の廃棄物処理システム。
【請求項9】 前記ガス処理装置で取り除かれた炭化物を石炭と混合するための搬送経路を備えることを特徴とする請求項8記載の廃棄物処理システム。
【請求項10】 前記熱分解ガス及び前記脱塩素化熱分解ガスのうち少なくとも一方の一部を燃焼してその燃焼ガスを前記熱分解炉の熱源とする燃焼装置を備えることを特徴とする請求項7、8または9記載の廃棄物処理システム。
【請求項11】 前記熱分解炉から排出された燃焼ガスを、前記火力発電装置に備える排ガス処理装置へ送り込む排ガス搬送経路を備えることを特徴とする請求項10記載の廃棄物処理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を炭化してこの炭化物を火力発電装置の石炭焚き事業用ボイラで燃焼することにより廃棄物を処理する方法およびシステムに関し、特に、廃棄物に含有する塩素分の一部を除去した状態で事業用ボイラで燃焼させる技術に関する。なお、本明細書において、廃棄物とは、紙類,廃プラスチックなどの都市ゴミや、わら,木材チップ,廃パルプなどのバイオマス系の産業廃棄物を含む意で用いている。
【0002】
【従来の技術】近年、紙類,廃プラスチックなどの都市ゴミや、わら,木材チップ,廃パルプなどのバイオマス系の産業廃棄物を各種燃料として再利用することが提案され、これによりゴミ(廃棄物)のエネルギ利用効率の向上が期待される。そのため、ゴミ焼却炉によるボイラ発電も提案されているが、ゴミ焼却の際に生じる塩化水素がボイラチューブを腐食させるためボイラを過酷な条件で運転できないことや、ゴミが多くの水分を含んでいるため燃焼温度が低いことなどから、発電効率が悪い。さらに、ゴミ焼却で発生する灰を廃棄するには多大なコストを必要とするため経済的ではない。
【0003】従って、廃棄物を火力発電所に既に設置されている石炭焚き事業用ボイラや石炭ガス化設備の燃料として使用することも考えられ、これにより廃棄物処理のための焼却炉が不要となるが、廃棄物をこのような事業用ボイラ等に直接投入することは難しい。というのも、事業用ボイラ等はバーナーなどの構造上廃棄物を直接燃焼するのが難しいのに加え、排ガス規制やボイラチューブの腐食防止のため燃料の質の管理が厳しく行われており、燃料としての質が不安定な都市ゴミなどでは対応できないことに起因する。
【0004】また、特開平10−244176号公報では、廃プラスチックなどの有機系廃棄物を石炭焚きボイラの燃料として適用する技術が開示されている。これは、有機系廃棄物を予め酸素不足雰囲気で200〜500℃の温度範囲で加熱処理し、この加熱処理によって生じたガスをボイラで燃焼させ、さらに、加熱処理後にローラミルで粉砕した固形物(炭素を主成分とするいわゆる炭化物)を燃料の石炭と混合してボイラで燃焼させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した廃棄物中には、塩化ビニル等の高分子の塩素系樹脂中に存在する塩素分と、塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどに存在する塩素分とがあり(本明細書においては便宜上前者を有機系塩素と、後者を無機系塩素と呼ぶ。)、これら有機系塩素と無機系塩素とがおよそ半々の割合で存在するものと考えて差し支えない。そして、廃棄物を加熱処理すなわち熱分解により炭化する過程で生じる熱分解ガスは有機系塩素のうち80〜90%を塩化水素として含んでいるため、この熱分解ガスを火力発電所などの事業用ボイラ等で大量に燃焼させたのではバーナの作動不良やボイラチューブの腐食を引き起こすため少量ずつしか燃焼させることができない。
【0006】一方、廃棄物の加熱処理後に得られる炭化物は、発熱量や固有水分,揮発比などの性状が石炭と似ているため、例えば火力発電所に既設の石炭焚き事業用ボイラ等の燃料に混入して燃焼させることは可能である。ただし、廃棄物の炭化物には、無機系塩素の大部分が残っており、発熱量などの性状が石炭と似ているものの石炭と比較して塩素分を極めて多く含んでいる点で相違している。従って、この炭化物を事業用ボイラの燃料として使用したのでは前記と同様にバーナの作動不良やボイラチューブの腐食を引き起こすため、石炭に少量ずつしか混入させることはできない。
【0007】以上のように、石炭焚き事業用ボイラなど、燃料の質が厳しく管理されたものに対して塩素分が大きな影響を与えることに鑑みると、廃棄物を加熱処理し、その加熱処理過程で生じた熱分解ガス及び炭化物を事業用ボイラで適正に燃焼させるには、バーナーの作動不良やボイラチューブの腐食を避けるために、石炭との混合比で廃棄物(熱分解ガス及び炭化物)をわずかに1%程度燃焼させ、全体に占める塩素分の割合を微少として対応せざるを得ない。その結果、単位時間あたりの廃棄物処理量が少なくなり、前記したゴミのエネルギ利用効率の向上を達成することができない。
【0008】しかも、事業用ボイラでの燃焼後の排ガス中に塩素分が含まれるため、排ガス規制を満足するために排ガス処理施設に塩素除去機能を付加する必要が生じる。しかし、排ガス中に少量含まれる塩素分を除去するために、大型の排ガス処理施設に塩素除去機能を付加するのでは、コストの面で好ましくない。また、石炭焚きボイラの排ガス処理過程で生じたダストは、石炭のみを燃焼して得られることを前提として再利用可能であるのに対し、排ガス中に多くの塩素分が含まれていたのではダストから塩素分を除去する工程等が必要になるなど、ダストの再利用価値を低下させることになる。
【0009】本発明は、以上の課題を解決するものであり、廃棄物を炭化させる工程で生じる熱分解ガスから塩素分を除去し、これを事業用ボイラで燃焼させることで、事業用ボイラに投入される塩素分の量を減少させ、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、廃棄物を炭化してその炭化物を石炭と混合しこれを火力発電装置の石炭焚き事業用ボイラで燃焼することにより廃棄物を処理する方法であって、廃棄物を熱分解炉で加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスと炭化物とに熱分解させる熱分解工程と、熱分解ガス中から少なくとも塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスを生成する塩素除去工程と、脱塩素化熱分解ガスを燃焼して事業用ボイラの熱源とする燃焼工程とを備える技術が採用される。この廃棄物処理方法では、熱分解ガスから塩素分を除去してからこれを火力発電装置の事業用ボイラで燃焼してその熱源としているため、熱分解ガス中に含まれる有機系塩素が事業用ボイラに投入されず、その分だけ多くの炭化物を事業用ボイラで燃焼させることができ、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることが可能となる。さらに、熱分解ガス中の塩素分は塩素除去工程で除去されるため、廃棄物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除去されることになる。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1の廃棄物処理方法において、塩素除去工程に先だって、熱分解ガス中に混入している炭化物を取り除く技術が適用される。この廃棄物処理方法では、熱分解ガス中に混入している微粉状の炭化物を分離してから塩素分を除去するため、塩素除去工程を行うに際して炭化物が影響を与えることを回避し、安定して塩素除去を実施するとともに、集じん器等への悪影響を軽減することが可能となる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項2の廃棄物処理方法において、熱分解ガス中から取り除かれた炭化物を石炭と混合する技術が適用される。この廃棄物処理方法では、熱分解ガスから取り除かれた微粉状の炭化物を事業用ボイラの燃料である石炭と混合させるため、熱分解炉で生成された炭化物を効率よく燃料として用いることができ、より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることが可能となる。
【0013】請求項4に係る発明は、請求項1、2または3の廃棄物処理方法において、熱分解ガス及び脱塩素化熱分解ガスのうち少なくとも一方の一部を燃焼してその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とする技術が適用される。この廃棄物処理方法では、熱分解ガス及び脱塩素化熱分解ガスの一方を燃焼してその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とするため、効率よく熱分解炉を加熱することが可能となる。なお、脱塩素化熱分解ガスの燃焼ガスを用いるときは、燃焼ガスに塩素分が含まれていないため、熱分解炉の腐食等を容易かつ確実に回避することが可能となる。
【0014】請求項5に係る発明は、請求項4の廃棄物処理方法において、燃焼ガスを、火力発電装置に備える排ガス処理装置で処理する技術が適用される。この廃棄物処理方法では、燃焼ガスを排ガス処理装置で処理するため、熱分解炉から排出された燃焼ガスを効率よく処理することが可能となる。特に、脱塩素化熱分解ガスの燃焼ガスでは、燃焼ガス中に塩素分を含んでいないため、事業用ボイラに付設される通常の排ガス処理装置をそのまま燃焼ガスの処理に用いることが可能となる。
【0015】請求項6に係る発明は、請求項1、2、3、4または5記載の廃棄物処理方法において、塩素除去工程では、熱分解ガス中に消石灰を加えて塩素分を除去する技術が適用される。この廃棄物処理方法では、熱分解ガス中に消石灰を加えることにより熱分解ガス中の有機系塩素(塩化水素)と消石灰(水酸化カルシウム)とを反応させ、その反応物を除去することにより効率よく熱分解ガスから塩素分を除去することが可能となる。
【0016】請求項7に係る発明は、廃棄物を炭化してその炭化物を石炭と混合しこれを火力発電装置の石炭焚き事業用ボイラで燃焼することにより廃棄物を処理するシステムであって、廃棄物を加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスと炭化物とに熱分解させる熱分解炉と、熱分解ガス中から少なくとも塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスを生成する塩素除去装置と、脱塩素化熱分解ガスを燃焼して事業用ボイラの熱源とする熱源装置とを備える技術が適用される。この廃棄物処理システムでは、熱分解炉より排出された熱分解ガスから塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスを生成し、これを火力発電装置の事業用ボイラで燃焼して熱源とするため、熱分解ガス中に含まれる有機系塩素が事業用ボイラに投入されず、その分だけ多くの炭化物を事業用ボイラで燃焼させることができ、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることが可能となる。さらに、熱分解ガス中の塩素分は塩素除去装置で除去されるため、廃棄物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除去されることになる。
【0017】請求項8に係る発明は、請求項7の廃棄物処理システムにおいて、熱分解ガスが塩素除去装置に送られる前に、熱分解ガス中に混入している炭化物を取り除くガス処理装置を備える技術が適用される。この廃棄物処理システムでは、塩素除去装置に送られる前の熱分解ガス中に混入している微粉状の炭化物をガス処理装置によって取り除くため、塩素除去装置において熱分解ガスの脱塩素処理に炭化物が影響を与えることを回避し、安定した塩素除去を実施するとともに、集じん器等への悪影響を軽減することが可能となる。
【0018】請求項9に係る発明は、請求項8の廃棄物処理システムにおいて、ガス処理装置で取り除かれた炭化物を石炭と混合するための搬送経路を備える技術が適用される。この廃棄物処理システムでは、ガス処理装置で取り除かれた微粉状の炭化物を、搬送経路を介して事業用ボイラ等の燃料である石炭と混合させるため、生成された炭化物を効率よく燃料として用いることができ、より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることが可能となる。
【0019】請求項10に係る発明は、請求項7、8または9の廃棄物処理システムにおいて、熱分解ガス及び脱塩素化熱分解ガスのうち少なくとも一方の一部を燃焼してその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とする燃焼装置を備える技術が適用される。この廃棄物処理システムでは、熱分解ガス及び脱塩素化熱分解ガスの一方を燃焼装置で燃焼してその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とするため、効率よく熱分解炉を加熱することが可能となる。なお、脱塩素化熱分解ガスを燃焼装置で燃焼するときは、燃焼装置の腐食等を回避するとともに、燃焼ガスにも塩素分が含まれていないため、熱分解炉の腐食等を容易かつ確実に回避することが可能となる。
【0020】請求項11に係る発明は、請求項10の廃棄物処理システムにおいて、熱分解炉から排出された燃焼ガスを、火力発電装置に備える排ガス処理装置へ送り込む排ガス搬送経路を備える技術が適用される。この廃棄物処理システムでは、火力発電装置の事業用ボイラに付設された排ガス処理装置を用いて、燃焼装置で発生した燃焼ガスを処理するため、この燃焼ガスを効率よく処理することが可能となる。特に、脱塩素化熱分解ガスの燃焼ガスでは、燃焼ガス中に塩素分を含んでいないため、事業用ボイラ等に付設される通常の排ガス処理装置をそのまま燃焼ガスの処理に用いることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。図1に示す廃棄物処理システムは、紙類,廃プラスチックなどの都市ゴミや、わら,木材チップ,廃パルプなどのバイオマス系の産業廃棄物(本明細書中での廃棄物)を火力発電装置Xの石炭焚き事業用ボイラ1で燃焼させるものである。図1では、廃棄物処理のフロー図を示しており、実線矢印は固形物の流れ、点線矢印は気体の流れを表している。先ず、図1に示す火力発電装置Xは、ミル2,石炭焚きの事業用ボイラ1,排ガス処理装置3によって概略構成される。そして、火力発電装置Xに備える事業用ボイラ1としては、例えば微粉炭焚ボイラやストーカ焚ボイラ,流動床ボイラなどがあり、いずれも石炭を燃料とするものである。
【0022】微粉炭焚ボイラは、石炭バンカ(図示せず)から取り出された石炭Cをミル2で微粉状に粉砕し、1次空気によりバーナから炉内へ吹き込んで浮遊燃焼させる方式を採用しており、燃焼ガスの滞留時間を長くとり未燃分が低く、高い燃焼効率を実現できる。
【0023】ストーカ焚ボイラは、石炭を散布機により火格子上に散布する方式を採用しており、浮遊中に乾燥されながら燃えつつある石炭上に新たな石炭を薄く広く散布することにより、容易に着火、燃焼し、着火しにくい石炭での比較的安定した燃焼が得られる。なお、ストーカ焚ボイラでは石炭Cを微粉状に粉砕する必要がないため、ミル2は不要である。
【0024】流動床ボイラは、燃焼炉の下部に設置した空気散布板から送入した空気によって灼熱された砂(ベッド材)を炉内で流動させて流動床を形成し、この流動床に投入された燃料を瞬時に乾燥・着火する方式を採用しており、ベッド材の流動と長い滞留時間により効率よく燃焼させ、低品位炭をはじめ全炭種を焚くことができる。なお、流動床ボイラにおいても石炭Cを微粉状に粉砕する必要がないため、ミル2は不要である。
【0025】そして、事業用ボイラ1によって生じた蒸気により蒸気タービン(図示せず)を回転させ、この蒸気タービンに接続された発電機(図示せず)により発電を実施するものである。なお、事業用ボイラ1から排出された排ガスは排ガス処理装置3によって処理されてから大気に放出される。排ガス処理装置3は、例えばガス冷塔,サイクロンなどの集じん器,乾式アンモニア接触還元法を採用する脱硝装置,高温乾式や湿式による石灰石石膏法を採用する脱硫装置などにより構成される。この排ガス処理装置3によって分離されたダスト(石炭灰)は各種再利用される。
【0026】次に、前記した事業用ボイラ1を用いて廃棄物を処理するシステムについて説明する。廃棄物Hは、先ず破砕機4に投入されて破砕される。このとき、廃棄物は、後述する熱分解炉6での熱効率をあげるためにおよそ150mm以下に破砕される。そして、破砕された廃棄物Hは、乾燥機5に投入されて効率よく乾燥(水分を除去)されてから熱分解炉6に送られる。
【0027】通常、廃棄物Hには水分を約30%〜60%ほど含んでいると考えられ、水分による熱分解効率の低下を防止するためにも乾燥機5により短時間で廃棄物Hから水分を除去することが好ましい。ただし、比較的水分含有量の少ない廃棄物Hを処理するのであれば、自然乾燥もしくはそのまま熱分解炉6への投入が可能であり、本システムにおいて破砕された廃棄物Hを乾燥機5により乾燥させるか否かは任意である。
【0028】図2は、熱分解炉6の一例を示す模式図であり、外熱式ロータリキルンを示している。この熱分解炉6は、回転可能に軸支された外筒61と、外筒61内に所定の隙間62を隔てて設置された内筒63と、内筒63へ破砕された廃棄物Hを投入するための投入口64と、内筒63内で熱分解された熱分解ガス及び炭化物を排出するための排出部65と、外筒61の一端から燃焼ガスを隙間62へ流入させる流入口66と、隙間62を通った燃焼ガスを外筒61の他端からから排出する排出口67とで概略構成されている。なお、外筒61及び内筒63は、外筒61の外周面に設けられた歯車68が不図示の駆動源(モータ等)からの駆動力を受けて所定速度で回転する。
【0029】そして、この熱分解炉6は、内筒63内を大気と遮断すなわち内筒63内を無酸素または酸素不足雰囲気に設定した状態で、隙間62内に燃焼ガスが供給されることにより、内筒63内に投入された廃棄物Hを間接加熱する。廃棄物Hの加熱中は外筒61が回転しており、この回転によって内筒63内の廃棄物Hは加熱されながら内筒63内を転動するため、加熱ムラが生じるのを回避し、さらに転動による衝撃でより一層破砕される。
【0030】なお、熱分解炉6としては、図2に示すような外熱式ロータリキルンに限定するものではなく、無酸素または酸素不足雰囲気において廃棄物Hを加熱できる各種のものが適用できる。例えば、筒状体の内側空間に複数のパイプを配置してこれに燃焼ガスを流すことにより筒状体内部を加熱するタイプなどいわゆる連続処理式タイプや、燃焼炉を用いて所定量の廃棄物づつ加熱するいわゆるバッチ式タイプのものであってもよい。
【0031】廃棄物Hは、無酸素または酸素不足雰囲気で加熱されることにより、可燃性の熱分解ガスSとチャー(炭化物)Tとに熱分解されて排出部65からそれぞれ取り出される(熱分解工程)。なお、廃棄物H中には、塩化ビニル等の有機系塩素と、塩化ナトリウム等の無機系塩素とがおよそ半々の割合で存在することを前記した。そして、有機系塩素のうち80〜90%は塩化水素として熱分解ガスSに含まれ、一方無機系塩素は、加熱処理後も分解せずにチャーTの中に大部分が残った状態となっている。
【0032】図1に戻り、熱分解炉6から排出されたチャーTは、選別装置7に送られる。選別装置7は、廃棄物Hに混入しているアルミ缶や鉄缶,ガレキ,金属線などの不燃物をチャーTから取り除くものである。選別装置7の構成としては、例えば所定の隙間を持つ選別部分の上にチャーTを供給し、熱分解によって炭化したチャーTを隙間から下方に落とす一方、アルミ缶等の不燃物を隙間上に貯留させる構成のものが採用される。さらに、選別装置7においては、除去された不燃物を有価金属ごとに選別させることも可能である。ただし、廃棄物H中に不燃物がないことが明らかであれば選別装置7は必ずしも必要ではない。
【0033】選別装置7によって不燃物が除去されたチャーTは貯留槽Wに送られて貯留され、ここから所定量づつ取り出されて火力発電装置X(事業用ボイラ1)の燃料である石炭Cに混入されることにより石炭Cとともに事業用ボイラ1で燃焼される。ただし、チャーTを貯留槽Wで貯留するか否かは任意であり、例えば選別装置7を経たチャーTをそのまま石炭Cに混入させることも可能である。また、事業用ボイラ1が微粉炭焚ボイラである場合、チャーTが既に微粉状であれば石炭Cとともにミル2で粉砕する必要はなく、例えばミル2の下流側においてチャーTを石炭Cに混入させるようにしてもよい。
【0034】ここで、前記のとおりチャーTには無機系塩素の大部分が残っているので石炭Cと多量に混合させることはできない。しかし、後述するが、熱分解ガスSはチャーTと異なるルートで処理され、塩素分を除去してから事業用ボイラ1で燃焼させるため、事業用ボイラ1に投入可能な塩素量が決められているとすれば、有機系塩素を80〜90%有する熱分解ガスSから塩素分を除去した分だけ多くの(およそ2倍の)チャーTを石炭Cに混合でき、その結果単位時間あたりの廃棄物Hの処理量がおよそ2倍となる。
【0035】また、排ガス処理装置3から取り出されるダストについては、全体に占める塩素が微少であることからその後の処理にほとんど影響を与えない。従って、廃棄物を焼却炉で焼却したときに生じる灰の処理にコストがかかっていたことと比較して既存のダスト処理施設をそのまま利用することができ、コストを削減することができる。
【0036】続いて、熱分解炉6から排出された熱分解ガスSは、ガス処理装置8に送られる。ガス処理装置8は、熱分解ガスS中に混入している微粉状のチャーT1を除去するための集じん器(例えばサイクロンなど)を備えている。さらに、ガス処理装置8として、熱分解ガスS及びその油成分を分離除去する機能などを付加することも可能である。なお、分離された油成分は、バーナ等の各種燃料として用いられる。
【0037】なお、ガス処理装置8は、廃棄物Hの質変動による下流装置の影響をやわらげるバッファ的な役割を持つ。また、ガス処理装置8で取り出されたチャーT1を、選別装置7からのチャーTと同様に貯留槽Wへ送り、ここから火力発電装置Xの石炭Cに混入させるための搬送通路9が設けられている。チャーT1は実質的にチャーTと同じものであり、石炭Cに混入可能である点はチャーTと同様である。ただし、ガス処理装置8及び搬送通路9の設置は任意であり、下流の塩素除去装置10が微粉状のチャーT1の混入や廃棄物Hの質変動を許容できるものであれば、必ずしも必要ではない。また、チャーT1を貯留槽Wに溜めずにそのまま石炭Cに混入可能な点もチャーTと同様である。
【0038】ガス処理装置8で処理された熱分解ガスSは、塩素除去装置10に送られて熱分解ガスSに含んでいる有機系塩素を除去することにより脱塩素化熱分解ガスDを生成する(塩素除去工程)。塩素除去装置10は、消石灰投入装置11や、サイクロンなどの集じん器12、ガス冷塔(図示せず)などを備え、消石灰投入装置11で熱分解ガスSに消石灰を加えることにより塩素分を塩化カルシウムとし、これを下流の集じん器12で捕集して熱分解ガスSから塩素分を除去し、脱塩素化熱分解ガスDを生成する。ただし、塩素除去装置10は、これに限定するものではなく、熱分解ガスSから塩素分を除去できる各種の装置が適用される。
【0039】塩素除去装置10で生成された脱塩素化熱分解ガスDは、熱源装置13に送られて燃焼され事業用ボイラ1の熱源として使用される(燃焼工程)。熱源装置13は、事業用ボイラ1に設けられるバーナ等であって、このバーナ等で脱塩素化熱分解ガスDを燃焼して事業用ボイラ1の熱源の一部としている。事業用ボイラ1は、そもそも石炭Cを投入してこれを燃焼することで熱源としているが、熱源装置13が熱量の一部を負担するため、その分だけ石炭Cの投入量を減少することができ、これによりゴミのエネルギ利用効率の向上が図られる。
【0040】脱塩素化熱分解ガスDは、有機系塩素が除去されているため、これを燃焼して事業用ボイラ1の熱源としても事業用ボイラ1に投入される塩素分がほとんど増加せず、ボイラーチューブの腐食等の影響も少ない。さらに、事業用ボイラ1から排出される排ガスについても塩素分の増加が微少であり、この排ガスを既設の排ガス処理装置3でそのまま処理することができる。
【0041】また、脱塩素化熱分解ガスDの一部は、燃焼装置14に送られて燃焼され燃焼ガス(熱風)Gを生成する。燃焼装置14は、脱塩素化熱分解ガスDを燃焼するためのバーナを備え、この燃焼ガスGが熱分解炉6に供給されて廃棄物Hを加熱するための熱源となる。すなわち、燃焼ガスGは、図2に示す外熱式ロータリキルンにおいて、流入口66から隙間62を通り排出口67から排出されるといった経路を流れており、隙間62を通る間に内筒63内を加熱するものである。
【0042】なお、熱源装置13及び燃焼装置14への脱塩素化熱分解ガスDの分配態様としては、第1態様として、事業用ボイラ1の熱源として必要な分だけ熱源装置13に供給して残りを燃焼装置14に供給する方法と、第2態様として、熱分解炉6の熱源として必要な分だけ燃焼装置14に供給して残りを熱源装置13に供給する方法とがある。ただし、前者の第1態様では、熱分解炉6の熱源として必要な量だけ脱塩素化熱分解ガスDが供給されない場合があり、この場合は足りない分だけ他の燃焼装置から熱分解炉6へ燃焼ガス等を補充する。
【0043】なお、脱塩素化熱分解ガスDの一部を燃焼して熱分解炉6に供給するか否かは任意であり、脱塩素化熱分解ガスDの全てを熱源装置13に供給するようにしてもよい。また、熱分解炉6から排出された燃焼ガスGは、乾燥機5や他の補器などの熱源が必要な装置の熱源として用いられる。これにより乾燥機5等の装置の熱源が不要となり、システムのコストを低減できる。ただし、燃焼ガスGを乾燥機5等の熱源として用いるか否かは任意であり、乾燥機5等を迂回して下流に合流させることも可能である。
【0044】熱分解炉6から排出された燃焼ガスGは、排ガス搬送経路15を介して火力発電装置Xの排ガス処理装置3に送られる。燃焼ガスGは、熱分解ガスSから有機系塩素が除去された脱塩素化熱分解ガスDを燃焼して得られるものであり、塩素分の含有量が微少である。従って、火力発電装置Xの排ガス処理装置3により燃焼ガスGを処理することができ、排ガス規制等に適合するように脱硝装置や脱硫装置などで処理されてから大気中に放出される。
【0045】図3は、本発明に係る廃棄物処理システムの他の実施形態を示すフロー図である。なお、図1と同一の符号を付したものは図1で説明したものと同一であるため説明を省略する。図1と図3との大きな相違は、図1が脱塩素化熱分解ガスDを燃焼装置14に供給するのに対し、図3がガス処理装置8で処理された熱分解ガスSを燃焼装置14に供給する点にある。すなわち、燃焼装置14には、塩素分が除去されていない熱分解ガスSが供給され、これを燃焼して燃焼ガスG1を生成して熱分解炉6の熱源としている。
【0046】ただし、燃焼ガスG1は、有機系塩素の80〜90%を含んでいるため、そのままでは脱塩素機能のない排ガス処理装置3に送り込むことができない。従って、燃焼ガスG1を塩素除去装置16により塩素を除去してから大気に放出している。塩素除去装置16は、基本的には塩素除去装置10と同様の構成が採用され、消石灰投入装置17や、サイクロンなどの集じん器18、ガス冷塔(図示せず)などを備え、消石灰投入装置17で燃焼ガスG1に消石灰を加えることにより塩素分を塩化カルシウムとし、これを下流の集じん器18で捕集して燃焼ガスG1から塩素分を除去する。
【0047】ただし、塩素除去装置16は、これに限定するものではなく、燃焼ガスG1から塩素分を除去できる各種の装置が適用される。なお、塩素除去装置16により塩素分が除去された燃焼ガスG1は、排ガス規制等に適合するように脱硝装置19などで処理されてから大気中に放出される。また、塩素除去装置16により塩素分が除去された燃焼ガスG1を火力発電装置Xの排ガス処理装置3に送るようにしてもよい。
【0048】図3に示すものでは、システム全体として塩素除去装置が2基(10と16)必要となるが、それぞれが負担する塩素除去量が図1に示すものと比較して少ないので、各装置11,16の塩素除去能力を下げることができ、各塩素除去装置10及び16を小型化することが可能となる。
【0049】また、燃焼装置14で塩素分(有機系塩素)を含んだ熱分解ガスSを燃焼することから、燃焼後に有機系塩素が塩化水素となり、燃焼ガスG1には塩化水素を含んだ状態となっており、この状態のまま熱分解炉6に供給したのでは熱分解炉6の腐食など劣化の原因となる。従って、燃焼装置14の下流側に熱交換器(図示せず)を設置し、燃焼ガスG1と流体(例えば空気やオイルなど)とを熱交換器で熱交換し、加熱流体を熱分解炉6に供給してもよい。これにより熱分解炉6は塩素分による影響を受けないようにすることができる。さらに、流体としてオイルを用いる場合は、熱交換器により加熱されたオイルを熱分解炉6へ供給し、また熱分解炉6から排出されたオイルを熱交換器へ送って再度燃焼ガスG1と熱交換して熱分解炉6へ送るといった循環経路を形成してもよい。
【0050】図4は、本発明に係る廃棄物処理システムの他の実施形態を示すフロー図である。なお、図1及び図3と同一の符号を付したものは図1及び図3で説明したものと同一であるため説明を省略する。図3と図4との相違は、図3がガス処理装置8で処理された熱分解ガスSを燃焼装置14に供給するのに対し、図4が熱分解炉6で生じた熱分解ガスSをそのまま燃焼装置14に供給する点にある。すなわち、燃焼装置14には、微粉状の炭化物等を含んだ状態の熱分解ガスSが供給され、これを燃焼して燃焼ガスG1を生成して熱分解炉6の熱源としている。
【0051】図4に示すものは、熱分解ガスSに微粉状のチャーT1が混入した状態や、廃棄物Hの質変動が生じたときでも許容できるタイプの燃焼装置14が用いられる場合に採用され、これによりガス処理装置8により処理する熱分解ガスSの量を減少させることができるため、ガス処理装置8の負担を軽減することができる。また、図3に示すものと同様に、燃焼装置14の下流側に熱交換器を設置することや、集じん器18から排出された燃焼ガスG1を火力発電装置Xの排ガス処理装置3に送ることは可能である。
【0052】なお、前記実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る廃棄物処理方法は、熱分解ガスから塩素分を除去してからこれを火力発電装置の事業用ボイラで燃焼してその熱源としているため、熱分解ガス中に含まれる有機系塩素が事業用ボイラに投入されず、その分だけ多くの炭化物を事業用ボイラで燃焼させることができ、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができる。また、熱分解ガスを燃焼して事業用ボイラの熱源とするため、事業用ボイラを加熱するためのコストを削減でき、より安価に廃棄物を処理することができる。さらに、熱分解ガス中の塩素分は塩素除去工程で除去されるため、廃棄物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除去されることになる。
【0054】請求項2に係る廃棄物処理方法は、熱分解ガス中に混入している微粉状の炭化物を分離してから熱分解ガスを燃焼させるため、塩素除去工程を行うに際して炭化物が影響を与えることを回避し、安定して塩素除去を実施するとともに、集じん器等への悪影響を軽減することができる。
【0055】請求項3に係る廃棄物処理方法は、熱分解ガスから取り除かれた微粉状の炭化物を事業用ボイラの燃料である石炭と混合させるため、熱分解炉で生成された炭化物を効率よく燃料として用いることができ、より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができる。
【0056】請求項4に係る廃棄物処理方法は、熱分解ガス及び脱塩素化熱分解ガスの一方を燃焼してその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とするため、効率よく熱分解炉を加熱することができる。なお、脱塩素化熱分解ガスの燃焼ガスを用いるときは、燃焼ガスに塩素分が含まれていないため、熱分解炉の腐食等を容易かつ確実に回避することができる。
【0057】請求項5に係る廃棄物処理方法は、燃焼ガスを火力発電装置に備える排ガス処理装置で処理するため、熱分解炉から排出された燃焼ガスを効率よく処理することができる。特に、脱塩素化熱分解ガスの燃焼ガスでは、燃焼ガス中に塩素分を含んでいないため、事業用ボイラに付設される通常の排ガス処理装置をそのまま燃焼ガスの処理に用いることができる。
【0058】請求項6に係る廃棄物処理方法は、熱分解ガス中に消石灰を加えることにより熱分解ガス中の有機系塩素(塩化水素)と消石灰(水酸化カルシウム)とを反応させ、その反応物を除去することにより効率よく熱分解ガスから塩素分を除去することができる。
【0059】請求項7に係る廃棄物処理システムは、熱分解炉より排出された熱分解ガスから塩素分を除去して脱塩素化熱分解ガスを生成し、これを火力発電装置の事業用ボイラで燃焼して熱源とするため、熱分解ガス中に含まれる有機系塩素が事業用ボイラに投入されず、その分だけ多くの炭化物を事業用ボイラで燃焼させることができ、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができる。熱分解ガスを燃焼して事業用ボイラの熱源とするため、事業用ボイラを加熱するためのコストを削減でき、より安価に廃棄物を処理することができる。さらに、熱分解ガス中の塩素分は塩素除去装置で除去されるため、廃棄物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除去されることになる。
【0060】請求項8に係る廃棄物処理システムは、塩素除去装置に送られる前の熱分解ガス中に混入している微粉状の炭化物をガス処理装置によって取り除くため、塩素除去装置において熱分解ガスの脱塩素処理に炭化物が影響を与えることを回避し、安定した塩素除去を実施するとともに、集じん器等への悪影響を軽減することができる。
【0061】請求項9に係る廃棄物処理システムは、ガス処理装置で取り除かれた微粉状の炭化物を、搬送経路を介して事業用ボイラの燃料である石炭と混合させるため、生成された炭化物を効率よく燃料として用いることができ、より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができる。
【0062】請求項10に係る廃棄物処理システムは、熱分解ガス及び脱塩素化熱分解ガスの一方を燃焼装置で燃焼してその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とするため、効率よく熱分解炉を加熱することができる。なお、脱塩素化熱分解ガスを燃焼装置で燃焼するときは、燃焼装置の腐食等を回避するとともに、燃焼ガスにも塩素分が含まれていないため、熱分解炉の腐食等を容易かつ確実に回避することができる。
【0063】請求項11に係る廃棄物処理システムは、火力発電装置の事業用ボイラに付設された排ガス処理装置を用いて、燃焼装置で発生した燃焼ガスを処理するため、この燃焼ガスを効率よく処理することができる。特に、脱塩素化熱分解ガスの燃焼ガスでは、燃焼ガス中に塩素分を含んでいないため、事業用ボイラに付設される通常の排ガス処理装置をそのまま燃焼ガスの処理に用いることができ、本システムの簡略化を図ることによりコストを低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開2000−283432(P2000−283432A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−94412