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【発明の名称】 廃棄物処理装置
【発明者】 【氏名】遠藤 一彦

【氏名】川嶋 昌利

【氏名】今井 稔

【氏名】杉山 浩

【氏名】山口 利広

【要約】 【課題】廃棄物を燃焼、又は、蒸し焼きにしたときに発生するガスを完全燃焼させ、異臭の発生を防止する。

【解決手段】廃棄物を収納してこの廃棄物を燃焼又は蒸し焼きにするガス発生室12と、このガス発生室12に連通管33を介して接続され燃焼手段37を備えたガス燃焼室30とを有する廃棄物処理装置においては、廃棄物から発生するガスを完全燃焼させるには、助燃空気の量を適性量にする必要があるので、ガス燃焼室30への助燃空気として外気を取り込む給気口16aからガス発生室12の周りを囲む余熱部14を経てガス燃焼室30へと通じる給気通路を形成し、廃棄物の処理過程を複数段階(例えば水分蒸発・燃焼安定・冷却の三段階)に分け、風量切替手段によって、各段階における適正量に助燃空気の量を調節する。これにより、廃棄物の処理の進行状況に合った量の助燃空気を取り込み、助燃空気が足りなかったり多すぎたりしないようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を収納してこの廃棄物を燃焼又は蒸し焼きにするガス発生室と、このガス発生室に連通管を介して接続され燃焼手段を備えたガス燃焼室と、外気を取り込むことにより前記ガス発生室及び前記ガス燃焼室を冷却する冷却機構とを有する廃棄物処理装置において、前記ガス燃焼室への助燃空気として外気を取り込む給気口から前記ガス発生室の周りを囲む余熱部を経て前記ガス燃焼室へと通じる給気通路と、前記廃棄物の処理過程を複数段階に分けた各段階における適正量に前記助燃空気の量を調節する風量切替手段とを備えることを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項2】 前記給気口には給気ファンが設けられており、前記風量切替手段は、前記給気ファンを回転駆動させるモータに供給される電力の周波数を切り替えることによって前記給気ファンの回転数を切り替えることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理装置。
【請求項3】 前記風量切替手段は、前記ガス燃焼室内の気体の温度の経時変化に従って各温度における適正量に前記助燃空気の量を調節することを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物処理装置。
【請求項4】 前記風量切替手段は、前記ガス燃焼室内の気体の酸素含有率が適正値に保たれるように前記助燃空気の量を調節することを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物処理装置。
【請求項5】 予め格納された廃棄物の処理過程のデータに基づいて、前記風量切替手段は、前記廃棄物の処理時間から推測される前記廃棄物の燃焼状態に適する量に前記助燃空気の量を調節することを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物処理装置。
【請求項6】 前記給気ファンは、前記冷却機構としての役割を兼ねることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の廃棄物処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を燃焼又は蒸し焼きにして減量処理する廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃棄物の処理方法としては、廃棄物を蒸し焼きにして炭化させ、廃棄物を蒸し焼きにしたときに発生するガスを燃焼させるようにした廃棄物処理装置が提案されており、例えば、特開平7−280236号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この特許公開公報に記載されたものやこれに類する廃棄物処理装置は一次燃焼室と二次燃焼室とを有している。一次燃焼室は、ガス発生室とこのガス発生室を囲む加熱室とからなる二重構造になっている。廃棄物は、ガス発生室に収納され、加熱室が加熱されることにより蒸焼にされ、ガスを発して炭化する。ガス発生室で廃棄物から発生したガスは、二次燃焼室で燃焼され、ここで完全に燃焼されると、無臭になる。
【0004】ここで、加熱室及び二次燃焼室には、加熱手段及び燃焼手段として、バーナー等が設けられている。これらのバーナーは、燃料を燃焼させる酸素を得るために外気を取り込むファンを備えている。これらのファンは、バーナーの点火・消火に連動してON・OFFされる。また、これらのバーナーが備えるファンが取り込む単位時間あたりの空気の量は一定である。
【0005】このような廃棄物処理装置は、生ゴミなどの水分の多い廃棄物の処理にも用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物の処理過程は、大まかに分けて、廃棄物の水分が蒸発して乾燥するまでの第一段階と、乾燥した廃棄物が炭化するまでの第二段階とに分けられている。各段階で要する空気の量は異なり、一般に、第一段階では少なく、第二段階では多い。
【0007】しかし、従来の廃棄物処理装置では、廃棄物処理中に空気を取り入れる手段は、バーナーが備えるファンのみであって、このファンが取り込む空気の量は一定である。このため、廃棄物処理中に取り込む空気の量は、第一段階又は第二段階のいずれか一方の適正量に合わせるか、両方の適正量を平均した量に合わせられている。
【0008】また、廃棄物処理後に廃棄物及び装置内を冷却する冷却ファンを備えている廃棄物処理装置もあるが、このような廃棄物処理装置でも、冷却ファンは、廃棄物処理中の空気の取り込みには活用されていない。
【0009】したがって、第一段階で空気が多すぎたり、第二段階で空気が足りなかったりしてしまう。
【0010】第一段階では、廃棄物処理装置が冷えている状態から加熱していくので、取り込まれる空気の量が過剰であると、余剰の空気で熱が奪われてしまうため、装置内が温まりにくく、燃料を過剰に消費してしまい時間もかかるという不都合が生じる。さらに、二次燃焼室の温度が適正値まで上昇する時間が長くかかると、温度が上がりきる前に廃棄物から発生したガスが不完全燃焼のまま排気されてしまい、異臭発生の原因となってしまう。
【0011】第二段階では、廃棄物から発生したガスを完全燃焼させなければならないが、空気が足りないと、ガスの燃焼が不完全なまま排気されてしまい、異臭発生の原因となるという不都合がある。
【0012】よって、廃棄物の処理を速くし、且つ、異臭の発生を防ぐためには、装置内に取り込む空気の量は、廃棄物の処理の進行状況に適するように調節されるのが望ましい。
【0013】本発明は、廃棄物を処理したときに発生したガスを完全に燃焼させることができ、異臭の発生を確実に防止することができる廃棄物処理装置を提供することを第一の目的とする。
【0014】また本発明は、装置内に取り込む空気の量を廃棄物の処理の進行状況に合わせて調節することを第二の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を収納してこの廃棄物を燃焼又は蒸し焼きにするガス発生室と、このガス発生室に連通管を介して接続され燃焼手段を備えたガス燃焼室と、外気を取り込むことにより前記ガス発生室及び前記ガス燃焼室を冷却する冷却機構とを有する廃棄物処理装置において、前記ガス燃焼室への助燃空気として外気を取り込む給気口から前記ガス発生室の周りを囲む余熱部を経て前記ガス燃焼室へと通じる給気通路と、前記廃棄物の処理過程を複数段階に分けた各段階における適正量に前記助燃空気の量を調節する風量切替手段とを備える。
【0016】したがって、廃棄物の処理過程を、例えば、水分蒸発段階及び燃焼段階、というように複数段階に分け、各段階で助燃空気の適正量を設定し、風量切替手段によって、各段階の適正量に合うように、給気口から取り込む助燃空気の量を変えることができる。また、助燃空気は、余熱部で予熱されてからガス燃焼室へ送り込まれ、ガス燃焼室の温度を低下させることがない。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃棄物処理装置であって、前記給気口には給気ファンが設けられており、前記風量切替手段は、前記給気ファンを回転駆動させるモータに供給される電力の周波数を切り替えることによって前記給気ファンの回転数を切り替える。
【0018】したがって、モータに供給される電力の周波数を切り替えることによってモータの回転数を切り替えることができ、モータの回転数を切り替えることによって給気ファンの回転数を切り替えることができ、給気ファンの回転数を切り替えることによって助燃空気の量を切り替えることができる。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の廃棄物処理装置であって、前記風量切替手段は、前記ガス燃焼室内の気体の温度の経時変化に従って各温度における適正量に前記助燃空気の量を調節する。
【0020】したがって、ガス燃焼室内の気体の温度に基づいて、廃棄物から発生したガスの処理の進行状況を推測して助燃空気の量を調節する。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の廃棄物処理装置であって、前記風量切替手段は、前記ガス燃焼室内の気体の酸素含有率が適正値に保たれるように前記助燃空気の量を調節する。
【0022】したがって、助燃空気が足りなくて廃棄物から発生するガスが不完全燃焼したり、助燃空気が多すぎて装置内の温度がなかなか上昇しなかったりすることを防止できる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の廃棄物処理装置であって、予め格納された廃棄物の処理過程のデータに基づいて、前記風量切替手段は、前記廃棄物の処理時間から推測される前記廃棄物の燃焼状態に適する量に前記助燃空気の量を調節する。
【0024】したがって、予め格納しておくデータとプログラムによって風量切替手段を実現でき、所定時間毎の測定等を要しないので、簡易な構成で風量切替手段を実現できる。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4又は5記載の廃棄物処理装置であって、前記給気ファンは、前記冷却機構としての役割を兼ねる。
【0026】したがって、従来用いていた冷却ファンを利用することにより、部品点数を増加させることなく本発明を実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の廃棄物処理装置の実施の一形態について、図1〜図5に基づいて説明する。まず、図1は廃棄物処理装置の外観を示す斜視図であり、図2は廃棄物処理装置の内部構造を示す縦断正面図であり、図3は廃棄物処理装置の内部構造を示す縦断右側面図である。
【0028】廃棄物処理装置は直方体形状の外ケース1を有し、その内部に廃棄物を蒸し焼きにするとともにそのときに発生するガスを燃焼させる燃焼機構部2(図2及び図3参照)が収納されている。前記外ケース1の正面中央には、両開きの投入口扉3が開閉自在に設けられており、その右隣には操作ボックス4が設けられている。この操作ボックス4は、開閉自在な扉5と、この扉5の内側に位置して各種のスイッチが設けられた操作パネル(図示せず)とを備えている。外ケース1の正面側であって操作ボックス4の上部には、制御基板などを収納した制御ボックス6が設けられている。外ケース1の右側面下部には、蒸し焼きにされて炭化された廃棄物を取り出す処理物排出扉7が設けられている。
【0029】前記燃焼機構部2について詳しく説明する。この燃焼機構部2は、図2及び図3に示すように、下部タンク8と上部タンク9とを有し、下部タンク8内には内側タンク10が収納されている。内側タンク10は下部タンク8の片面に片持ち状態で支持されている。この内側タンク10には、前記投入口扉3に対向して位置する廃棄物投入口11が形成され、内側タンク10の内部は廃棄物を収納してこの廃棄物を蒸し焼きにするガス発生室である蒸焼室12とされている。廃棄物投入口11には開閉扉13が設けられている。
【0030】前記下部タンク8の内周面と前記内側タンク10の外周面との間には空間が形成されており、この空間が、前記蒸焼室12を内側タンク10の外側から加熱する加熱室14とされている。前記下部タンク8には、蒸焼用バーナー15と、外気を取り込む給気ファン16とが設けられている。給気ファン16は、冷却機構としての役割も果たす。下部タンク8の上部には、装置を冷却する際に給気ファン16が取り込んだ空気を排気するための排気弁17が設けられている。
【0031】前記蒸焼室12内には、この蒸焼室12内に収納した廃棄物を撹拌するための撹拌体18が回転自在に設けられている。この撹拌体18は、図4に示すように、三角形状に形成された一対の支持板19と、これらの支持板19を連結する三本の撹拌棒20とから構成されている。一方の支持板19の中心部には支軸21が固定され、この支軸21が前記内側タンク10の一端を閉止する端板22に軸受23を介して保持されている。前記端板22から突出した前記支軸21の先端部にはスプロケット24が固定され、このスプロケット24と撹拌モータ25のモータ軸に固定されたスプロケット26との間にチェーン27が懸け渡されている。前記端板22の下部には、開閉蓋28を備えた取出口29が設けられ、この取出口29は前記処理物排出扉7に対向して位置している。
【0032】前記上部タンク9内にはガス燃焼室30が形成され、このガス燃焼室30の内周面には断熱材31が設けられている。前記下部タンク8と前記上部タンク9とは外管32により連結され、この外管32により前記加熱室14と前記ガス燃焼室30とが連通されている。前記外管32内には前記内側タンク10から立ち上げられた連通管である内管33が配置されており、この内管33により前記蒸焼室12と前記ガス燃焼室30とが連通され、蒸焼室12内で廃棄物を蒸し焼きにすることに伴って発生したガスがこの内管33内を通ってガス燃焼室30内に流入する。
【0033】前記ガス燃焼室30内には、燃焼空間30aと緩衝空間30bとが形成されている。前記燃焼空間30aは、前記外管32と前記内管33とが連通された領域であり、ガス燃焼室30内の底面部から天井付近まで延出したスリーブ36により囲まれている。この燃焼空間30aの容積は前記緩衝空間30bの容積に比べて小さく形成されている。また、このスリーブ36の外周部には燃焼手段である燃焼用バーナー37が対向して配置され、この燃焼用バーナー37からの熱と前記外管32内を通って流入する前記蒸焼用バーナー15からの熱とにより、前記燃焼空間30a内の温度が約900℃に上昇する。
【0034】上部タンク9の上部には、緩衝空間30bと大気中とを連通する排気口である排気塔38が形成されている。前記緩衝空間30b内には、上部タンク9の内周面から互い違いに相反する方向へ互い違いに突出した隔壁39が設けられている。そして、緩衝空間30b内には、これらの隔壁39により仕切られ、前記燃焼空間30aを通過したガスが前記排気塔38に至るまでの時間が少なくとも2秒間かかるようにした流路40が形成されている。また、ガス燃焼室30の内周面に断熱材31を設けることにより、この流路40を流れるガスの温度が約900℃に維持されている。
【0035】前記外ケース1の上面部には、前記排気塔38の上方を覆う排気塔屋根41が設けられている。この排気塔屋根41は、屋根部42と側壁部43とから形成され、側壁部43には、排気塔38から排気された排気ガスが吹き出す吹出口44が形成されている。また、外ケース1の上面部には、前記燃焼機構部2の周囲全体を冷却するための冷却ファン45が設けられている。
【0036】給気ファン16の取り付け口を給気口16aとし、余熱部である加熱室14と外管32とを経てガス燃焼室30へ通じる給気通路が形成されている。給気口16aから加熱室14内へ取り込まれた外気は、廃棄物の処理中には、加熱室14内において予熱されてからガス燃焼室30へと供給されて、廃棄物から発生したガスを燃焼させる際の助燃空気となる。このように、助燃空気が余熱部である加熱室14で予熱されてからガス燃焼室30へ送り込まれることにより、ガス燃焼室30内の気体の温度が低下することを防止でき、これにより、廃棄物を処理したときに発生したガスを完全に燃焼させ、異臭の発生を確実に防止することができる。助燃空気として取り込む外気の量は、給気ファン16を回転駆動させるモータ(図示せず)に供給する電力の周波数をインバータにより切り替えて給気ファン16の回転数を切り替えることによって、調節する。
【0037】図5は、ガス燃焼室30の温度の経時的推移を示すグラフであり、グラフと合わせて、ガス燃焼室30の温度の経時的推移に基づいて廃棄物の処理過程を水分蒸発、燃焼安定、冷却の三段階に分けた各段階と、これらの各段階での助燃空気の適正量と、適正量の助燃空気を得るための周波数とを、概略的に示した。本実施の形態では、廃棄物処理装置にマイクロコンピュータを備え、予め格納された廃棄物の処理過程のデータに基づいて、処理開始からの経過時間から、水分蒸発、燃焼安定、冷却のどの段階であるかを推測し、燃焼状態に適する量の助燃空気が取り入れられるようにインバータを調節する風量切替手段を備えている。
【0038】廃棄物の処理が開始されて燃焼用バーナー37が点火されると、ガス燃焼室30内の温度は徐々に上昇していく。この段階では、風量切替手段は、低周波数でモータを駆動し、給気ファン16が取り込む外気の量を少なめに調節する。また、この段階では、廃棄物から水分が蒸発する。
【0039】ガス燃焼室30内の温度が所望の温度に達すると、バーナーの消火・点火が繰り返されることによって、温度を許容範囲内で保つ。この段階では、廃棄物からガスが発生し、このガスが完全燃焼するのに充分なだけの空気を取り込まなければならないため、風量切替手段は、モータに供給する電力の周波数をやや上げて、中周波数でモータを駆動する。
【0040】そして、所定の時間が経過して、廃棄物の処理が終了すると、排気弁17を開放し、冷却ファン45を回して、さらに、風量切替手段が、高周波数でモータを駆動して給気ファン16の回転数を上げて、装置内の温度を低下させる。
【0041】このような構成において、まず、この廃棄物処理装置による廃棄物処理の概略を説明する。外ケース1の投入口扉3と内側タンク10の開閉扉13とを開き、処理する廃棄物を廃棄物投入口11から蒸焼室12内へ投入する。そして、開閉扉13と投入口扉3とを閉じた後、蒸焼用バーナー15と燃焼用バーナー37とに点火する。この段階では、風量切替手段は、インバータにより、モータに供給する電力の周波数を低くして給気ファン16を低回転数で回転駆動させ、取り込む助燃空気の量を少なめに調節している。これにより、余剰の空気で熱が奪われることが防止できるので、装置内を速く暖めることができる。ここで、従来は、蒸燃用バーナー15が備えるファンは、ガス燃焼室30へ送る助燃空気の給気も兼ねていたが、本実施の形態では、蒸燃用バーナー15が燃料を完全燃焼させるのに要する酸素が得られる程度の空気を取り込むに留めておく。
【0042】また、必要に応じて撹拌モータ25を駆動させ、撹拌体18を支軸21の周りに回転させることにより蒸焼室12内の廃棄物を撹拌する。
【0043】蒸焼用バーナー15を点火することにより加熱室14内の温度が上昇し、加熱室14内の温度上昇に伴い蒸焼室12内の温度も上昇し、蒸焼室12内に収納されている廃棄物が蒸し焼きにされる。そして、廃棄物が蒸し焼きにされることに伴いこの廃棄物からガスが発生し、このガスが内管33内を通ってガス燃焼室30内に流入する。そして、このガスが焼却用バーナー37からの熱、及び、外管32内を通ってガス燃焼室30内へ流入する蒸焼用バーナー15からの熱により加熱され、燃焼する。この段階では、風量切替手段は、インバータにより、モータに供給する電力の周波数をやや高めて、給気ファン16を中回転数で回転駆動させ、廃棄物から発生したガスを完全燃焼させるのに充分な程度に、取り込む助燃空気の量を多くしている。また、助燃空気は、余熱部である加熱室14で予熱されてからガス燃焼室30へ送り込まれるので、ガス燃焼室30内の気体の温度を低下させることがない。
【0044】ここで、蒸焼室12内で発生したガスは、ガス燃焼室30内における燃焼空間30a内に流入して燃焼が開始される。この燃焼空間30aは、容積が小さく形成され、且つ、燃焼用バーナー37からの熱により充分に加熱されるとともに加熱室14内からの熱気が流入することにより、内部の温度が約900℃に上昇している。このため、この燃焼空間30a内に流入したガスは最も温度が高くなっているスリーブ36の内周面に接する個所から自然発火し、スムーズに燃焼が開始される。
【0045】燃焼空間30aの容積については、燃焼用バーナー37の容量に合わせた大きさにし、廃棄物処理時の燃焼空間30a内の温度を約900℃に維持できるようにする。燃焼用バーナー37の容量が小さい場合にはそれに応じて燃焼空間30aの容積を小さくする。そして、燃焼空間30aの容積を小さくすることにより、容量の小さい燃焼用バーナー37を用いても燃焼空間30a内の温度を少なくとも約900℃に維持することができ、容量の小さい燃焼用バーナー37を用いることにより燃料消費量を少なくすることができる。
【0046】燃焼空間30a内で燃焼が開始されたガスは、燃焼しつつ燃焼空間30a内を通過して緩衝空間30b内に流入し、隔壁39により仕切られて形成された流路40内を流れて排気塔38から排気される。この緩衝空間30bのガスは、燃焼空間30aで燃焼が開始されているため、温度が上昇している。
【0047】緩衝空間30bを含むガス燃焼室30の内周面には断熱材31が設けられているために緩衝空間30b内の熱が上部タンク9の外周側へ伝わりにくく、さらに、緩衝空間30b内が隔壁39で仕切られているために緩衝空間30b内の熱が排気塔38から逃げにくい。このため、緩衝空間30b内に流入した燃焼中のガスの温度が約900℃に維持される。しかも、緩衝空間30b内に流入した燃焼中のガスは隔壁39により仕切られた流路40に沿って流れるため、この燃焼中のガスが流れる距離が長くなるとともに排気塔38に到達するまでの時間が少なくとも2秒間かかるようになる。従って、燃焼空間30aを通過して緩衝空間30b内に流入した燃焼中のガスが約900℃の温度で少なくとも2秒間維持されることにより完全燃焼し、未燃焼ガスが大気中に排出されることがなくなり、異臭の発生が防止される。
【0048】廃棄物の処理を開始した後に所定時間が経過し、蒸焼室12内に投入した廃棄物からガスが発生しなくなった時点で蒸焼用バーナー15と燃焼用バーナー37とを停止させる。そして、排気弁17を開放し、冷却ファン45を回して、さらに、風量切替手段が、高周波数でモータを駆動して給気ファン16を高回転数で回転駆動させ、冷却風を送風して内側タンク10を冷却する。冷却後に、処理物排出扉7と開閉蓋28とを開き、蒸焼室12内に残留している炭化した廃棄物を取り出し、廃棄物処理が終了する。
【0049】なお、本実施の形態では、廃棄物の処理過程を、水分蒸発、燃焼安定、冷却の三段階に分けて風量切替手段により助燃空気の量を各段階における適正量に調節したが、実施にあたっては、より細かい段階に分けて調節してもよい。
【0050】また、本実施の形態では、廃棄物の処理過程のデータに基づき、廃棄物の処理時間から推測される廃棄物の燃焼状態に適する量に助燃空気の量を調節したが、実施にあたっては、ガス燃焼室30の温度を測定し、その測定結果から推測される廃棄物の燃焼状態に適する量に助燃空気の量を調節しても良く、さらに、実施にあたっては、ガス燃焼室30内で廃棄物から発生したガスと助燃空気とが混合されて燃焼した後の気体の酸素含有率を測定し、その測定値が適正値に保たれるように助燃空気の量を調節してもよい。この気体の酸素含有率は、5%程度であるのが好ましく、酸素含有率が5%程度である状態は、取り入れられた助燃空気の量が、廃棄物から発生したガスが完全燃焼するのに充分であって、且つ、過剰でないことを示している。
【0051】また、本実施の形態では、廃棄物を蒸焼室12で蒸し焼きにしてそのときに発生するガスをガス燃焼室30内で燃焼する方式の廃棄物処理装置を例に挙げて説明したが、本発明が適用できる廃棄物処理装置はこのような方式のものに限定されない。例えば、廃棄物を1次燃焼室で燃焼させ、その燃焼に伴って発生するガスを2次燃焼室で完全燃焼させるようにした廃棄物処理装置にも本発明を適用することができる。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、ガス燃焼室への助燃空気として外気を取り込む給気口からガス発生室の周りを囲む余熱部を経てガス燃焼室へと通じる給気通路と、廃棄物の処理過程を複数段階に分けた各段階における適正量に助燃空気の量を調節する風量切替手段とを備えるので、例えば、水分蒸発段階及び燃焼段階、というように複数段階に分け、各段階で助燃空気の適正量を設定し、風量切替手段によって、各段階の適正量に合うように、給気口から取り込む助燃空気の量を変えることができるため、廃棄物の処理の進行状況に合った量の助燃空気を取り込むことができ、また、余熱部で助燃空気を予熱することによりガス燃焼室内の気体の温度の低下を防止できるため、廃棄物を処理したときに発生したガスを完全に燃焼させることができ、異臭の発生を確実に防止することができる。。
【0053】請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、給気口には給気ファンが設けられており、風量切替手段は、給気ファンを回転駆動させるモータに供給される電力の周波数を切り替えることによって給気ファンの回転数を切り替えるので、モータに供給される電力の周波数を切り替えることによってモータの回転数を切り替えることができ、モータの回転数を切り替えることによって給気ファンの回転数を切り替えることができ、給気ファンの回転数を切り替えることによって助燃空気の量を切り替えることができ、つまり、助燃空気の量を周波数によって任意に切り替えることができるため、装置内に取り込む空気の量を廃棄物の処理の進行状況に合わせて調節できる。
【0054】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載発明において、風量切替手段は、ガス燃焼室内の気体の温度の経時変化に従って各温度における適正量に助燃空気の量を調節するので、ガス燃焼室内の気体の温度に基づいて、廃棄物から発生したガスの処理の進行状況を推測して助燃空気の量を調節できる。
【0055】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、風量切替手段は、ガス燃焼室内の気体の酸素含有率が適正値に保たれるように助燃空気の量を調節するので、助燃空気が足りなくて廃棄物から発生するガスが不完全燃焼したり、助燃空気が多すぎて装置内の温度がなかなか上昇しなかったりすることを防止できる。
【0056】請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、予め格納された廃棄物の処理過程のデータに基づいて、風量切替手段は、廃棄物の処理時間から推測される前記廃棄物の燃焼状態に適する量に助燃空気の量を調節するので、予め格納しておくデータとプログラムによって風量切替手段を実現でき、所定時間毎の測定等を要しないので、簡易な構成で風量切替手段を実現できる。
【0057】請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4又は5記載の発明において、給気ファンは、冷却機構としての役割を兼ねるので、従来用いていた冷却ファンを利用することにより、部品点数を増加させることなく本発明を実現できる。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【出願日】 平成11年3月15日(1999.3.15)
【代理人】 【識別番号】100101177
【弁理士】
【氏名又は名称】柏木 慎史 (外2名)
【公開番号】 特開2000−266329(P2000−266329A)
【公開日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願番号】 特願平11−68410