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【発明の名称】 廃棄物の処理装置
【発明者】 【氏名】兼子 康男

【氏名】井上 典幸

【氏名】川上 信雄

【要約】 【課題】ダイオキシン等の発生の防止と省エネルギとを同時に達成する。

【解決手段】廃棄物を焼却する焼却炉2と、焼却炉2から排出される焼却残渣を溶融する溶融炉3との間に、排ガス管路16を設ける。溶融炉3の排ガスを排ガス管路16を介して焼却炉2に導入し、溶融炉3の排ガスによって焼却炉2の排ガスを加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を焼却する焼却炉と、この焼却炉から排出された廃棄物の焼却残渣を加熱溶融する溶融炉とを備えた廃棄物の処理装置において、上記溶融炉の排ガスによって上記焼却炉の排ガスを加熱するために、上記焼却炉と上記溶融炉との間に溶融炉の排ガスを焼却炉に導入する排ガス通路を設けたことを特徴とする廃棄物の処理装置。
【請求項2】 上記焼却炉に二次燃焼室を設け、この二次燃焼室に上記排ガス通路を接続したことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物の処理装置、特にダイオキシンを発生させるおそれがあるような廃棄物の処理に好適な処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、廃棄物の処理装置は、焼却炉と溶融炉とを備えており、廃棄物を処理する場合には、まず廃棄物を焼却炉で焼却する。次に、焼却された廃棄物の焼却残渣を溶融炉で溶融して無害化し、溶融スラグとして溶融炉から排出させる。この溶融スラグは、冷却固化されて路盤材等として再利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の処理装置においては、焼却炉内の燃焼温度が500〜700°C程度であるため、高分子化合物を含むような廃棄物を焼却する際にはダイオキシンが発生するおそれがある。そこで、従来の処理装置では、補助バーナ等を用いて排ガスを800〜850°C以上に加熱し、ダイオキシンの発生を防止するようにしているが、そのようにするとエネルギー消費量が多くなってしまうという別の問題が生じてしまう。また、焼却炉および溶融炉のそれぞれに排ガスの処理設備を設ける必要があるため、設備費が高騰するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するために、請求項1に係る発明は、廃棄物を焼却する焼却炉と、この焼却炉から排出された廃棄物の焼却残渣を加熱溶融する溶融炉とを備えた廃棄物の処理装置において、上記溶融炉の排ガスによって上記焼却炉の排ガスを加熱するために、上記焼却炉と上記溶融炉との間に溶融炉の排ガスを焼却炉に導入する排ガス通路を設けたことを特徴としている。この場合、上記焼却炉に二次燃焼室を設け、この二次燃焼室に上記排ガス通路を接続するのが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態について図1を参照して説明する。なお、図1はこの発明に係る廃棄物の処理装置の概略構成を示す図である。図1に示す処理装置1は、主としてシュレッダーダスト等の廃棄物の処理を行うものであるが、他の廃棄物の処理にも用いることができる。処理装置1は、焼却炉2、溶融炉3、熱交換器4、ガス冷却塔5および集塵器6を備えている。これらは、従来のものと同様のものを用いることができる。
【0006】焼却炉2は、その内部の下部および上部に燃焼室と二次燃焼室(いずれも図示せず)がそれぞれ設けられており、その上端部に設けられた投入口2aからホッパ7内の廃棄物が連続的にまたは断続的に所定量ずつ投入される。投入された廃棄物は、流動用ノズル8から炉内に供給される吹込み空気によって撹拌され、かつ流動化される。そして、燃焼空気供給管9から炉内に供給される加熱空気によって燃焼される。この場合、廃棄物は、投入開始当初は補助バーナ(図示せず)等によって燃焼させる必要があるが、一旦燃焼した後はその燃焼熱によって燃焼し続ける。ただし、発熱量の小さい廃棄物の場合には、廃棄物の燃焼中継続して補助バーナを点火させておく。
【0007】廃棄物は、その燃焼によって排ガスと焼却残渣とに分かれる。排ガスは、500〜700°C程度であり、熱交換器4、ガス冷却塔5および集塵器6を通って煙突10から大気中に排出されるが、その詳細については後述する。一方、焼却残渣は、焼却炉2の下部に設けられた排出口2bから外部に排出される。排出された焼却残渣は、成形装置11によってまず金属類が分離された後、塊成化される。この場合、必要があれば焼却残渣に粘結剤を加えて塊成化する。塊成化された焼却残渣はホッパ12に送られる。
【0008】ホッパ12に送られた焼却残渣は、ホッパ13,14内の燃料およびスラグ調質材とともに一定の比率で溶融炉3内に投入口3aから投入される。燃料としては、塊コークスが用いられる。これは、溶融炉3の内部が目詰まりするのを防止するためであり、同様の目的で焼却残渣も塊成化されている。スラグ調質材としては、たとえば石灰石が用いられる。溶融炉3は、公知の竪型溶融炉が用いられる。
【0009】溶融炉3内に投入された塊コークスは、送風羽口15から炉内に供給される加熱空気によって燃焼する。塊コークスの燃焼熱によって溶融炉3内が1500°C程度の高温に維持される。そして、その高熱により、溶融炉3内に投入された焼却残渣が炉内を降下しつつ溶融される。溶融された焼却残渣は、溶融スラグとなって溶融炉3の炉底に貯留され、出湯口3bから定期的に排出される。排出された溶融スラグは、冷却固化された後、破砕整粒され、砕石として路盤材等に再利用される。
【0010】溶融炉3と焼却炉2との間には、ガス管路(ガス通路)16が設けられている。このガス管路16は、溶融路3において発生した燃焼ガスを排ガスとして焼却炉2に導入するためのものであり、焼却炉2の二次燃焼室の下部に接続されている。したがって、焼却炉2で発生した排ガスは、二次燃焼室を通過する際に溶融路3の排ガスによって加熱される。この場合、焼却炉2の排ガスの温度が500〜700°Cであるのに対し、溶融路3の排ガスが約1000°C程度であるから、焼却炉2の排ガスは800°〜850°C若しくはそれ以上に加熱される。しかも、二次燃焼室は、排ガスの滞留時間が2.0〜2.5秒以上であるように設計されている。したがって、焼却炉2の排ガスに含まれるダイオキシン等の有毒ガスは、確実に分解されて無害化される。
【0011】上記ガス管路16は、焼却炉2が二次燃焼室を有していない場合には、燃焼室に接続されるが、その場合には焼却炉2の排気ガスを800〜850°C以上に加熱し、かつその状態を2.0〜2.5秒以上維持することができるよう、焼却炉2に対するガス管路16の接続箇所が配慮される。また、焼却炉2の二次燃焼室は、炉体に対し独立して設けてもよく、その場合ガス管路16は独立した二次燃焼室に接続される。
【0012】焼却炉2から排出された排ガス(焼却炉2の排ガスと溶融路3の排ガスとが混合した排ガス)は、熱交換器4内において送風機20から送られてくる空気を約450°Cに加熱する一方、排ガスが約500°Cに冷却される。加熱された空気は、燃焼空気として、燃焼空気供給管9から焼却炉2に供給されるとともに、送風羽口15から溶融炉3に供給される。
【0013】熱交換器4を出た排ガスは、ガス冷却塔5に入り、噴霧水によって約180°Cまで急冷される。これにより、ダイオキシンの二次合成が防止される。その後、排ガスには、ホッパ17,18にそれぞれ貯留された消石灰および活性炭の粉末が吹き込まれる。これによって、排ガス中に含まれる塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)等の有害物質が除去される。その後、集塵器6で煤塵が除去されて清浄化され、排風機19により煙突10から大気に放出される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、溶融炉の排ガスによって焼却炉の排ガスを加熱しているので、ダイオキシン等の発生を防止することができ、しかも補助バーナ等が不要であるから、省エネルギを達成することができる。また、溶融炉の排ガスを焼却炉に導入しているから、溶融炉の排ガスの処理設備が不要になり、焼却炉の排ガスの処理設備だけを設置すれば足りる。したがって、設備費を低減することができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】395004759
【氏名又は名称】株式会社千代田エンジ
【出願日】 平成10年12月4日(1998.12.4)
【代理人】 【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
【公開番号】 特開2000−171019(P2000−171019A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−361851