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【発明の名称】 燃焼装置
【発明者】 【氏名】重岡 武彦

【氏名】川口 友也

【氏名】苅田 督郎

【要約】 【課題】燃焼装置の逆火の防止と騒音低減を図る。

【解決手段】燃料ガスのエジェクター効果で一次空気を吸引する入口部を向かい合わせて配置した無底筒状の混合管16と、この混合管を覆うようにその上開口部側から覆着した有天筒状の混合管部18と、この混合管部に連なる燃焼部20とを備え、上記燃焼部20は混合管部18より大径とする共に、混合管部18は二重壁構成としてある。よって、火炎によって高温になりやすいバーナ上部は二重壁による遮熱及び遮音効果によって、バーナ筒内部の混合ガスの温度は比較的低く維持され、混合ガスの温度が高くなりすぎて混合ガスの流れに澱みが生じたときに発生しやすい逆火現象のような異常燃焼が低減できとともに、遮音効果によって混合ガスの混合音などを低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】燃料ガスを噴出するノズルと、このノズルの下流側に該ノズルから噴出された燃料ガスのエジェクター効果で一次空気を吸引する入口部を向かい合わせて配置した無底筒状の混合管と、この混合管を覆うようにその上開口部側から覆着した有天筒状の混合管部と、この混合管部に連なる燃焼部とを備え、上記燃焼部は混合管部より大径とする共に、混合管部は二重壁構成とした燃焼装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料ガスを噴出して燃焼させる燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の燃焼装置としては、ガスあるいは灯油等を気化させた液体燃料ガスを燃焼させるものがある。以下この液体燃料ガスを燃焼させる燃焼装置を例にして説明すると、このような燃焼装置は図3に示すように構成されている。
【0003】すなわち、まずタンク24にカートリッジタンク25から燃料が供給され、同タンク24の燃料はポンプ26によって気化器27に供給される。そしてこの気化器27で気化されて燃料ガスとなり、ノズル28より水平方向に噴出される。
【0004】このノズル28から噴出された燃料は、エジェクター効果により一次空気を吸引しながら気化器27の下流側に離れて設けた混合管29内に噴出されここで混合されて、混合管29と一体のライン形状のバーナ部30に供給され、そこで燃焼される。生じた燃焼ガスは、バーナ部30の周囲を覆うように配設された燃焼筒31で上方へ導かれ、上記燃焼筒31を覆ったダクト32で送風機33からの室内空気流と混合され、温風として排出されて暖房に利用される。そして、この燃焼装置はポンプ26の駆動周波数や印加電圧を変えて燃料供給量を調節すると、一次空気量もそれにつれて増減し、燃料と空気の比が一定に保たれたまま燃焼量を変えることができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのような構成の燃焼装置は、バーナ部30が横長のライン形状となっているため、火炎が左右均一になり難く、どうしても両端の燃焼が乱れやすい傾向があり、そして燃焼炎が真上に吹き出されるため、流れを抑えることが難しく、リフト燃焼を生じやすいという課題があった。また、経年的にも、ライン形状であるため温度の不均一によって、バーナ部30が変形しやすいという課題もあった。さらに、気化器27と離れて、混合管29、バーナ部30を配設するため、バーナ部30の熱を気化器27に回収するようにする構成が取り難い問題や、バーナ部30が横長であるため、機器の寸法も横長になるという課題もあった。
【0006】従来このような課題を解決するために、図4に示すような燃焼装置が提案されている。すなわちこの燃焼装置は、気化器34で気化された燃料ガスをノズル35より垂直方向に噴出し、その際に生じるエジェクター効果で吸引した一次空気と共に前記気化器34に一体形成された混合管36内に上記燃料ガスを供給して、この混合管36内で燃料ガスと一次空気とを混合させ、この混合管36の上部開口より有天筒状のバーナ筒37内に噴出させ、ここで下向きに折り返させて混合管36の外周下方へ流れるようにして、バーナ筒37の下方周壁に設けた多数の炎孔38から混合ガスを噴出し燃焼するようになっている。
【0007】このような構成の燃焼装置では、混合管36の外周を混合ガスが折り返し流れて、バーナ部37の下方周壁に設けた多数の炎孔38から混合ガスを均一に噴出させて燃焼させるため、火炎が均一になり、かつ燃焼炎が外周方向に噴出されるようになってもこれは燃焼炎の外周にバーナリング39を設けて燃焼炎が上方に流れるようにするといった簡単な構成でリフトするのを抑えることができ安定した燃焼を行わせることができるようになる。
【0008】しかしながら、気化器34で気化されたガスをノズル35より垂直方向に噴出するため、バーナ部37の高さが高くなり、燃焼筒31やダクト32の高さ寸法が高くなる傾向があった。そして機器の倒れ易さや、メンテ性等の本体構成上の制約でバーナ部37の高さを低くすると、混合管36の長さが足りなくなって、ノズル35から噴出された燃料ガスのエジェクター効果が弱くなり、一次空気の吸引量が減少して、燃焼炎が乱れやすく、風などの外乱によって黄火の発生、CO、臭気そして失火などの異常燃焼を生じやすくなるという課題があった。
【0009】また、一次空気量の不足を補うため、送風機33からの風の一部をノズル35の噴出に合わせて供給するようにしても、送風機33からの一次空気供給構成が複雑になるとともに、その一次空気供給構成のばらつきや、電圧変動や、ほこり等によって、一次空気供給量が変動してしまい、結局は上記と同様一次空気吸引量が減少して異常燃焼を生じてしまうという課題があった。
【0010】本発明は上記課題を解決したもので、燃焼装置のコンパクト化を図りつつ良好な燃焼ができるようにすることを第1の目的とし、さらに逆火の防止と騒音低減を図ることを第2の目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃料ガスを噴出するノズルと、このノズルの下流側に該ノズルから噴出された燃料ガスのエジェクター効果で一次空気を吸引する入口部を向かい合わせて配置した無底筒状の混合管と、この混合管を覆うようにその上開口部側から覆着した有天筒状の混合管部と、この混合管部に連なる燃焼部とを備え、上記燃焼部は混合管部より大径とする共に、混合管部は二重壁構成としてある。
【0012】
【作用】本発明は上記構成によって、炎孔に形成される火炎によって高温になりやすいバーナ上部は二重構造となっていてそれら二重壁による遮熱及び遮音効果によって、バーナ筒内部の混合ガスの温度は比較的低く維持され、混合ガスの温度が高くなりすぎて混合ガスの流れに澱みが生じたときに発生しやすい逆火現象のような異常燃焼が低減できとともに、遮音効果によってノズルからの混合管内への混合ガスの流入音及び混合管内での混合音などを低減することができる。また混合管部からの混合ガスは大径の燃焼部で混合ガスの混合及び均圧化が促進されとともに炎孔面積も大きく確保することができる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例について添付図面に基づいて説明する。
【0014】まず、図2を用いて本発明の燃焼装置を用いた温風暖機器の構成を説明すると、1は本体ケースで、その下方側部に液体燃料を保有するタンク2とそのタンク2上部に着脱自在なカートリッジタンク3が配設してある。4はタンク2の上面に取付けたポンプで、その上端から送油パイプ5を導出して燃焼装置6に燃料を供給するようになっている。
【0015】7は燃焼装置6からの燃焼ガスを上方へ導く燃焼筒で、その背部に室内空気流を取入れ送出する送風機8が配設してある。9は上記燃焼筒7からの燃焼ガスと室内空気流を混合して温風にするダクトである。10は前記燃焼装置6の燃焼や送風機8を制御する制御部で、操作部から入力される運転条件信号に基づいてポンプ4や送風機8などを予め決められたシーケンスで制御するようになっている。
【0016】次に上記燃焼装置6の構成を図1を用いて説明すると、11は略リング状のバーナ受け座、12はこのバーナ受け座11にその中心方向に向かって一体形成した気化器で、前記ポンプ4からの燃料が供給されるようになっており、この燃料を気化して燃料ガスとするようになっている。13は上記気化器12内に設けた気化素子で、燃料の気化効率を上げるためのものである。14は気化器12を所定温度に保つヒータで、気化器12の温度を検出するサーミスタ等の温度検出手段12aからの入力に基づく制御部10からの出力によって制御されるようになっている。15は前記気化器12の端部に一体に取り付けたノズルで、気化器12からの燃料ガスを噴出するものである。
【0017】16は上記ノズル15の上方に位置する如くバーナ受け座11に載置した無底筒状の混合管で、上部が若干大径になる上向きテーパー状に形成してある。この混合管16は入口部16Aがスロート形状に形成されていて、前記ノズル15と対向しており、ノズル15から噴出された燃料ガスとその燃料ガスの噴出によるエジェクター効果で吸引する一次空気とを混合させるようになっている。
【0018】17は前記混合管16を覆う如く上開口部16B側からバーナ受け座11に重ねて覆着した有天筒状のバーナ筒で、少なくともその上部周壁を前記混合管16の周壁に沿うような型に形成して混合管部18となすと共に、下部周壁は多数の縦長の炎孔19を形成して燃焼部20となしてある。そして、このバーナ筒17はその混合管部18の内周壁と前記混合管16の外周壁及び上開口部16B端との間の断面積は混合管16の上開口部16Bの断面積と略同一とした構成としてある。すなわち、上記バーナ筒17は、上記混合管16の上開口部16Bの断面積Aと、混合管上開口部16Bの縁とバーナ筒17の上部内面との間の断面積Bと、混合管上開口部16Bの縁外周とバーナ筒17内周壁との間の断面積Cと、そして混合管16の上開口部16Bからバーナ筒17の炎孔19のほぼ上端までの外周壁とバーナ筒17の内周壁との間の断面積Dをほぼ同一としてある。
【0019】また上記バーナ筒17の燃焼部20は炎孔19を数多く形成してその総面積が大きくできるようにするとともに混合ガスの拡散混合及び均圧化促進のために円筒状に膨らました構成としてある。
【0020】さらに、上記バーナ筒17はその混合管部18の外周をキャップ状の略円錐形状筒部21で覆ってある。すなわち、混合管部18の上部から燃焼部20まで円錐状に徐々に大きくなる円錐状筒部21が覆着してあり、混合管筒部18Aとの二重壁としてある。
【0021】22は炎孔19の外周部を囲む如くバーナ受け座11に取り付けた上向きテーパー状のバーナリング、23はバーナ受け座11に形成した受熱部である。
【0022】上記構成において、カートリッジタンク3から一定油面を保つようにタンク2に供給されている液体燃料は、ポンプ4によってタンク2から吸い上げられ、送油パイプ5を介して燃焼装置6の気化器12に送られる。送られた燃料はヒータ14で所定温度以上に保たれた気化器12内で気化し高圧の燃料ガスとなってノズル15から噴出され、その際エジェクター効果により一次空気を吸引しながら気化器12の下流側に設けた混合管16内で混合されてバーナ筒17内に供給され、燃焼部20の炎孔19から噴出して燃焼される。そして生じた燃焼ガスは燃焼筒7の上方へ流れてゆき、ダクト9内で送風機8からの室内空気流と混合され、温風として排出されて暖房に利用される。そして、制御部10は操作部で設定された条件に基づいて、ヒータ14、ポンプ4、送風機8などを予め決められたシーケンスで制御して、運転の開始、停止、また燃焼量の可変等の運転制御をする。
【0023】ここで、上記バーナ筒17での燃焼についてもう少し説明すると、ノズル15より噴出された燃料ガスは、エジェクター効果により一次空気を吸引しながら気化器12の下流側に設けた混合管16内に流れ込んでここで混合され、混合管16の上開口部16Bからバーナ筒17内に放出されて混合管16外周を折り返し流れて、バーナ筒17の下方の燃焼部20に設けた多数の炎孔19から噴出し、燃焼する。
【0024】このとき上記燃焼部20は混合管部18より大径となっているため混合ガスはこの部分で拡散混合及び圧力の均一化が促進されて炎孔19から均一に噴出し、均一な火炎を形成する。そしてこの火炎はその外周に位置するように設けたバーナリング22によって上方向きになるようその火炎形成方向を制御され、リフトのない安定した燃焼を行うようになる。また、受熱部23はバーナ筒17の燃焼部20に形成される火炎で加熱され、この火炎からの熱回収作用によって、気化器12の温度を一定温度以上に保つようになり、ヒータ14への通電の一部或いは全部を軽減することが可能となる。
【0025】ところで、この燃焼装置はすでに記載した通り燃料ガスの噴出時にそのエジェクター効果で一次空気を吸引するのであるが、バーナ筒17がコンパクトであっても十分な一次空気を吸引することができるようになっている。以下その理由を詳述する。
【0026】まず、ノズル15から気化された燃料ガスが噴出するとこれが駆動流となって、その周囲の空気が、該駆動流の噴出によって周囲に生じる負圧と駆動流の粘性とによって引きずられて混合管16のスロート入口部16A(入り口の曲線部)より入り、駆動流とこの一次空気とが混合し、混合管16の筒部16C(ディフューザ部分)で圧力を高められて、上開口部16Bよりバーナ筒17内に放出される。
【0027】このスロート入口部16Aの大きさは、炎孔面積の比率によって決定され、かつ混合管16内壁の荒さなどで左右され、これが滑らかな場合は30〜45%、荒い場合は45〜60%のとき1次空気の吸引性がよく、実用上、炎孔面積の30〜70%で高率の吸引量が得られるようになっている。そして、ディフューザ部16Cは、ここを流れる1次空気と燃料ガスとの混合ガスが渦流を起こすことなく適当な膨張を許すよう、その断面積を急変させずに拡大することが原則で、このため、ディフューザ部16Cの長さはスロート入口部16Aの直径の6〜10倍の長さとし、混合ガスの流れに沿って直径を角度4〜10゜で拡大していくのが適当な寸法となっている。
【0028】ところが、機器の倒れ易さや、メンテ性等の本体構成上の制約でバーナ筒17の高さを低くすると、混合管16の長さが足りなくなってしまい、ノズル15から噴出された気化ガスのエジェクター効果が弱くなってしまう。
【0029】しかしながらこの燃焼装置の構成によれば、混合管16の上開口部16Bから燃焼部20までの混合ガス流路断面積が上記混合管16の上開口部16Bの断面積Aとほぼ同一、好ましくはテーパー状に若干大きめとなるようにしてあるため、混合管16の長さがあたかも長くなったようになり、混合管16で生じるエジェクター効果は混合管自体の長さは短くても大幅に増加する。これは燃焼量によって異なるが、実験によれば、10〜50%UPした。したがって、混合管16を長くすることなく、すなわちバーナ筒17を大きくすることなく十分な一次空気が吸引できるようになり、良好な燃焼が可能となる。
【0030】また、この実施例で記載した燃焼装置6はバーナ筒17の上部、すなわち燃焼部20の炎孔19に形成される火炎によって加熱される上部は、混合管部18の外周に円錐状筒部21が覆着してあって、この部分は二重壁としてあるから、円錐状筒部21による遮熱作用が期待できる。これによってこの燃焼装置6では、燃焼部20に形成される火炎によってバーナ筒17の混合管部18が熱せられすぎる心配がなくなり、バーナ筒17内で混合ガス温度が高くなりすぎて、混合ガスの流れに澱みを生じたときに発生しやすくなる逆火現象のような異常燃焼も低減できる。
【0031】さらに、上記円錐状筒部21は遮音作用も期待できるから、ノズル15より噴出された燃料ガスの噴出音や、混合管16内に流入する音ならびにその混合管16内で燃料ガスと一次空気が混合する音を遮音することができ、騒音低減も可能となる。
【0032】なお、上記実施例では液体燃料をガス化させる方式の燃焼装置で説明したが、これはガスを直接燃焼させる燃焼装置であってもよく、またバーナ筒17は混合管部18と燃焼部20とを一体形成して円錐状筒部21を別体構成としたもので説明したが、これは円錐状筒部21を燃焼部20と一体形成して混合管部18を別体構成としてもよく、その他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の燃焼装置は、二重構造の混合管部による遮熱及び遮音効果によって、混合ガスの温度が高くなりすぎることによって生じやすい逆火現象のような異常燃焼を低減できるとともに、遮音効果によってノズルから噴出された燃料ガスの混合管内への流入音や混合管内での混合音などを遮音することができ、燃焼性能のさらなる向上と騒音低減が可能となる。
【0034】また混合管部からの混合ガスは大径の燃焼部で混合ガスの混合及び均圧化が促進されとともに炎孔面積も大きく確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成6年7月28日(1994.7.28)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−257813(P2000−257813A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願2000−58464(P2000−58464)