| 【発明の名称】 |
高熱分解装置及びその制御方法及び制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古村 玉蔵
【氏名】土田 忠
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| 【要約】 |
【課題】ダイオキシン等の有害物質を含む排煙及び排ガス、並びに焼却灰を発生させることなく、被分解物を好適に熱分解する。
【解決手段】高温を発生する発熱体15を備えた一次分解室12と、前記一次分解室と連通し、高温を発生する粒状の発熱体16を備えた二次分解室14と、前記二次分解室14内の雰囲気を吸引して機外に放出する手段を備え、一次分解室12内で発熱体15の発熱により被分解物が熱分解されて発生したガスを、二次分解室14内の発熱体16間を通過させて熱分解後、機外に放出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通電により1400℃以上の高温を発生する発熱体を備え、被分解物質を熱分解してガス化する一次分解室と、前記一次分解室と連通すると共に、機外に連通する放出口を備え、通電により1400℃以上の高温を発生する粒状の発熱体が多数重合して配置された二次分解室と、前記二次分解室の放出口側で空気を吸引して機外に放出する手段を備え、一次分解室内で発熱体の発熱により被分解物が熱分解されて発生したガスを、二次分解室内の発熱体間を通過させて熱分解後、機外に放出することを特徴とする高熱分解装置。 【請求項2】 前記一次分解室及び二次分解室内に備えられた発熱体は、多数重合配置された状態で通電することにより発熱する粒状発熱体であり、前記粒状発熱体は、炭素質物質を所定の粒径に形成して成る炭素粒体の表面にクロム、モリブテン、アルミニウム、マグネシウムのいずれか1以上より成る金属の被膜を形成して成ることを特徴とする請求項1記載の高熱分解炉。 【請求項3】 前記一次分解室に、被分解物を投入する投入口と、該投入口を被蓋する扉と、前記扉を閉状態に係止する係止機構を設けた請求項1又は2記載の高熱分解装置において、前記係止機構を扉の係止位置において固定した後、前記二次分解室内に設けられた発熱体の通電を開始する工程と、前記二次分解室内の発熱体に対する通電の開始後所定時間の経過により、又は前記二次分解室内の発熱体の発熱温度が所定温度を越えた後、前記一次分解室内に設けられた発熱体の発熱を開始すると共に、該一次分解室内の発熱体の発熱と同期して二次分解室の放出口側より二次分解室内の雰囲気の吸引を開始する工程と、設定時間の経過により、前記一次分解室及び二次分解室内の発熱体に対する通電を停止すると共に、前記係止機構を、扉を開放可能な状態に復帰する工程を含むことを特徴とする高熱分解装置の制御方法。 【請求項4】 前記一次分解室及び二次分解室の発熱体に対し、前記設定時間定電力及び定電流の通電を行うことを特徴とする請求項3記載の高熱分解装置の制御方法。 【請求項5】 前記一次分解室に、被分解物を投入する投入口と、該投入口を被蓋する扉と、前記扉を閉状態に係止する係止機構と、熱分解の際に生じた排煙及び排気ガスを排出する排出口を設けると共に、前記二次分解室に、前記一次分解室の排出口に連通する導入口と、該導入口を介して導入され、二次分解された後の排気ガス及び排煙を排出する放出口の形成された二次分解室を備えた高熱分解装置の制御装置であって、前記係止機構を扉の係止位置において固定する手段と、前記二次分解室内の発熱体に対する通電の開始後、所定時間の経過により、又は前記二次分解室内が所定温度を越えた後、前記一次分解室内に設けられた発熱体に対する通電を開始すると共に、該一次分解室内の発熱体に対する通電と同期して二次分解室の放出口側より二次分解室内の吸引を開始する手段と、設定時間の経過により、前記一次分解室及び二次分解室内の発熱体に対する通電熱を停止すると共に、前記係止機構を、扉を開放可能な状態に復帰する手段を備えたことを特徴とする高熱分解装置の制御装置。 【請求項6】 前記一次分解室及び二次分解室の発熱体に対する通電を前記設定時間定電力及び定電流に制御する自動定電力・定電流制御手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の高熱分解装置の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、被分解物を高温にて熱分解する高熱分解装置、及び前記高熱分解装置の制御方法及び制御装置に関し、より詳細には、被分解物を高温で加熱・分解してガス化する一次分解室と、前記一次分解室内で加熱されて分解・ガス化した被分解物の前記ガスを粒状発熱体間を通過させて二次分解する、二次分解室を備える高熱分解装置、及び前記高熱分解装置の制御方法並びに制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ゴミ焼却炉等により各種の廃棄物を焼却すると、この焼却により生じたすすや各種の燃えかす等の粉塵、悪臭、燃焼の際に合成された各種有害物質等が排煙や排気ガスに混ざって大気放出され、該排煙や排気ガスによる公害が生じている。 【0003】特に、廃棄されたタイヤや、プラスチック、塗料、その他の各種樹脂成品等を焼却した際に生ずる排煙中には、前記粉塵や悪臭の他に一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物、ダイオキシン等の各種の有害物質が含まれ、このような各種有害物質を含んだ排煙を大気放出すれば、大気汚染や環境破壊の原因となる。中でも毒性の強い物質として知られるダイオキシン等の排出は、周辺住民の健康の阻害、動植物の奇形の発生や公害病の原因となるなど、周辺環境に与える影響は重大であり、このような有害物質の排出をいかにして防止するかは重要な問題である。 【0004】このような有害物質の除去を目的として、例えば焼却炉内に灯油や重油等の石油燃料と空気との混合気を供給して廃棄物と共に700〜800℃の温度で燃焼させる構成の焼却炉が存在する。 【0005】前述のように、灯油や重油と共に廃棄物を燃焼させる従来の焼却炉にあっては、廃棄物の燃焼が800℃程度以下の温度で行われるために廃棄物中に含まれる塩素化合物が他の物質と化合してダイオキシンの生成が助長される。 【0006】この種の焼却炉にあっては、焼却炉から排出される排煙を浄化する目的で、前記廃棄物の焼却により生じた排煙に灯油、重油、ガス等を燃料としたバーナーによって火炎を噴射して再燃焼させ、排煙中に含まれる前記有害物質等を燃焼・除去する方法が提案されている。 【0007】しかし、バーナーによる燃焼も、完全に排煙が火炎に接することがなく、また温度も低いため、一酸化炭素、炭化水素、すす、悪臭等の一部の有害物質を燃焼させて排煙を無色無臭化することはできても、1400℃以上の温度により初めて分解されるダイオキシン、その他高温下で初めて無害化される有害物質を無害化することはできない。 【0008】また、灯油、重油、ガス等を燃料としたバーナー等より成る従来のこの種の焼却装置の熱源は、それ自体が大がかりなものであり、該装置自体を高価なものとする。 【0009】このような問題点を解消するために、本発明の出願人は、電源に接続することにより電気抵抗とアーク放電により1400℃以上の高温を発生することのできる発熱体と、この発熱体を備えた前記ダイオキシン等の有害物質をも無害化ないしは除去することのできる排煙等の二次焼却装置を出願している(特願平9−245780号)。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】前述の二次焼却装置によれば、焼却炉等より排出された排煙等を導入して好適にこれを二次焼却することができるものであるが、被焼却物を一次焼却する一次焼却室が、例えば石油等を燃料とした通常の焼却炉である場合、一次室内に投入された被焼却物は常に完全に焼却されるとは限らず、有害物質等を含む燃えかすや灰等(焼却灰)の残滓が一次焼却室内に残存する場合がある。 【0011】このような焼却灰は、排煙や排ガス以上に高濃度の有害物質を含む場合があり、これをそのまま土壌中に埋設する等して廃棄すれば土壌汚染の原因となり、また、該有害物質が土壌中に浸透して飲料用等として利用されている地下水等に混入すれば、公害病の原因となりかねない。そのため、焼却後にこのようにして一次焼却室内に残存する焼却灰は、有害物質が漏出しないようコンクリート等で固めた後地中に埋設する等、その廃棄には多大な費用と労力を必要とする。 【0012】また、前記焼却装置は、これを効率的に制御しない場合には、被焼却物の焼却に要する費用が増大するだけでなく、対象となる被焼却物の量、特性等に従い、その焼却温度、焼却時間等が好適に制御されない場合には、前述のダイオキシン等の有害物質を含む焼却灰が生じたり、有害物質が完全に除去ないしは無害化されていない状態の排ガスや排煙等が大気放出されるおそれがある。さらに、ダイオキシン等の有害物質を除去ないしは無害化し得る高温で加熱する室を備える高熱分解装置にあっては、被焼却物の熱分解を安全に行い得るよう制御する必要がある。 【0013】そこで、本発明の第1の目的は、被焼却物(被分解物)の分解により発生する排煙中の有害物質を略完全に除去ないしは無害化することができると共に、有害な焼却灰を発生させることなく被分解物の分解を行うことのできる高熱分解装置を提供することにある。 【0014】また、本発明の別の目的は、前述の如き高熱分解装置を好適に制御することで、高熱分解を安全に行うことができると共に、該焼却装置の作動効率を向上させ、ダイオキシン等の有害物質を略完全に除去ないしは無害化することのできる高熱分解装置の制御方法及び装置を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するたるめに、本発明の高熱分解装置10は、通電により1400℃以上の高温を発生する発熱体15を備え、被分解物質を熱分解してガス化する一次分解室12と、前記一次分解室12と連通すると共に、機外に連通する放出口42を備え、通電により1400℃以上の高温を発生する粒状の発熱体16が多数重合して配置された二次分解室14と、前記二次分解室14の放出口42側で空気を吸引して機外に放出する、例えばブロワ38等の手段を備え、一次分解室12内で発熱体15の発熱により被分解物が熱分解されて発生したガスを、二次分解室14内の発熱体16間を通過させて熱分解後、機外に放出することを特徴とする。 【0016】前記熱分解装置において、前記一次分解室12及び二次分解室14内に備えられた発熱体15,16は、多数重合配置された状態で通電することにより発熱する粒状発熱体であり、前記粒状発熱体は、炭素質物質を所定の粒径に形成して成る炭素粒体の表面にクロム、モリブテン、アルミニウム、マグネシウムのいずれか1以上より成る金属の被膜を形成して成る。 【0017】さらに、前記構成の高熱分解炉10の一次分解室12に、被分解物を投入する投入口22と、該投入口22を被蓋する扉23と、前記扉23を閉状態に係止する係止機構28を設けた高熱分解炉10の動作を制御する、本発明の高熱分解炉の制御方法は、前記係止機構28(図2)を扉23の係止位置において固定した後、前記二次分解室14内に設けられた発熱体16に通電を開始する工程と、前記二次分解室14内の発熱体16に対する通電の開始後所定時間の経過により、又は前記二次分解室14内の発熱体16の発熱温度が所定温度を越えた後、前記一次分解室12内に設けられた発熱体15に対する通電を開始すると共に、該一次分解室12内の発熱体15に対する通電と同期して二次分解室14の放出口42側で空気の吸引を開始する工程と、設定時間の経過により、前記一次分解室12及び二次分解室14内の発熱体15,16に対する通電を停止すると共に、前記係止機構28を、扉23を開放可能な状態に復帰する工程を含むことを特徴とする。 【0018】前記制御方法において、前記一次分解室12及び二次分解室14の発熱体15,16に対し、前記設定時間定電力及び定電流の通電を行うことにより前記発熱体15,16の発熱温度を一定温度に維持するよう制御することができる。 【0019】さらに、前記制御方法を実施するための制御装置48は、前記係止機構28を扉23の係止位置において固定する手段と、前記二次分解室14内の発熱体16に対する通電の開始後、所定時間の経過により、又は前記二次分解室14内の発熱体16が所定温度を越えた後、前記一次分解室12内に設けられた発熱体15に対する通電を開始すると共に、該一次分解室12内の発熱体15に対する通電と同期して二次分解室14の放出口42側で空気の吸引を開始するブロワ38等の手段と、設定時間の経過により、前記一次分解室12及び二次分解室14内の発熱体15,16に対する通電を停止すると共に、前記係止機構28を、扉23を開放可能な状態に復帰する手段を備えたことを特徴とする。 【0020】また、前記制御装置48において、前記一次分解室12及び二次分解室14内に配置された発熱体15,16の発熱を一定温度に維持する手段として、前記前記一次分解室12及び二次分解室14内に配置された発熱体15,16に対する通電を設定時間定電力及び定電流に制御する手段を備えたことを特徴とする。 【0021】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら以下説明する。 【0022】図1から図4は、本発明の高熱分解装置10を、図5及び図6は該高熱分解装置10に設けられる二次分解室14を示し、図1及び図2は比較的大型に形成して成る高熱分解装置10、図3及び図4は、前記図1及び図2に示す高熱分解装置10に比較して小型に形成された高熱分解装置10、図5及び図6は、二次分解室14部分の構成例のみを示したみのである。 【0023】高熱分解装置10の一例として、図1および図2に示す高熱分解装置10を一例として説明すれば、この高熱分解装置10は、廃棄物等が投入されて熱分解される一次分解室12と、該一次分解室12による分解の際に生じた排気ガス、排煙等をさらに熱分解して無害化ないしは除去する二次分解室14(14a,14b)を備える。 【0024】前記一次分解室12は、内部に投入された被分解物を加熱する発熱体15を供えると共に、該発熱体15による発熱に耐え得る断熱材18にてその内壁がカバーされている。 【0025】前記発熱体15としては、例えば木炭、コークス、その他各種の炭素質物質を所定の粒径に形成して成る炭素粒体の表面にクロム、モリブテン、アルミニウム、マグネシウム等のいずれか1以上より成る金属の被膜を形成して成る発熱体を前記一次分解室内に所定量充填し、この充填された発熱体に通電することで、発熱体相互の接触部分より生ずるアーク放電及び電気抵抗により熱を発生する特願平9−245780号の発熱体を使用することができる。 【0026】本実施形態にあっては、前述の通りである発熱体15を前記一次分解室12の底面に所定の高さに積層して充填すると共に、該発熱体15に電極20,20を接触させて図示せざる電源と接続して通電することにより、該発熱体15の持つ電気抵抗、積層された発熱体15相互の接触抵抗、及び発熱体15間に生ずるアーク放電等の作用により1400℃以上の温度に発熱するものである。 【0027】また、前記一次分解室12の内壁をカバーする断熱材18は、前記発熱体15による発熱に耐え得る耐熱性能を有するもので、本実施形態にあってはケイ石パーライトと、前記ケイ石パーライトの重量に対して10〜20wt%の塩化ナトリウム、25〜35wt%のマグネシウムケイ酸塩、35〜45wt%のナトリウムケイ酸塩、10〜20wt%のカルシウム、50〜150wt%の水及び必要に応じて10〜30wt%のクロム及び/又はモリブテンより成る金属の粉末とを共に混合・混練後、成形、乾燥して形成して成る特願平9−245780号記載の断熱材を使用している。 【0028】このように形成された一次分解室12には、該一次分解室12内で一次分解される被分解物を投入等するための投入口22が本実施形態にあっては前記一次分解室12の側壁に形成されており、前記断熱材18と同様の断熱材18により一側が被覆された扉23により該投入口22が被蓋されている。 【0029】この扉23は、例えばスプリング等の付勢手段により扉23に向かって付勢され、閉状態の前記扉23を係止する例えば鍵爪状の係止機構28により前記投入口22を被蓋した状態で固定し得るよう構成されている。 【0030】更に該扉23の係止機構28は、例えば所定の電気信号等により作動する例えばサーボモータやソレノイド等を動作させて該係止機構28を扉23を閉じた状態で係止し、又は該状態を解除する係止機構制御手段52により制御することができる。 【0031】前記一次分解室12の頂部には、該一次分解室12と連通する二次分解室14(14a,14b)が形成されており、本実施形態にあっては一次分解室12の上方に、開孔板34により前記一次分解室12と区画された断面略台形状の室14aを形成すると共に、前記断面略台形状に形成された室14a上に更に前記室14aとは開孔板35により区画された室14bを形成し、その上方に略角筒状に形成された煙道32を連通している。 【0032】そして、前記開孔板34,35により区画された前記室14a,14bのそれぞれには、前記開孔板34上に、前述の一次分解室12内に配置されたと同様の発熱体16を載置、充填して一次分解室12上に形成された前記2室14a,14bを二次分解室14としている。 【0033】なお、本実施形態にあっては、前記二次分解室14を2室14a,14bに形成した例を示したが、この二次分解室14は一室であっても良く、また2室以上より構成しても良い。 【0034】前記二次分解室14(14a,14b)内では、前記発熱体16を図示せざる電源に接続するための電極21(21a,21a:21b,21b)が配置されており、この電極21(21a,21a:21b,21b)として、例えば前記開孔板34を例えば耐熱性、導電性を有する材質にて形成されたパンチングメタルや金網等として形成し、開孔板34自体を電極21,21とすることもできるが、本実施形態にあっては、前記開孔板34上であって、二次分解室14(14a,14b)の内壁の対向する位置に板状に形成された電極板21(21a,21a:21b,21b)を図示せざる電源に接続することにより該電極21(21a,21a:21b,21b)間に配置された発熱体16,16を通電し得るよう構成している。 【0035】このように形成された二次分解室14(14a,14b)には、図1及び図2に示すように開口24が形成されており、この開口24を被蓋する一側に断熱材を取り付けてなる扉25にて該開口24を被蓋して、内部に充填された前記発熱体16,16の交換、補充等が行い得るよう構成されている。 【0036】この扉25は、前記一次分解室12に形成された投入口22を被蓋する扉23と同様に係止機構を設けることができ、また、該係止機構を閉状態で係止する機構を設けることもできる。 【0037】また、前記二次分解室14(14a,14b)の外壁に、耐熱ガラス等が嵌め込まれた覗き窓44を形成して二次分解室14(14a,14b)内の状態が目視し得るよう構成することもできる(図5及び図6参照)。 【0038】さらに、前記二次分解室14の上部に形成され、前記二次分解室14(14a,14b)の放出口42を介して二次分解室14(14a,14b)に連通された煙道32内には、該煙道32の上方に向かって開口する吸入管36が前記煙道32の中心位置に配置されており、この吸入管36の下端を水平方向に曲折して前記煙道32の側壁を貫通して突設すると共に、該側壁より突設された吸入管36の一端に、前記煙道32内を吸引するブロワ38が連結されている。 【0039】従って、前記ブロワ38を作動することにより、煙道32内に外気が導入されると共に前記吸入管36の上端開口から煙道32内の空気が吸引されて、被分解物が一次分解室12内の熱により熱分解されて生じた排煙、排気ガス等が二次分解室14(14a,14b)内に導入され、該二次分解室14(14a,14b)内で有害物質が完全に除去ないしは無害化されて機外に排出される。 【0040】以上のように構成された高熱分解装置10は、前記高熱分解装置10に設けられた各機器を制御して、前記熱分1装置10の動作を制御する制御装置48を備えている。 【0041】この制御装置48は、前記高熱分解装置10と組み合わせて使用することにより高熱分解装置を効率良く且つ安全に作動させると共に、ダイオキシン等が発生しない状態で前記高熱分解装置10を作動させるものであり、本実施形態にあっては、高熱分解装置10の一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の温度を、設定された時間、設定された温度に制御する温度制御手段50、前記扉23(又は23,25)の係止機構28を制御する係止機構制御手段52、熱源である発熱体の不足を検出する熱源不足検出手段56、及び前記高熱分解装置10の動作全般を統括的に制御する動作制御手段54を備えている。 【0042】なお、前記制御装置48は、前記各制御手段の他に例えば漏電を検出して前記高熱分解装置の主電源をOFFと成す漏電検出手段、高熱分解装置に対して過電流、過電力が供給されたとき、該装置の主電源等をOFFと成す過電流・過電力保護手段、高熱分解装置内に形成された一次及び二次分解室13,14内の温度が過度に高温となった場合に該装置の主電源をOFFと成す過温度保護手段等の保護手段を備えることもできる。 【0043】前記温度制御手段50は、発熱体15,16による発熱温度、該発熱体15,16の発熱時間を、前記発熱体16に印加される電流、電圧、通電時間等を調整して制御する。 【0044】前記扉23の係止機構28を制御する係止機構制御手段52は、例えば前記高熱分解装置10が作動状態にあるとき、前記一次分解室12(二次分解室14の扉25にも係止機構を設けた場合には、一次分解室12及び二次分解室14)に設けられた扉23(又は23,25)の係止機構28を閉状態に係止するものであり、例えば、前記高熱分解装置10の起動スイッチのONに連動する例えばサーボモータ、ソレノイドにより錠を進退移動させることにより、前記扉23(又は23,25)の係止機構28を閉状態に固定するものである。なお、前記扉の係止機構には、前記扉と、該扉が被蓋する開口に圧力スイッチ等を設け、扉が閉状態にあることを該圧力スイッチにより検知するよう構成することもでき、該圧力スイッチ等により扉が閉状態にあることが検知されたとき、該高熱分解装置10を作動可能に構成することもできる。 【0045】また、熱源不足検出手段56は、例えば発熱体15,16が減少すると該発熱体15,16の抵抗値が増加する点に着目して前記制御装置48に設けられた例えば電圧検出手段、電流検出手段により検出された電圧、電流に基づいて発熱体15,16の不足を検出するもので、例えば発熱体の上部に電極棒を配設し、この電極棒と、発熱体15,16を発熱させるために発熱体15,16と接触された電極(20又は21)間の抵抗値の変化により検知され、該発熱体15,16の不足が検知された場合、表示盤上に設けられた警告灯等を点灯する等して発熱体15,16の不足を警告する。 【0046】以上のように構成された熱分解装置10は、前記各機器及び各制御手段を総括的に制御して該高熱分解装置10の動作全般を制御する動作制御手段54により下記の通り動作する。 【0047】高熱分解装置10の一次分解室12内に被分解物を投入後、一次分解室12の側壁に形成された投入口22を被蓋する扉23が係止機構28により閉状態において固定されると、該扉23の係止機構28に近接して設けられた例えば圧力スイッチ等が扉23が係止された状態にあることを検知して前記高熱分解装置10が作動可能な状態となる。 【0048】この状態において、前記制御盤に設けられた主電源(漏電遮断器)をONとすると、該主電源のONにより前記高熱分解装置10が待機状態となる。 【0049】主電源をONとした待機状態において、制御盤に設けられたスイッチ類の操作により、例えば分解される被分解物の種類等に応じて分解室12,14内の温度、発熱体15,16の発熱時間等を設定すると、該設定された値に応じて前記一次分解室12及び二次分解室14内が所定時間該設定された温度に維持され、又は該設定に従って温度変化するよう発熱体15,16に通電される電流、電圧、通電時間等が、抵抗器やタイマ等を備えた温度制御手段50により自動で制御される。 【0050】なお、前記一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の温度、発熱体16の発熱時間は、例えば操作盤上に設けられたスイッチ類の操作により一次分解室内12に投入された被分解物の種類、量等を入力することにより、入力された条件の被分解物を分解するに適するものとして予め設定された分解温度、分解時間等に応じて熱分解装置10が作動するよう構成することもできる。 【0051】この電流、電圧等の制御は、前記一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の温度を測定して、分解室12,14(14a,14b)内の温度が所定温度となるよう制御することができ、例えば発熱体16の有する特性に基づき、例えば予め測定された発熱体16の抵抗値と温度との関係に基づいて、作動中の高熱分解装置10の発熱体16の抵抗値の変化に基づいて発熱体に印加される電圧、電流等を制御することで分解室12,14(14a,14b)内の温度を一定に制御することもできる。 【0052】以上のように被分解物の種類等に応じて一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の温度、分解時間等を設定した後、制御盤に設けられた該高熱分解装置10の起動スイッチをONとすると、前記二次分解室14(14a,14b)内の発熱体16による発熱が開始される。 【0053】このようにして二次分解室14(14a,14b)内の発熱体16に対する通電により、二次分解室14(14a,14b)内の発熱体16が例えば1500℃以上の高温を発生させると共に、一次分解室12内に設けられた発熱体15に対して通電が開始され、一次分解室12内の発熱体15が同様に1500℃以上の高温を発生する。そして、該一次分解12室の発熱体15の発熱に伴って前記二次分解室14(14a,14b)の上部において開口された吸入管36に連結されたブロワ38が作動して、一次分解室12から二次分解室14(14a,14b)に向かう空気の流れが発生する。 【0054】また、係止機構制御手段52が所定の電気信号等を出力して例えばサーボモータやソレノイド等を駆動し、係止機構28を閉状態に係止して一次分解室12の投入口22(二次分解室14の扉25が係止機構を備える場合には、一次分解室12及び二次分解室14)の開口22(又は22,24)を被蓋する扉23(又は23,25)を開放不能とする。このように、前記高熱分解装置10による被分解物の分解中において前記一次分解室12の扉23を開放不能とする構成としたのは、前述のように一次分解室12内における被分解物の分解は、1400℃以上、好ましくは1500℃以上の高温で、かつ無給気の状態において行われるものであることから、前記扉23の開放により一次分解室12内に外気が大量に導入されると該外気の導入により一次分解室12内の被分解物が急激に燃焼を開始して炎が投入口22より吹き出して極めて危険なためである。 【0055】前記一次分解室12内の発熱体15に対する通電は、二次分解室14(14a,14b)内の発熱体16の温度を測定して該発熱体が所定の温度となったとき行うようすることもでき、または予め測定された発熱体16の特性に基づき、所望の温度と成すに必要な時間をタイマにて設定し、この時間の経過後に一次分解室12内の発熱体16に通電するよう構成することもできる。 【0056】このようにして一次分解室12内の発熱体15に対する通電が開始されると、該発熱体15が発熱して一次分解室12内に投入された被分解物質が燃焼ないしは熱分解され、該燃焼ないしは熱分解の際に生じた排気ガスや排煙等が二次分解室14(14a,14b)内に導入される。 【0057】そして、二次分解室14(14a,14b)内に導入された排気ガスや排煙は、1400℃以上、好ましくは1500℃以上の高温に発熱されている二次分解室14(14a,14b)内の発熱体16間を通過する際に再度熱分解されて該排気ガスや排煙中の有害物質が除去ないし無害化されて前記ブロワ38による吸引に伴って吸入管36を介して機外に排出される。 【0058】以上のようにして、設定された時間前記一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の発熱体15,16が所定の温度に発熱され、投入された被分解物の種類等に応じて設定された時間が経過すると、一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の発熱体15,16に対する通電が遮断されると共に、ブロワ38が停止して高熱分解装置10が停止する。また、前記係止機構制御手段52より所定の電気信号等が出力されて、係止機構28の閉状態の固定が解除されて一次分解室12の投入口22及び二次分解室14の開口24を被蓋する扉23,25が開放可能となる。 【0059】前述した本実施形態の高熱分解装置10によれば、被分解物の特性、量等に応じて設定された温度等に一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内の温度等が好適に調整されると共に、一次分解室12及び二次分解室14(14a,14b)内のいずれにおいても外気を導入することなく被分解物の分解が行われることから、ダイオキシン等の有害物質が排出される危険性はなく、かつ、例えばプラスチック等の石油原料より成る材質の被分解物にあっては熱による分解により完全にガス化され、熱分解後の残滓も残らず、従って該残滓の処理等をも不用とされる。 【0060】また、残飯、建築廃材その他の廃棄物にあっては、該焼却により生ずる残滓は完全に炭化されているので無害であり、該残滓を例えば農業や園芸肥料等として使用することができる。 【0061】従って、前述の高熱分解装置10によれば、被分解物である廃棄物等を分別することなく高熱分解装置10内に投入して分解することもできる。 【0062】 【発明の効果】以上説明した本発明の構成により、被分解物を完全に熱分解して排煙中の有害物質を除去ないしは無害化することができると共に、有害物質の含まれる焼却灰をも生ずることのない高熱分解装置を提供することができた。 【0063】特に、二次分解室内に配置される発熱体を粒状発熱体とすると共に、一次分解室で発生した排煙ないしは排ガスを前記粒状発熱体間を通過させることにより、排煙ないしは排ガスが発熱体の発熱温度に近い高温で熱分解され、機外に排出される排煙ないしは排ガス中の有害物質を略完全に除去ないしは無害化することのできる高熱分解装置を提供することができた。 【0064】さらに、前記高熱分解装置を本発明の制御方法及び制御装置により制御することで、前記高熱分解装置を安全かつ効率的に作動させることができ、該高熱分解装置による被分解物の熱分解の際、ダイオキシン等の有害物質を発生させることのない制御方法及び装置を提供することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598144513 【氏名又は名称】鈴木電子機器株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月20日(1998.10.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081695 【弁理士】 【氏名又は名称】小倉 正明
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| 【公開番号】 |
特開2000−121018(P2000−121018A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−298495 |
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