| 【発明の名称】 |
火薬の燃焼処理方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】堤 香津雄
【氏名】舟橋 公廣
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| 【要約】 |
【課題】火薬を安全に燃焼処理する。火薬を低公害で燃焼させる。火薬の燃焼処理能力を向上させる。
【解決手段】粉体(粉末)状の火薬を水及び不活性な粉体と混合して希釈したスラリー状の火薬を、スラリーホッパ10からスラリー供給機12で流動層燃焼炉16に供給することにより、火薬を流動層18内で爆発を伴うことなく安全に低公害燃焼させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉体状の火薬を水及び不活性な粉体と混合して希釈したスラリー状の火薬を、流動層燃焼炉に供給して、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴とする火薬の燃焼処理方法。 【請求項2】 粉体状の火薬と水との混合物である火薬の水スラリーを、流動層燃焼炉に供給して、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴とする火薬の燃焼処理方法。 【請求項3】 火薬を、水及び不活性な粉体とともに湿式粉砕・混合するか、又は水とともに湿式粉砕・混合して、流動層燃焼炉に供給し、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴とする火薬の燃焼処理方法。 【請求項4】 火薬を、水及び不活性な粉体と混合するか、又は水と混合して、流動層燃焼炉に供給し、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴とする火薬の燃焼処理方法。 【請求項5】 火薬と水との混合物である火薬の水スラリーに、不活性な粉体を混合して、流動層燃焼炉に供給する請求項1記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項6】 火薬と不活性な粉体との混合物に、水を混合して、流動層燃焼炉に供給する請求項1記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項7】 窒素を含む火薬をスラリー状の混合物として流動層燃焼炉に供給し、流動層温度を100〜900℃にして部分燃焼させて可燃性ガスを発生させ、火薬に含まれる窒素から生成される脱硝剤とともに、前記可燃性ガスをフリーボード内で再度燃焼させて窒素酸化物の発生を抑える請求項1〜6のいずれかに記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項8】 ハロゲンを含む火薬をスラリー状の混合物として流動層燃焼炉に供給し、流動層温度を100〜600℃にして部分燃焼させ、流動層内にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを含む粉体を供給するか、又は予め該粉体を火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生したハロゲン化水素を塩として固定化する請求項1〜6のいずれかに記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項9】 硫黄を含む火薬をスラリー状の混合物として流動層燃焼炉に供給し、流動層温度を780〜890℃にして完全燃焼させ、流動層内に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給するか、又は予め生石灰、石灰石、消石灰もしくは/及びドロマイトを火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した硫黄酸化物を石膏として固定化する請求項1〜6のいずれかに記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項10】 流動層燃焼炉に供給する火薬が、トリニトロセルロース、トリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、トリニトロフェノール、ジニトロナフタリン及び黒色火薬の少なくともいずれかである請求項1〜9のいずれかに記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項11】 不活性な粉体として、砂、土、泥、アルミナボール及び粒状ゼオライトの少なくともいずれかを用いる請求項1〜10のいずれかに記載の火薬の燃焼処理方法。 【請求項12】 粉体状の火薬を水分を含んだ不活性な粉体又は水で希釈して得られるスラリー状の火薬が貯留されるスラリー貯留手段と、スラリー貯留手段からのスラリー状の火薬を流動層燃焼炉の流動層内に供給するスラリー供給手段と、スラリー供給手段に接続された、不活性な流動媒体で形成される流動層と二段燃焼が可能なフリーボードとを備える、供給した火薬を爆発を伴わずに低公害燃焼させるための流動層燃焼炉とを包含してなることを特徴とする火薬の燃焼処理装置。 【請求項13】 処理原料である火薬、火薬と水との混合物である火薬の水スラリー、火薬と水と不活性な粉体との混合物である火薬・粉体・水スラリー及び火薬と不活性な粉体との混合物のいずれかが貯留される原料貯留手段と、原料貯留手段に貯留される火薬の粒度が大きい場合に、原料貯留手段からの火薬を水及び不活性な粉体の少なくともいずれかとともに湿式粉砕・混合するための、水供給手段及び不活性粉体供給手段に接続された湿式粉砕・混合手段と、原料貯留手段から湿式粉砕・混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬と不活性な粉体との混合物又は火薬・粉体・水スラリーに不活性な粉体を混合するための不活性粉体供給手段と、原料貯留手段から湿式粉砕・混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬・粉体・水スラリー又は火薬と不活性な粉体との混合物に水を混合するための水供給手段と、湿式粉砕・混合手段からのスラリー状の火薬を流動層燃焼炉の流動層内に供給するスラリー供給手段と、スラリー供給手段に接続された、不活性な流動媒体で形成される流動層と二段燃焼が可能なフリーボードとを備える、供給した火薬を爆発を伴わずに低公害燃焼させるための流動層燃焼炉とを包含してなることを特徴とする火薬の燃焼処理装置。 【請求項14】 処理原料である火薬、火薬と水との混合物である火薬の水スラリー、火薬と水と不活性な粉体との混合物である火薬・粉体・水スラリー及び火薬と不活性な粉体との混合物のいずれかが貯留される原料貯留手段と、原料貯留手段からの火薬に水及び不活性な粉体の少なくともいずれかを混合するための、水供給手段及び不活性粉体供給手段に接続された混合手段と、原料貯留手段から混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬と不活性な粉体との混合物又は火薬・粉体・水スラリーに不活性な粉体を混合するための不活性粉体供給手段と、原料貯留手段から混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬・粉体・水スラリー又は火薬と不活性な粉体との混合物に水を混合するための水供給手段と、混合手段からのスラリー状の火薬を流動層燃焼炉の流動層内に供給するスラリー供給手段と、スラリー供給手段に接続された、不活性な流動媒体で形成される流動層と二段燃焼が可能なフリーボードとを備える、供給した火薬を爆発を伴わずに低公害燃焼させるための流動層燃焼炉とを包含してなることを特徴とする火薬の燃焼処理装置。 【請求項15】 流動層が部分燃焼流動層であり、流動層燃焼炉に供給される火薬が窒素を含む場合に、流動層に供給される燃料量及び/又はガス量を調整することにより流動層温度を下げて火薬を部分燃焼させ、火薬に含まれる窒素から生成される化合物を脱硝剤に使用し、部分燃焼で発生した可燃性ガスをフリーボード内で再度燃焼させて窒素酸化物の発生を抑えるように、フリーボードを二段燃焼部兼脱硝部とした請求項12、13又は14記載の火薬の燃焼処理装置。 【請求項16】 流動層が部分燃焼流動層であり、この流動層にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを供給するアルカリ類供給手段を接続するか、又はアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを混合させたスラリー状の火薬を供給するスラリー供給手段を接続し、流動層下部に流動媒体抜出管を接続し、流動層燃焼炉に供給される火薬がハロゲンを含む場合に、流動層に供給される燃料量及び/又はガス量を調整することにより流動層温度を塩の分解温度以下に下げて、流動層内にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを含む粉体を供給するか、又は予め該粉体を火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生したハロゲン化水素を塩として固定化し、生成した塩を流動媒体抜出管から、又はフリーボードで燃焼して発生した燃焼ガスの同伴粒子として系外に排出するようにした請求項12、13又は14記載の火薬の燃焼処理装置。 【請求項17】 流動層が燃焼流動層であり、この流動層に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給する石灰類供給手段を接続するか、又は生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを混合させたスラリー状の火薬を供給するスラリー供給手段を接続し、流動層下部に流動媒体抜出管を接続し、流動層燃焼炉に供給される火薬が硫黄を含む場合に、流動層に供給される燃料量及び/又はガス量を調整することにより流動層温度を石灰石の焼成温度以上で、かつ、石膏の分解温度以下に調整して、流動層内に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給するか、又は予め生石灰、石灰石、消石灰もしくは/及びドロマイトを火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した硫黄酸化物を石膏として固定化し、生成した石膏を流動媒体抜出管から、又はフリーボードで燃焼して発生した燃焼ガスの同伴粒子として系外に排出するようにした請求項12、13又は14記載の火薬の燃焼処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、不用な兵器の解体処理等における火薬の燃焼処理方法及び装置、詳しくは、火薬の燃焼処理に流動層燃焼炉を用い、水分を含んだ粉体又は/及び水で希釈した火薬を炉内に供給することにより、爆発を伴わずに火薬を低公害燃焼させる方法及び装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、火薬の処理は爆燃又は高速燃焼により燃焼処理していた。この場合、少量の火薬を大気解放し、遠隔操作で点火して燃焼させる方法が採用されていた。また、特開平7−253300号公報には、弾体に開口部を設け、フルオロカーボン液又はフルオロカーボンポリエーテル液に弾体を浸漬して液を加温し、弾体内のTNT火薬を溶融させて液中に浮遊させ、このTNT火薬を回収して冷却・固形化する抜薬方法及び装置が記載されている。上記公報記載の発明は、TNTを加熱溶融させて弾体から抜くという技術であり、爆発を伴わずに火薬を低公害燃焼させる技術とは全く異なっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の火薬の燃焼処理には、以下のような問題がある。 (1) 安全に処理することができず、危険である。火薬をそのまま燃焼させると燃焼速度が速く、短時間に反応が進むため、高温又は高圧状態が発生し、人や物に機械的、熱的衝撃を与え、怪我、火傷、破損、変形、変質等の危険が伴う。 (2) 公害物質の発生が多い。火薬をそのまま燃焼させると燃焼速度が速く、短時間に反応が進むため、燃焼が不完全に完結し、未燃炭化水素、一酸化炭素、煤が多量に発生する。また、ニトロ基、アジ化物、ジアゾ化物等の窒素を含む火薬を燃焼させると、有害な窒素酸化物が発生する。また、黒色火薬等の硫黄を含む火薬を燃焼させると、有害な硫黄酸化物が発生する。また、亜塩素酸、次亜塩素酸、ハロゲンのアジ化物等のハロゲンを含む火薬を燃焼させると、塩化水素等のハロゲン化水素が発生する。 (3) 処理能力が低い。従来の火薬燃焼処理方法は、回分方式で、連続操作ができず、また、危険性を考慮して十分広い場所が必要なことから、単位時間当たりの処理量、単位面積当たりの処理量とも低い。 【0004】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、火薬の燃焼処理に流動層燃焼炉を用い、水分を含んだ砂等の粉体又は/及び水で希釈してスラリー化した火薬を流動層に供給することにより、温度及び圧力の急激な上昇を抑えて、爆発等を伴うことなく火薬を安全に燃焼処理することができる方法及び装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、窒素を含む火薬に対しては流動層温度を下げて、かつ、部分燃焼(還元雰囲気での燃焼)させ、フリーボードで再燃焼させるように空気を供給することにより、窒素酸化物の発生を抑制することができ、ハロゲンを含む火薬に対しては流動層温度を塩の分解温度以下に下げて、流動層にアルカリ金属又は/及びアルカリ土類金属の化合物を直接供給するか、又は火薬と一緒に供給することにより、ハロゲン化水素を塩として固定化することができ、硫黄を含む火薬に対しては流動層内を酸化雰囲気にして流動層温度を石灰石の焼成温度以上で、かつ、石膏の分解温度以下に調整して流動層内を酸化雰囲気にして燃焼させ、流動層に石灰石や生石灰等を直接供給するか、又は火薬と一緒に供給することにより、硫黄酸化物を石膏として固定化することができる低公害燃焼が可能な火薬の燃焼処理方法及び装置を提供することにある。また、本発明のさらに他の目的は、火薬を水及び砂等の粉体との混合物、又は水との混合物として流体のように取り扱い、連続的に流動層に供給することにより、火薬を連続的に安全に燃焼させ、処理速度を上げることができ、処理に必要な装置の面積を少なくすることができる方法及び装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の火薬の燃焼処理方法は、粉体(粉末)状の火薬を水及び不活性な粉体と混合して希釈したスラリー状の火薬を、流動層燃焼炉に供給して、爆発を伴うことなく低公害燃焼させるように構成されている(図1〜図6参照)。また、本発明の方法は、粉体(粉末)状の火薬と水との混合物である火薬の水スラリーを、流動層燃焼炉に供給して、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴としている。また、供給する火薬が粉体でない場合、本発明の方法は、火薬を、水及び不活性な粉体とともに湿式粉砕・混合するか、又は水とともに湿式粉砕・混合して、流動層燃焼炉に供給し、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴としている(図2参照)。また、本発明の方法は、火薬を、水及び不活性な粉体と混合するか、又は水と混合して、流動層燃焼炉に供給し、爆発を伴うことなく低公害燃焼させることを特徴としている(図3参照)。 【0006】上記の本発明の方法において、火薬と水との混合物である火薬の水スラリーに、不活性な粉体を混合して、流動層燃焼炉に供給することができる(図2、図3参照)。また、上記の本発明の方法において、火薬と不活性な粉体との混合物に、水を混合して、流動層燃焼炉に供給することができる(図2、図3参照)。また、これらの本発明の方法において、ニトロ基、アジ化物、ジアゾ化物等の窒素を含む火薬をスラリー状の混合物として流動層燃焼炉に供給する場合、流動層温度を100〜900℃、望ましくは500〜600℃にして部分燃焼させて可燃性ガスを発生させ、火薬に含まれる窒素から生成されるアンモニア、シアン等の脱硝剤とともに、前記可燃性ガスをフリーボード内で再度燃焼させて窒素酸化物の発生を抑えることが好ましい(図4参照)。 【0007】また、これらの本発明の方法において、アジ化ハロゲン、塩素酸塩等のハロゲンを含む火薬をスラリー状の混合物として流動層燃焼炉に供給する場合、流動層温度を100〜600℃、望ましくは500〜600℃にして部分燃焼させ、流動層内に生石灰、酸化カリウム、酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを含む粉体を供給するか、又は予め該粉体を火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した塩化水素等のハロゲン化水素を塩として固定化することが好ましい(図5参照)。また、これらの本発明の方法において、黒色火薬等の硫黄を含む火薬をスラリー状の混合物として流動層燃焼炉に供給する場合、流動層温度を780〜890℃にして完全燃焼させ、流動層内に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給するか、又は予め生石灰、石灰石、消石灰もしくは/及びドロマイトを火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した二酸化硫黄等の硫黄酸化物を石膏として固定化することが好ましい(図6参照)。 【0008】また、これらの本発明の方法において、流動層燃焼炉に供給する火薬の種類としては、トリニトロセルロース、トリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、トリニトロフェノール(黄色火薬)、ジニトロナフタリン、黒色火薬等が挙げられる。また、これらの本発明の方法においては、火薬に混合する不活性な粉体として、砂、土、泥、アルミナボール、粒状ゼオライト等を用いることができる。 【0009】本発明の火薬の燃焼処理装置は、粉体(粉末)状の火薬を水分を含んだ不活性な粉体又は水で希釈して得られるスラリー状の火薬が貯留されるスラリー貯留手段と、スラリー貯留手段からのスラリー状の火薬を流動層燃焼炉の流動層内に供給するスラリー供給手段と、スラリー供給手段に接続された、不活性な流動媒体で形成される流動層と二段燃焼が可能なフリーボードとを備える、供給した火薬を爆発を伴わずに低公害燃焼させるための流動層燃焼炉とを包含してなることを特徴としている(図1、図4〜図6参照)。 【0010】また、本発明の装置は、処理原料である火薬、火薬と水との混合物である火薬の水スラリー、火薬と水と不活性な粉体との混合物である火薬・粉体・水スラリー及び火薬と不活性な粉体との混合物のいずれかが貯留される原料貯留手段と、原料貯留手段に貯留される火薬の粒度が大きい場合に、原料貯留手段からの火薬を水及び不活性な粉体の少なくともいずれかとともに湿式粉砕・混合するための、水供給手段及び不活性粉体供給手段に接続された湿式粉砕・混合手段と、原料貯留手段から湿式粉砕・混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬と不活性な粉体との混合物又は火薬・粉体・水スラリーに不活性な粉体を混合するための不活性粉体供給手段と、原料貯留手段から湿式粉砕・混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬・粉体・水スラリー又は火薬と不活性な粉体との混合物に水を混合するための水供給手段と、湿式粉砕・混合手段からのスラリー状の火薬を流動層燃焼炉の流動層内に供給するスラリー供給手段と、スラリー供給手段に接続された、不活性な流動媒体で形成される流動層と二段燃焼が可能なフリーボードとを備える、供給した火薬を爆発を伴わずに低公害燃焼させるための流動層燃焼炉とを包含してなることを特徴としている(図2参照)。 【0011】また、本発明の装置は、処理原料である火薬、火薬と水との混合物である火薬の水スラリー、火薬と水と不活性な粉体との混合物である火薬・粉体・水スラリー及び火薬と不活性な粉体との混合物のいずれかが貯留される原料貯留手段と、原料貯留手段からの火薬に水及び不活性な粉体の少なくともいずれかを混合するための、水供給手段及び不活性粉体供給手段に接続された混合手段と、原料貯留手段から混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬と不活性な粉体との混合物又は火薬・粉体・水スラリーに不活性な粉体を混合するための不活性粉体供給手段と、原料貯留手段から混合手段に供給される火薬、火薬の水スラリー、火薬・粉体・水スラリー又は火薬と不活性な粉体との混合物に水を混合するための水供給手段と、混合手段からのスラリー状の火薬を流動層燃焼炉の流動層内に供給するスラリー供給手段と、スラリー供給手段に接続された、不活性な流動媒体で形成される流動層と二段燃焼が可能なフリーボードとを備える、供給した火薬を爆発を伴わずに低公害燃焼させるための流動層燃焼炉とを包含してなることを特徴としている(図3参照)。 【0012】これらの本発明の装置において、流動層が部分燃焼流動層であり、流動層燃焼炉に供給される火薬がニトロ基、アジ化物、ジアゾ化物等の窒素を含む場合に、流動層に供給される燃料量及び/又はガス量を調整することにより流動層温度を下げて火薬を部分燃焼させ、火薬に含まれる窒素から生成されるアンモニア、シアン等の化合物を脱硝剤に使用し、部分燃焼で発生した可燃性ガスをフリーボード内で再度燃焼させて窒素酸化物の発生を抑えるように、フリーボードを二段燃焼部兼脱硝部とすることができる(図4参照)。 【0013】また、これらの本発明の装置において、流動層が部分燃焼流動層であり、この流動層にアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを供給するアルカリ類供給手段を接続するか、又はアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを混合させたスラリー状の火薬を供給するスラリー供給手段を接続し、流動層下部に流動媒体抜出管を接続し、流動層燃焼炉に供給される火薬がアジ化ハロゲン、塩素酸塩等のハロゲンを含む場合に、流動層に供給される燃料量及び/又はガス量を調整することにより流動層温度を塩の分解温度以下に下げて、流動層内に生石灰、酸化カリウム、酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかを含む粉体を供給するか、又は予め該粉体を火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した塩化水素等のハロゲン化水素を塩として固定化し、生成した塩(塩化カルシウム等)を流動媒体抜出管から、又はフリーボードで燃焼して発生した燃焼ガスの同伴粒子として系外に排出することができる(図5参照)。 【0014】また、これらの本発明の装置において、流動層が燃焼流動層であり、この流動層に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給する石灰類供給手段を接続するか、又は生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを混合させたスラリー状の火薬を供給するスラリー供給手段を接続し、流動層下部に流動媒体抜出管を接続し、流動層燃焼炉に供給される火薬が黒色火薬など硫黄を含む場合に、流動層に供給される燃料量及び/又はガス量を調整することにより流動層温度を石灰石の焼成温度以上で、かつ、石膏の分解温度以下に調整して、流動層内に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給するか、又は予め生石灰、石灰石、消石灰もしくは/及びドロマイトを火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した二酸化硫黄等の硫黄酸化物を石膏として固定化し、生成した石膏を流動媒体抜出管から、又はフリーボードで燃焼して発生した燃焼ガスの同伴粒子として系外に排出することができる(図6参照)。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。図1は、本発明の実施の第1形態による火薬の燃焼処理方法を実施する装置を示している。図1に示すように、スラリーホッパ10には、水と砂等の不活性な粉体で希釈されたスラリー状の火薬が貯蔵されている。本実施の形態では、不活性な粉体として、例えば、砂を用いているが、火薬の濃縮化及び高温化を防止できる粉体であれば、その種類は問わない。砂以外の不活性な粉体としては、一例として、土、泥、アルミナボール、粒状ゼオライト等が挙げられる。なお、火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬をスラリーホッパ10に貯蔵し、この水スラリー状の火薬を後述の処理に供する構成とすることも可能である。 【0016】スラリーホッパ10に貯蔵されたスラリー状の火薬は、プッシャーやスクリューフィーダー等のスラリー供給機12で定量切り出しが行われ、スラリー供給管14を通って流動層燃焼炉16の流動層18に供給される。流動層18は砂(例えば、珪砂)等の不活性な流動媒体で形成されており、一次空気供給管20から風箱22に供給される高温燃焼ガスがガス分散板24から噴出されて、流動層18の流動化及び予熱が行われる。なお、一次空気供給管20から高温又は常温の空気を供給する場合もある。そして、燃料供給管26から供給される油、ガス、微粉炭等の燃料によって火薬の燃焼温度に維持されている。なお、ガス分散板24としては、多孔板型の他に、キャップ型等のものを用いることができ、また、散気管型のガス分散装置を用いることも可能である。後述するように、二段燃焼が必要な場合は、二次空気供給管28からフリーボード30に供給される二段燃焼用空気によって、フリーボード30で未燃炭素や可燃性ガス等の燃焼が行われ、燃焼排ガスとなって燃焼排ガス管32から排出される。なお、図1では、流動媒体抜出管の図示を省略している。 【0017】火薬の流動層燃焼炉16への供給を水と砂との混合スラリーにすることによって、乾燥しても砂の存在によって濃縮されず、滞留しても砂の存在で沈殿濃縮されず、液化しても砂の表面に表面張力で付着して濃縮されず、加熱されても水の存在で100℃以上に温度が上がらずに扱うことができる。また、流動層で火薬を燃焼させると、火薬の燃焼によって発生した熱が砂等の流動媒体によって吸収される作用がある。この場合、流動層内における粒子表面の熱伝達係数は、空中に置かれた粒子表面の熱伝達係数の100〜1000倍程度大きい。また、火薬を水と砂との混合物として、流体として取り扱うようにし、流動層に連続供給することにより、仕込みの時間ロス等をなくして常に燃焼処理が行えるようになる。 【0018】本実施の形態において、流動層燃焼炉16に供給する火薬の種類としては、トリニトロセルロース、トリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、トリニトロフェノール(黄色火薬)、ジニトロナフタリン、黒色火薬等が挙げられ、これらの火薬を水及び砂等の不活性な粉体との混合物、又は水との混合物として、スラリーホッパ10に貯蔵し、流動層燃焼炉16に供給して燃焼処理する。例えば、トリニトロトルエンの発火温度は230℃であり、火薬のハンドリングにおいて火薬の濃縮化及び高温化が防止されることにより、燃焼室以外での燃焼が回避できる。 【0019】図2は、本発明の実施の第2形態による火薬の燃焼処理方法を実施する装置を示している。図2に示すように、原料ホッパ34には、火薬のみ、火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬、火薬と水と砂等の不活性な粉体との混合物である火薬・粉体・水スラリー又は火薬と砂等の不活性な粉体との混合物が貯蔵されている。例えば、原料ホッパ34に火薬のみが貯蔵されている場合で、かつ、火薬の粒度が大きい場合は、原料ホッパ34内の火薬は、水供給管36からの水とともに、湿式ボールミル等の粉砕・混合機38に供給されて湿式粉砕される。粉砕され水と混合されたスラリー状の火薬に、ホッパ40から切り出した砂等の不活性な粉体が混合され、このスラリー状の混合物がプッシャーやスクリューフィーダー等のスラリー供給機12に送られる。なお、ホッパ40からの砂等の不活性な粉体を粉砕・混合機38に供給して、ここで、火薬及び水と混合することもできる。また、ホッパ40から砂等の不活性な粉体を供給せずに、火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬をスラリー供給機12に送る場合もある。 【0020】また、例えば、原料ホッパ34に火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬が貯蔵されている場合で、かつ、水スラリー状の火薬の粒度が大きい場合は、原料ホッパ34内の水スラリー状の火薬は湿式ボールミル等の粉砕・混合機38に供給されて湿式粉砕される。この場合、水は、供給される場合と、供給されない場合がある。粉砕された水スラリー状の火薬に、ホッパ40から切り出した砂等の不活性な粉体が混合され、このスラリー状の混合物がプッシャーやスクリューフィーダー等のスラリー供給機12に送られる。なお、ホッパ40からの砂等の不活性な粉体を粉砕・混合機38に供給して、ここで、水スラリー状の火薬と混合することもできる。また、ホッパ40から砂等の不活性な粉体を供給せずに、粉砕した水スラリー状の火薬をスラリー供給機12に送る場合もある。また、例えば、原料ホッパ34に火薬と砂等の不活性な粉体との混合物、又は火薬・粉体・水スラリーが貯蔵されている場合で、かつ、火薬と砂等の不活性な粉体との混合物の粒度が大きい場合は、原料ホッパ34内の火薬と砂等の不活性な粉体との混合物又はスラリーは、水供給管36からの水とともに、湿式ボールミル等の粉砕・混合機38に供給されて湿式粉砕される。粉砕され水と混合されたスラリー状の火薬はプッシャーやスクリューフィーダー等のスラリー供給機12に送られる。なお、火薬・粉体・水スラリーを粉砕する場合は、水を供給しない場合がある。また、ホッパ40から粉体を供給する場合もある。 【0021】そして、スラリー供給機12でスラリー状の火薬の定量切り出しが行われ、スラリー供給管14を通って流動層燃焼炉16の流動層18に供給される。流動層18は砂等の不活性な流動媒体で形成されており、一次空気供給管20から風箱22に供給される高温燃焼ガスがガス分散板24から噴出されて、流動層18の流動化及び予熱が行われる。なお、一次空気供給管20から高温又は常温の空気を供給する場合もある。そして、燃料供給管26から供給される油、ガス、微粉炭等の燃料によって火薬の燃焼温度に維持されている。なお、ガス分散板24としては、多孔板型の他に、キャップ型等のものを用いることができ、また、散気管型のガス分散装置を用いることも可能である。後述するように、二段燃焼が必要な場合は、二次空気供給管28からフリーボード30に供給される二段燃焼用空気によって、フリーボード30で未燃炭素や可燃性ガス等の燃焼が行われ、燃焼排ガスとなって燃焼排ガス管32から排出される。なお、図2では、流動媒体抜出管の図示を省略している。他の構成及び作用は、実施の第1形態の場合と同様である。 【0022】図3は、本発明の実施の第3形態による火薬の燃焼処理方法を実施する装置を示している。図3に示すように、原料ホッパ34には、粉末状の火薬のみ、粉末状の火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬、粉末状の火薬と水と砂等の不活性な粉体との混合物である火薬・粉体・水スラリー又は粉末状の火薬と砂等の不活性な粉体との混合物が貯蔵されている。例えば、原料ホッパ34に火薬のみが貯蔵されている場合は、原料ホッパ34内の火薬は、水供給管36からの水及びホッパ40からの砂等の不活性な粉体とともに、リボン型混合機、ロータリーキルン、V型混合機等の混合機42に供給されて混合され、スラリー状の火薬となって、スラリー供給機12に送られる。なお、ホッパ40から砂等の不活性な粉体を供給せずに、火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬をスラリー供給機12に送る場合もある。 【0023】また、例えば、原料ホッパ34に火薬と水との混合物である水スラリー状の火薬が貯蔵されている場合は、原料ホッパ34内の水スラリー状の火薬は、ホッパ40からの砂等の不活性な粉体とともに、混合機42に供給されて混合され、スラリー状の混合物となって、スラリー供給機12に送られる。なお、ホッパ40から砂等の不活性な粉体を供給せずに、水スラリー状の火薬をそのままスラリー供給機12に送る場合もある。なお、この場合、水は、供給される場合と、供給されない場合がある。また、例えば、原料ホッパ34に火薬と砂等の不活性な粉体との混合物、又は火薬・粉体・水スラリーが貯蔵されている場合は、原料ホッパ34内の火薬と砂等の不活性な粉体との混合物又はスラリーは、水供給管36からの水とともに、混合機42に供給されて混合され、スラリー状の火薬となって、スラリー供給機12に送られる。なお、火薬・粉体・水スラリーには水を供給しない場合もある。また、粉体を供給する場合もある。他の構成及び作用は、実施の第1、第2形態の場合と同様である。 【0024】図4は、本発明の実施の第4形態による火薬の燃焼処理方法を実施する装置を示している。本実施の形態は、供給する火薬にニトロ基、アジ化物、ジアゾ化物等の窒素が含まれる場合の燃焼処理方法である。図4に示すように、スラリーホッパ10には、水と砂等の不活性な粉体又は水で希釈されたスラリー状の火薬が貯蔵されている。スラリーホッパ10に貯蔵されたスラリー状の火薬は、スラリー供給機12で定量切り出しが行われ、スラリー供給管14を通って流動層燃焼炉16の流動層18に供給される。流動層18は砂等の不活性な流動媒体で形成されており、一次空気供給管20から風箱22に供給される高温燃焼ガスがガス分散板24から噴出されて、流動層18の流動化及び予熱が行われる。なお、一次空気供給管20から高温又は常温の空気を供給する場合もある。 【0025】そして、燃料供給管26から供給される燃料の量、及び/又は一次空気供給管20から供給されるガス量を調整して、流動層18の温度を100〜900℃、望ましくは500〜600℃にして火薬を部分燃焼させる。このように、流動層温度が低いため、火薬は完全燃焼せず、可燃性ガスが生成してフリーボード30に流れていく。また、ニトロ基、アジ化物、ジアゾ化物等として火薬に含まれている窒素は、流動層温度が低いので窒素酸化物にならず、アンモニア、シアン等になる。発生するアンモニア、シアン等は還元剤として窒素酸化物の抑制作用があり、このアンモニア、シアン等を脱硝剤に使用し、発生した可燃性ガスや未燃炭素等を、二次空気供給管28からフリーボード30に供給される二段燃焼用空気によって、フリーボード30内で再度燃焼させる。このように、フリーボード30が二段燃焼部兼脱硝部44としての機能を有するので、燃焼排ガス中の窒素酸化物の発生が大幅に低減される。なお、アンモニアによって窒素酸化物は窒素ガスと水に還元され、シアンによって窒素酸化物は窒素ガスと二酸化炭素に還元される。他の構成及び作用は、実施の第1形態の場合と同様である。また、本実施の形態の方法を、実施の第2、第3形態で説明した構成に適用することも勿論可能である。 【0026】図5は、本発明の実施の第5形態による火薬の燃焼処理方法を実施する装置を示している。本実施の形態は、供給する火薬にアジ化ハロゲン、塩素酸塩等のハロゲンが含まれる場合の燃焼処理方法である。図5に示すように、スラリーホッパ10には、水と砂等の不活性な粉体又は水で希釈されたスラリー状の火薬が貯蔵されている。スラリーホッパ10に貯蔵されたスラリー状の火薬は、スラリー供給機12で定量切り出しが行われ、スラリー供給管14を通って流動層燃焼炉16の流動層46に供給される。流動層46は砂等の不活性な粉体と後述のハロゲンを固定化する粉体と塩とで構成された流動媒体で形成されており、一次空気供給管20から風箱22に供給される高温燃焼ガスがガス分散板24から噴出されて、流動層46の流動化及び予熱が行われる。なお、一次空気供給管20から高温又は常温の空気を供給する場合もある。 【0027】そして、燃料供給管26から供給される燃料の量、及び/又は一次空気供給管20から供給されるガス量を調整することによって、流動層46の温度を塩の分解温度以下の低温、すなわち、100〜600℃、望ましくは500〜600℃にして火薬を燃焼させる。この際、アルカリ類供給管48から流動層46内に生石灰、酸化カリウム、酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を含む粉体を供給するか、又は予め該粉体を火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した塩化水素等のハロゲン化水素を塩(塩化カルシウム等)として固定化する。また、二次空気供給管28からフリーボード30に供給される二段燃焼用空気によって、燃焼せずに飛散した炭素(未燃炭素)や可燃性ガスがフリーボード30で燃焼されて燃焼排ガスとなる。アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物とハロゲン化水素との反応で生成した塩は、流動媒体抜出管50から抜き出されるか、又は燃焼排ガスの同伴粒子として燃焼排ガス管32から系外に排出される。このように、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、流動層内で、発生したハロゲン化水素と反応して塩を生成するので、ハロゲン化水素が流動層から排出されなくなる。他の構成及び作用は、実施の第1形態の場合と同様である。また、本実施の形態の方法を、実施の第2、第3形態で説明した構成に適用することも勿論可能である。 【0028】図6は、本発明の実施の第6形態による火薬の燃焼処理方法を実施する装置を示している。本実施の形態は、供給する火薬に黒色火薬等の硫黄が含まれる場合の燃焼処理方法である。図6に示すように、スラリーホッパ10には、水と砂等の不活性な粉体又は水で希釈されたスラリー状の火薬が貯蔵されている。スラリーホッパ10に貯蔵されたスラリー状の火薬は、スラリー供給機12で定量切り出しが行われ、スラリー供給管14を通って流動層燃焼炉16の流動層52に供給される。流動層52は砂等の不活性な粉体と硫黄を固定化する生石灰と硫黄を固定化した石膏とで構成された流動媒体で形成されており、一次空気供給管20から風箱22に供給される高温燃焼ガスがガス分散板24から噴出されて、流動層52の流動化及び予熱が行われる。なお、一次空気供給管20から高温又は常温の空気を供給する場合もある。 【0029】そして、燃料供給管26から供給される燃料の量、及び/又は一次空気供給管20から供給されるガス量を調整することによって、流動層52の温度を石灰石の焼成温度(分解温度)以上で、かつ、石膏の分解温度以下の温度、すなわち、780〜890℃にして、酸化雰囲気で火薬を完全燃焼させる。この際、石灰類供給管54から流動層52内に生石灰、石灰石、消石灰及びドロマイトの少なくともいずれかを供給するか、又は予めこれらを火薬と混合しておくことにより、火薬の燃焼で発生した二酸化硫黄等の硫黄酸化物を石膏として固定化する。また、二次空気供給管28からフリーボード30に供給される二段燃焼用空気によって、燃焼せずに飛散した炭素(未燃炭素)や可燃性ガスがフリーボード30で燃焼されて燃焼排ガスとなる。生石灰や石灰石等の供給により生成した石膏は、流動媒体抜出管50から抜き出されるか、又は燃焼排ガスの同伴粒子として燃焼排ガス管32から系外に排出される。このように、生石灰、石灰石、消石灰の供給により流動層内には生石灰が滞留することになり、酸化雰囲気下で二酸化硫黄等は酸素及び生石灰と反応して石膏となるので、二酸化硫黄等の硫黄酸化物は流動層から排出されなくなる。他の構成及び作用は、実施の第1形態の場合と同様である。また、本実施の形態の方法を、実施の第2、第3形態で説明した構成に適用することも勿論可能である。 【0030】 【発明の効果】本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。 (1) 火薬の燃焼処理に流動層燃焼炉を用い、水分を含んだ砂等の粉体又は/及び水で希釈してスラリー化した火薬を流動層に供給することにより、温度及び圧力の急激な上昇を抑えて、爆発等を伴うことなく火薬を安全に燃焼処理することができる。すなわち、火薬のハンドリングにおいて火薬の濃縮化及び高温化を防ぎ、燃焼室以外での燃焼を防止することができる。また、流動層内の伝熱速度が速い状態で粉状の火薬を燃焼させることによって、火薬の温度を上昇させず、反応速度を落として燃焼させるので、温度及び圧力の急激な上昇を抑えて安全に燃焼処理することができる。 (2) 窒素を含む火薬に対しては流動層温度を下げて、かつ、部分燃焼させるとともに脱硝用還元剤を発生させ、フリーボードで再燃焼させるように空気を供給することにより、窒素酸化物の発生を抑制することができる。また、ハロゲンを含む火薬に対しては流動層温度を塩の分解温度以下に下げて、流動層にアルカリ金属又は/及びアルカリ土類金属の化合物を直接供給するか、又は火薬と一緒に供給することにより、ハロゲン化水素を塩として固定化することができる。また、硫黄を含む火薬に対しては流動層温度を石灰石の焼成温度以上で、かつ、石膏の分解温度以下に調整して流動層内を酸化雰囲気にして燃焼させ、流動層に石灰石、生石灰、消石灰、ドロマイト等を直接供給するか、又は火薬と一緒に供給することにより、硫黄酸化物を石膏として固定化することができる。このように、窒素酸化物の還元、ハロゲン化水素の中和、硫黄酸化物の石膏化により、公害物質を分解又は固定化してこれらの排出を抑えることができる。 (3) 火薬を水及び砂等の粉体との混合物、又は水との混合物として流体のように取り扱い、連続的に流動層に供給することにより、火薬を連続的に安全に燃焼させるので、処理速度を上げるとともに、処理に必要な装置の面積を少なくすることができ、火薬の処理能力を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月15日(1999.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076705 【弁理士】 【氏名又は名称】塩出 真一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−266331(P2000−266331A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月29日(2000.9.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−67670 |
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