| 【発明の名称】 |
石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 敏男
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| 【要約】 |
【課題】石炭種に応じて再熱器ガスダンパ基準開度指令の先行指令をリセットするタイミングを調節することができ、再熱蒸気温度の制御性向上を図り得る石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法を提供する。
【解決手段】水分量・粉砕性推定器37において石炭の水分量35と粉砕性36を推定すると共に、ミルモデル出炭量推定器39において出炭量38を推定し、出炭遅れ時定数推定器41において、ミルモデル出炭量推定器39で推定された出炭量38に基づき出炭遅れ時定数40を求め、該出炭遅れ時定数40に基づいて再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対する先行指令74のリセットタイミング80を補正する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 出力指令に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令に対し、負荷変化中には先行指令を加え、負荷整定後には先行指令をリセットし、更に、予め設定された再熱蒸気温度設定値と再熱蒸気温度との再熱蒸気温度偏差をなくすための補正開度指令を前記再熱器ガスダンパ基準開度指令に加えて再熱器ガスダンパの開度指令を求め、該開度指令により再熱器ガスダンパの開度を調節するようにした石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法において、ミルへの給炭量と、一次空気流量と、ミル入口一次空気温度と、ミル出口一次空気温度と、分級ベーン開度或いは分級回転数と、ミル差圧との全て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量と粉砕性を推定すると共に出炭量を推定し、該出炭量に基づいて出炭遅れ時定数を求め、該出炭遅れ時定数に基づいて再熱器ガスダンパ基準開度指令に対する先行指令のリセットタイミングを補正することを特徴とする石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図7は従来の石炭焚火力発電プラントの一例を表わすものであって、図7中、1は石炭焚のボイラ本体、2はボイラ本体1の火炉、3はボイラ本体1内に微粉炭を噴射して燃焼させるためのバーナ、4は石炭を粉砕して微粉炭とするためのミル、5は石炭を貯留するコールバンカ、6はコールバンカ5に貯留された石炭をミル4へ供給するための給炭機、7は給炭機6の駆動装置、8は一次空気をミル4ヘ供給するための一次空気供給管、9はミル4で粉砕された微粉炭をバーナ3へ導くための微粉炭管であり、コールバンカ5に貯留された石炭を、駆動装置7によって駆動される給炭機6により、石炭粉砕用のミル4へ投入し、該ミル4において前記石炭を粉砕すると共に、一次空気供給管8から一次空気をミル4内へ導入し、該一次空気により粉砕された微粉炭を微粉炭管9を介してバーナ3へ空気搬送し、ボイラ本体1の火炉2内において燃焼させるようになっている。 【0003】前記ミル4内には、粗粉分離器10が設けられているが、該粗粉分離器10としては、一般に、図7に示すように、分級ベーン11を開度調整自在となるよう円周方向へ複数配設し、該分級ベーン11の開度を増減させることにより分級率を変化させるようにしたものや、或いは、円周方向へ所要ピッチでスリットが形成された筒状のロータを回転自在に配設し、該ロータの回転速度を増減させることにより分級率を変化させるようにしたもの(図示せず)がある。尚、図7中、13はミル4内下部に回転自在に配設されたテーブル、14はテーブル13上に押し付けられるように配設された石炭粉砕用のローラ、15は一次空気ポートである。 【0004】又、前記ボイラ本体1の後部伝熱部42には、再熱器43と過熱器44とが仕切壁45を隔てて配設されており、前記ボイラ本体1の火炉2内における燃料の燃焼によって生じた燃焼ガスにより、再熱器43と過熱器44とが加熱され、再熱蒸気と過熱蒸気とが生成されるが、再熱蒸気の温度の制御については、再熱器ガスダンパ46と過熱器ガスダンパ47の開度を調節することによって行うようになっており、このため、再熱器43の出口部における再熱蒸気温度48を検出する再熱蒸気温度検出器49と、該再熱蒸気温度検出器49で検出された再熱蒸気温度48に基づいて再熱器ガスダンパ46と過熱器ガスダンパ47へ開度指令50,51を出力する制御器20とが設けられている。 【0005】前記制御器20は、図8に示すように予め設定された再熱蒸気温度設定値52と再熱蒸気温度検出器49で検出された再熱蒸気温度48との差を求め、再熱蒸気温度偏差53を出力する減算器54と、該減算器54から出力される再熱蒸気温度偏差53を比例積分処理して該再熱蒸気温度偏差53をなくすための再熱器ガスダンパ46の補正開度指令55を出力する比例積分調節器56と、出力指令57に基づき再熱器ガスダンパ基準開度指令58を求めて出力する第一関数発生器59と、負荷変化中に負荷変化信号60が「1」のときa側に切り換えられ、「1」の入力信号61が出力信号63として出力される一方、負荷が整定して負荷変化信号60が「0」になったときb側に切り換えられ、「0」の入力信号62が出力信号63として出力される切換器64と、該切換器64から出力される出力信号63が入力され、該出力信号63が変化した場合に、その変化率を設定値以下の範囲内に制限する処理を行って出力信号65を出力する変化率制限器66と、出力指令57に基づき補正ゲイン67を求めて出力する第二関数発生器68と、前記変化率制限器66から出力される出力信号65に対し前記第二関数発生器68から出力される補正ゲイン67を掛け、出力信号69を出力する乗算器70と、負荷変化率71に基づき補正ゲイン72を求めて出力する第三関数発生器73と、前記乗算器70から出力される出力信号69に対し前記第三関数発生器73から出力される補正ゲイン72を掛け、前記再熱器ガスダンパ基準開度指令58のための先行指令74を出力する乗算器75と、前記第一関数発生器59から出力される再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対し前記乗算器75から出力される先行指令74を加え、再熱器ガスダンパ基準開度指令76を出力する加算器77と、該加算器77から出力される再熱器ガスダンパ基準開度指令76に対し前記比例積分調節器56 から出力される補正開度指令55を加え、再熱器ガスダンパ46へ開度指令50を出力する加算器78と、該加算器78から出力される再熱器ガスダンパ46の開度指令50に基づき過熱器ガスダンパ47の開度指令51を求めて出力する第四関数発生器79とを備えてなる構成を有している。 【0006】前記再熱器ガスダンパ46の基準となる開度は、出力指令57が増加するほど絞って行く必要があるため、前記第一関数発生器59には、図9に示される如く、出力指令57の増加に伴って再熱器ガスダンパ基準開度指令58を減少させるような関数が入力されている。 【0007】前記補正ゲイン67は、マイナスの値として設定し、出力指令57が増加するほど0に近づけて行けばよいため、前記第二関数発生器68には、図10に示されるような関数が入力されている。 【0008】前記補正ゲイン72は、負荷変化率71が増加するほど大きくして行けばよいため、前記第三関数発生器73には、図11に示される如く、負荷変化率71の増加に伴って補正ゲイン72を増加させるような関数が入力されている。 【0009】前記再熱器ガスダンパ46と過熱器ガスダンパ47の開度は、両方のトータルが100%の開度となるように制御すればよいため、前記第四関数発生器79には、図12に示される如く、再熱器ガスダンパ46の開度指令50の増加に対し略反比例させる形で過熱器ガスダンパ47の開度指令51を減少させるような関数が入力されている。 【0010】前述の如き石炭焚火力発電プラントにおけるボイラ本体1並びにミル4の運転時には、再熱蒸気温度検出器49によって再熱蒸気温度48が検出されて制御器20の減算器54へ出力され、該減算器54において、予め設定された再熱蒸気温度設定値52と前記再熱蒸気温度検出器49で検出された再熱蒸気温度48との差が求められ、再熱蒸気温度偏差53が比例積分調節器56へ出力され、該比例積分調節器56において、前記減算器54から出力される再熱蒸気温度偏差53が比例積分処理されて該再熱蒸気温度偏差53をなくすための再熱器ガスダンパ46の補正開度指令55が加算器78へ出力されると共に、第一関数発生器59において、出力指令57に基づき再熱器ガスダンパ基準開度指令58が求められて加算器77へ出力される。 【0011】ここで、負荷を変化させるために出力指令57が図13に示されるように変化すると、負荷変化信号60が「0」から「1」になり、これにより、切換器64がb側からa側に切り換えられ、「1」の入力信号61が出力信号63として変化率制限器66へ出力され、該変化率制限器66において、前記切換器64から出力される出力信号63の変化率を設定値以下の範囲内に制限する処理が行われて出力信号65が乗算器70へ出力され、該乗算器70において、出力指令57に基づき第二関数発生器68から出力される補正ゲイン67が、前記変化率制限器66から出力される出力信号65に対して掛けられ、出力信号69が乗算器75へ出力され、該乗算器75において、負荷変化率71に基づき第三関数発生器73から出力される補正ゲイン72が、前記乗算器70から出力される出力信号69に対して掛けられ、前記再熱器ガスダンパ基準開度指令58のための先行指令74が前記加算器77へ出力される。 【0012】該加算器77においては、前記第一関数発生器59から出力される再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対し前記乗算器75から出力される先行指令74が加えられ、再熱器ガスダンパ基準開度指令76が前記加算器78へ出力され、該加算器78において、前記加算器77から出力される再熱器ガスダンパ基準開度指令76に対し前記比例積分調節器56から出力される補正開度指令55が加えられ、再熱器ガスダンパ46へ開度指令50が出力される共に、第四関数発生器79において、前記加算器78から出力される再熱器ガスダンパ46の開度指令50に基づき過熱器ガスダンパ47の開度指令51が求められて出力され、これにより、再熱器ガスダンパ46の開度と過熱器ガスダンパ47の開度が調節され、再熱蒸気温度48が再熱蒸気温度設定値52に保持されるようになっている。 【0013】尚、出力指令57の変化に対する、切換器64の出力信号63と、変化率制限器66の出力信号65と、乗算器70の出力信号69と、乗算器75から出力される先行指令74と、再熱器ガスダンパ基準開度指令58と、先行指令74が加算された再熱器ガスダンパ基準開度指令76の変化は、例えば、図13に示されるようになる。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】ところで、石炭焚火力発電プラントの場合、燃料として用いられる石炭種によって石炭の粉砕性が変化するため、粉砕性の悪い石炭の場合には、出力指令57に対する燃料としての石炭の追従性が低下する。 【0015】しかしながら、前述の如き従来の石炭焚火力発電プラントにおいては、図8に示されるように、出力指令57に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対し負荷変化中に加えられる先行指令74を負荷整定後にリセットするタイミングは、負荷変化信号60の変化を基準として設定されているだけであって、石炭種によるミル4の出炭遅れ等については全く考慮されていないため、大幅な負荷変化の終了後に燃料が過剰或いは不足になる状況に再熱器ガスダンパ46の開度調節が対応できず、場合によっては再熱蒸気温度48が再熱蒸気温度設定値52を大きく越えてしまうようなこともあり、再熱蒸気温度48の制御性が低下するという欠点を有していた。 【0016】本発明は、斯かる実情に鑑み、石炭種に応じて再熱器ガスダンパ基準開度指令の先行指令をリセットするタイミングを調節することができ、再熱蒸気温度の制御性向上を図り得る石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法を提供しようとするものである。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明は、出力指令に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令に対し、負荷変化中には先行指令を加え、負荷整定後には先行指令をリセットし、更に、予め設定された再熱蒸気温度設定値52と再熱蒸気温度48との再熱蒸気温度偏差53をなくすための補正開度指令55を前記再熱器ガスダンパ基準開度指令に加えて再熱器ガスダンパの開度指令を求め、該開度指令により再熱器ガスダンパの開度を調節するようにした石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法において、ミルへの給炭量と、一次空気流量と、ミル入口一次空気温度と、ミル出口一次空気温度と、分級ベーン開度或いは分級回転数と、ミル差圧との全て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量と粉砕性を推定すると共に出炭量を推定し、該出炭量に基づいて出炭遅れ時定数を求め、該出炭遅れ時定数に基づいて再熱器ガスダンパ基準開度指令に対する先行指令のリセットタイミングを補正することを特徴とする石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法にかかるものである。 【0018】上記手段によれば、以下のような作用が得られる。 【0019】本発明の石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法においては、出力指令に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令に対し、負荷変化中には先行指令が加えられ、負荷整定後には先行指令がリセットされ、更に、予め設定された再熱蒸気温度設定値と再熱蒸気温度との再熱蒸気温度偏差をなくすための補正開度指令が前記再熱器ガスダンパ基準開度指令に加えられて再熱器ガスダンパの開度指令が求められ、該開度指令により再熱器ガスダンパの開度が調節されるが、このとき、ミルへの給炭量と、一次空気流量と、ミル入口一次空気温度と、ミル出口一次空気温度と、分級ベーン開度或いは分級回転数と、ミル差圧との全て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量と粉砕性が推定されると共に出炭量が推定され、該出炭量に基づいて出炭遅れ時定数が求められ、該出炭遅れ時定数に基づいて再熱器ガスダンパ基準開度指令に対する先行指令のリセットタイミングが補正される。 【0020】この結果、出力指令に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令に対し負荷変化中に加えられる先行指令を負荷整定後にリセットするタイミングが、石炭種によるミルの出炭遅れに応じて所要時間だけ遅らされる形となるため、粉砕性の悪い石炭の場合に、出力指令に対する燃料としての石炭の追従性が低下し、大幅な負荷変化の終了後に燃料が過剰になる状況が生じたとしても、このような状況に対して再熱器ガスダンパの開度調節が対応可能となり、再熱蒸気温度が再熱蒸気温度設定値を大きく越えてしまうようなことが回避され、再熱蒸気温度の制御性が向上することとなる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。 【0022】図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図7及び図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図7及び図8に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示す如く、給炭機6の駆動装置7に、その回転数に基づいてミル4への給炭量16を検出する給炭量検出器17を設け、一次空気供給管8に、ミル4へ導入される一次空気流量26を検出する一次空気流量検出器27と、ミル入口一次空気温度28を検出するミル入口一次空気温度検出器29とを設け、微粉炭管9に、ミル出口一次空気温度30を検出するミル出口一次空気温度検出器31を設け、ミル4に、ミル差圧32を検出するミル差圧検出器33を設け、更に、制御器20内に、ミル4への給炭量16と、一次空気流量26と、ミル入口一次空気温度28と、ミル出口一次空気温度30と、分級ベーン11の開度34と、ミル差圧32との全て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量35と粉砕性36を推定する水分量・粉砕性推定器37と、ミル4への給炭量16と、一次空気流量26と、ミル入口一次空気温度28と、ミル出口一次空気温度30と、分級ベーン11の開度34と、ミル差圧32と、石炭の水分量35と粉砕性36との全て、もしくはそのいずれかに基づいて出炭量38を推定するミルモデル出炭量推定器39と、該ミルモデル出炭量推定器39で推定された出炭量38に基づき出炭遅れ時定数40を求めて出力する出炭遅れ時定数推定器41と、該出炭遅れ時定数推定器41で求められた出炭遅れ時定数40に基づき再熱器ガスダンパ基準開度指令58の先行指令74のリセットタイミング80を求めて出力する第五関数発生器81と、負荷変化中の状態から負荷が整定し、負荷変化信号60が「1」から「0」に変化したときに、前記第五関数発生器81から出力されるリセットタイミング80に相当する時間遅れD(図6参照)を生じさせて「1」から「0」に変化する遅延信号60’を切換器64へ出力するオフディレイタイマ82とを追加装備した点にある。 【0023】前記ミルモデル出炭量推定器39においては、図3に示す如く、ミル4内部を■石炭が供給され、テーブル13に落下する領域■石炭がテーブル13の回転による遠心力によって移動する領域■石炭がテーブル13の回転による遠心力によって移動する領域(搬送領域■における粗粉炭の一部が加わる) ■粉砕領域■への石炭供給領域(粉砕領域■の石炭の一部が加わる) ■粉砕領域(石炭の一部が石炭供給領域■へ戻る) ■粉砕された微粉炭が一次空気によって搬送される領域(粗粉炭の一部が落下し、領域■へ戻る) ■粗粉分離領域(粗粉炭の一部が分離され、領域■へ戻る) という七つの領域に仮想的に分割してあり、石炭の移動経路を、図4に示すように捉え、前記石炭の水分量35と粉砕性36を考慮した上で、出炭量38を算出するようにしている。 【0024】前記出炭遅れ時定数推定器41においては、前記ミルモデル出炭量推定器39で推定された出炭量38と、通常の一次遅れ、即ち、K/(1+TS)(但し、TSはラプラス変換の演算子)という式によって求められる出炭量とを各時刻毎に比較し、その偏差が最も小さくなるようなtを最小二乗法によって求め、このtを出炭遅れ時定数40として出力するようにしている。ここで、前記出炭量38を表わす関数をy(t)、前記一次遅れによって求められる出炭量を表わす関数をy’(t)とすると、∫(y(t)−y’(t))2dtを最小にするtを求める形となっている。 【0025】前記再熱器ガスダンパ基準開度指令58の先行指令74のリセットタイミング80、即ち負荷変化中の状態から負荷が整定し、負荷変化信号60が「1」から「0」に変化したときに、切換器64をa側からb側へ切り換えてリセットするタイミングは、出炭遅れ時定数40が大きいほど遅らせる必要があるため、前記第五関数発生器81には、図5に示す如く、出炭遅れ時定数40の増加に伴ってリセットタイミング80を増加させるような関数が入力されている。 【0026】次に、上記図示例の作動を説明する。 【0027】石炭焚火力発電プラントにおけるボイラ本体1並びにミル4の運転時において、負荷変化中には、基本的には従来の場合と同様、出力指令57に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対し、先行指令74が加えられると共に、予め設定された再熱蒸気温度設定値52と再熱蒸気温度48との再熱蒸気温度偏差53をなくすための補正開度指令55が加えられて再熱器ガスダンパ46の開度指令50が求められ、該開度指令50により再熱器ガスダンパ46の開度調節が行われるが、これと同時に、給炭量検出器17によってミル4へ投入される給炭量16が検出され、一次空気流量検出器27によってミル4へ導入される一次空気流量26が検出され、ミル入口一次空気温度検出器29によってミル入口一次空気温度28が検出され、ミル出口一次空気温度検出器31によってミル出口一次空気温度30が検出され、ミル差圧検出器33によってミル差圧32が検出され、更に分級ベーン11の開度34が検出され、前記給炭量16と一次空気流量26とミル入口一次空気温度28とミル出口一次空気温度30と分級ベーン11の開度34とミル差圧32とが制御器20の水分量・粉砕性推定器37とミルモデル出炭量推定器39へ入力される。 【0028】前記水分量・粉砕性推定器37においては、ミル4への給炭量16と、一次空気流量26と、ミル入口一次空気温度28と、ミル出口一次空気温度30と、分級ベーン11の開度34と、ミル差圧32との全て、もしくはそのいずれかに基づいて石炭の水分量35と粉砕性36が推定され、前記ミルモデル出炭量推定器39においては、ミル4への給炭量16と、一次空気流量26と、ミル入口一次空気温度28と、ミル出口一次空気温度30と、分級ベーン11の開度34と、ミル差圧32と、石炭の水分量35と粉砕性36との全て、もしくはそのいずれかに基づいて出炭量38が推定され、出炭遅れ時定数推定器41へ出力され、該出炭遅れ時定数推定器41において前記ミルモデル出炭量推定器39で推定された出炭量38に基づき出炭遅れ時定数40が求められ、該出炭遅れ時定数40が第五関数発生器81へ出力され、該第五関数発生器81において、前記出炭遅れ時定数推定器41で求められた出炭遅れ時定数40に基づき再熱器ガスダンパ基準開度指令58の先行指令74のリセットタイミング80が求められてオフディレイタイマ82へ出力される。 【0029】この後、負荷変化中の状態から負荷が整定し、負荷変化信号60が「1」から「0」に変化すると、前記第五関数発生器81から出力されるリセットタイミング80に相当する時間遅れD(図6参照)を生じさせて「1」から「0」に変化する遅延信号60’がオフディレイタイマ82から切換器64へ出力され、前記オフディレイタイマ82から切換器64へ出力される遅延信号60’が「0」になると、切換器64がa側からb側に切り換えられ、「0」の入力信号62が出力信号63として変化率制限器66へ出力され、これにより、再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対する先行指令74の出力がリセットされる。 【0030】尚、出力指令57の変化に対する、切換器64の出力信号63と、変化率制限器66の出力信号65と、乗算器70の出力信号69と、乗算器75から出力される先行指令74と、再熱器ガスダンパ基準開度指令58と、先行指令74が加算された再熱器ガスダンパ基準開度指令76の変化は、例えば、図6に示されるようになる。 【0031】この結果、出力指令57に基づく再熱器ガスダンパ基準開度指令58に対し負荷変化中に加えられる先行指令74を負荷整定後にリセットするタイミングが、石炭種によるミル4の出炭遅れに応じて所要時間だけ遅らされる形となるため、粉砕性の悪い石炭の場合に、出力指令57に対する燃料としての石炭の追従性が低下し、大幅な負荷変化の終了後に燃料が過剰になる状況が生じたとしても、このような状況に対して再熱器ガスダンパ46の開度調節が対応可能となり、再熱蒸気温度48が再熱蒸気温度設定値52を大きく越えてしまうようなことが回避され、再熱蒸気温度48の制御性が向上することとなる。 【0032】尚、粗粉分離器10として、分級ベーン11の開度34を増減させることにより分級率を変化させるようにしたものに代えて、円周方向へ所要ピッチでスリットが形成された筒状のロータを回転自在に配設し、該ロータの回転速度を増減させることにより分級率を変化させるようにしたものを採用した場合には、前記分級ベーン11の開度34の代わりに前記ロータの分級回転数を検出して前記水分量・粉砕性推定器37並びにミルモデル出炭量推定器39へ入力するようにすればよい。 【0033】こうして、石炭種に応じて再熱器ガスダンパ基準開度指令58の先行指令74をリセットするタイミングを調節することができ、再熱蒸気温度48の制御性向上を図り得る。 【0034】尚、本発明の石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0035】 【発明の効果】以上、説明したように本発明の石炭焚火力発電プラントの再熱蒸気温度制御方法によれば、石炭種に応じて再熱器ガスダンパ基準開度指令の先行指令をリセットするタイミングを調節することができ、再熱蒸気温度の制御性向上を図り得るという優れた効果を奏し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月1日(1998.12.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062236 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−171003(P2000−171003A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−341770 |
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