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【発明の名称】 廃棄物の燃料利用方法
【発明者】 【氏名】吉高 恵美

【氏名】氣駕 尚志

【氏名】中村 元哉

【要約】 【課題】ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物を燃料として発電所等へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る廃棄物の燃料利用方法を提供する。

【解決手段】廃棄物1を破砕機2で破砕し、必要に応じて乾燥機3で水分除去し、熱分解炉4で熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別装置5で選別した後、該チャーを微粉化装置22で微粉化し、該微粉化したチャーを移送手段9で移送し、別設備で燃料として燃焼させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を破砕し、熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別した後、該チャーを微粉化し、該微粉化したチャーを移送し、別設備で燃料として燃焼させることを特徴とする廃棄物の燃料利用方法。
【請求項2】 廃棄物を破砕し、熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別した後、該チャーをスラリー化し、該スラリー化したチャーを移送し、別設備で燃料として燃焼させることを特徴とする廃棄物の燃料利用方法。
【請求項3】 別設備を発電所とし、該発電所の微粉炭焚ボイラにおいて、移送されたチャーを燃焼させるようにした請求項1又は2記載の廃棄物の燃料利用方法。
【請求項4】 別設備を発電所とし、該発電所の流動床ボイラにおいて、移送されたチャーを燃焼させるようにした請求項2記載の廃棄物の燃料利用方法。
【請求項5】 別設備を発電所とし、該発電所の専焼ボイラにおいて、移送されたチャーを燃焼させて蒸気を発生させ、該蒸気を主ボイラで発生させた蒸気と一緒に蒸気タービンへ導くようにした請求項1又は2記載の廃棄物の燃料利用方法。
【請求項6】 別設備を発電所とし、該発電所のガス化炉において、移送されたチャーをガス化し、該ガス化ガスをボイラで燃焼させるようにした請求項1又は2記載の廃棄物の燃料利用方法。
【請求項7】 別設備をセメント工場とし、該セメント工場のセメントキルンにおいて、移送されたチャーを燃焼させるようにした請求項1又は2記載の廃棄物の燃料利用方法。
【請求項8】 別設備を製鉄所とし、該製鉄所の高炉において、移送されたチャーを燃焼させるようにした請求項1又は2記載の廃棄物の燃料利用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の燃料利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、都市ゴミ等の廃棄物は焼却処分されるが、廃棄物のエネルギーとしての有効利用の観点から、廃棄物をボイラの燃料として利用し、発電する技術が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、廃棄物をボイラの燃料として燃焼させるのでは、廃棄物には塩素が含まれており、ボイラの伝熱管を腐食させるため、蒸気条件(蒸気の温度と圧力)をあまり上げることができず、効率のよい発電を行うことができない。廃棄物はその形状や大きさがまちまちでハンドリング性が悪く、特に一般家庭から出る生ゴミ等の廃棄物では悪臭や腐敗に関しても考慮しなければならず、広域で発生する廃棄物を処理するのは困難であった。
【0004】これらの解決策として、廃棄物を粉砕し、カルシウム等を加え、10〜20[mm]程度の柱状チップに固めて乾燥させたゴミ固形燃料(RDF:Refuse Derived Fuel)を製造する技術が開発されているが、このようなゴミ固形燃料の製造には多大なエネルギーが必要でコストも多くかかり、経済的でないという欠点を有していた。
【0005】又、廃棄物をボイラの燃料として燃焼させた場合、廃棄物に含まれる良質な有価金属は酸化されてしまうと共に、良質なガラス類は溶融してしまい、いずれも回収が不可能となっていた。
【0006】本発明は、斯かる実情に鑑み、ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物を燃料として発電所等へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る廃棄物の燃料利用方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、廃棄物を破砕し、熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別した後、該チャーを微粉化し、該微粉化したチャーを移送し、別設備で燃料として燃焼させることを特徴とする廃棄物の燃料利用方法にかかるものである。
【0008】又、本発明は、廃棄物を破砕し、熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別した後、該チャーをスラリー化し、該スラリー化したチャーを移送し、別設備で燃料として燃焼させることを特徴とする廃棄物の燃料利用方法にかかるものである。
【0009】前記廃棄物の燃料利用方法においては、別設備を発電所とし、該発電所の微粉炭焚ボイラにおいて、移送されたチャーを燃焼させるようにすることができる。
【0010】前記廃棄物の燃料利用方法においては、別設備を発電所とし、該発電所の流動床ボイラにおいて、移送されたチャーを燃焼させるようにしてもよい。
【0011】前記廃棄物の燃料利用方法においては、別設備を発電所とし、該発電所の専焼ボイラにおいて、移送されたチャーを燃焼させて蒸気を発生させ、該蒸気を主ボイラで発生させた蒸気と一緒に蒸気タービンへ導くようにすることもできる。
【0012】前記廃棄物の燃料利用方法においては、別設備を発電所とし、該発電所のガス化炉において、移送されたチャーをガス化し、該ガス化ガスをボイラで燃焼させるようにしてもよい。
【0013】前記廃棄物の燃料利用方法においては、別設備をセメント工場とし、該セメント工場のセメントキルンにおいて、移送されたチャーを燃焼させるようにすることも可能である。
【0014】前記廃棄物の燃料利用方法においては、別設備を製鉄所とし、該製鉄所の高炉において、移送されたチャーを燃焼させるようにしてもよい。
【0015】上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0016】廃棄物は破砕され、熱分解されて熱分解残渣が生成され、該熱分解残渣からチャーが選別された後、該チャーが微粉化或いはスラリー化され、該微粉化或いはスラリー化されたチャーが移送され、別設備で燃料として燃焼される。
【0017】この結果、廃棄物を熱分解により粉末状のチャーとし更に微粉化して移送するため、ハンドリング性がよくなると共に、悪臭や腐敗が発生する心配もなく、発電所やセメント工場或いは製鉄所等の別設備へ送り込むことが可能となり、しかも、別設備側にチャーの粉砕装置等は設けなくて済む。更にスラリー化すると、粉末状のままの場合より流動性がよくなってパイプラインでの移送が可能となる。
【0018】又、廃棄物の熱分解に必要なエネルギーは、熱分解の過程で生成される熱分解ガスの燃焼によって得ることができるため、外部からのエネルギー投入がほとんど必要なく、ゴミ固形燃料(RDF)を製造するよりエネルギーが少なくて済み、且つコストも少なくて済む。
【0019】更に又、廃棄物は、直接燃焼させるのではなく、比較的温度の低い熱分解により熱分解残渣を生成させるようにしているため、廃棄物に含まれる良質な鉄やアルミ等の有価金属は酸化されないと共に、良質なガラス類は溶融せず、いずれも回収が可能となってリサイクルでき、燃焼灰の減少にも役立つこととなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0021】図1は本発明を実施する形態の第一の例であって、1はゴミ等の廃棄物、2は廃棄物1を破砕する破砕機、3は破砕機2で破砕された破砕廃棄物を乾燥させ水分除去する乾燥機、4は乾燥機3で水分除去された乾燥廃棄物を熱分解する熱分解炉、5は熱分解炉4で熱分解され生成された熱分解残渣からチャー(炭化物)を選別する選別装置、7は熱分解炉4で熱分解され生成された熱分解ガスを燃料として燃焼させ発生した加熱ガスを熱分解炉4へ導く熱風炉、8は熱風炉7から熱分解炉4を経て乾燥機3へ導かれ、該乾燥機3で破砕廃棄物の乾燥に使用された後の加熱ガスを処理するための排ガス処理装置であり、廃棄物1を破砕機2で破砕し、乾燥機3で乾燥させて水分除去し、熱分解炉4で熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別装置5で選別した後、該チャーを微粉化装置22で微粉化し、該微粉化したチャーを移送手段9で移送し、別設備で燃料として燃焼させるようにしたものである。
【0022】前記熱分解炉4としては、例えば、外筒4aと内筒4bとを備えたロータリキルン等を用いることができ、内筒4b内に乾燥機3からの乾燥廃棄物を投入すると共に、外筒4aと内筒4bとの間の空間内に熱風炉7からの加熱ガスを導入することにより、空気を遮断した状態で前記乾燥廃棄物を加熱ガスによって間接的におよそ350〜500[℃]程度に加熱し熱分解させ、熱分解残渣を生成するようにしてある。
【0023】前記選別装置5としては、例えば、前記熱分解炉4で生成された熱分解残渣をスクリーン(篩)にかけ、缶等の金属類とそれ以外のものとに選別し、金属類以外のものを風力選別機にかけ、比重の差を利用してガラス類とチャーとに選別する一方、前記金属類を磁選機にかけ、鉄とアルミとに選別するようなものを用いることができる。
【0024】前記微粉化装置22としては、例えば、粒径およそ1〜数10[mm]程度のチャーを粒径およそ数[μm]〜数100[μm]程度に微粉化するローラミルやボールミル等を用いることができる。
【0025】前記移送手段9としては、チャーを生成する設備と別設備との距離に応じて、例えば、微粉化したチャーを積載して輸送するトラックや列車、或いは微粉化したチャーを搬送するコンベヤ等を用いることができる。
【0026】図1に示す第一の例の場合、別設備を発電所とし、該発電所の微粉炭焚ボイラ11において、移送されたチャーの微粉を微粉炭と一緒に燃焼させるようにし、該微粉炭焚ボイラ11で発生させた蒸気を蒸気タービン12へ導き、発電機13を駆動して発電を行うようにしてある。
【0027】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0028】廃棄物1は破砕機2でおよそ150[mm]以下に破砕され、該破砕機2で破砕された破砕廃棄物は、乾燥機3で乾燥され、水分除去され、該乾燥機3で水分除去された乾燥廃棄物は、熱分解炉4においておよそ350〜500[℃]程度の温度で熱分解され、熱分解残渣と熱分解ガスとが生成される。
【0029】ここで、前記熱分解炉4において生成された熱分解ガスは、熱風炉7で燃焼され、該熱風炉7で燃焼して発生した加熱ガスは、前記熱分解炉4の外筒4aと内筒4bとの間の空間内を通って前記乾燥廃棄物の熱分解のための間接加熱に利用された後、前記乾燥機3へ導かれ、該乾燥機3において前記破砕廃棄物の水分除去に利用され、該破砕廃棄物の水分除去に利用された後の加熱ガスのうちの一部は、前記熱風炉7へ供給され、熱分解ガスの燃焼に利用され、循環される一方、それ以外の加熱ガスは前記乾燥機3から排ガス処理装置8へ送給され、処理される。
【0030】前記熱分解炉4において生成された熱分解残渣は、選別装置5において、例えば、スクリーン(篩)にかけられ、缶等の金属類とそれ以外のものとに選別され、金属類以外のものが風力選別機にかけられ、比重の差を利用してガラス類とチャー(粒径およそ1〜数10[mm]程度)とに選別される一方、前記金属類が磁選機にかけられ、鉄とアルミとに選別される。
【0031】前記選別装置5において選別されたチャーは、微粉化装置22で微粉化され、該微粉化されたチャーを積載して輸送するトラックや列車、或いは微粉化されたチャーを搬送するコンベヤ等の移送手段9によって移送され、別設備としての発電所の微粉炭焚ボイラ11において、移送されたチャーの微粉が微粉炭と一緒に燃焼され、該微粉炭焚ボイラ11で発生させた蒸気が蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0032】この結果、廃棄物1を熱分解により粒径およそ1〜数10[mm]程度の粉末状のチャーとし更に数[μm]〜数100[μm]程度に微粉化して移送するため、ハンドリング性がよくなると共に、悪臭や腐敗が発生する心配もなく、発電所へ送り込むことが可能となり、しかも、別設備側にチャーの粉砕装置等は設けなくて済む。
【0033】又、廃棄物1の熱分解に必要なエネルギーは、熱分解の過程で生成される熱分解ガスの燃焼によって得ることができるため、外部からのエネルギー投入がほとんど必要なく、ゴミ固形燃料(RDF)を製造するよりエネルギーが少なくて済み、且つコストも少なくて済む。
【0034】更に又、廃棄物1は、直接燃焼させるのではなく、比較的温度の低い熱分解により熱分解残渣を生成させるようにしているため、廃棄物1に含まれる良質な鉄やアルミ等の有価金属は酸化されないと共に、良質なガラス類は溶融せず、いずれも回収が可能となってリサイクルでき、燃焼灰の減少にも役立つこととなる。
【0035】こうして、ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0036】図2は本発明を実施する形態の第二の例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図2に示す如く、別設備としての発電所に、石炭、石油、ガス、或いはその他の燃料を燃やす主ボイラ16とは別にチャーの微粉の専焼ボイラ17を設け、該専焼ボイラ17において、移送されたチャーの微粉を燃焼させて蒸気を発生させ、該蒸気を主ボイラ16で発生させた蒸気と一緒に蒸気タービン12へ導くようにした点にある。
【0037】図2に示す第二の例においては、別設備としての発電所の専焼ボイラ17において、図1に示す第一の例と同様に移送されたチャーの微粉が燃焼されて蒸気が発生され、該蒸気が主ボイラ16で発生させた蒸気と一緒に蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0038】こうして、図2に示す第二の例の場合にも図1に示す第一の例の場合と同様に、ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得、更に、廃棄物の灰と石炭灰を分別することが可能になる。
【0039】図3は本発明を実施する形態の第三の例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図3に示す如く、別設備としての発電所に、石炭、石油、ガス、或いはその他の燃料を燃やすボイラ18とは別にチャーの微粉のガス化炉19を設け、該ガス化炉19において、移送されたチャーの微粉をガス化し、該ガス化ガスをボイラ18で燃焼させるようにした点にある。
【0040】図3に示す第三の例においては、別設備としての発電所のガス化炉19において、図1に示す第一の例と同様に移送されたチャーの微粉がガス化され、該ガス化ガスが、石炭、石油、ガス、或いはその他の燃料と一緒にボイラ18で燃焼され、該ボイラ18で発生させた蒸気が蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0041】こうして、図3に示す第三の例の場合にも図1に示す第一の例の場合と同様に、ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得、更に廃棄物の灰と石炭灰を分別することが可能になる。
【0042】図4は本発明を実施する形態の第四の例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図4に示す如く、別設備をセメント工場とし、該セメント工場のセメントキルン20において、移送されたチャーの微粉を燃焼させるようにした点にある。
【0043】図4に示す第四の例においては、別設備としてのセメント工場のセメントキルン20において、図1に示す第一の例と同様に移送されたチャーの微粉が燃焼され、原料であるセメントの焼成が行われ、製品としてのセメントが生成される。
【0044】こうして、図4に示す第四の例の場合には、ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料としてセメント工場へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0045】図5は本発明を実施する形態の第五の例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図5に示す如く、別設備を製鉄所とし、該製鉄所の高炉21において、移送されたチャーの微粉を燃焼させるようにした点にある。
【0046】図5に示す第五の例においては、別設備としての製鉄所の高炉21において、図1に示す第一の例と同様に移送されたチャーの微粉が燃焼され、原料である鉄鉱石等の溶融が行われ、製品としての鉄が製造される。
【0047】こうして、図5に示す第五の例の場合には、ハンドリング性が良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として製鉄所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0048】図6は本発明を実施する形態の第六の例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図6に示す如く、廃棄物1を破砕機2で破砕し、乾燥機3で乾燥させて水分除去し、熱分解炉4で熱分解させて熱分解残渣を生成し、該熱分解残渣からチャーを選別装置5で選別した後、該チャーをスラリー化装置23でスラリー化し、該スラリー化したチャーを移送手段9で移送し、別設備としての発電所の微粉炭焚ボイラ11において、移送されたチャーのスラリーを微粉炭と一緒に燃焼させるようにし、該微粉炭焚ボイラ11で発生させた蒸気を蒸気タービン12へ導き、発電機13を駆動して発電を行うようにした点にある。
【0049】前記スラリー化装置23としては、例えば、水を微粉化したチャーに混ぜて撹拌しスラリー化する装置を用いることができる。
【0050】前記移送手段9としては、チャーを生成する設備と別設備との距離に応じて、例えば、スラリー化したチャーを積載して輸送するトラックや列車、或いはスラリー化したチャーを搬送するパイプライン等を用いることができる。
【0051】図6に示す第六の例においては、図1に示す第一の例と同様に選別装置5において選別されたチャーは、スラリー化装置23でスラリー化され、該スラリー化されたチャーを積載して輸送するトラックや列車、或いはスラリー化されたチャーを搬送するパイプライン等の移送手段9によって移送され、別設備としての発電所の微粉炭焚ボイラ11において、移送されたチャーのスラリーが微粉炭と一緒に燃焼され、該微粉炭焚ボイラ11で発生させた蒸気が蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0052】この結果、廃棄物1を熱分解により粒径およそ1〜数10[mm]程度の粉末状のチャーとし更にスラリー化して移送するため、粉末状のままの場合より流動性がよくなってハンドリング性が更によくなると共に、悪臭や腐敗が発生する心配もなく、発電所へ送り込むことが可能となり、しかも、別設備側にチャーの粉砕装置等は設けなくて済み、又、廃棄物1の熱分解に必要なエネルギーは、熱分解の過程で生成される熱分解ガスの燃焼によって得ることができるため、外部からのエネルギー投入がほとんど必要なく、ゴミ固形燃料(RDF)を製造するよりエネルギーが少なくて済み、且つコストも少なくて済む。更に又、廃棄物1は、直接燃焼させるのではなく、比較的温度の低い熱分解により熱分解残渣を生成させるようにしているため、廃棄物1に含まれる良質な鉄やアルミ等の有価金属は酸化されないと共に、良質なガラス類は溶融せず、いずれも回収が可能となってリサイクルでき、燃焼灰の減少にも役立つこととなる。
【0053】こうして、図6に示す第六の例の場合にも図1に示す第一の例の場合と同様に、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0054】図7は本発明を実施する形態の第七の例であって、図中、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図7に示す如く、別設備としての発電所の流動床ボイラ15において、移送されたチャーのスラリーを燃焼させるようにした点にある。
【0055】図7に示す第七の例においては、別設備として発電所の流動床ボイラ15において、石炭やその他の燃料と一緒に、図6に示す第六の例と同様に移送されたチャーのスラリーが燃焼され、該流動床ボイラ15で発生させた蒸気が蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0056】こうして、図7に示す第七の例の場合にも図6に示す第六の例の場合と同様に、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0057】図8は本発明を実施する形態の第八の例であって、図中、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図8に示す如く、別設備としての発電所に、石炭、石油、ガス、或いはその他の燃料を燃やす主ボイラ16とは別にチャーのスラリーの専焼ボイラ17を設け、該専焼ボイラ17において、移送されたチャーのスラリーを燃焼させて蒸気を発生させ、該蒸気を主ボイラ16で発生させた蒸気と一緒に蒸気タービン12へ導くようにした点にある。
【0058】図8に示す第八の例においては、別設備としての発電所の専焼ボイラ17において、図6に示す第六の例と同様に移送されたチャーのスラリーが燃焼されて蒸気が発生され、該蒸気が主ボイラ16で発生させた蒸気と一緒に蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0059】こうして、図8に示す第八の例の場合にも図6に示す第六の例の場合と同様に、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得、更に廃棄物の灰と石炭灰を分別することが可能となる。
【0060】図9は本発明を実施する形態の第九の例であって、図中、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図9に示す如く、別設備としての発電所に、石炭、石油、ガス、或いはその他の燃料を燃やすボイラ18とは別にチャーのスラリーのガス化炉19を設け、該ガス化炉19において、移送されたチャーのスラリーをガス化し、該ガス化ガスをボイラ18で燃焼させるようにした点にある。
【0061】図9に示す第九の例においては、別設備としての発電所のガス化炉19において、図6に示す第六の例と同様に移送されたチャーの微粉がガス化され、該ガス化ガスが、石炭、石油、ガス、或いはその他の燃料と一緒にボイラ18で燃焼され、該ボイラ18で発生させた蒸気が蒸気タービン12へ導かれ、発電機13が駆動されて発電が行われる。
【0062】こうして、図9に示す第九の例の場合にも図6に示す第六の例の場合と同様に、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として発電所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得、更に廃棄物の灰と石炭灰を分別することが可能となる。
【0063】図10は本発明を実施する形態の第十の例であって、図中、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図10に示す如く、別設備をセメント工場とし、該セメント工場のセメントキルン20において、移送されたチャーのスラリーを燃焼させるようにした点にある。
【0064】図10に示す第十の例においては、別設備としてのセメント工場のセメントキルン20において、図6に示す第六の例と同様に移送されたチャーのスラリーが燃焼され、原料であるセメントの焼成が行われ、製品としてのセメントが生成される。
【0065】こうして、図10に示す第十の例の場合には、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料としてセメント工場へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0066】図11は本発明を実施する形態の第十一の例であって、図中、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図6に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図11に示す如く、別設備を製鉄所とし、該製鉄所の高炉21において、移送されたチャーのスラリーを燃焼させるようにした点にある。
【0067】図11に示す第十一の例においては、別設備としての製鉄所の高炉21において、図6に示す第六の例と同様に移送されたチャーのスラリーが燃焼され、原料である鉄鉱石等の溶融が行われ、製品としての鉄が製造される。
【0068】こうして、図11に示す第十一の例の場合には、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物1を燃料として製鉄所へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物1に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得る。
【0069】尚、本発明の廃棄物の燃料利用方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、廃棄物が水分を含んでいないものである場合には、乾燥機による水分除去は省略できること等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0070】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の廃棄物の燃料利用方法によれば、流動性がよくハンドリング性が非常に良好で悪臭や腐敗の発生を防止しつつ、廃棄物を燃料として発電所やセメント工場或いは製鉄所等へ送り込むことができ、且つゴミ固形燃料の製造に比べ燃料化に必要なエネルギー並びにコストも少なくでき、経済的にも有利となり、しかも、廃棄物に含まれる良質な有価金属やガラス類を回収し得るという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2000−283430(P2000−283430A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−91668