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【発明の名称】 耐熱耐食性保護管
【発明者】 【氏名】山口 新一

【要約】 【課題】ゴミ焼却灰溶融炉等の保護管において、保護管取り替えの作業を容易に行う。

【解決手段】ゴミ焼却灰溶融炉等の保護管に耐熱耐食性に優れたバ−を保護管開放口に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ヒータやセンサー等を保護するための片側を封止したセラミックス製の保護管であって、開放口近傍の内側にバーを備えたことを特徴とする耐熱耐食性保護管【請求項2】上記バーが、アスペクト比0.03〜0.1であり、かつ保護管外表面に0.3〜10mm突出していることを特徴とする請求項1記載の耐熱耐食性保護管。
【請求項3】上記バーが、保護管の熱膨張係数の±10%の範囲内の熱膨脹係数を有し、強度が大気中1300℃で250MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の耐熱耐食性保護管。
【請求項4】上記バーの表面が焼き肌面からなることを特徴とする請求項1記載の耐熱耐食性保護管。
【請求項5】上記バーがAl2 3 含有量99.9重量%以上のセラミックスから成ることを特徴とする請求項1記載の耐熱耐食性保護管。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ焼却灰溶融炉等の溶融炉において、ヒーターやセンサー等を保護するための保護管に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭、会社から捨てられたゴミは地方自治体の焼却炉で燃やされ、その未燃分の焼却灰及び排煙に含まれる飛灰(含有元素;Si、Al、Fe、Ca、Mg、K、Mn、Cl、Na、S)には、重金属成分やダイオキシン、フラン等の有毒汚染物質が含まれている。
【0003】これまでは、地方自治体の焼却炉で燃やされた後の未燃分の焼却灰は、最終処分場にそのまま埋められていたが、立地条件も厳しくなり、場所の確保が難しくなっており、加えて、ダイオキシンやフラン等の有害汚染物質の無害化は法律や条例でかなり厳しく規制されつつあるため、焼却灰、飛灰を回収しこれを再溶融することにより有害汚染物質を無害化する溶融炉の必要性は年々高まっている。
【0004】焼却炉で燃やされた後の未燃分の焼却灰は、高温加熱処理でスラグ化すれば、焼却灰の1/2〜1/10程度にその体積を小さくすることができ,ダイオキシン等の有害汚染物質を高熱により分解し無害化できる等の理由により、この溶融炉での高温加熱処理法が有望視されているのである。
【0005】溶融炉での加熱処理の代表例を図2に示す。まず、溶融炉12内に焼却灰11を入れ、電熱源であるヒーター2で1300〜1600℃に加熱すると、焼却灰11が溶融して含有している金属元素13は蒸発する。この金属元素13を取り出して冷却装置(不図示)で急冷し凝縮させて微粒子とし、これをフィルタ等15で回収して金属濃縮物16を回収する。一方ダイオキシンやフランなどの有毒汚染物質は熱破壊され、無害化されたガス17はガス処理装置を経て大気中に放出される。また、溶融炉12内の残存物はスラグ(ガラス)状顆粒18として取り出され、有効利用または最終処分されるようになっている。
【0006】この溶融炉12には、ヒーター2と温度管理のための熱電対3が必要であるが、溶融した焼却灰11は溶融炉12内で溶融スラグ、溶融塩、あるいはその蒸気成分として存在するため、これらの物質からヒーター2及び熱電対3を保護する必要がある。
【0007】そこで、耐熱性・耐食性に優れたセラミックス製の保護管1で、加熱用ヒーター2や熱電対3を覆うことが行われている。上記保護管1の材質としては、例えば特開昭51−71312号公報に示されるように、MgO−ZrSiO2 −Al2 3 の複合セラミックスが使用されている。また発明者らは、MgO−Al2 3 の複合セラミックスをこれまでに提案して来ている。また、形状としては本公報にも示しているように、保護管先端を片側封止した形状が一般的に広く用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ゴミ焼却により発生する灰を加熱処理する際、灰に含まれるCd、Pd、Zn等の金属元素類やダイオキシン、フラン等の有害汚染物質を分解するため、電熱により1300〜1600℃で加熱溶融処理を行い無害化するが、溶融炉12で使用する保護管1は、焼却灰11が溶けてできる溶融塩、溶融スラグ、あるいは蒸気等にさらされることになる。そのためこれら成分中のSi、Al、Fe、Ca、Naは保護管1を成すセラミックス及び炉材中に徐々に侵入・浸食し、次第にセラミックス及び炉材が変質し、強度劣化を起こすことからクラックを生じたり、破損が生じやすくなったり、部分的に溶融するなどして、長期にわたり使用できるものではなかった。また、保護管を保持する炉材(例えば図3の4aなど)が腐食や熱的影響で変形すると保護管保持部に大きな応力がかかり、保護管保持部が変形したりクラックが生じる場合があった。保護管にクラックや破損が生じると、保護管内部に腐食性ガスが侵入し、ヒーターを腐食する。ヒーターは例えば二珪化モリブデンの様な導電性金属成分より形成されているが、保護管に使用しているセラミックス材などに比べると、腐食性ガスに対し容易に侵食され、ヒーター材は変質し折損を起こす。通常電熱式加熱溶融炉には複数本のヒーターが設置されているが、全体ヒーター数の半数以上のヒーターが折損を起こすと、灰溶融に必要な熱量を発生できなくなるので、溶融炉は一旦停止を余儀なくされ、停止後にヒーターと保護管の新規品と交換し再稼動するしかない。一旦溶融炉を停止させると、ヒーター保護管以外の周辺炉材等も全て新規品と交換しなければならない場合が多く、炉の解体から築炉をやり直す必要があるため多大な改修費用がかかる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、不具合が発生した保護管およヒーターを即時に取り替え、溶融炉運転を長期間に渡って実現させるための手段を提供することを目的としている。
【0010】本発明は、セラミックス保護管の開放口付近にバーを設けて、運転途中でもフック付きクレーン等を使い、保護管破損や溶損が起こりヒーター折損してしまった箇所の保護管を取り替えができる構造とした。バーを保護管に取り付ける方法としては、まず保護管側に取り付け用貫通穴を明け、そこにバーを挿入し隙間に無機系接着剤を充填する。
【0011】また、バー両端を保護管外表面から若干突出させておけば、保護管保持部の半径方向強度が向上するので、保護管を保持している炉材変形時の保護管変形・クラック防止になる。加えて、炉材から保護管を引き抜く際、バー端面と炉材が接触し、保護管外表面は炉材に直接接触しない為、引き抜きの際の接触抵抗力を小さくし、交換作業を容易にすることができる。
【0012】またバー材質としては保護管材質と熱膨張係数を概略合致させる必要があり、±10%程度の範囲内に抑える必要がある。この熱膨張係数を合致させないと、バーや取り付け部にクラックが発生したり、保護管取り付け穴とバーの間に隙間を生じ腐食性ガスが保護管内部へ侵入しヒーター腐食・破損の不具合が起こりうる。さらにバー材の材料強度は、取り替えの際保護管重量がかかり、さらに炉材と保護管側面部の接触抵抗力がかかるため高強度材料であることが必要なため、温度1300℃での曲げ強度は250MPa以上とすることが好ましい。
【0013】さらに、バーの表面は焼き肌であることが好ましい。これは、バーとして用いる材料の表面状態を色々変化させて、耐食性との関係を検討した結果、研削加工面やラップ加工面より無加工で焼き肌面をバーの表面として用いた方が耐食性は優れることを発見し、バーの表面には焼き肌面を採用した。焼き肌面が加工面に比べ耐食性良好となる理由は、以下の通りである。
【0014】a.セラミックス焼き肌面のボイドは、内部より少ない。つまり、ボイドが存在すると、腐食成分がボイドよりセラミックス磁器中に侵入するが、スラグまたはスラグ蒸発ガス接触面にセラミックスの焼き肌を残した方が、ボイドは少なく、腐食成分侵入を最小限に抑えることができる。加工をして、焼き肌面を除去すると、セラミツク磁器中のボイドが表面に露出し、耐食性は悪化する。
【0015】b.セラミックス結晶粒径は、大きい程耐食性は向上する。酸化物系セラミックスでは、セラミックス磁器表面ほど粒径が大きく、内部は表面に比べ相対的に粒径は小さくなる。つまり、セラミックス焼き肌面を保護管外側表面とすれば、結晶粒径最大の面がスラグまたはスラグ蒸発ガス接触面となり、耐食性に有利となる。
【0016】c.研削加工やラップ加工をセラミツクスに施すと、セラミックス磁器表面はダメージを受け、極微細なマイクロクラックが発生する。加工面をスラグまたはスラグ蒸発ガス接触面に用いると、腐食成分はマイクロクラックより容易にセラミック磁器中に侵入し易くなる。
【0017】焼き肌面をバーの表面に採用すると、従来行われている研削加工、ラップ加工等の機械加工が省略でき、加工工程を簡略化できるため、より安く製作できるメリットが生まれる。なお、焼き肌面となる面には、より大きな結晶をより大きく発達させ、これを保護管表面に露出させるため、セラミック材料完全緻密化温度より高めの温度で焼成した方が良く、好適には、セラミツク材料完全緻密化温度より50℃〜100℃ 以上の温度で2時間以上保持して焼成することが望ましい。この様にして得られた本発明の耐食耐熱性保護管の外表面には、10〜20μm以上の大きな結晶で構成され、ノーボイドの表面状態となつている。
【0018】さらに、本発明のバーの材料はアルミナで形成したことを特徴としている。つまり、Al2 3 の結晶相を有するセラミックスにより形成したことを特徴とする。
【0019】即ち、本発明は、耐熱耐食性保護管を成すセラミックスとして、種々検討を行った結果、Al2 3 を用いれば良いことを見出した。例えば、SiC、Si34 等を主成分とする非酸化物セラミックスでは、酸化雰囲気中(大気中)1500℃以上の温度に曝すと、Si・Ca成分や希土類元素などの焼結助剤成分がガラス化して分解をはじめ、変質するため耐熱性が悪く、保護管材料のみならずバー材料としても不適当である。一方酸化物セラミックスでもZrO2 を主成分とするセラミックスでは、高純度原料を使用しても、1500℃以上の高温に曝されると相変態を起こして強度劣化を生じることから、前記同様不適当である。またMgOは、特定の条件下では、耐熱性・耐食性ともに優れているが、雰囲気中や灰分中に微量な水分が存在すると、これと激しく反応を起こし、水酸化マグネシウムを形成し、耐食性が著しく悪化するため、実質的に水分が存在する溶融炉ではバー材料として不適当である。MgOスピネル は耐熱性・耐食性には問題ないが、強度が低くバー材料としては適当でない。これに対してAl2 3 は、融点が2000℃以上と極めて高く、1500〜1600℃の高温中でも安定した耐熱性・耐食性を有しており、高温強度も高くバー材料として最適な材料である。
【0020】溶融炉において、灰成分中のSi、Al、Fe、Ca、Na等の浸食元素はバー材料を成すセラミックス中の結晶粒界中に浸食してセラミックスを腐食し変質させる。そのためにはAl2 3 純度99.9重量%以上であることが必要で、SiO2 、CaO、Na2 O、Fe2 3 などの不純物成分を0.1重量%以下に留めることが好ましい。なお、不純物成分を0.1重量%以下とするためには、予め高純度のAl2 3 の一次原料を使用するとともに、製造工程において不純物の混入を防止すれば良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明する。
【0022】図1に示すように、本発明の保護管1は、先端の閉じた管状体であり、保護管開口部にバー6を設置した構造をしている。この保護管1は図2に示すように、ゴミ焼却灰溶融炉の溶融炉用12中にヒーター2や熱電対などのセンサー3を覆うように設置し、腐食成分を多く含んだ炉内ガスからヒーターや熱電対を保護することができる。また、この保護管1を使用する場合は、図3に示すように、炉材4a〜4cに設置し、ヒータ2を配置して、さらに炉材5a〜5cで覆うようにする。
【0023】特に本発明の保護管1は、相対的に腐食度合いの大きい保護管底部に貫通孔が生じ、ヒーターやセンサーが損傷を受けた際、新規ヒーターやセンサーおよび保護管1と取り替えるため、バー6を使って貫通孔が発生した保護管1を取り外し、新しいものと交換することを可能とした。
【0024】また、バー6を備える事により保護管取り付け部の炉材4aが変形して、保護管1側に応力がかかった際の抵抗となり、保護管1の変形またはクラック発生防止に寄与する。さらに、バー6の端面を保護管1の外側表面より若干突出させ凸状態にすれば、バー6端面と炉材4aが接触することになり、保護管1を取り替えする時の引き抜き、挿入の際、接触面積を小さくでき、摩擦抵抗力を小さくできるので、作業が容易となる。
【0025】バー6の形状は図1に示す通りの円柱形状であるが、これに限らず、三角柱や四角柱などの多角体断面形状や楕円断面形状をしたバー6でも構わない。さらに本発明のバー6は、一本のみで使ったり二本以上を様々な組み合わせにより使用しても良く、両端支持に限定せず、場合によっては片持ち支持としても良い。
【0026】又、バ−6のアスペクト比は0.03〜0.1とし、バー6の端部は、保護管1の外表面より0.3〜10mm突出させたものが良い。
【0027】但し、作製できるバ−の形状はφ10×260L以下が好ましい。これはφ10以上で260Lを超えるバ−を作製した場合、作製が困難であり量産化が難しい為である。
【0028】尚、バ−の設置については、保護管1内のヒーター等に接触しない様に設置することが前提である。
【0029】具体的な保護管1の取り替え方法は、図3においてヒーター折損が生じてしまった箇所の加熱用ヒーター2とこれを絶縁・保持している炉材5a、5b、5cを先に取り外した後、保護管1に設置されたバー6にクレーン等のフックを掛け、溶損や破損を生じた保護管を引き抜き、次に新規保護管とヒーター及びその絶縁・保持炉材をセットすれば良く、必要な電気関連配線はその後行う。
【0030】又、本発明の保護管1は、上述したゴミ焼却灰の溶融炉12に限らず、金属溶融炉、高炉等のさまざまな溶融炉において、ヒーターや各種センサー等を保護するための保護管として用いることができる。また、保護管以外にもセラミックス磁器の平均結晶粒径や気孔率などを適切に調整して、各種炉壁材や保持具材等耐熱性・耐食性を要求されるさまざまな部位に用いることができる。
【0031】
【実施例】実施例1ゴミ焼却灰溶融炉内環境を想定し、様々なセラミックス材料を製作し、ゴミ焼却灰との反応試験を行った。
【0032】まずゴミ焼却灰として、成分がAl、Ca、Mg、Na、K、Zn、Pb、Si、Fe、Cl等からなる灰を焼却炉より回収し、乾式加圧成形機により直径12mm×1mmで重さ0.3gのタブレットを作製した。
【0033】次に、表1に示す各種セラミックスで直径30mm×10mmのタブレット試験片を乾式加圧成形の後、1500℃以上の温度で適正雰囲気中にて焼成し作製した。各試験片には焼却灰タブレットを入れるための座繰り穴(直径13mm×深さ1mm)を予め形成しておいた。各種セラミックスの特性値は以下の方法により測定した。
【0034】結晶相はX線回折装置を用い、条件は、Cuの管球を用いて電圧50kV、電流200mAとし、測定範囲は2θ=10゜〜90゜でフルスケール3×104〜10×104 cpsとして分析した。不純物はICP分析により、SiO2 、CaO、Na2 O、Fe2 3 成分について、定量分析を行った。
【0035】結晶粒径は破断面のSEM写真を500倍〜1000倍程度で撮影し、この写真からコード法を用いて測定した。嵩比重、気孔率、曲げ強度はJIS法に基づいて試験・測定した。
【0036】反応試験は、それぞれのセラミックス試験片の座繰り穴に灰タブレットを置き、大 気中1550℃で50時間の熱処理を加えた。
【0037】その後、各試験片について外観を目視で観察し、溶融あるいはクラックの有無を調べた。また、各試験片を切断し研磨した断面について、SEM(50倍〜200倍程度)でクラックの有無を調べ、波長分散型EPMA分析装置で、加速電圧15kV、プローブ電流2.0×10-7Aで、Si、Ca、Na、の各元素の検出を行いマッピング形式で出力した後、これら元素の拡散深さ(反応層)を調べた。
【0038】これらの結果は、表1に示す通りである。なお表中において、クラック、溶融、反応層があるものは×、無いものは○で示した。また強度が250MPaに満たないものも×とした。
【0039】
【表1】

【0040】上記表の結果から、SiC、Si3 4 、ZrO2 では溶融またはクラックが発生していることから、バー材料としては不適当であることが確認された。
【0041】また、MgOスピネルは溶融クラックおよび反応層には問題ないが、強度が低いため不適当である。これに対してAl2 3 では、溶融・クラックの発生は無く、灰成分との反応層も認めらずさらに強度にも問題ないことから、バー材料として問題なく使用できることがわかる。
【0042】実施例2本発明実施例として表1中のNo.2のセラミックスについて、灰タブレットと接触するセラミックス試験片の表面状態を、焼き肌、研削加工面、ラツプ加工面と各々3種類ずつ準備し、セラミックス表面状態と耐熱耐食性の関係を調べるため、それぞれの試験片を実施例1と同様な方法で熱処理して、クラック、溶融、Ca元素の拡散深さ(反応層)を調べた。結果を表2に示す。
【0043】表中加工欄の無しとは、焼成後機械加工なしのそのままの状態のもの、研削とは、番手#140のダイヤモンド砥石で焼き肌面より約0.3mm研削加工したもの、ラップとは、上記研削加工の後、アルミナ定盤上で平均粒径10μmのGC砥粒を使い粗ラップをした後、仕上げラップとして錫製定盤上で平均粒径1μmのダイヤモンド砥粒を使い、合計約50μmラップピング加工を施したことを示している。形状は実施例1と同様にした。また、反応層の判定方法としては、セラミック表面より0.3mm以上のCa元素拡散が認められたものは×、0.3mm以下の拡散は○で表示した。
【0044】表2の如く、セラミツクス表面状態は、加工無し(焼き肌面)が最も耐食性が高いことが分かった。
【0045】
【表2】

【0046】実施例3アルミナ材料でバーを製作し、これを保護管に取り付け、試験装置で運転中に保護管取り替え作業を実施し、バーの使用可否の確認をした。バーの種類としては、純度、高温強度、クリープ性の異なる数種材料をφ10×180Lに製作し、これを外径φ180×φ160×800L保護管の開口端側に取り付けた。取り付けは保護管にバー取り付け穴を開け、その穴中にバーを挿入しアルミナ系接着剤で固定した。溶融炉はヒーター加熱方式で、炉内温度は1300℃である。
【0047】表中の高温強度は、3×4×45形状の試験片を製作し、1300℃で三点曲げを評価した。歪み量は、1300℃中で同形状の試験片中央に1.5kgf/mm2 の荷重をかけ、100時間保持した後の歪み量が100μm以上のものを×、100μm未満のものを○として表示した。また、交換作業項目中の○は交換作業OKを示し、×は、交換作業中バーが折損したり変形したため、交換作業ができなかったことを意味している。
【0048】純度99.9%以上のアルミナをバー材料として使用すれば、1300℃で260MPa以上の高温強度を確保でき、交換作業は問題なくできることを確認した。
【0049】
【表3】

【0050】実施例4本発明実施例として、バー表面を焼き肌面とした表2中No.3−1の仕様で製作し保護管開口部付近にセットしたものを実炉に組み込み、実機で比較試験を実施した。保護管本体材質はAl2 3 として、外径100〜250mm、内径80〜230mm、肉厚tが10mm、長さ800mmの図1に示すバー付き保護管を製作した。この時バー長さは、0〜11mm保護管外側表面から突出するように長さを100〜260mmに調整して取り付けた。
【0051】また、評価項目中の○は交換作業OKを示し、×は、交換作業中バーが折損したり変形したため、交換作業ができなかったことを意味している。実機試験は図2に示すゴミ焼却灰溶融炉12で行った。結果を表4、表5に示す。
【0052】表4の様にNo1、2、4〜9はアスペクト比0.03〜0.15であった為、保護管自身の半径方向応力に対する抵抗力が大きくなり、保護管を保持する炉材変形により保護管に応力がかかった際、保護管変形・クラックの防止することが出来、保護管の交換を容易にすることが出来た。No3はアスペクト比0.02である為に引き抜く際に応力がバ−に集中し破損した。
【0053】表5の様にNo2〜5は0.3〜10mmであった為、炉材(図3 4a)と保護管が密着していない為、保護管外表面と炉材との接触面積が小さくなり、摩擦抵抗力が小さくでき、容易に交換作業が行えた。No1は炉材と保護管が密着していた為、保護管外表面と炉材との接触面積が大きくくなり、摩擦抵抗力が大きくなり、交換作業が困難であった。
【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
【発明の効果】以上のようにバーを備えた保護管を用いれば、耐熱耐食性を兼ね備え、保護管自身の半径方向応力に対する抵抗力が大きくなるので、保護管を保持する炉材変形により保護管に応力がかかった際、保護管変形・クラックの防止ができる。
【0057】また運転中の取り替え作業が実施可能であることから、新規保護管に取り替えながら炉の連続運転が可能であるため、長期間良好に使用することができる。また、バーを保護管外表面に若干突出させた場合、保護管外表面と炉材との接触面積が小さくなり、摩擦力が軽減される為、交換作業を容易に行える。
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−193221(P2000−193221A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−371725